カメラアイという能力を知っていますか?カメラアイの能力を持つ人のことを「羨ましいなぁ」とか「便利だなぁ」と思っている人もいると思います。でも、カメラアイは良いことばかりではないんです。
カメラアイの基礎知識や割合、特徴、発達障害との関係、カメラアイの芸能人・有名人をまとめました。
カメラアイとは
カメラアイとは、瞬間記憶能力のことです。カメラで映した可能ように、パッと見ただけでそれを脳の中に記憶できる能力ですね。
カメラアイの人は、本を一瞬見ただけで脳の中に全部記憶できますから、パラパラと本をめくっただけで内容を理解し、しかも一語一句間違えることなく覚えることができます。
デジタルカメラのSDカードが脳の中に埋め込まれている、しかもそのSDカードの容量は果てしなく大きいのが、カメラアイの能力です。
カメラアイはパッと見ただけでその風景や見たものを記憶することができるという能力だけではなく、一度見たものは忘れないという能力もあります。
私たち人間は、一度覚えたものでも、自然に忘れてしまうものが多いですよね。「あれ?覚えていたのになぁ。忘れちゃった」と思うことが度々あると思います。
でも、カメラアイの能力を持つ人は一度覚えたもの、つまり一瞬でも見たものは忘れません。見たものをデータ保存している状態ですから、いつでもその記憶を思い出すことができるんです。
カメラアイの割合
カメラアイの能力を持つ人の割合は、正確な統計として出ていないのでわかりません。ただ、3万人に1人の割合ではないかと言われています。
てか、映像記憶できる人って思ってたよりも少なくて草。
— 魔法戦士つちのこタン (@tsuchinoko81) July 29, 2018
3%くらい居ると思ってたけど、3万人に1人くらいの割合なのか。
本も5分くらいで読んで、あたまタンに残して思い返すことも出来て便利なりヾ[・ω・`●]
集中力を使わないといけないから、本ごときでは映像記憶は使わないけど#映像記憶
3万人に1人というと、やっぱり希少な能力であることはわかります。ただ、日本の人口を1億2500万人として計算すると、現在の日本には約4167人もカメラアイの人がいるという計算になります。
そうすると、そんな特殊な能力を持つ人は多いと思えるかもしれませんね。ただ、この3万人に1人という割合に関しては、あくまでも一説ですので、絶対に正しいかどうかはわかりません。
カメラアイの6つの特徴
カメラアイの特徴をご紹介していきます。この特徴を見ていくと、カメラアイのことが具体的にわかってくると思います。
そして、カメラアイは良いことだけではなく、辛いこともあることがわかってもらえるはずです。
1.記憶力が良い
カメラアイは、記憶力が良いです。これは基本的な特徴であり、今まで説明してきた通りですね。
カメラアイはパッと見ただけでそれを脳内に焼き付けることができるという能力であり、一度見たものは忘れることがありません。このカメラアイの能力は映像記憶能力とも言われています。
本の速読に使ったりする人もいますね。また、カメラアイの能力を持つイギリスの警察官の人は指名手配犯の顔写真を頭に入れて、検挙に役立てているのだそうです。膨大な数の指名手配犯を顔をはっきり覚えているので、指名手配犯をチラッと見ただけで、本人かどうかを判別できるんですね。
この警察官は4年間で850人もの犯人を検挙したとのことです。
2.フラッシュバックが起こることも
カメラアイの能力を、「すぐに覚えられるし、勉強にも活用できるから便利な能力!羨ましい!」と思っているかもしれません。
確かに、便利な能力であることは間違いないでしょう。でも、カメラアイのデメリットもあります。それはフラッシュバックです。カメラアイの能力を持つ人はフラッシュバックに苦しむことが多いんです。
カメラアイは一度見たものは絶対に忘れません。良いことも記憶しなければいけないことも、そして嫌なことも。人間は嫌な記憶は忘れていくものです。「時間が解決してくれる」という言葉があるほどですから。
でも、カメラアイの人は嫌な記憶を忘れたくても忘れることができません。ずっと覚えているんです。その嫌な記憶があることをきっかけにフラッシュバックしてしまうんですね。
例えば、痴漢に遭った時の嫌な記憶。これは普通の女性でも完全に忘れることはありませんが、それでも記憶は時間と共に徐々に薄れていくものですよね。
それに対して、カメラアイの人はフラッシュバックが起こるので、ふとした瞬間に思い出します。しかも、その痴漢に遭った当初の生々しい記憶をそのまま思い出すんです。
これは、とてもつらいことだと思います。忘れたくても忘れられないんですから。だから、カメラアイの能力は良いことばかりではなく、辛いこともあるんです。
3.先天性の能力である
カメラアイの能力は先天性のものです。後天的な能力ではありません。つまり、生まれつき持っている能力なんです。
よく、「カメラアイを使った速読術を身につける」などの宣伝文句を目にしますが、これははっきり言って無理です。速読術自体は、後天的に身につけられるかもしれません。でも、カメラアイのように一瞬見ただけで全部をはっきり覚えていて、それを忘れることなないというのはできないことなんです。
カメラアイに近いような能力は訓練で身につけられるかもしれませんが、カメラアイの能力を後天的に身につけることはできないとされています。
4.サヴァン症候群の人もいる
カメラアイの能力は、サヴァン症候群の能力の1つとされています。サヴァン症候群とは、何らかの障害を持ちながらも、天才的な能力を持つ人たちのことですね。
一般的な生活を送るためには、介護・介助が必要だけど、ある1つの分野に関しては、一般人では到底追いつけないような能力を持つ人がいます。それがサヴァン症候群です。
このカメラアイの能力はサヴァン症候群の能力の1つであり、実際にサヴァン症候群の人の中にはカメラアイを持っている人がいるんです。
ただ、カメラアイの能力を持っている人全員がサヴァン症候群ではなく、健常であり、何の障害を持っていない(もしくは目立つような障害を持っていない)けれど、カメラアイの能力を持つ人はいます。
5.絵の才能を併せ持つ人もいる
カメラアイの能力を持つ人の中には、絵の才能を併せ持つ人もいます。カメラアイは、見た風景をカメラで撮ったかのように脳内に残すことができます。
そして、その脳内の画像を思い出しながら、絵を描くことができるんです。そのため、カメラアイの人の中には素晴らしい絵を描く人がいます。
「カメラアイ+絵の才能=サヴァン症候群」なのかもしれません。
6.東大合格者の中にも一定数いる
カメラアイの能力を知ると、「カメラアイって、受験に有利じゃん!」と思った人も多いと思います。確かに、教科書や参考書をちょっと見ただけで、すべて覚えられるなら、受験も楽々合格しそうですよね。
そして、実際に東大合格者の中にはカメラアイの人が一定数います。どのくらいの割合で東大生の中にカメラアイの人がいるのかは分かりませんが、この後に紹介するカメラアイを持つ日本の芸能人・有名人の中には東大卒の人がいるのは事実です。
ただ、カメラアイの能力を持っていれば、確実に東大に合格するといううわけではありません。東大受験には記憶力だけでなく、思考力・発想力なども必要になりますから。
カメラアイと発達障害の関係
カメラアイの能力を持つ人の中には、発達障害の人が多いと言われています。これは明確な統計があるわけではありませんが、事実だと思います。
なぜなら、カメラアイは脳の能力だからです。カメラアイは脳の記憶をつかさどる部分が発達している状態です。
そして、発達障害も脳の機能に偏りが見られていて、できることとできないことの差が健常者よりも大きい状態です。だから、発達障害を持つ人は記憶の部分が大きく発達していて、カメラアイになっている可能性があるんです。
ただ、発達障害の人全員がカメラアイというわけではありませんし、カメラアイの人全員が発達障害というわけでもありません。
健常者の人の中のカメラアイの人の割合よりも、発達障害の人の中のカメラアイの人の割合が多いというだけですね。
ここでYahoo!知恵袋の回答をご紹介します。お子さんが発達障害でカメラアイの人の回答ですね。
子供が発達障害でカメラアイなのですが、言語能力が高くなっていくにつれカメラアイの精度は落ちています。とはいえ人並みに話せ、人並み以上の記憶力です。
脳の言語と視覚記憶の部分は同じ場所でバランスをとってるからのようです。
チンパンジーはカメラアイの能力があるそうですが、人間にはないですよね。これは、人間は言語によって自然界の事象を抽象的に把握する能力が向上したために、映像記憶の能力が衰えたと考えられています。
やはり、カメラアイは脳の中の何らかの能力を引き換えに、発達している能力と言えるのかもしれません。
カメラアイを持つ日本の芸能人・有名人7名
次に、カメラアイの能力を持つ芸能人・有名人をご紹介していきます。
1.畑正憲さん
畑正憲
生年月日:1935年4月17日
出身:福岡県福岡市
活動:小説家、動物研究家
ムツゴロウさんこと畑正憲さんは、カメラアイの持ち主です。中学の時にはポーの『黒猫』を英文で暗記し、高校になると英米文学の原書を片端から読破していたそうです。
ちなみに、ムツゴロウさんは東大出身ですが、東大受験時は数学の試験時間が余って退屈をしていたという逸話の持ち主です。
2.山下清さん
出典:artne.jp
山下清
生年月日:1922年3月10日
没年月日:1971年7月12日
出身:東京都
活動:画家
裸の大将として有名な山下清さんも、カメラアイの持ち主だったと言われています。山下清さんはサヴァン症候群で、軽度の言語障害や知的障害を持っていたそうです。
山下清さんは一度見た風景を脳内に焼き付けることができて、旅先で見た風景を帰ってきてから絵として完成させていました。
3.三島由紀夫さん
出典:ameblo.jp
三島由紀夫
生年月日:1925年1月14日
出身:東京都
活動:小説家
小説家の三島由紀夫さんも、カメラアイの持ち主と言われています。三島由紀夫さんの代表作である暁の寺では絵葉書もない日本人立ち入り禁止の場所を小説内で克明に記しています。
これを疑問に思った記者が三島氏に尋ねたところ、夫人が生け垣を両手で書き分けた一瞬の間に見たものを記憶して、小説に表現したとのことです。
三島由紀夫さんはどこに行くにもカメラを持たず、自分の目で風景を焼き付けることにこだわっていたそうです。三島由紀夫さんも、東大(当時の東京帝国大学)に進学しています。
4.谷崎潤一郎さん
谷崎潤一郎
生年月日:1886年7月24日
出身:東京都
活動:小説家
小説家の谷崎潤一郎さんは、名を知らぬ祇園の料亭に行った翌日、ある人から電話で昨日は祇園のどこだったかと訊かれ「ちょっとお待ちください」と考え、一瞬仰ぎ見た料亭の軒灯に書かれた文字を思い出して、料亭の名前を正確に伝えたという逸話を持っていますので、カメラアイの持ち主と言えるでしょう。
谷崎潤一郎さんも東大(当時の東京帝国大学)出身ですね。
5.杉山邦博さん
杉山邦博
生年月日:1930年10月19日
出身:福岡県
活動:NHKアナウンサー
NHKアナウンサーであり、好角家として知られる杉山邦博さんは、自分の目で見た相撲の取り組みを全部鮮明に覚えているそうです。その日付や力士、決まり手などが映像のように流れてくるとのことですので、カメラアイの可能性があります。
6.花村萬月さん
出典:asahi.com
花村萬月
生年月日:1955年2月5日
出身:東京都
活動:小説家
小説家の花村萬月さんも、カメラアイの能力を持っているとのことですが、詳細については不明です。
7.七田眞さん
七田眞
生年月日:1929年7月28日
出身:島根県
活動:右脳開発提唱者
右脳開発の提唱者である七田眞さんも、カメラアイを持っていたとされています。ご自身がカメラアイを持っていたから、右脳を発達させる教育を提唱していたのかもしれませんね。
カメラアイを持つ海外の芸能人・有名人4名
続いて、カメラアイを持つ海外の芸能人・有名人をご紹介します。
1.スティーブン・ウィルシャーさん
出典:grapee.jp
スティーブン・ウィルシャー
生年月日:1974年4月24日
出身:イギリスのロンドン
活動:画家
イギリスの画家であるスティーブン・ウィルシャーさんは、人間カメラと称される画家です。一度見たものを正確に記憶し、それを絵に表すことができます。自閉症を抱えているサヴァン症候群ですね。
彼の絵は非常に評価が高く、2006年には大英帝国勲章を授与されていて、さらに2011年には建築イラストレーター協会(SAI)の名誉会員になっています。
2.アルトゥール・ルービンシュタインさん
アルトゥール・ルービンシュタイン
生年月日:1887年1月28日
出身:ポーランド
活動:ピアニスト
20世紀を代表するピアニストであり、ショパンの演奏では同時代の最も優れたピアニストであるとみなされているアルトゥール・ルービンシュタインさんは、楽譜をすべてカメラアイの能力で記憶していた音楽家です。
3.ヨハン・ウォルフガング・フォン・ゲーテさん
出典:kakugen.biz
ヨハン・ウォルフガング・フォン・ゲーテ
生年月日:1749年8月28日
出身:神聖ローマ帝国
活動:詩人、小説家
ファウストや若きウェルテルの悩みなどで知られるヨハン・ウォルフガング・フォン・ゲーテもカメラアイの能力を持っていたとされています。
若きウェルテルの悩みではイメージが非常にリアルであり、これは卓越したゲーテの記憶力によるものではないかという研究があるんです。
4.ジョン・フォン・ノイマンさん
出典:twitter.com
ジョン・フォン・ノイマン
生年月日:1903年12月28日
出身:ハンガリー
活動:数学者
数学者のジョン・フォン・ノイマンさんも、カメラアイを持っていたと言われています。彼の場合は、カメラアイによる圧倒的な記憶力だけでなく、卓越した計算能力と特異な思考様式、極めて広い活躍領域を持っていたことから、「悪魔の頭脳」「火星人」「1000分の1インチの精度で噛み合う歯車を持った完璧な機械」と称されていました。
まとめ
カメラアイの割合や特徴、カメラアイを持つ芸能人・有名人をまとめましたが、いかがでしたか?カメラアイは瞬間的に物事を画像・映像を記憶できる能力です。便利な能力であることは間違いありませんが、フラッシュバックなどで辛い思いをすることがあります。
カメラアイの人がいたら、「羨ましいなぁ」というだけではなく、その特性を理解してあげることが大切だと思います。