神戸大学教授の岩田健太郎さんが、新型コロナの集団感染が発生したクルーズ船「ダイヤモンドプリンセス号」の船内の対策の不備批判する動画を発表し物議を醸しています。
今回は岩田健太郎さんの出身高校や大学などの学歴や経歴、嫁と子供など家族情報、そして投稿した動画の内容とその後についてまとめました。
この記事の目次
岩田健太郎医師の経歴① 高校や大学などの学歴
まずは、岩田健太郎さんの経歴を紹介します。
岩田健太郎さんは、1971年に島根県で誕生しました。1984年に松江市立宍道小学校を卒業、1987年に松江市立宍道中学校を卒業しています。
その後、1987年4月に島根県立松江南高等学校へと進学し、1990年3月に卒業されています。岩田健太郎さんの通われていた島根県立松江南高等学校は偏差値が61あり、島根県内でも有数の進学校です。
そうなんですね。僕も松江南出身で、亀田にいたので思わずレスしてしまいましたRT @TokikoKato: 松江出身なんですね。今度私も、久しぶりに松江へ行きます。10月12日。RT @nobuogohara: 母校松江南高校の学園祭での講演のため、昨日から松江に来ている。久しぶり
— 岩田健太郎 Kentaro Iwata (@georgebest1969) September 6, 2012
高校を卒業後は、1990年4月に島根医科大学(偏差値65、現在は島根大学と統合)の医学部の医学科に推薦入試で入学し、大学2年時にはイギリスのマンチェスター大学に1年間留学されています。当時はインターネットも普及しておらず、岩田健太郎さんは自筆の手紙をマンチェスター大学に送り、なんとか語学講座を受講できるようになったのだそうです。
岩田健太郎さんはマンチェスター大学で、午前中は英語を勉強し、午後は医学部の講義を受けていたそうなのですが、そこでアフリカからの留学生が必死の形相で勉強しているのを見て興味を持ち、話しかけたところ、その学生は「私の国は識字率が低く、エイズなどの感染症で命を落とす人が多い、このままでは国が滅びてしまう、だから私は識字率をあげて健康教育を広めるために勉強している。私は国を救うために勉強しているのです」と答えたのだそうです。
この言葉は学生時代の岩田健太郎さんに大きな衝撃を与えたそうで、「公共のために力を尽くすとはどういうことか」を真剣に考えるきっかけになったとの事でした。
その後帰国した岩田健太郎さんは、1997年3月に島根医科大学を卒業し、当時日本で一番厳しいと噂になっていた沖縄県立中部病院へ研修医として赴任しています。
岩田健太郎医師の経歴② 大学卒業後の経歴
沖縄県立中部病院は噂に違わぬ厳しさだったそうで、岩田健太郎さんはすぐに辞めたくなってしまい「しんどい」が口癖になってしまったそうです。
すると、しんどそうにしている岩田健太郎さんを見かねたのか、寮の同室の研修医が「それならアメリカで研修してみたら?」と勧めてくれたのだそうです。
辛い状況から脱出したいとの思いから、岩田健太郎さんは書類を送り、インタビュー試験を受けて合格。アメリカ・ニューヨークのコロンビア大学のセントルークス・ルーズベルト病院で研修医として働く事になります。
最初、アメリカでは、コミュニケーション能力の不足からかなり苦労されたようで「知識をひけらかすだけで使えない医師」という散々な評価を受けたそうなのですが、コミュニケーション能力をあげる努力を重ねた結果、5年目からだんだんと評価されるようになり、その後は、アメリカや中国・北京で医師として勤務し経験を積まれています。
中国・北京の病院には、アメリカやカナダ、ドイツやイギリスにフランス、シンガポールにオーストラリア、南アフリカなど、かなり多国籍な医師たちが勤務しており、大きな刺激を受けられたそうで、一時は「このまま中国の病院で働いて行こうか」と考えられた時期もあったそうです。
しかし、千葉県の亀田総合病院からオファーを受け、同病院の「楽しそうないい病院の雰囲気」に魅力を感じて帰国を決断。2004年に帰国し、亀田総合病院の感染症内科部長と総合診療感染症科部長を歴任します。
2008年からは現職である、神戸大学の大学院医学研究科の教授および、神戸大学医学部附属病院の感染症内科診療科長に就任されています。
岩田健太郎医師の嫁や子供など家族
岩田健太郎さんはご結婚されており、奥さんがいることがTwitterの発言から判明しています。結婚しているという事実は公表されているものの、奥さんに関する情報は一切出てきていません。
ぼくも結婚してからは飲みに行きませんねえ。でも、独身時代は付き合い悪すぎたと反省してます、すこし。
— 岩田健太郎 Kentaro Iwata (@georgebest1969) December 3, 2018
また、岩田健太郎さんに子供がいるかどうかはこれまでに公表されたことがないため、不明となっています。
岩田健太郎医師がクルーズ船内でのコロナウイルス対策を批判し話題に
出典:https://headlines.yahoo.co.jp/
2020年2月18日、新型コロナウイルス(COVID-19)の船内集団感染が発生したクルーズ客船「ダイヤモンドプリンセス号」に対策チーム(DMAT)のメンバーの1人として派遣された集団感染対策の専門家医師・岩田健太郎さんが、「船内での感染症対策は悲惨な状態」と船内が危機的状況にある事を訴える告発動画をYouTubeで配信し、世界的な注目を集めました。
岩田健太郎さんの告発動画は現在は削除されており、閲覧することはできません。
この世界的な注目を集めた岩田健太郎さんの動画配信の内容とその後に焦点を当てます。
まずは、岩田健太郎さんがダイヤモンドプリンセス号船内での感染対策の危機的状況をYouTubeで告発するまでの経緯についてみていきたいと思います。
岩田健太郎がダイヤモンドプリンセス号に乗船するまで
2020年2月はじめ、横浜港大黒埠頭沖に停泊中のクルーズ客船「ダイヤモンドプリンセス号」の船内で新型コロナウイルスの集団感染が発生しました。
同年2月18日、神戸大学病院感染症内科に勤務する医師で、同大学大学院医学研究科教授の岩田健太郎さんは「災害派遣医療チーム (DMAT) 」のメンバーの1人として「ダイヤモンドプリンセス号」に乗り込みました。
実は当初、岩田健太郎さんは「ダイヤモンドプリンセス号」に派遣されるメンバーでは無かったのですが、ダイヤモンドプリンセス号の船内にいる何人かの人々から岩田健太郎さんに直接「怖い」「感染が広がっていくんじゃないか?」と助けを求める声が届いたため、岩田健太郎さんは関係者に働きかけ、船内に乗船するメンバーに加えてもらったという事です。
出典:https://toyokeizai.net/articles/-/335971?page=7
前日2月17日、沖縄県立中部病院感染症内科の高山義浩医師(YouTube動画では厚労省で働いている某氏と紹介)から「DMATのメンバーとしてなら船内に入っても良い」との連絡を受け、岩田健太郎さんは18日の朝に新神戸駅から新横浜駅へと向かいました。その途中、岩田健太郎さんの携帯電話に高山義浩医師から「誰とは言えないけれど(岩田健太郎さんが船内に入る事を)非常に反対している人がいる」という連絡が来て、一時、DMATのメンバーとして船内に入る話が却下されそうになったのだそうです。
岩田健太郎さんは非常に困惑したそうなのですが、その関係者に「なんとか方法を考える」と言われたため、しばらくの間新横浜駅で待っていたところ、再び電話が来て「DMATの下について、ただDMATの仕事をするだけなら入っても良い」という奇妙な事を言われたのだそうです。
つまりは、感染症対策の専門家として岩田健太郎さんが船内に入る事を拒む何者かが存在しており、その何者かの意思によって、感染管理の仕事ではなくDMATの仕事の手伝いをするという条件であればダイヤモンドプリンセス号の中に入っても良いという事になったように見えますが、岩田健太郎さんは「他に入る方法はない」として、この条件を受け入れ、船内へと入る事にしたそうです。
感染症対策の専門家である岩田健太郎氏から見て船内は酷い状況だった
出典:https://friday.kodansha.co.jp/
船内に入った岩田健太郎さんは「心の底から怖いと思いました」とその後配信したYouTube内で発言するほど、船内の感染症対策の悲惨な有様に衝撃を受けたようです。
岩田健太郎さんがYouTube動画で明かしたところによれば、ダイヤモンドプリンセス号の船内は、ウイルスがいない安全な場所(グリーンゾーン)とウイルスがいる危険場所(レッドゾーン)がしっかりと区分けされておらず「ぐちゃぐちゃ」な状態だったそうです。
そうであるにも関わらず、船内で検疫にあたる関係者はそれぞれにマスクや手袋、PPE(個人防護具)をつけたりつけなかったりと、その時その時で場当たり的に対応している状態で、さらには、発熱のある乗客が自分の部屋から出て歩いて医務室へと向かったりといった事も普通に行われていたのだそうです。
この状況について岩田健太郎さんはTwitterで以下のように批判されています。
いくらCDCがないとはいえ、もうすこしマシかと思っていました。気を失いそうになるくらい愕然とし、20年以上の医者人生でこれくらい自分の感染リスクを強烈に感じたことはありません。アフリカのエボラ対策でも北京でSARSに立ち向かってたときもここまで恐くはありませんでした。DMAT気の毒です。
— 岩田健太郎 Kentaro Iwata (@georgebest1969) February 18, 2020
ちなみに「CDC」というのは、アメリカの感染症対策機関の事です。
検疫にあたった検疫官にしろ「DMAT」を構成する人々にしろ、プロフェッショナルで構成されているはずなので、ダイヤモンドプリンセス号内が極めて感染リスクの高い危険な状態である事は認識していたはずです。事実、岩田健太郎さんがこの状況について尋ねたところ「我々もこれ自分達も感染するなと思ってますよ」と話していたという事でした。
そうであるにも関わらず、まともな対策を取らないこうした状況下で仕事を続けなくてはならない何らかの事情が存在したという事になりますが、一体それは何だったのでしょうか?
ネット上では、「ダイヤモンドプリンセス号」は外国籍なので、旗国主義によって日本政府の権限が及ばず対策ができなかった。官僚主義によって組み立てられた対策が批判さた場合、その対策方針を組み立てた人物の立場が悪くなるため問題点があっても見ないふりをしていたなど色々と言われていますが、これは本題から外れるためここでは触れません。
なお、その後2月28日の段階で、ダイヤモンドプリンセス号内で業務にあたっていた厚生労働省職員と検疫官ら合わせて8人が新型コロナウイルスに感染している事が明らかになっています。
岩田健太郎は何者かによって1日で船外に追い出されてしまった
出典:https://friday.kodansha.co.jp/
船内に入った岩田健太郎さんは、当初の約束通りにDMATの下について指示を仰いだそうです。するとそのDMATのトップにあたる人から「感染の仕事をやるべきだ」とDMATの仕事ではなく感染症対策の方をやってくれとアドバイスを受けたのだそうです。
それを受けて、岩田健太郎さんが船内を視察していると、高山義浩医師から「誰からの指示かは言えないが、船から降りてください」と電話がかかってきたのだそうです。
この高山義浩医師はのちに自身のfacebookにて岩田健太郎医師が下船させられた経緯について以下のように説明されています。
高山義浩医師はSNSで〈あの方がいると仕事ができないということで、下船させられてしまったという経緯です〉と〝追放〟理由を明かしている。
しかし、これについて岩田健太郎さんは事実ではないと否定。
私が感染対策のアドバイスをしたことで現場が困惑した。高山先生はSNSでそう説明していましたが、事実ではありません。『PCR検査の同意は口頭でも取れますか?』などと質問しただけで、指示は出していない。
岩田健太郎さんは船外に追い出された後、高山義浩医師に「DMATの下についてその仕事をして、感染管理の仕事をするなといったのに何故したのか?」と問われたのだそうです。
岩田健太郎さんは「DMATの方に感染管理をしてくれと言われたんです」と伝えると、その厚生労働省の方に以下のように言われたそうです。
「DMATの方にそもそも、感染管理してくれって言われたんですよ」って話したんですけど、とにかく岩田に対してすごいムカついた人がいると、誰とは言えないけどムカついたと、だからもうお前はもう出ていくしかないんだ、って話をしました。
ムカついたから外に出したというのが真実だとすればとんでもない話ですが、この経緯を見る限り、感染症対策の専門家である岩田健太郎さんに、ダイヤモンドプリンセス号の船内の対策に口を出されたくない、あるいは船内を見せたくないと考える何者かがいたという事のようです。
なお、高山義浩医師は自身のfacebookにて、この岩田健太郎さんの批判に反論されています。こちらも冷静かつ客観的に状況を捉えており、実際に現場で業務にあたった方の発言なので真実味があります。
この問題については、両サイドの意見を聞いた上で判断する必要がありそうです。
岩田健太郎医師の現在
岩田健太郎さんの現在ですが、現職である神戸大学の大学院医学研究科の教授および神戸大学医学部附属病院の感染症内科診療科長として、活動しています。
職場復帰したので患者支援センターや広報や総務など、クレーム電話を受けてくださった方々へのお詫び行脚をしてきました。本当にすみません。みなさんに応援の声を頂いて職場には(少なくとも現場レベルでは)見捨てられてなかったと感じ入りました。ありがとうございます。
— 岩田健太郎 Kentaro Iwata (@georgebest1969) March 4, 2020
岩田健太郎さんはTwitterを毎日更新しているので、現在の様子はTwitterで確認することができます。
岩田健太郎 Kentaro Iwata (@georgebest1969) · Twitter
https://twitter.com/georgebest1969/
まとめ
今回は新型コロナウイルスの集団感染が発生したクルーズ船「ダイヤモンドプリンセス号」内での感染症対策が悲惨な状態だと告発する動画をYouTubeにアップし注目を集めた医師・岩田健太郎さんについてまとめてみました。
岩田健太郎さんは2020年2月18日に「ダイヤモンドプリンセス号」に乗船して業務にあたりましたが、乗船したからわずか数時間で何者かによって下船させられ、その後に船内の状況の悲惨さを訴える告発動画をYouTubeにアップし、物議を醸しました。
岩田健太郎さんのこの行動には賛否両論出ていますが、新型コロナに対して医師として真剣に向き合っているからこその行動である事は間違いありません。岩田健太郎さんは今後も感染症予防のエキスパートとして私達の生活を支えてくれる事でしょう。