シャネルズとは

昭和世代にとっては「シャネルズ」のほうが馴染み深いとも言える、「ラッツ＆スター」は日本のコーラスグループです。

顔を黒く塗った独特のメイクとドゥーワップ（ポピュラー音楽における合唱のスタイル）で大ブレイクし、有名なメンバーとして鈴木雅之さんや田代まさしさん、桑野信義さんがいます。 

1975年に「シャネルズ（CHANELS）」として結成され、1980年にデビュー曲「ランナウェイ」が大ヒットしてミリオンセラーを記録。

その勢いはとどまるところを知らず、まだ馴染みが薄かったドゥーワップを日本に広めたバンドとなりました。

1982年に「CHANELS」のスペルを「SHANELS」に変更、さらに1983年に開催された「サヨナラ・シャネルズ・フェアー」において、バンド名を「ラッツ＆スター」に改名しています。

そして同年に発売された「ラッツ＆スター」 としてのデビューレコード「め組のひと」が80万枚のスマッシュヒットを飛ばすこととなり、その人気が不動のものとなりました。

シャネルズ（ラッツ＆スター）のメンバー

リーダー・鈴木 雅之（リードボーカル）

鈴木雅之さんは「シャネルズ」「ラッツ&スター」のリーダーです。

1986年にはソロデビューを果たし、2000年頃からは「ラヴソングの帝王」、「ラヴソングの王様」と呼ばれてソロ歌手としても人気を博してきました。

現在も精力的に歌手活動を続けている鈴木雅之さんは、2019年頃からアニメソングにも挑戦しており、「アニソン界の大型新人」とも呼ばれています。

田代まさし（テナーボーカル）

田代まさしさんは、「ラッツ&スター」として音楽活動の他に、1986年頃からコメディアン、タレント活動も精力的に行ってきました。

特に、志村けんさんの番組「志村けんのだいじょうぶだぁ」 などで活躍を見せ、「ダジャレの帝王」、「ギャグの王様」、「小道具の天才」と呼ばれ、冠番組も持つようになりました。

しかし、2000年頃から盗撮や薬物使用などで何度も逮捕されるなど事件を起こし、刑務所生活も送っています。

一時は更生したと見られていたものの再び薬物に手を出してしまい、現在は芸能界から追放状態です。

桑野 信義（トランペット、ボーカル、フリューゲルホルン）

桑野信義さんも田代まさしさんとともにバラエティ界に進出して、「志村けんのだいじょうぶだぁ」にコメディアンとして出演したり、ものまねタレントとして活躍したりしていました。

2019年頃からは「スポンジノブ」の名義で、バーチャルYouTuber（VTuber）デビューして注目を集めています。

佐藤 善雄（バスボーカル）

佐藤善雄さんは、「ラッツ&スター」の活動休止に伴って、インディーズレーベルの会社に入社して、プロデューサー業に転向。

1994年には、人気ゴスペルバンド「ゴスペラーズ」のプロデュースに関わりました。

その他にも「RIP SLYME（リップスライム）」「RHYMESTER（ライムスター）」「 冨永裕輔」 などの人気ミュージシャンを世に輩出しています。

現在は、株式会社ファイルレコードの代表取締役社長に就任。また、タレント養成学校「ジャパン・エンターテインメント・アカデミー(JEA)」の名誉校長を務めています。

今でも鈴木雅之さんのアルバムやコンサートにゲスト出演しており、アーティスト活動も継続中です。 

久保木 博之（トップテナーボーカル）

久保木博之さんは「ラッツ＆スター」が活動を休止した後、ガソリンスタンドに就職したようです。

ただ、バント活動は続けていたようで、一時期は活動再開も明言していました。

しかし、田代まさしさんの不祥事により、活動再開の話は立ち消えてしまったようです。

出雲 亮一（ サイドギター、ボーカル）

出雲亮一さんは、「ラッツ&スター」の活動休止後にギタリストとして活動しながら、1993年からはボイストレーニングなどの音楽指導にも携わってきました。

2001年にはインディーズレーベル「BLUE TANGO RECORDS｣を設立し、2004年には安蒜真里子さんと共に音楽スクール「MAR WEST MUSIC SCHOOL」を開校しました。

現在はボイストレーナー、ギタートレーナーとして「ジャパン・エンターテインメント・アカデミー（JEA）」の音楽コースの講師や、「日本芸術専門学校」の講師などを歴任。

また、ライブやレコーディング活動にも力を入れています。

新保 清孝（ドラムス、ボーカル）

新保清孝さんの現在の活動は不明ですが、ドゥーワップグループ「Oh!Sharels（オシャレルズ）」のオフィシャルグループに掲載された写真に載っていたことがわかりました。

何かしらの音楽活動を現在も続けているようです。 

シャネルズ（ラッツ＆スター）の元メンバー

元メンバー・須川 泰男（リードギター）

須川泰男さんは仏門に入るために、脱退したと言われています。

元メンバー・高橋 進（ベース）

シャネルズ結成メンバーだった高橋進さんですが、「ラッツ＆スター」に改名した翌年の1984年2月に脱退しています。

元メンバー・山崎 廣明（キーボード）

山崎廣明さんは、高橋進さんと同じく1984年2月に「ラッツ&スター」を脱退しました。

その後、横山剣さんらとバンドを結成したり、ロックバンド「ザ・クールス」のメンバーとして活動したりしていました。

また、俳優として舞台や映画にも出演しており、オリジナルファッションブランドも立ち上げています。

2017年には、出雲亮一さんらとのバンド「浅草ファイブ」のメンバーとしても活動中です。

シャネルズの事件・不祥事①　1980年3月：わいせつ事件でメンバー5人が書類送検

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シャネルズ（ラッツ＆スター）が初めて起こした不祥事は、デビューした翌月の1980年3月です。

群馬県で開催された「シャネルズ」のコンサートの後、メンバー10人のうち5人が、当時未成年だったファンの女子2名を宿泊施設に誘い込んでわいせつな行為をしました。

桑野信義さん・久保木博之さん・新保清孝さん・山崎廣明さん・須川泰男さんの5人は、埼玉県青少年健全育成条例違反の疑いで書類送検され、半年間の謹慎処分となっています。

デビュー曲「ランナウェイ」が大ヒットして華々しいスタートを切った直後に起きた事件だったため、ファンはがっかりしてしまいました。

シャネルズの事件・不祥事②　2000年9月：田代まさしが盗撮で書類送検

ここからは、「シャネルズ」「ラッツ&スター」でテナー・ボーカルを務め、バラエティタレントとしても活躍していた田代まさしさんの不祥事・事件のオンパレードです。

2000年9月、東急東横線の都立大学駅構内において、田代まさしさんは女性の下着を盗撮しようとしたところ、不審に思った周囲の人が通報し、事件が発覚しています。

田代まさしさんは警察に任意聴取をされ、「東京都迷惑防止条例違反」により書類送検されました。

これにより罰金5万円の科料を課されましたが、マスコミの取材に対して「ミニにタコができる、というお笑い映像を作ろうとした」と苦し紛れの言い訳をして、世間の失笑を買いました。

シャネルズの事件・不祥事③　2001年12月：田代まさしがのぞきと覚せい剤で逮捕

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2001年12月、田代まさしさんは近所の男性宅の風呂をのぞいたとして軽犯罪法違反容疑で現行犯逮捕されました。

これにより家宅捜査を受けた際、田代まさしさんの自宅から覚せい剤が押収され、覚醒剤取締法違反の容疑で再逮捕されることとなりました。

田代まさしさんは当時、1991年のハワイ旅行で覚醒剤を初めて使用したと語っていました。

しかし、「ラッツ&スター」やバラエティタレントの活動が多忙を極め、ストレス過多になっているところにテレビ局のプロデューサーが覚せい剤を勧めてきたことを後年明かしています。

シャネルズの事件・不祥事④　2004年6月：田代まさしが人身事故で書類送検

2004年6月某日の深夜、田代まさしさんは東京都杉並区内の青梅街道を車で走行中に、転回禁止ゾーンでUターンしたことで、バイクに乗った男子学生に重傷を負わせる事故を起こしました。

これにより、田代まさしさんは業務上過失傷害、道路交通法違反の容疑で書類送検されています。

シャネルズの事件・不祥事⑤　2004年9月：田代まさしが銃刀法違反と覚せい剤で逮捕

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2004年9月、田代まさしさんの車の中から覚醒剤と刃渡り8cmのナイフが見つかり、田代まさしさんは覚醒剤取締法違反及び銃刀法違反で現行犯逮捕されました。

当時、芸能活動に多大なプレッシャーを感じていたことに加え、盗撮事件以降は家族との関係も悪くなっていたため、ストレスから覚せい剤に再び走ってしまったと明かしています。

シャネルズの事件・不祥事⑥　2010年9月：田代まさしがコカインで逮捕

2010年9月、田代まさしさんは横浜市内で車を運転中でしたが、不審に思った警察から職務質問を受けました。

その際、車の中からコカインが発見されたため、麻薬及び向精神薬取締法違反の容疑で現行犯逮捕されました。

2004年の覚醒剤取締法違反による執行猶予中での逮捕となったため、公判では薬物の常習性があるとされ、今回は懲役3年6月の実刑判決が下りました。

当時、田代まさしさんは前科があることから、「シャネルズ」デビュー30周年記念イベントへの出演をレコード会社から拒否されており、深いショックを抱えていたといいます。

そうした中で臨んだ握手会で、田代まさしさんに目を付けた薬物の売人が連絡先を渡してきたそうで、結果的にコカインに手を染めてしまったとのことです。

薬物逮捕後はリハビリ施設「ダルク」へ

刑期を終え、刑務所から出所した田代まさしさんは、民間の薬物依存リハビリ施設である「ダルク」の更生プログラムを受けています。

その後、ダルクのスタッフとして活動を始め、薬物中毒になった自身の体験を講演で紹介するなど、更生してまっとうな人生を歩み始めたと思われていました。

しかし、そのファンの期待はもろくも崩れ去ることとなります。

シャネルズの事件・不祥事⑦　2015年7月：田代まさしが盗撮で書類送検、「ラッツ＆スター」活動再開が白紙に

2015年7月、田代まさしさんは東急田園都市線の二子玉川駅で女性の下着を盗撮しようとしたとして、東京都迷惑防止条例の容疑で書類送検されました。

この頃、「ラッツ&スター」の再結成の話が現実味を帯びていた時期でしたが、田代まさしさんが事件を起こしてしまったことで、グループの活動再開は白紙になっています。

シャネルズの事件・不祥事⑧　2019年11月：田代まさしが覚せい剤で逮捕

2019年11月、田代まさしさんの自宅マンションや宿泊先から覚せい剤が見つかり、3度目の覚醒剤取締法違反での逮捕、コカインも合わせると薬物逮捕は4度目となりました。

逮捕前、田代まさしさんはテレビやYouTube などへの露出が次第に増えており、今度こそ完全に立ち直ったと思われていた矢先でした。

「ラッツ&スター」のメンバーからももはや反応すらなく、完全に他人扱いされてしまい、田代まさしさんは今度こそ芸能界の仲間から完全に見放されています。

シャネルズがラッツ＆スターに改名した理由とは？

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「CHANELS」から「SHANELS」へ改名した理由は？

シャネルズは、アメリカのロックンロール・ポップスグループ「Sha na na（シャ・ナ・ナ）」とドゥーワップグループ「The Channels（ザ・チャンネルズ）」をもじって付けられました。

元々英字表記は「CHANELS」でしたが、1982年に「SHANELS」にスペルが変更されました。

変更の理由は、ハイブランド「CHANEL」から商標や印象の問題からクレームが来たとの説もありますが、海外で「チャネルズ」と読まれてしまうためと鈴木雅之さんが明かしました。

「シャネルズ」から「ラッツ＆スター」へ改名した理由は？

「SHANELS」とスペルを改めた翌年の1983年に、さらにバンド名を「シャネルズ」から「ラッツ＆スター」に改名しました。

なぜ改名したか理由は明かされていないようですが、「シャネルズ」という読み方がやはり「CHANEL」からクレームが続いたため、とも言われています。

また、とあるメンバーが「ドゥーワップにとらわれないグループを目指すため」と語ったこともあるようですが、改名の真相は明らかになっていません。

「ラッツ&スター」というグループ名の意味は「ドブネズミ達と星」で、自分たちが不良だったことをドブネズミとしてかけたものです。

また、「RATS ＆ STAR」 は後ろから読んでも同じであるため、「ドブネズミ達が歌うとRATS（ラッツ）がひっくり返りスター（STAR）になる」という意味が込められているそうです。 

シャネルズ（ラッツ＆スター）のその後と現在

現在、「ラッツ&スター」のメンバーが揃って活動することはないようです。

しかし、鈴木雅之さんと佐藤善雄さん、桑野信義さんの3人は、2006年4月19日にゴスペラーズの村上てつやさん、酒井雄二さんとコラボして「ゴスペラッツ」としてアルバムをリリース。

2015年9月2日には「ゴスペラッツ」10周年記念として、アルバム「GOSPE☆RATS ～ぺラッII～」がリリースされました。

同月に東京と大阪で行われたライブイベント「SOUL POWER」も開催され、活躍しています。

まとめ

1975年に結成された「シャネルズ」は、紆余曲折を経て「ラッツ&スター」として活動してきましたが、メンバーが起こした事件や不祥事もたくさんあります。

デビュー直後にわいせつ事件を起こして謹慎というのも当時は衝撃的だったと思いますが、それ以上に世間を騒がせてきたのは田代まさしさんの度重なる盗撮や薬物逮捕でしょう。

田代まさしさんはバラエティタレントとしても絶大な人気を得ていたため、当時のファンは相当ショックだったと思われます。

田代まさしさんが完全な更生に向けて現在も頑張っているかは不明ですが、「ラッツ&スター」の活動が再開されることを待ち望んでいるファンを裏切らないでほしいですね。