平成最悪の航空機事故と名高いのが中華航空140便墜落事故です。
今回は中華航空140便墜落事故の原因、犠牲者や名簿、手記「脳みそ戻して」やボイスレコーダーの機長の「終わりだ」の声、生存者の子供が兄弟の噂、現在を紹介します。
この記事の目次
- 中華航空140便墜落事故とは
- 中華航空140便墜落事故の概要① 離陸から墜落までの経過
- 中華航空140便墜落事故の概要② 墜落後の経過
- 中華航空140便墜落事故の原因
- 中華航空140便墜落事故で特に大きな原因① ゴー・レバーを作動させた
- 中華航空140便墜落事故で特に大きな原因② 機長も副操縦士も解除方法を知らなかった
- 中華航空140便墜落事故で特に大きな原因③ 中華航空が改修しなかった
- 中華航空140便墜落事故の犠牲者は264名・名簿はある?
- 中華航空140便墜落事故の「脳みそ戻して」の手記は都市伝説
- 中華航空140便墜落事故の機長
- 中華航空140便墜落事故の副操縦士
- 中華航空140便墜落事故のボイスレコーダーには機長の「終わりだ」の声が・・・
- 中華航空140便墜落事故の生存者には子供が2人・兄弟の噂は本当?
- 中華航空140便墜落事故の現在
- 中華航空140便墜落事故のまとめ
中華航空140便墜落事故とは
出典:sankei.com
中華航空140便墜落事故は、1994年4月26日に名古屋空港で発生した航空機墜落事故です。
・発生日時:1994年4月26日20時12分19秒
・発生場所:名古屋空港
・航空会社:中華航空(現在のチャイナエアライン)
・事故機種:エアバスA300B4-622R
・犠牲者数:264名
・生存者数:7名
・事故概要:着陸時の失速による墜落
中華航空140便墜落事故の概要① 離陸から墜落までの経過
出典:https://pixabay.com/
1994年4月26日、台湾の中正国際空港(現在の台湾桃園国際空港)発名古屋空港行きの中華航空140便は、中正国際空港を17時53分(日本時間)に離陸しています。
運航乗務員2名(機長・副操縦士各1名)と客室乗務員13名、乗客256名(幼児2名を含む)が搭乗していたようです。
名古屋空港に着陸するため、中華航空140便は21時58分に名古屋アプローチと交信を始め、高度を下げていきます。
着陸は機長が副操縦士に対し、「君は、自分でやりなさい」と副操縦士による操縦で着陸を指示しました。
20時14分に、着陸態勢に入った高度330m付近で副操縦士が、誤ってゴー・レバーを作動させてしまいます。
このゴー・レバーをさせたことで、飛行機は着陸やり直しのゴーアラウンドモードの自動操縦に切り替わり、これによって、飛行機の推力は増加し上昇。
しかし、副操縦士は飛行機を降下させて着陸しようとしています。
自動操縦で上昇、しかし手動で降下という相反する指令が出された結果、飛行機は水平飛行状態になりました。
機長はゴーアラウンドモード(着陸やり直しモード)を解除するように副操縦士に指示しますが、解除することができず、それでも無理やり機体を降下させようとします。
操縦桿を無理に押し下げて、高度160mまで降下したものの、正常な進入高度に乗せることができなかったため、副操縦士に代わり機長が操縦桿を握りました。
しかし、機長は自分が操縦しても機体が思うように反応しなかったため、着陸のやり直し(ゴーアラウンド)を決断します。
今まで、自動操縦は着陸やり直しモードで上昇しようとしていたところに、機長が手動でも着陸やり直しで機体を上昇させようとしたため、一気に急上昇して機首が上向きになりました。
機体は530m付近まで上昇しましたが、この時ピッチ角は52度と機体はほぼ棒立ち・垂直に近い状態になり、大きく失速。
そして、名古屋空港の滑走路から110m離れた場所に墜落し、大炎上しました。
・20時14分05秒:副操縦士がゴー・レバーを間違って作動させる
機長が解除するように指示
飛行機は水平状態に
・20時14分02秒:機長が操縦交代を告げる
・20時15分11秒:ゴーアラウンドを宣言
機体が急上昇を始める
・20時15分17秒:失速警報音が鳴る
・20時15分31秒:機体が急降下を始める
・20時15分45秒:墜落
中華航空140便墜落事故の概要② 墜落後の経過
出典:https://pixabay.com/
名古屋空港の滑走路近くの着陸帯内に中華航空140便が墜落・大炎上後、すぐに管制官が消防に連絡し救助活動が開始され、墜落から約1時間半後には鎮火しています。
名古屋空港は航空自衛隊小牧基地が隣接していたため、自衛官も救助活動や事故処理に携わりました。
救助活動により、16名が病院に搬送されましたが、病院到着前に6名が死亡。また、病院で治療が行われた10名のうち3名が死亡したため、生存者は7名だけでした。
・犠牲者:264名(乗員15名・乗客251名)
この中華航空140便墜落事故は、日本の飛行機事故の中でも日航機墜落事故に次ぐ惨事となり、平成最悪の航空機事故となってしまいました。
この事故で機長と副操縦士、さらに中華航空の幹部4人の合計6人は業務上過失致死傷で書類送検されました。
しかし、機長と副操縦士は死亡していますので被疑者死亡による不起訴となり、中華航空幹部は嫌疑不十分で不起訴となっています。
中華航空140便墜落事故の原因
航空事故調査委員会によって、中華航空140便墜落事故の原因は12個あり、この12個の原因が連鎖・複合して起こった事故であると認定されています。
出典:shippai.org
航空事故調査委員会によって認定された事故原因はこちらです。
2.ゴーアラウンドモードが解除されていない状態で、自動操縦で進入を継続した
3.操縦輪の操舵が重い状態なのに、機長の指示で副操縦士が操縦輪を押し下げ続けた
4.THSとエレベータが整合することなく作動し、機体が異常なアウト・オブ・トリム状態になった
5.アウト・オブ・トリム状態への動きを操縦士に知らせる警報・認識機能がなかった
6.機長と副操縦士に自動操縦のモード変更及びオーバーライド機能の理解不足があった
7.機長の操縦交替の時機が遅れ、適切な措置が講じらなかった
8.アルファ・フロアがアウト・オブ・トリム状態になっているのに、通常通りに動いて急上昇したため、回復操作の時間的猶予が少なくなった
9.機長・副操縦士それぞれ飛行状況と異常な飛行状態からの回復操作に適切さを欠いた
10.機長と副操縦士間のクルー・コーディネーションが適切ではなかった
11.機体に必要な改修が行われていなかった
12.エアバスからの改修を促す技術通報の優先度が高くなかった
これらの原因を見ると、中華航空140便墜落事故は機長・副操縦士による人為的なミスに加え、機体のシステム問題、中華航空やエアバスの企業側の問題が絡み合って起こったと言えます。
次の章からは、この中華航空140便墜落事故の原因の中でも、特に大きな原因と思われる3つのものを見ていきます。
中華航空140便墜落事故で特に大きな原因① ゴー・レバーを作動させた
出典:tokai-tv.com
中華航空140便墜落事故のきっかけとなっは、副操縦士がゴー・レバーを作動させたことです。
高度を下げて着陸態勢に入っていたところに、誤ってゴー・レバーを作動させたことで、飛行機はゴーアラウンド(着陸やり直し)モードに入りました。
ただ、このミスはそこまで重大なミスというわけではありません。このゴーアラウンドモードを解除すれば良いだけです。
実際、機長は副操縦士がゴー・レバーを作動させたことに気づき、解除するように指示しています。
問題はゴー・レバーを作動させて、解除しないまま、無理やり着陸しようとしたことです。
中華航空140便墜落事故で特に大きな原因② 機長も副操縦士も解除方法を知らなかった
出典:mainichi.jp
副操縦士がゴー・レバーを誤って作動させて、ゴーアラウンドモードに入った中華航空140便は、ゴーアラウンドモードを解除することなく、着陸しようとしました。
なぜ、ゴーアラウンドモードを解除することができなかったのか?
それは機長も副操縦士も、ゴーアラウンドモードを解除する方法を知らなかったからです。
エアバスA300はコンピュータ重視の設計をしていたので、ゴーアラウンドモードを解除するためには複数のボタンを順番通り押していかなければいけない仕組みになっていました。
しかし、世界最大のシェアを誇るボーイング社の飛行機は、操縦桿を操作するだけで、自動操縦を手動操縦に切り替わるように設計されていました。
つまり、エアバスは人間の意思よりコンピュータ優先。ボーイング社はコンピュータより人間の意思優先。
この違いがあり、機長は操縦桿を手動で操作すれば、自動操縦が解除されると思いこんでいたようです。
機長としては、「この操作をすれば手動操縦に切り替わり、問題なく着陸できる」と考えて操縦していたのに、実は正しい操縦方法ではありませんでした。
いつまでもゴーアラウンドモードが解除されない中、無理やり機体を降下させていたところ、手動でも着陸やり直しを試みたため、一気に機体が急上昇して、失速して墜落したのです。
機長・副操縦士共に、中華航空が定めた学科、シミュレーター、実機による訓練を修了していましたが、教育訓練は不十分だった可能性があります。
中華航空140便墜落事故で特に大きな原因③ 中華航空が改修しなかった
出典:nagoyatv.com
中華航空140便と同じエアバスA300では、それまでに自動操縦に関する似たようなトラブルが3件(1985年、1989年、1991年)起こっていました。
そのため、エアバス社は操縦桿を強い力で押すと、自動操縦から手動操縦に切り替わる技術通報(A300-22-6021)を発行しました。
この通報に従って中華航空が改修していれば、この中華航空140便墜落事故は起こらなかったでしょう。
しかし、エアバス社からの通報は「必須」ではなく「勧告」だったため、中華航空はコンピュータの修理と合わせて実施することにして後回しにしており、事故時はまだ改修前でした。
エアバス社からの通報が「必須」だったら?中華航空がすぐに改修していたら?
中華航空140便墜落事故は起こらなかったと言えるでしょう。
中華航空140便墜落事故の犠牲者は264名・名簿はある?
出典:youtube.com
中華航空140便墜落事故の犠牲者は264名にものぼりました。
中華航空140便には乗員15名、乗客256名の合計271名が搭乗していましたが、乗客7名を除く合計264名が死亡しています。
271名のうち乗客16名が救急車で救急搬送されましたが、そのうち6名は病院収容時すでに死亡していて、病院で治療を受けた10名のうち、3名は4月27日、28日、5月1日にそれぞれ死亡。
犠牲者の方たちは墜落時の衝撃による全身打撲や多発性骨折を負った人がとても多く、犠牲者の半数近くは火傷が見られたとのことです。
犠牲者は機長・副操縦士、客室乗務員のほか、日本人や台湾人、その多国籍の乗客249名です。
犠牲者名簿は公開されていませんが、国際線の事故だったこともあり、パスポートからの国籍・名簿による遺体確認は速やかに行われたようです。
また、この中華航空140便には日本からのパッケージツアー客がたくさん乗っていましたが、台湾に社員旅行に行っていたニットー(当時の日東製陶)の社員38名も搭乗していました。
この中華航空140便墜落事故によって、ニットーは社員の約半数を失うという悲劇に見舞われています。
中華航空140便墜落事故の「脳みそ戻して」の手記は都市伝説
出典:nikkei.com
2ちゃんねる(現在の5ちゃんねる)には、中華航空140便墜落事故の生存者の手記があります。
1 :以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします:2017/12/28(木) 20:01:29.695 ID:Z2OrWBA8K
みんな手を挙げて助けを求めていた。
前の席の人が私に助けを求めてきた。
その人は頭蓋骨が骨折しているのか。
頭から脳みそらしき物が流れ出し。
私にその物を頭の中に入れてくれと頼んできた。「ごめん、それ元に戻して、戻して、ああ、頼む」
私はどうしたら良いのか分からず、
「もうすぐ救急隊きますんで、あまり動かないほうがいいですよ」
と返事をするより無かった。
ふと気がつくとその男性は息絶えていた。
この「脳みそ戻して」という内容の生存者の手記は、変にリアリティがあってネット上で広まっていきました。
ただ、この手記はあくまで都市伝説であり、デマの可能性が高いです。
中華航空140便墜落事故の生存者はたった7名。しかも、最も軽傷だった人でも全治2ヶ月という状態でした。
ということは、この手記の中のように「あまり動かないほうがいいですよ」なんて冷静に話せる状態だったとは思えません。
また、犠牲者の方々は全身打撲や多発骨折だったため、「手を挙げて助けを求める」ようなことができた可能性は限りなく低いです。
そして、脳みそのようなものが流れ出ている状態で「脳みそ戻して」と言えるような意識状態だったとは思えません。
このことから、中華航空140便墜落事故の生存者の手記はあくまでも都市伝説であり、実際のものとは違うと思っておいた方が良いでしょう。
でも、この2ちゃんねるの生存者の手記は絶妙なリアリティがありますよね。
中華航空140便墜落事故の機長
中華航空140便墜落事故の機長は42歳の元空軍パイロットでした。
1989年に中華航空に入社し、総飛行時間は8340時間19分とベテランでしたが、エアバスA300の飛行時間は1350時間27分でした。
腕には自信があるタイプでしたが、最新のハイテク機器搭載の機種には不慣れな状態でした。
中華航空140便墜落事故の副操縦士
出典:https://pixabay.com/
中華航空140便墜落事故の副操縦士は、当時26歳で総飛行時間は1624時間11分と、若手で経験が浅いパイロットです。
ボイスレコーダーでは機長のことを「教官」と呼んでいることからも、機長に意見することはできず、無条件に服従する関係性だったと考えることができます。
裁判では、副操縦士は墜落の危険を認識していたと認定されました。
1)事故機の副操縦士は墜落の危険を認識していたのに着陸を続けており、これは無謀な行為といえる。
墜落の危険性を認識していたのに、機長の指示で操縦輪を押し続けていました。これはやはり、機長に逆らえなかったと言えるのではないでしょうか。
中華航空140便墜落事故のボイスレコーダーには機長の「終わりだ」の声が・・・
中華航空140便墜落事故のボイスレコーダーには、機長と副操縦士のやり取りが記録されていました。
そして、そのボイスレコーダーの最後には機長の「終わりだ」という声が残されていたんです。
日航機墜落事故のようにブラックボックスのボイスレコーダーの音声は公開されていませんが、文書としてボイスレコーダーの記録が公開されています。
事故調査委員会の報告書や裁判の記録から、ボイスレコーダーの音声と機長の「終わりだ」という一言までの流れを見ていきましょう。
・11分34秒:(副操縦士) 「教官、じゃあ私はこれを切りますよ」
(機長)「いいよ。マニュアルで飛べば」
→手動操縦に切り替える
・14分05秒:副操縦士がゴー・レバーを誤って作動させる→ゴーアラウンドモード(着陸やり直しモード)に
・14分06秒:(副操縦士)「えっ、えっ、あれ」
・14分10秒:(機長)「君、君はそのゴー・レバーを引っ掛けたぞ」
(副操縦士)「はいはいはい。少し触りました」
・14分12秒:(機長)「それ(ゴー・レバー)を解除して」
(副操縦士)「ええ」
・14分16秒:(機長)「それ」(おそらくゴー・レバーの解除)
(副操縦士)「えぇ」
→機体は水平飛行になる
・14分23秒:(機長)「押して、それを押して、ええ」(操縦輪の押し下げを指示)
→副操縦士は操縦輪が重いことを感じながら押し続ける
・14分26秒:(機長)「君、それを・・・スロットルを切って」
・14分29秒:(副操縦士)「ええ、高すぎる」
・14分30秒:(機長)「君は、君はゴー・アラウンド・モードを使っているぞ」
・14分34秒:(機長)「いいから、ゆっくり、また解除して、手を添えて」
・14分39秒:(機長)「エンジン推力は解除したんだな」
・14分40秒:(副操縦士)「はい教官、解除しました」
・14分41秒:(機長)「もっと押して、もっと押して、もっと押して」
・14分43秒:(機長)「もっと押し下げて」
・14分45秒:(機長)「今、ゴー・アラウンド・モードになってるぞ」
(副操縦士)「はい、教官・・・」
・14分49秒:(機長)「教官、オートパイロット解除しました」
・14分51秒:(機長)「教官、やっぱり押し下げられません。ええ。」
・14分58秒:(機長)「私の、あのランド・モードは」
・15分01秒:(機長)「いいから、あわてずに」
・15分02秒:(副操縦士)「教官、スロットルがまたラッチされました」
・15分03秒:(機長)「オーケー、私がやる、私がやる、私がやる」
→操縦交替
・15分04秒:(副操縦士)「解除して、解除して」(オートスロットルの解除を要請)
(機長)「一体どうなっているんだ、これは」
(副操縦士)「解除して、解・・・」
・15分11秒:(機長)「ゴー・レバー」
→ゴー・レバーを作動
(機長)「ちくしょう、どうしてこうなるんだ」
・15分14秒:副操縦士が名古屋タワーにゴーアラウンド(着陸やり直し)を宣言
・15分21秒:(機長)「え、これじゃ失速するぞ」
・15分25秒:(機長)「終わりだ」
・15分26秒:ピッチ角が最大52.6度になる
・15分31秒:(副操縦士)「セット、セット」
・15分34秒:(副操縦士)「パワー、パワー」
・15分45秒:墜落
20時00分に機長は副操縦士に対して、着陸は君の判断でやりなさいと一任しています。それから1分半後には手動操縦に切り替えました。
そして、手動操縦に切り替えてから2分半後に、うっかり着陸やり直しモードをオンにしてしまいます。それでも約1分程度は機長はそれほど焦っていませんでした。
機長は自分が操縦桿を握ってその重さと機体をコントロールできない状況に、一気に焦りが噴出し、操縦を代わってから20秒後には「終わりだ」と叫ぶのです。
そして、「終わりだ」という機長の叫びから20秒後、中華航空140便は墜落しました。
「終わりだ」という叫びから墜落まで20秒。20秒って意外と長いですよね。
絶望と恐怖の20秒間、機長と副操縦士、そして最大52度に傾いた機内にいた乗客は一体何を思ったのでしょ・・・。
中華航空140便墜落事故の生存者には子供が2人・兄弟の噂は本当?
出典:nagoyatv.com
中華航空140便墜落事故では乗員乗客合わせて271名が搭乗していましたが、生存者はたったの7名だけでした。
生存者は主翼前方の座席に座っていました。飛行機では主翼部分が一番頑丈と言われていて、高度500mから墜落した時も主翼の桁構造に守られて生存したと言われています。
また、生存者7名のうち2名は3歳と6歳の子供でした。この2人の子供は年齢差や座席から兄弟か?と思われがちですが、兄弟ではなく無関係の他人です。
生存者の3歳の子供は、日本で待つ父親と一緒に家族3人で生活するために、母親とフィリピンから日本に向かっていたところ事故に遭いました。
母親は残念ながら事故で亡くなりましたが、男の子は救助活動をしていた自衛官に救出されています。
数時間後、男の子が重症で救出されたという一報が入る。息子の弘義君は生きていたのだ。しかし墜落で受けた衝撃は凄まじく、脳内からは出血、内臓は激しく損傷、そして肺はつぶれかかり自発呼吸ができない状態だった。
この男の子は懸命の治療のおかげで無事生還し、成長しています。
弘義さんは5年前に結婚、2年前に長男が生まれたという。「もう一年ぐらいしたら(事故当時の自分の年齢と息子が)一緒になる。自分も母親が亡くなった年齢を超してしまった。生死さまよっていた自分がここまでになったのは、一番は父のおかげ」と話す。そして、弘義さんの結婚式には末永医師がお祝いに駆けつけたという。
当時治療に当たった医師が、結婚式のお祝いに駆け付けたというエピソードは本当に素敵ですよね。
中華航空140便墜落事故の現在
中華航空140便墜落事故の後、中華航空は日本では「チャイナエアライン」と改名しています。140便も廃止され、定期便になってからは150便・151便に変更されました。
また、事故後は遺族会が作られ、空港と隣接する場所には慰霊施設「やすらぎの園」では毎年慰霊式典が行われています。
生存者の長谷部弘義さんは、2023年8月15日の「ザ!世界仰天ニュース」の中華航空140便墜落事故特集に出演。
また、各マスコミが中華航空140便墜落事故を特集する時にも取材に応え、中華航空140便墜落事故が風化しないように、空の安全の必要性を訴えています。
中華航空140便墜落事故のまとめ
中華航空140便墜落事故の原因、犠牲者数や名簿、生存者手記の「脳みそ戻して」の都市伝説、ボイスレコーダーの機長の「終わりだ」の声、生存者の子供が兄弟の噂、現在をまとめました。
空の安全は本当に確保してもらいたいですね。