警察の闇を暴き続けたジャーナリストの黒木昭雄さんは2010年に自殺していますが、他殺説も囁かれています。
今回は黒木昭雄さんの経歴、死亡の経緯や死因、他殺説や直前まで関わっていた事件、遺書など死の真相をまとめました。
この記事の目次
黒木昭雄の経歴
出典:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/
2010年に自殺した黒木昭雄
ジャーナリストとして警察の裏金問題などを忖度なく暴き続けてきた黒木昭雄さんですが、2010年11月2日に突然この世を去りました。
千葉県市原市に駐車してあった車の中から遺体で発見され、検死の結果、自殺と断定されましたが、各所で他殺説が囁かれています。
黒木昭雄さんの死について考察する前に、まずは黒木昭雄さんの経歴を振り返ってみましょう。
黒木昭雄の経歴
出典:https://plaza.rakuten.co.jp/
黒木昭雄さんは、1957年12月19日に東京で誕生しました。
修徳高校を卒業後に警視庁に入庁し、20年以上に渡る警察官人生の中で、23回も警視総監賞を受賞しています。
捜査官としての腕はかなりのものでしたが、41歳で警察を辞めてジャーナリストに転向しています。
黒木昭雄が警察を辞めた理由
組織体形に対して疑念を抱いた
出典:https://hamamuratakuo.blog.fc2.com/
黒木昭雄さんが警察を辞した理由は、「警察組織の在り方に対して納得がいかない」というものでした。
その後、警察に関するジャーナリストとして、緻密な調査により、警察内部の不正やミスを次々に暴いていきました。
生前、黒木昭雄さんと懇意にしていた人に「俺は警察が好きだからこそ、警察が不正をするのが許せない」と、語っています。
正義感と警察への熱い気持ちを胸に、真実を追求し続けてきたのは間違いなさそうです。
黒木昭雄の死因
出典:http://www.marino.ne.jp/
黒木昭雄さんの遺体が発見されたのは、2010年11月2日。発見現場は千葉県市原市内にある、お寺の駐車場でした。
遺体発見に至るまでの経緯や死因について見ていきましょう。
事件発見までの流れ
出典:https://kyoto-map.com/
事件前日、黒木昭雄さんは家族に「打ち合わせに行く」と言って家を出ていますが、そのまま帰宅しませんでした。
そして翌日、「墓参りに行く」とだけメールが家族に届き、連絡が途切れたのです。
黒木昭雄さんの長男が仕事が休みだったこともあり、気になってメールに書かれた場所へ様子を見に行きました。
そして午前11時頃、寺の駐車場に停められていたワゴン車の座席でぐったりしている黒木昭雄さんを、長男が発見しました。
すぐに救急車が呼ばれたものの、救急隊員により死亡が確認されています。
死因は練炭による一酸化炭素中毒
出典:https://tohnen.co.jp/
車の後部座席には、燃えた練炭が置かれていました。
千葉県警は早い段階で死因を一酸化炭素中毒とし、黒木昭雄さんが自殺したと判断しています。
司法解剖は行われず、黒木昭雄さんの遺体はその日の内に家族に引き渡されました。
事件当日の足取り
出典:https://www.itmedia.co.jp/
足取りが途絶えた2010年11月1日夕刻、黒木昭雄さんがホームセンターで練炭と軍手、マッチを購入した記録があり、レシートも残されていました。
その後、千葉県市原市の寺に立ち寄り、黒木昭雄さんの父親の墓前でワンカップの日本酒を飲んでいたことも判明しています。
状況から、この世を去る前の準備を万全にしていた様子にも見て取れ、自殺の判断の決定打になったようです。
黒木昭雄の死の真相① 他殺説
普段から警察に命を狙われていることをほのめかしていた?
出典:https://www.excite.co.jp/
警察では自殺であると判断したものの、他殺であると考えている人も多いようです。
生前の黒木昭雄さんは「俺が死んだら警察に殺されたと思ってほしい」というのが口癖だったそうです。
それ以外にも、いくつか他殺ではないかと考えられる証拠がありました。
生前のブログでの不穏な報告
出典:https://kowasugiru.blog.jp/
実は、行方をくらました当日の深夜、黒木昭雄さんのブログが更新されました。
ブログは「皆さんへ。昨夜ブログの重要部分が根こそぎ削除されていることが判明しました」という書き出しで始まりました。
さらに読み進むと、岩手県警、警察庁、元国家公安委員長らに関する記事が削除されたと語り、困惑した様子が伝わってきます。
最後に「どういう意図で行われたのか不明であるが、復旧に努めます」という言葉で締めくくられています。
黒木昭雄さんの運営するブログには、自身が捜査した事件についてオープンに書かれており、かなりセンシティブな記事も多数ありました。
それらの記事が、黒木昭雄さんの許可なしに削除されたことで、黒木昭雄さんは不穏な気配を感じていたようですね。
自殺ではないと証言が寄せられた
出典:https://diamond.jp/
黒木昭雄さんはこの頃、痴漢容疑で取り調べを受けた後に自殺した25歳の男性について、潔白に繋がる証拠を調べていました。
この男性の母親・原田尚美さんによると、亡くなる前に電話で話し、今後も目撃者探しのバックアップをすると約束してくれたそうです。
そんな経緯があっただけに、自殺は信じられないと証言をしています。
黒木昭雄の死の真相② 「岩手少女殺害事件」で追い詰められていた?
出典:http://tantei708.com/
黒木昭雄さんがジャーナリスト生命を賭けて取り組んでいた「岩手少女殺害事件」ですが、実はこの事件によって自殺に追い込まれた可能性が高いと言われています。
ここからは、岩手少女殺害事件について振り返ってみましょう。
岩手少女殺害事件とは?
出典:https://www.kyoto-np.co.jp/
2008年7月、岩手県の山中において、宮城県在住で17歳の佐藤梢さんが遺体で発見されました。少女は、
佐藤梢さんは、男性から電話で呼び出されて外出した後、行方が分からなくなり、3日後に首を絞められた状態で発見されたのです。
この電話を掛けた男性こそが犯人と断定した警察は、賞金100万円をかけて全国に指名手配をします。
黒木昭雄さんはこの事件の問題点に気づき、独自に事件を追いかけることになったのです。
警察の捜査に疑いを持つ
出典:https://jbpress.ismedia.jp/
黒木昭雄さんが「岩手少女殺害事件」で疑ったのは、指名手配された小原勝幸容疑者が殺人を遂行するには状況的に無理がある点でした。
出典:https://tg-uchi.jp/
小原勝幸容疑者は、事件前日に右手に大怪我を負っており、病院で診察を受けていたことが判明しています。
さらに病院の医師は、「右手には運動障害があり、手で首を絞めて人を殺すことは困難だ」とコメントを発表しています。
さらにアリバイもありました。事件発生時刻には100キロ離れた実家に帰っており、日中は友人と遊んでいたという証言が出てきました。
このアリバイに関する証言は警察にも伝えられていたにもかかわらず、警察は捜査に反映しなかった模様です。
これらの状況を疑問視した黒木昭雄さんは、周囲に「調べてみるとロクに捜査してないんですよ。おかしいと思いました」と語り、警察の捜査方法に疑問を感じていると明かしています。
そして、さらに独自に調査を進める中で、黒木昭雄さんは驚きの真実に辿り着いたのです。
同姓同名の友人の存在
出典:https://twitter.com/
実は、この事件の被害者である佐藤梢さんには、同姓同名の友人(ここでは佐藤梢Aさんと記載)がいました。
そして、この佐藤梢Aさんの存在を突き止めたのが黒田昭雄さんだったのです。
2009年5月の黒田昭雄さんの発表によると、佐藤梢Aさんと小原勝幸容疑者はかつて交際していました。
2人が出会った際、亡くなった佐藤梢さんもその場に一緒にいたと言われています。
佐藤梢は身代わりだった?
出典:https://toyokeizai.net/
事件前、小原勝幸容疑者と弟、そして佐藤梢Aさんは、先輩に当たる男性ともめ事を起こして呼び出されていました。
車で呼び出し場所へ向かったところ、借金がらみの恐喝に遭ったのだとか。
先輩の男性は日本刀を突きつけ、「120万円払え!連帯保証人の名前を書け!」と脅したそうで、小原勝幸容疑者は連帯保証人の名前に「佐藤梢」と記入したといいます。
帰宅後に恐ろしくなった佐藤梢Aさんと小原勝幸容疑者は、警察に恐喝の被害届を提出しています。
その1か月後、佐藤梢さんは名前が同姓同名だったがために、小笠原勝幸容疑者の連帯保証人に間違われて、結果的に命を落としたようです。
佐藤梢Aさんは事件後、「名前が同じなので、私の身代わりになったんだと思います」と、衝撃的な告白を残しています。
ちなみに、小原勝幸容疑者は指名手配犯のまま、消息を絶っています。
黒木昭雄は正義のために心身を摩耗していた
出典:https://access-journal.jp/
黒木昭雄さんは、「警察がきちんと捜査していれば佐藤梢さんが殺されることは無かった可能性が大きい。これが発覚したら県警のダメージは大変なものだ」と、周囲に漏らしていました。
そして、テレビ朝日の「ザ・スクープ」に出演し、これまでに判明した事実を伝えて警察による隠蔽であると暴露しています。
しかし、警察は一切動かず、メディアも不気味なくらいにこの情報を取り上げることもなく、事件は忘れ去られていきました。
黒木昭雄さんは次第に心身共に追い詰められていったようで、メンタルクリニックに通い、睡眠薬が無いと眠れないと訴えていたことが判明しています。
2020年、これらの一連の事件はABEMATVのドキュメンタリー番組で取り上げられています。
そこで黒木昭雄さんの家族は、自殺の原因について「命を賭けて正義を貫いて殉職したのだと考えています」とコメントを発表しました。
黒木昭雄の死の真相③ 遺書があり、自殺説が濃厚
出典:https://access-journal.jp/
黒木昭雄さんが自殺したと考えられる証拠として、遺書の存在が挙げられています。その遺書を家族は公開しています。
家族を思いやる内容だった
妻へは「人生をまっとうして欲しい」と書かれています。黒木昭雄さんの妻は、何をしたら人生がまっとうできるのか、毎日考えているそうです。
そして息子には「分かっていると思うがお母さんを頼む。力仕事と草むしりを頼むな。あの世で、おじいちゃんにお前の成長を伝えておく」という内容でした。
家族を愛する気持ちと、無念の気持ちが入り混じった内容ですね。
まとめ
出典:http://tekcat.blog21.fc2.com/
黒木昭雄さんは警察出身のジャーナリストです。警察からの圧力に屈せず、日々、不正やミスを暴いてきましたが、2010年に千葉県市原市に駐車してあった車内で遺体が発見されました。
生前の「死んだら警察に殺されたと思って欲しい」という口癖や、ブログの一部が無断削除されたことなどもあり、他殺だと考える人もいるようです。
ただ、家族に遺書が残されているため、自殺説が濃厚です。
亡くなる直前は、岩手少女殺害事件の事実解明に奔走し、警察の捜査の問題点を発見した黒木昭雄さんでしたが、心身ともに消耗して追い詰められていたようです。
黒木昭雄さんの家族は、正義を貫き殉職したと捉えています。
自殺から10年が経過していた現在も、黒木昭雄さんの信念はドキュメンタリー番組などで語り継がれています。
黒木昭雄さんのご冥福をお祈り申し上げます。