建物の耐震強度の偽装で日本中が大騒ぎになった「姉歯事件」ですが、実刑を受けた姉歯秀次さんや嫁・子供のその後や現在が話題です。
今回は姉歯事件の概要、姉歯秀次さんの経歴、嫁や子供などその後や現在をまとめました。
“姉歯事件”の概要
2005年、マンションやホテルなどの耐震強度の偽装が明るみになったこの事件ですが、“姉歯”という珍しい苗字で記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。
この件に関わった元一級建築士の姉歯秀次さんを中心に、関係者が国会の証人喚問を受け、最終的には5人が逮捕・起訴されています。
“地震大国”であるこの日本において、建築基準法の本来あるべき安全基準を満たしていない多くのマンションやホテルが建設されていた…との事実が社会に与えた影響は計り知れません。
出典:https://twitter.com/
結局、姉歯事件は姉歯秀次による個人犯罪として決着済み
当初、この事件は組織的な偽装とみられており、一級建築士だった姉歯秀次さんを中心に、関係していたとされる数人が次々と国会の証人喚問を受け、その後、逮捕・起訴されています。
一級建築士の姉歯秀次さん、木村建設元社長の木村盛好さん、木村建設元東京支店長の篠塚明さん、イーホームズ元社長の藤田東吾さん、そして濃いキャラで話題になったヒューザー元社長の小嶋進さんの5人が有罪判決を受けています。
が、しかし!実刑判決を受けたのは姉歯秀次さんのみで、それ以外は全員執行猶予がついたことでも話題になりましたね。
出典:https://twitter.com/
あくまで公判では、耐震偽装に関与したのは姉歯秀次さんのみで、その他の関係者は事件との因果関係が認められなかったり、あるいは知っていて“詐欺”をしただけ…としたわけです。
つまり、“姉歯事件”はその名の通り、「姉歯秀次の個人犯罪」という形で幕を引きが図られたわけです。ちなみに姉歯秀次さんには、懲役5年、罰金180万円の実刑判決が下っています。
出典:https://twitter.com/
姉歯秀次は単なるスケープゴートだった可能性も
以上の判決結果からも分かる通り、姉歯事件は肝心要の“耐震偽装”の部分に関しては、全て姉歯秀次さんによる個人犯罪とされた事件なんですよね。
但し!この事件に関しては、国や政治家、宗教団体などとの因果関係が取り沙汰されており、現在もなお、その真相は闇の中であるとの見方があることも事実です。
出典:https://twitter.com/
もしかすると、姉歯秀次さんはただの“生け贄”、つまり“スケープゴート”だったのでは?との根強い噂が、今なお囁かれているようです。
姉歯秀次のプロフィール
世間で“姉歯事件”以上に話題になったと言えば…
姉歯秀次さんと言えば、その名前が事件名にもなったことからも分かる通り、多くの関係者が関わっている“姉歯事件”の中で、唯一実刑判決を受けた人として知られています。
事件の核心部分である“耐震偽装”に関しては、あくまで“姉歯秀次さんの個人犯罪”とされました。
しかし、世間的にそれ以上に話題になったのが…“姉歯秀次さんの髪”なんですよね。
事件発覚当初は、こんなダンディーな姿で颯爽と登場した姉歯秀次さん。
出典:https://twitter.com/
「やはり天才一級建築士なんて呼ばれる人は違うなぁ~」なんて感じのカッコ良いお姿。(後に天才は天才でも“手抜きの天才”だったことが明らかになるわけですが…)
が、しかし!
そんなダンディーでカッコ良い印象のあった姉歯秀次さんですが、送検される際の衝撃的な姿が、世間をアッと驚かせたのです!そのシーンがこちら。
出典:https://plaza.rakuten.co.jp/
というのも、法的には「特殊装飾品」と呼ばれる“かつら”は、拘置所に持ち込めないのだとか。
そのため、姉歯秀次さんは特殊装飾品とやらを“脱いだ”状態で連行されたわけです。
それまで目にしてたダンディーな姉歯秀次さんとのギャップに、世間はてんやわんやの大騒ぎになったとかならなかったとか…。
姉歯の耐震偽装は忘れても、頭髪の偽装に関しては忘れてはならない。#nhk #姉歯 #ズラ pic.twitter.com/rO9gJfWZzj
— きゃんディー (@moomin_papamama) 2017年5月13日
なんて余談はさておき、次にそんな姉歯秀次さんの経歴について詳しく見ていくことにしましょう。
姉歯秀次の経歴
地元の工業高校を卒業し中堅ゼネコンに入社
宮城県出身の姉歯秀次さんは、地元の古川工業高校建築科を卒業後、大阪に本社を置く中堅のゼネコンに入社すると、東京支社の施工部門で主に建設現場の管理などを担当していました。
出典:http://www.yurisha.com/
しかし、以前から設計に興味があった姉歯秀次さんは、1984年に「設計の仕事がしたい」との理由で、4年間勤めたこの会社を依願退社しています。
4度目の挑戦で一級建築士の試験に合格
ゼネコン退社後、東京新宿区の設計事務所などに勤務しながら国家試験である一級建築士の勉強を積み、4回目の試験でようやく合格を勝ち取り、1990年に晴れて一級建築士として登録されました。
国家試験の中でも難易度の高い資格として有名な一級建築士に、高卒の叩き上げで合格しており、姉歯秀次さん本人はもちろん、彼を故郷で応援している母親もさぞ嬉しかったでしょう。
その時の姉歯秀次さんの心情を物語るエピソードがあったので、紹介しておきますね。それは、姉歯秀次さんが親族の結婚式でした挨拶のお話です。
母との2人暮らしが長かった姉歯建築士が20年ほど前、自分の結婚式で「お母さんの喜ぶ顔が見たくて一生懸命勉強した」とあいさつした姿が忘れられない。「独り暮らしの母親に『一緒に暮らそう』とよく話をして、家族思いの子だったんですが……」
引用:asahi.com: 念願の仕事、転落なぜ… 姉歯建築士、語らぬ真相 – マンション耐震強度偽装 http://www.asahi.com/
コスト削減の圧力に屈する形で1999年頃から偽装を始める
国土交通省の調査では、姉歯秀次さんが念願の一級建築士として登録された1990年ですが、その9年後の1999年には偽装を始めていたことが分かっています。
出典:https://www.jcp.or.jp/
その時期は、姉歯事件の関与会社である木村建設とヒューザーが、姉歯秀次さんと知り合ったと説明している時期の1~3年後のことでした。
姉歯秀次さんは、事件発覚後の国土交通省の聴聞会で、「コスト削減の圧力を受けた」「生活のためには従う他なかった」と語っています。
姉歯秀次の嫁と子供~事件のその後に奥さんは自殺
姉歯秀次の嫁は騒動の最中に自ら命を断っている…
この姉歯事件が連日のようにメディアで報道されるようになると、マスコミの姉歯秀次さんへのバッシングが次第に加熱していきました。
出典:https://twitter.com/
そんな姉歯秀次さんには、事件発覚前からうつ病を患っていたお嫁さんがいました。
そして、姉歯事件発覚後の一連のマスコミ報道で、精神的に追い込まれていった姉歯秀次さんのお嫁さんは、2006年3月に自宅近くのマンション7階から飛び降りて、自ら命を絶っています。
出典:http://blog.nikkansports.com/
姉歯秀次の子供は「母はメディアに殺された」と糾弾
遺書なども見つからなかったため、お嫁さんが命を絶った原因は不明ですが、当然、一連の姉歯秀次さんへのバッシングが、少なからず影響していることは間違いないと言われていました。
また、姉歯秀次さんには2人の子供がいたのですが、母の突然の死について次のようにコメントしています。
しかし2006年には妻が投身●殺しており、メディアは「原因不明、遺書は見つかっていない」と報じたが、『FLASH』の報道によれば、2人の息子は「母はメディアに殺された」とマスコミの前で怒りをあらわにしたという。
引用:そういえばあったなぁ!ワイドショーを騒がせたあの騒動と気になるその後をまとめてみた | 毒女ニュース http://www.officiallyjd.com/
というのも…
この時のマスコミ報道は、姉歯元建築士へのバッシング記事が連日踊った。「自宅は超豪邸」「隠し財産が何億円もある」「愛人にマンションを買い与えた」「妻はブランド品を買いあさり、高級フランス料理店でグルメ三昧」などなど……。
しかし自宅は質素で隠し財産どころか、自宅購入時に多額の負債を負っており、保釈金を支払う蓄えすら残っていなかったそう。この一連のマスコミバッシングが一因となり、妻が●殺してしまうという悲劇も起きた。
引用:そういえばあったなぁ!ワイドショーを騒がせたあの騒動と気になるその後をまとめてみた | 毒女ニュース http://www.officiallyjd.com/
ちなみに、姉歯秀次さんに関して連日報道された「超豪邸」と表現された自宅がこちら。
もちろん「愛人にマンションを買い与えた」という記録も、その後の調べで一切なかったことが分かっています。
さらに、お嫁さんの「ブランド品を買いあさり、高級フランス料理店でグルメ三昧」との噂もデマだったことが後に明らかになっており、むしろ「ごく普通の、地味な主婦だった」との声が多かったようです。
また、当時の姉歯秀次さんの家庭内について語った次のような証言もありました。
当時、妻は体調を崩しがちで、姉歯建築士も2人の子供とも意思疎通がうまくいっておらず、思い悩んでいた様子だったという。近所の人は、姉歯建築士の妻が「家庭内がめちゃくちゃで」とこぼしたと明かした。
その姉歯建築士が、ふと笑みを見せた時のことを建築士仲間は覚えている。2年ほど前、「せがれが事務所を手伝うことになって」と話し、ほおが緩んだ。
引用:念願の仕事、転落なぜ… 姉歯建築士、語らぬ真相 – マンション耐震強度偽装 http://www.asahi.com/
姉歯秀次の2人の子供達の偽装問題発覚後は…
母親の突然の死の後も、姉歯秀次さんの2人の子供たちは千葉の自宅で暮らしていたそうです。
人目を気にして朝早く出かけ、夜遅く帰宅する様子が近所の住民に目撃されています。
その後、父親の保釈金を用意するため自宅は売却されたようですが、しばらくは家賃を払ってその家に住み続けていたこともわかっています。
姉歯事件のその後と姉歯秀次の現在
耐震強度が疑問視された姉歯物件は東日本大震災でもビクともしなかった・・・
姉歯事件によって耐震強度が疑問視された、いわゆる“姉歯物件”は現在どうなっているのでしょう。
2014年に毒舌で知られる元フジテレビアナウンサーの長谷川豊さんが、「東日本大震災でビクともしなかった」とブログで発言し、物議を醸しました。
出典:https://www.j-cast.com/
当時、震度5か6でパターンと倒れると報道された姉歯元1級建築士が設計したマンションは果たしてどうなっているのか?!答えは…
ビクともしていなかった。
当時、姉歯氏はこう語っている。
「耐震に関してはかなりの強度を保っておりますし、震度7や8にも十分耐えられるはずです」
そう、関東地方にある姉歯物件は実はフジテレビ関係者も住んでいた。お台場にあるフジテレビ本社にはかなり交通の便の良い所に姉歯物件が存在するのだ。ちなみに、それらの姉歯物件だが、少なくとも僕の知る限り…
1棟もヒビ一つ入っていない。
要は姉歯氏の言っていた言葉の方が正しかったのだ。
(中略)
臭いものには、自分たちにとって不都合な真実は、大きく騒がれない限り、目をつむる。そういう体質が多くのマスコミには蔓延している事実は間違いなくあるのではないか?少なくとも、僕はそう感じている。
引用:あの姉歯物件は東日本大震災でビクともしていなかった。「臭いものには目をつむる」マスコミに蔓延している体質 – Yahoo!ブログ https://blogs.yahoo.co.jp/
一概にそうとも言えないという指摘も
しかし、これについては騒動の際に特に問題とされた複数物件が補強されたり取り壊しになっていて、論点がおかしいという指摘も。
出典:http://www.cherubim.co.jp/
姉歯事件の影響で強度計算についての一般理解も進み、対策も打たれていることは併記するべきだと思うんですよね。
(中略)
姉歯バッシングがやりすぎだという議論で、まじめに耐震偽装問題に取り組み改善を施してきた不動産業者の努力が無かったかのように扱われるのはどうかと思いますけどね。まあ長谷川豊じゃしょうがないんでしょうけど。
引用:やまもといちろう 公式ブログ – 「姉歯物件は大震災でビクともしていなかった」と長谷川豊が言ってんだけどさ https://lineblog.me/
姉歯秀次は一級建築士の資格を剥奪
姉歯事件で唯一、実刑判決を受けた姉歯秀次さん。つまり、いわゆる「耐震偽装」そのものに関わったのは姉歯秀次さんだけだったと言うことです。
この姉歯事件には、多くの関係者が関わっていたのは間違いありません。
しかし、姉歯秀次さん以外の方については「耐震偽装」との関係性を明確に立証できず、姉歯事件は「姉歯秀次建築士が1人で耐震偽装工作をした個人的犯罪」として司法が結論づけました。
出典:http://www.spacecruise.net/
もちろん姉歯事件の発覚によって、姉歯秀次さんの一級建築士としての資格は剥奪されています。従ってそれ以降は、姉歯秀次さんは“元”一級建築士という肩書きで呼ばれ方をしています。
姉歯秀次の現在の消息は不明
姉歯秀次さんのその後について調べてみると、ほとんど…というか全く情報が見つかりませんでした。
姉歯事件によって実刑判決を受けた姉歯秀次さんですが、既に刑期は終えて出所していることは間違いないものの、現在の姉歯秀次さんや2人の子供がどこで何をしているのかは不明です。
姉歯事件を契機に法改正が実施される
その後、姉歯事件を受けて2007年6月20日に建築基準法が改正されました。改正趣旨は、簡単に言うと建築基準値を満たしているかどうかの確認する手続きの厳格化なのだとか。
姉歯事件前まで使われていたソフトも刷新され、簡単には耐震偽装工作ができないように強化されているようです。
出典:http://shikai-osaki.jugem.jp/
まとめ
いかがでしたでしょうか。
2005年にマンションやホテルなどの耐震強度の偽装が明るみなり、社会に衝撃を与えた姉歯事件。
この事件において、“耐震偽装”に直接関わったとして唯一実刑判決を受けた姉歯秀次さんの経歴と、姉歯事件の概要、嫁や子供のその後や現在についてまとめてみました。
どんな理由があるにせよ、姉歯秀次さんが耐震偽装に手を染めたことは、許されることではありません。
しかし、姉歯事件を“姉歯秀次さんの個人的犯罪”と結論づけた司法に、底知れぬ闇を感じたのは私だけではないはず…。