1979年5月に起きた「長岡京ワラビ採り殺人事件」では主婦2人が凄惨な方法で殺害されましたが、奇妙なメモがさらに謎を深めていると話題です。
今回は事件概要や遺体の状況、謎のメモ写真、現場の場所、犯人と真相を紹介します。
この記事の目次
長岡京ワラビ採り殺人事件の概要
長岡京ワラビ採り殺人事件は、1979年5月23日に京都府長岡京市内の山中で発生した殺人事件です。
この事件では、主婦2人が犠牲になりました。
・明石英子さん(当時32歳)
この事件は2人の主婦は凄惨な遺体となって発見されましたが、犯人は捕まっておらず、迷宮入りしています。
主婦2人がパート終わりにワラビ採りに
長岡京ワラビ採り殺人事件は、1979年5月23日に発生しました。
被害者の水野さんと明石さんは、長岡市内にあるスーパーマーケット「いずみや」で午前6時から午前10時までパートをしていたパート仲間でした。
水野さんは以前からワラビ採りをしていて、5月23日は明石さんを誘って、パート後に2人で長岡京市内の里山にワラビを採りに行く予定でした。
午前10時にパートを終えた2人は、自転車に乗って里山のふもとにある寂照院まで行き、そこに自転車を置いて、2人は里山に入っていきました。
午前11時ごろ、里山付近にいたガードマンや夫婦が、主婦2人が里山に入っていく姿を目撃しています。
行方不明になり捜索
明石さんは午後3時半ごろに子供を保育所に迎えに行く予定でしたので、それまでには帰宅するつもりだったはずです。
しかし、水野さんも明石さんも夜になっても帰宅しませんでした。心配した明石さんの夫が5月23日の夜に付近を捜しましたが、見つかりませんでした。
翌朝には夜勤明けの水野さんの夫も一緒に探しましたが、それでも見つからず、5月24日14時50分に管轄の向日町署に捜索願を出しています。
警察はすぐに2人の捜索を始めましたが、その日は自転車しか発見できず、翌日の5月25日になって、警察犬や消防団なども捜索に加わり、午前10時30分ごろに2人の遺体を発見しました。
遺体が発見されるも時効に
遺体には犯人のものと思われる毛髪や精液が残っていましたので、犯人の血液型はO型であることが判明しましたが、犯人特定には至りませんでした。
水野さんの胸に刺さっていた包丁は岐阜県関市で製造されたものだとわかりましたが、すでに製造中止から数年経過していて、販売ルートから犯人を割り出すこともできませんでした。
目撃情報なども警察には寄せられたものの、犯人を捕まえることができないまま、事件から15年経った1994年5月24日に公訴時効が成立し、事件は未解決のまま迷宮入りとなっています。
長岡京ワラビ採り殺人事件の被害者2人の遺体の状況
長岡京ワラビ採り殺人事件の被害者は、次の2人の主婦です。
・明石英子さん
「いずみや」でのパート終了後に、お弁当を持ってワラビ採りに出かけ、午前11時ごろには里山に入っていく姿が目撃されています。
遺体発見当時の2人の所持品は、空のお弁当箱と直径10cmくらいのワラビの束、財布でした。財布は持ち去られていませんでしたので、物盗りの犯行とは考えにくいでしょう。
また、2人のナップザックにワラビの束が入っていたこと、お弁当箱は空だったことから、2人はある程度ワラビが採れたところでお弁当を食べ、その後に殺害されたと推測できます。
実際に、2人の司法解剖の結果、胃の内容物の消化状態から、食後1時間以内に殺害されたことが判明していて、死亡推定時刻は午後1時半~午後2時の間とみられています。
2人は逃げられないようにアキレス腱を切断されていたという情報もありますが、真偽のほどはわかっていません。
明石さんの状況
明石英子さん(当時32歳)は、雑木林の中の45度に近い斜面で、頭が斜面の下になった状態であおむけで倒れているところを発見されました。
明石さんはシャツのボタンは引きちぎられていて、靴は脱げていたものの、ジーパンはきちんと履いていました。
しかし、明石さんの体内からは犯人の精液が検出されていて、レイプされたことは間違いありません。
そして、全身30ヶ所以上も殴打された痕があり、9本もろっ骨の骨折が見られ、肝臓は破裂していました。
また、首には両手で絞められた痕があり、死因は首を絞められたことによる窒息死でした。
これらのことから、明石さんはレイプされた後に必死で身なりを整えたけれど、殴打され、絞殺された可能性が高いです。
水野さんの状況
もう1人の被害者である水野恵子さんは、明石さんの遺体から約10m離れた斜面の上の開けた場所で、うつぶせの状態で発見されました。
ナップザックを背負った状態でしたが、下半身は何も着用しておらず、下着とパンストが脚に絡まった状態で、胸には包丁が刺さったままでした。
胸の包丁は服の上からではなく、服をまくり上げられた状態で、素肌に直接刺さっていて、心臓まで達していました。
また、水野さんは全身50ヶ所も殴打されていて、首を絞められた痕もありました。直接の死因は胸を刺されたことによる失血死です。
水野さんの体内からは犯人のものと思われる精液・体液は検出されていませんが、遺体の状況からレイプされそうになっていたことは間違いありません。
一部週刊誌では「膣壁剥離があった」と報じられ、木の棒を入れられていたという報道・証言もあります。
ただ、冒頭で元消防士の男性が証言したように、木の棒が陰部に入れられるなど、猟奇的な暴行を受けていた。
引用:京都・長岡京「ワラビ採り主婦2人強姦殺人事件」と“もう1つ”の未解決事件 (2021年5月5日) – エキサイトニュース(2/4)
この報道が本当だとしたら、2人の主婦の遺体は見るも無残な状態で発見されたことになります。
長岡京ワラビ採り殺人事件では謎のメモが発見されている 【写真あり】
出典:ameblo.jp
長岡京ワラビ採り殺人事件では、実はメモが発見されています。
このメモはあまりにも謎が多く、インターネット上では「ヤバイ!」と言われています。
このメモは、2人の被害者がパートをしていたいずみやのレシートの裏を使ったもので、次のように走り書きされていました。
オワレている たすけて下さい この男の人わるい人
このメモに使われたレシートは、事件発生の2日前、つまり5月21日に発行されたものでした。
そして、メモは小さく折りたたまれて、しわくちゃになった状態で、明石さんのジーパンのポケットの奥から発見されました。
このメモは筆跡関係の結果、明石さんが書いたものと特定されています。
「オワレている」と書いていることから、犯人に襲われた際、明石さんや水野さんは必死に逃げようとしたことがわかります。
犯人が目を離した一瞬のすきに機転を利かせ、必死にメモを書いて、誰かに助けを求めようとしたのでしょう。
このメモ自体がとても不気味に感じられますが、何よりも不気味なのは現場から鉛筆が見つかっていないことです。被害者2人は鉛筆を持っていませんでした。
現場周辺からも、1cm程度の鉛筆の芯は発見されましたが、鉛筆自体は発見されていません。
ということは、犯人が鉛筆を持ち去った可能性が高いでしょう。
犯人は明石さんがメモを書いているのを見つけて、鉛筆を持ち去ったのでしょうか?もしそうなら、普通に考えると、鉛筆と一緒にメモも持ち去りそうですが…。
・レシートの裏に書かれて、ジーパンのポケットにしわくちゃに押し込まれていた
・鉛筆は見つかっていない(芯だけは見つかった)
この謎だらけのメモが見つかったことで、この事件のヤバさが増している気がします。
長岡京ワラビ採り殺人事件の現場の場所とは
長岡京ワラビ採り殺人事件の場所は、長岡京市内の雑木林・里山の中です。
現場付近はワラビや山菜がよく採れるので、山菜シーズンには多くのの人が訪れる場所で、事件当日の5月23日も15~16人の人が山菜採りに来ていたそうです。
その一方で、治安が悪い場所でもありました。
雑木林の中は昼間でも薄暗いため、レイプ事件が発生したり、タケノコ泥棒の問題が頻発していたんです。
長岡京ワラビ採り殺人事件の犯人・真相① 包丁を持った男
出典:kinnmukukurikara.blogspot.com
長岡京ワラビ採り殺人事件の犯人や真相に迫っていきましょう。
犯人ではないか?と見られているのは、包丁を持った「ワラビ採れますか?」男です。
事件から約1年前に、事件発生現場から約300m離れた場所で、ワラビを採っていた主婦が包丁を持った男に突然「奥さん、ワラビ採れますか?」と声をかけられました。
驚いた主婦は離れた場所でワラビを採っていた夫と息子のところに走って逃げたため、事なきを得ています。
この男の特徴は、身長170cm、40~50歳くらいの男性だったとのことです。
事件の1週間前には、現場付近に入山してきた主婦に声をかけてきた中年男性がいたそうで、この男の似顔絵が作成されています。
この男の背格好は、1年前の「ワラビ採れますか?」男に似ていたとのことです。
男の身元は明らかになっておらず、犯人かどうかも分かっていませんが、状況から犯人の可能性は十分にあると言えるでしょう。
長岡京ワラビ採り殺人事件の犯人・真相② 不良2人組
出典:ameblo.jp
長岡京ワラビ採り殺人事件の犯人・真相の可能性2つ目は、不良2人組です。
この不良2人組は20代後半で、建設作業員でした。インターネット上の一部情報では、「少年」と表現されているようですが、当時の新聞報道では20代後半の2人組となっています。
この2人組は被害者の主婦2人が殺害されたと思われる時間の直後に、山から急ぎ足で降りてきたところを目撃されています。
また、自転車で里山付近を走っているところをたびたび目撃されていました。さらに、この2人は粗暴な行動で知られていて、1人は空手をやっていたことも分かっています。
被害者2人は合計で80ヶ所以上も殴打されています。普通の人間はどんなに憎しみがあっても、80ヶ所も殴打するのは難しいと言われています。
そのため、犯人は何らかの武道を習っていたのではないかと推察されており、不良2人組のうちの1人が空手をやっていたことは、犯人像と合致するのです。
また事件前日まで現場近くの神社付近で犬を連れてうろついたり、事件のあった翌日から急にブラブラするのをやめて仕事に精を出すなど、急にまじめさを装うなど不自然な点が目立っている。
二人のうち特にAは性格が粗暴で、これまでにも度々けんかを売るなど不良仲間でも”空手の強い暴れん坊”として通っている。
引用:ワラビ取り殺人事件 6
また、不良2人組と同一人物かは不明ですが、主婦が里山に入っていった10分後に25~30歳くらいの2人組の男性が里山に入っていったという目撃情報がありました。
ただ、この2人組が犯人という確証をつかむことができず、2人が働く建設会社の社長(職場の上司?)がアリバイを証言したという情報もあり、逮捕されることはありませんでした。
長岡京ワラビ採り殺人事件の犯人・真相③ ほかの殺人事件の犯人
長岡京ワラビ採り殺人事件の犯人・真相の3つ目は、ほかの殺人事件の犯人ではないか?という説です。
事件から10年経った1989年、兵庫県西宮市の仁川ピクニックセンターの山中で、小学校5年生の女の子が殺害された事件がありました。
この事件は、友達数人と遊びに来ていた被害者たちに男が声をかけ、一緒に遊んだ後、被害者の女の子をレイプしようとしたものの抵抗されたため、殺害したというものです。
犯人は逮捕後、この事件の2年前にも同じ仁川ピクニックセンター内でワラビ採りに来ていた主婦に声をかけ、レイプしようとして殺害したことも自供しています。
この「ワラビ採りに来ていた主婦に声をかけ、レイプしようとして殺害」という点が、長岡京ワラビ採り殺人事件に酷似していますよね。
5ちゃんねるには、次のような書き込みがありました。
西宮の仁川ピクニックセンターで暴行目的に小学生と主婦を殺した事件の橋本富美男が犯人ということは無いの?
こいつは当時豊中市の現業職の職員だよ。
事件当日、近くで豊中市の職員が作業してたんでしょ。
この犯人は、1979年の長岡京ワラビ採り殺人事件の当日、現場近くにいた可能性があるというのです。ますます怪しくなってきました。
また、この仁川ピクニックセンターでの2件の殺人事件の犯人は、長岡京ワラビ採り殺人事件の犯人ではないか?と言われていた空手をやっていた不良と同一人物という情報もあるんです。
引用:ワラビ取り殺人事件 6
この書き込みの情報によると、この犯人の父親は警察官で、さらに市職員の上司がかばった(アリバイを証言した)ため、逮捕には至らなかったとのこと。
かなり具体的な情報なので、信ぴょう性は高いかもしれません。
長岡京ワラビ採り殺人事件の犯人・真相④ 暴力団がらみ
長岡京ワラビ採り殺人事件の犯人・真相の4つ目は、暴力団が絡んでいるというものです。
被害者の主婦2人は主婦売春クラブに入会して売春をしていたものの、売春クラブと暴力団の間でトラブルが起こり、被害者の主婦2人は暴力団に殺されたのでは?という真相です。
こちらの犯人説はYouTubeの動画で語られていたようです。
youtubeに出てた主婦売春クラブと暴力団とのトラブルが本当の真相になるの?
引用:ワラビ取り殺人事件 6
ただ、この暴力団トラブルが犯人・真相というのは、可能性としてはかなり低いと思われます。
被害者2人だけで里山に入っていくところを目撃されていますし、「お弁当が空になっている=のんきにお弁当を食べていた」ことからも、暴力団に追われていたとは考えられません。
暴力団絡みなら、拉致後に殺害されることはあっても、里山まで尾行し、山菜をある程度採って昼食を食べ終わったのを見届けてからレイプし殺害、なんてめんどうなことはしないはずです。
また、被害者の主婦も売春していたとは考えられません。売春するような主婦が、午前6時から地元のスーパーでパートはしないですよね。
だから、この主婦売春クラブ&暴力団トラブルはデマの可能性が高いでしょう。
長岡京ワラビ採り殺人事件との関連が疑われる事件が話題に
出典:ameblo.jp
ただ、長岡京ワラビ採り殺人事件の犯人・真相の中で、主婦売春&暴力団トラブルの可能性は低いものの、可能性が否定できない理由が1つあります。
それは、関連が疑われる事件が5年後に発生したからです。
長岡京ワラビ採り殺人事件の5年後、長岡京市で主婦がメッタ刺しにされて、布団にまかれて放火されるという事件がありました。
この事件の犯人も捕まっていないのですが、犯人の血液型はO型であることが分かっています。
また、証拠はないものの、都市伝説のような噂として、この被害者の主婦は長岡京ワラビ採り殺人事件の関係者と言われています。
主婦Cはかつて最初の事件当日、主婦AやBとワラビ採りに出かけたが、先に一人で下山したので殺害から免れた。マスコミと警察は報道協定を結んで、主婦Cの安全のため彼女の存在を公表しなかった。
後日、主婦Cは何らかのトラブルでワラビ採り殺人の真犯人に殺された。
この事件の被害者も、長岡京ワラビ採り殺人事件の被害者2人と一緒にワラビ採りに出かけていて、1人だけ先に下山して無事だったけれど、5年後に殺害されたというものです。
このように5年以上も執拗に狙われ、結果的に殺害されるという執念深さは、暴力団によるものではないか?と噂されています。
同じ長岡京市内で主婦が残忍な形で殺害されたことで、このような噂が出てきたと思われますが、真偽のほどは明らかになっていません。
長岡京ワラビ採り殺人事件のまとめ
長岡京ワラビ採り殺人事件の概要や被害者の状況、やばいメモ写真、現場の場所の様子、犯人と真相などをまとめました。
時効になっている事件ですが、謎が多く、恐ろしい事件です。
2人の主婦を残忍な形で殺害した犯人が、今後も罪に問われることなく、のうのうと生きていると思うと、本当に身の毛がよだつ思いがします。