昭和の俳優の勝新太郎さんは桁外れの豪遊や破天荒な発言で注目を集めていましたが、息子の真剣事故も話題です。
今回は勝新太郎さんの若い頃、豪遊や仰天発言など伝説、嫁や息子、勝新太郎さん亡き後の家族の現在をまとめました。
この記事の目次
勝新太郎のプロフィール
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勝 新太郎（かつ しんたろう）
本名: 奥村利夫
別名義: 二代目杵屋勝丸
生年月日: 1931年11月29日
没年月: 1997年6月21日
出身地: 東京都江東区
勝新太郎さんと聞くと、晩年の悠然としたナイスミドルを想像する人が多いのではないでしょうか。
スターとして名高い勝新太郎さんは、実は若い頃、役者として売れなかった時代を乗り越えていました。
勝新太郎の若い頃① 不遇の時代
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勝新太郎さんの父親は、長唄の名人である杵屋勝東治さんです。そのため、勝新太郎さん自身も若い頃に長唄と三味線を習っていました。
10代にして芸者に稽古をつける腕前を持っていました。別名義「二代目杵屋勝丸」としても活動していました。
将来は家を継ぐものと思われていましたが、突然俳優の道を目指すことになった勝新太郎さん。
1954年、長唄のアメリカ巡業中に、撮影所で伝説の俳優ジェームス・ディーンと出会ったことがきっかけになったそうです。
俳優としては不遇の時代があった
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白塗りの2枚目として売り出された時代
23歳で大映京都撮影所と契約を交わし、1954年に映画デビューを飾りました。作品は「花の白虎隊」で、勝新太郎さんは白塗りの美男子設定の役を演じています。
当時の若手俳優のトップとして走っていた市川雷蔵さんのポストを狙う逸材と見られていたものの、周囲の俳優や女優を引き立てるばかりでパッとしない時代が続いていました。
映画で主演を務めても不人気ぶりばかりが目立ち、映画館からは勝新太郎さんの作品について「そろそろ勝新太郎さんの主演映画は止めて欲しい」と苦情が来るほどだったそうです。
勝新太郎の若い頃② 悪役が評判で売れっ子俳優へ
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そんな勝新太郎さんが高評価を得るきっかけとなったのは、1960年の映画「不知火検校」という作品で盲目の悪僧という難しい役を演じたことで、名物俳優としての1歩を歩き始めました。
勝新太郎さんは、この作品に出合い、後の「座頭市」に繋がったと後世で評価されています。
勝新太郎のストライキとは？
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映画「不知火検校」で頭角を現した勝新太郎さんは、これまでの遅れを取り戻すかのように生き生きとした演技で次第に売れっ子俳優として名を世に知らしめています。
1960年代後半に入ると、トップ俳優である市川雷蔵さんを凌ぐようになっていました。
そんな勝新太郎さんは、大映京都撮影所の社長にギャラの値上げを交渉したことがありました。
永田雅一社長に向かって指を2本上げて、「これだけ上げて欲しい」とストレートに要求を突き付けたところ、断られたことに腹を立てた勝新太郎さんは、ストライキを決行しています。
結果的に、永田雅一社長が折れて交渉が成立したんだとか。
しかし実際は、ギャラがかつての200万円から500万円にアップしたことに驚いたそうです。勝新太郎さんの2本指は、20万円を示していたからです。
このエピソードを知った映画監督の三隅研二さんは「経営不振なのに、社長のどんぶり勘定さが分かる」と後年コメントを残しています。
市川雷蔵さんには、ギャラとは別にハイヤー代が支給されていました。ライバル心を燃やす勝新太郎さんは自腹でハイヤーを手配していたそうです。
好物はオムライス？
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実力派俳優の仲間入りをした勝新太郎さんは、豪放磊落というイメージを世間から持たれていました。
そんなイメージを崩してはならないと、実はオムライスが好物であることをひた隠しにしていたんだとか。
撮影所の近くにある喫茶店に立ち寄りオムライスをオーダーする時には、店の奥に座りファンに見つからないように注意を払って食べていたのだそうです。
勝新太郎の若い頃③ プロダクション設立
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勝新太郎さんは、1967年に「勝プロダクション」を設立しています。
時代劇の伝統を壊さない作品を、大映出身の監督達と作り上げる方針で経営をスタートしました。
かつて所属した大映京都撮影所が経営に立ち行かなくなり、なりふり構わない作品に出演することを避け、自身が望む作品に出演するためであると言われています。
実際に京都撮影所は1971年に倒産しています。
斬新なカメラアングルに挑戦！
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伝統を守りつつも、現代を舞台とした作品「顔役」では、当時珍しかった手持ちカメラでの撮影を行い、クローズアップを多用した描写で、斬新さとリアリティが評価されています。
自身が出演するだけではなく、後輩の育成にも力を入れました。
現在は大物俳優として名高い松平健さんは、勝新太郎さんの弟子として徹底的に鍛え上げられており、1978年に出演した「暴れん坊将軍」は、松平健さんの代表作品となりました。
勝プロダクションは莫大な借金を背負い倒産へ
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1980年のテレビドラマ「警視-K」では、勝新太郎さんの完璧主義がマイナスに働き、大幅に予算オーバーした上、作品が不人気だったことから打ち切りという形で終わりを見せていました。
その膨大な借金で経営が立ち行かなくなった勝プロダクションは、最終的に負債が12憶円に膨らみ、1981年に倒産しています。
倒産の記者会見において、「勝新太郎は負けない」と高らかに宣言し、再生のために嫁の中村珠緒さんを社長に据えた「勝プロモーション」が設立されました。
勝新太郎の嫁・中村珠緒とは
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勝新太郎さんの嫁が中村珠緒さんであることをご存知の方も多いでしょう。
2人の結婚に至った馴れ初めや、不思議な新婚生活、そして子供について詳しく紹介します。
中村珠緒のプロフィール
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中村 珠緒（なかむら たまお）
本名: 奥村珠緒
生年月日: 1939年7月12日
出身地: 京都府京都市左京区
身長: 156cm
血液型: O型
中村珠緒さんの父親は、歌舞伎俳優である二代目中村鴈治郎さんです。
中村珠緒さんは、若い頃に女優を目指し、1953年に放映された映画「景子と雪江」に出演するも仕事が全く来なかったそうです。
親族で大映の重役をしていた長谷川一夫さんに頼み込み、今で言うコネを使い大映に入社後、清純派女優として脇役を務めることが多くなりました。
中村珠緒さんが女優として評価されるのは、1970年代に入り、健気な母親を演じるようになってからのことでした。
勝新太郎と中村珠緒の馴れ初めは？
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2人が知り合ったのは、撮影現場でした。勝新太郎さんが熱烈にアタックしたことで中村珠緒さんもスターから求愛されることは、やぶさかでは無かったようです。
大映側には、交際が始まった時から報告しており、事務所としても2人の間を割くわけにいかず認めていました。
勝新太郎さんが撮影所に迎えに来ると、「勝さんがきているから」と撮影を切り上げたこともあったそうです。
勝新太郎さんが亡くなった後で中村珠緒さんは、2人の結婚についてテレビ朝日の長寿番組「徹子の部屋」で当時の結婚秘話を語っています。
現在の「できちゃった結婚」だったようで、結婚式の時には周囲に隠していたものの、お腹が気になる状態だったそうです。
これを聞いた黒柳徹子さんは、「よくバレなかったわね」と感心した様子を見せていました。
不思議な新婚生活
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結婚した勝新太郎さんと中村珠緒さんは、2泊3日の新婚旅行に出かけていますが、義理の兄である若山富三郎さんが旅行に同行しての3人旅でした。
夜もチンチロリンと呼ばれる賽の目を当てるゲームで一晩を明かしたことで、さすがに「この先は大丈夫なのだろうか?」と中村珠緒さんは心配になったそうです。
その不安は的中し、全く新婚らしい生活を送ることなく、毎日のように勝新太郎さんは麻雀仲間を家に連れてきては、夜更けまで興じていました。
勝新太郎さんは、1回参加して後は見ているだけだったそうで、仲間が遊ぶ姿を見ることが一番楽しそうだったそうです。
ある日、深夜3時に帰宅した勝新太郎さんは、例のごとく仲間を家に引き連れてきて、何か料理を出して欲しいと中村珠緒さんに依頼しました。
中村珠緒さんは、「なぜ事前に連絡をしてくれないのか、前もって言ってくれないと準備もできない」と我慢の限界を迎え、怒り心頭で勝新太郎さんを怒鳴りつけたそうです。
しかし、勝新太郎さんは「その表情が良い!」と絶賛し、さらに「今の表情を忘れるなよ、これは演技に活かせる」とキラキラとした瞳で熱く語り始めてしまったんだとか。
中村珠緒さんは怒ることがバカバカしくなってしまった、と後年笑いながら思い出として語っています。
勝新太郎の息子～真剣事故の経緯とその後も紹介
やがて、勝新太郎さんと中村珠緒さん2人の間には、息子の鴈龍さんと娘の奥村真粧美さんに恵まれて、芸能一家として注目を集めることになります。
鴈龍のプロフィール
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雁龍（がん りゅう）
本名: 奥村龍太郎
生年月日: 1964年8月9日
出身地: 京都府京都市
身長: 174cm
血液型: O型
俳優としてのデビューは、父親である勝新太郎さんが主演を務めて大成功を収めた「座頭市」のリメイク版の作品であることから、世間から大いに注目された作品でした。
雁龍は真剣事故を起こしていた
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息子の鴈龍さんは、俳優デビューしていますが、過去には真剣による死亡事故を起こしています。
1988年12月26日に広島県内の撮影所で立ち回りの稽古をしている最中に、誤って真剣で相手役を斬ってしまうという事故が起こりました。
鴈龍さんは、稽古で使う剣は撮影用の偽物だと認識していたのですが、撮影スタッフが迫力を出すためにと真剣を用意していたことが知らされていなかったようです。
相手の俳優が怪我が元で死亡したことから事情聴取を受けましたが、裁判では「真剣であることを知らなかった」と訴えたことで、実刑には至っていません。
その後、1994年に俳優として復帰し、母親である中村珠緒さんと一緒にバラエティ番組に出演したり、強面を活かし任侠映画に出演しています。
雁龍は大麻密売で逮捕された
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鴈龍さんはデビュー前、姉の奥村真粧美さんと共に1982年に麻薬密売の罪で逮捕された過去があります。
さらに、1984年に大麻取締法違反で逮捕されています。
勝慎太郎の豪遊や仰天発言など伝説まとめ① 大盤振る舞いで遊ぶ
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勝新太郎さんは、豪遊エピソードが数多く存在しています。
例えば、飲みに出かけると店の女性を全員引き連れて次の店に行き、その次もというように取り巻きがとにかく多いことが有名でした。
もちろん、店の女性達やスタッフの飲み代は、全て勝新太郎さんが支払います。多い時で一晩で2億円の借金ができたそうです。
また、まだ無名だったMr.マリックさんのショーを見て気に入った勝新太郎さんは、50万円のお金をチップとして渡す、太っ腹な所が垣間見えています。
怖い筋の人から借金をしても返さない理由についても、独特のエピソードがありました。
「ある時、勝新が怖い筋に頭を下げて大金を借りた。ところが、そのあと勝新はいつまでたってもカネを返さない。というか、返せない。それでいてこう豪語した。『（カネを借りるという）俺の演技を１人で観た。これでチャラだ。返す必要はない』と」
引用：マツコ＆有吉は知らない(４)「勝新太郎・俠秘話」- excite.ニュース https://www.excite.co.jp/
勝慎太郎の豪遊や仰天発言など伝説まとめ② ハワイで麻薬所持の疑いで逮捕
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1990年1月、ハワイに降り立った勝新太郎さんは、下着の中にマリファナとコカインを隠し持っていたことで、現行犯逮捕されています。
ハワイ当局からは、罰金を科せられたものの当日の内に逮捕されています。
記者会見においてコカイン所持の理由を問われると「なぜか全く分からない」とシラを切り通し、見知らぬ人から渡されたと、自身の意志ではないと頑なに主張しています。
さらに、「今後は同様の事件を起こさないよう、もうパンツをはかないようにする」と前代未聞の仰天回答は、現在でも名エピソードとして語り継がれています。
翌1991年も、麻薬及び向精神薬取締法違反容疑で逮捕されました。
裁判においては、傍聴席に座る人を観客と呼び、傍聴する人達をいかに楽しませるかという点に拘り、台本まで作成して出廷したと言われています。
勝慎太郎の豪遊や仰天発言など伝説まとめ③ B`zの大ファンだった
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晩年の勝新太郎さんは、B`zの大ファンとして知られていました。ライブにも度々赴いていました。
初めて出会ったのは居酒屋で、偶然居合わせた稲葉浩二さんを見かけると何やら感じるものがあったようです。
歌手であることを知らなかった勝新太郎さんは、「俳優として育てたい」と話を持ちかけました。
その後、稲葉浩二さんが大物歌手であると知ると、俳優として育成するのを諦めて、自身でチケットを買い、応援するようになったようです。
勝新太郎さんは、兄である若山富三郎さんの遺品の帽子をプレゼントしています。
勝慎太郎の豪遊や仰天発言など伝説まとめ④ 咽頭がん公表の記者会見で喫煙
勝新太郎がガン公表会見で下咽頭ガンを患ったから、酒タバコはやめた(吸いたくなくなった)と言った直後に、会見が長時間に及んだという理由で一服し始めた話、僕は好きです。 pic.twitter.com/lVRPKRFi92
— キネマ退屈男 (@Film_AY) September 17, 2019
1996年11月、咽頭ガンを患ったことを公表する記者会見を開いた勝新太郎さん。
ですが、「ガンを発病してからタバコは止めた」と言いながらも、記者会見が長くなったからとタバコを吸い始めるパフォーマンスが話題になりました。
記者からは「やめてない」「吸っているじゃないですか」と盛大にツッコミを入れられるという仰天の記者会見は、今でも語り継がれています。
実際には、お酒もタバコも一切絶ち、ガンの治療に向き合っていたと後年発表されています。記者会見の時には、肺まで吸い込まずに口元で吹かしていただけなのだそうです。
そして勝新太郎さんは、記者会見の約半年後である1997年6月21日、入院先の病院で享年65歳という、まだまだ人生を楽しめる年齢で死去しています。
葬儀は、約1万1千人という人数に見守られて、築地本願寺で盛大に行われました。
勝新太郎亡き後の家族の現在
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現在の中村珠緒さんと長男の雁龍さんは、親子絶縁状態にあると報道されています。
実は、勝新太郎さんが亡くなった後で中村珠緒さんは雁龍さんを売り出すために、様々な舞台やバラエティ番組などに出演させてきました。
そんな周囲の期待をよそに、雁龍さんは芸能人として花を開くこともなく、経済的にも親に依存する年月が続きました。
中村珠緒さんを待ち伏せしては小遣いをせびり、悪びれる様子が一切なかったようです。
そんな雁龍さんに業を煮やした中村珠緒さんは、「私が面倒を見る限り自分の力で立ち直ることはあるまい」と、キッパリと経済的援助を打ち切って絶縁状態に入ったそうです。
娘の奥村真粧美さんは、かつて女優をしていましたが芸能活動を停止しているようです。
以前に北海道の資産家の男性と結婚していたことがありましたが、スピード離婚しています。
現在の様子は、情報が入っていないことから一般人として生活しているようです。
まとめ
出典：https://ja.wikipedia.org/
昭和を代表する大物俳優の勝新太郎さんは、様々なスキャンダルを巻き起こしてきましたが、不思議と憎まれることもなく、生涯ファンや家族から愛されてきました。
デビューしたばかりの頃は、出演した作品が全く売れない時代もありましたが、映画「不知火検校」に出演してから飛ぶ鳥を落とす勢いで俳優として頭角を現したのです。
数々の作品に恵まれて、独立してプロダクションを設立するも、勝新太郎さんの作品への完璧主義が祟り、12億円という莫大な借金をして倒産も経験しました。
プライベートでは女優の中村珠緒さんと結婚し2人の子供が生まれています。
勝新太郎さんが亡くなったのは、1997年6月のことでした。
現在でも勝新太郎さんの名言や出演作品は、世に残り多くの人を魅了しています。
