迫力あるラストシーンを撮ろうとしたがために3人が死亡した「トワイライトゾーン死亡事故」ですが、事故動画が現在も残っており話題です。
今回は事故詳細、犠牲者のヴィック・モローや子役、事故動画や原因、その後をまとめました。
この記事の目次
トワイライトゾーン死亡事故の詳細 【ラストシーン撮影中に発生、ヴィック・モローと子役2人が死亡】
映画「トワイライトゾーン/超次元の体験」では、撮影中にヘリコプターが墜落し、出演者3人が即死するという死亡事故が起こっています。
事故が起こったのはラストシーン
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事故が起こったのは、「トワイライトゾーン/超次元の体験」の第1話のラストシーンを撮影していた時のことです。
撮影は、アメリカのカリフォルニア州のロサンゼルスから北に約90kmの場所にある「Indian Dunes」で行われました。
この「Indian Dunes」は600エーカーの敷地内に、砂漠や密林、川、丘などがあり、映画のロケではよく使われていた場所です。
ヴィック・モローが演じるビル・コナーがアメリカ軍からベトナム人の子供2人を守ろうとして、子供2人を抱えて浅い川を渡ろうと、川の中を走るシーンでした。
・ベトナム人の子供:黎丁(マイカ・レ)
・ベトナム人の子供:陳欣怡(ルネ・チェン)
このラストシーンに出演していたのはこの3人です。この3人が悲劇的な事故に巻き込まれてしまったんです。
ラストシーンでヘリが落下
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このラストシーンでは上空にヘリコプターが飛んでいて、ヴィック・モローは爆風とも言える風を浴びながら、膝~腰辺りまである川の中を、2人の子供を抱えて進んでいきます。
さらに、アメリカ軍から逃げるという緊迫した雰囲気を出すために、模擬爆弾が使われていました。後に紹介する動画を見るとよくわかりますが、確かに模擬爆弾がたくさん使われています。
そして、ヘリの近くで模擬爆弾が爆発し、ヘリコプターはその影響で墜落したんです。
ヴィック・モローと子役2人が即死
墜落したヘリコプターは、ヴィック・モローと2人の子役を直撃しました。
ヘリコプターが横倒しになった状態で墜落し、メインローターがヴィック・モローと子役1人の首を切断しました。
もう1人の子役は、右の着陸装置に押しつぶされた状態で死亡していました。
・子役①:メインローターで首を切断され死亡
・子役②:着陸装置部分に押しつぶされ死亡
トワイライトゾーンとは
ヴィック・モローと2人の子役の死亡事故が起こってしまった映画「トワイライトゾーン/超次元の体験」は、どのような映画だったのでしょうか?
・配給:ワーナーブラザーズ
・制作国:アメリカ
・監督:ジョン・ランディス、スティーヴン・スピルバーグ、ジョー・ダンテ、ジョージ・ミラーの4人
・形式:オムニバス映画
トワイライトゾーンの事故で死亡したヴィック・モローとは
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ヴィック・モロー
本名:ヴィクター・モロゾフ
生年月日:1929年2月14日
没年月日:1982年7月23日
出身:アメリカ
活動:俳優
このトワイライトゾーン死亡事故の犠牲者であるヴィック・モローは、ハリウッド俳優です。
ロシア系ユダヤ人の両親の間に生まれ、大学在学中に演劇を志してメキシコシティ・カレッジ演劇科に転校。卒業後は地方劇団などに所属してから、オフ・ブロードウェイに進出します。
映画デビューは1955年のことですから、26歳の時ですね。俳優としては遅咲きでした。
その後、1962年に転機が訪れます。人気テレビシリーズの「コンバット!」の主役・チップ・サンダース軍曹役が当たって、人気スターの仲間入りを果たしました。
以降も映画・テレビ映画を中心に俳優を続けていましたが、当たり役には恵まれていませんでした。そんな時にオファーが来たのが、「トワイライトゾーン/超次元の体験」だったんです。
ヴィック・モローはこの新進気鋭の監督4人による「トワイライトゾーン/超次元の体験」に再起を賭けていましたが、残念ながらこの作品がヴィック・モローの遺作になってしまいました。
トワイライトゾーン死亡事故の動画が衝撃的だと話題に
トワイライトゾーンの死亡事故は撮影中の出来事であり、犠牲者は出演者3人でしたので、事故の様子はしっかりと映像に残っています。
トワイライトゾーンの死亡事故の動画を見てみましょう。衝撃的な動画ではありますが、グロ画像のようなものではありませんので、その点は安心して下さい。
動画を見ると、撮影中はあちらこちらで模擬爆弾が爆発し、現場はかなりの強風が起こっていたことが分かります。ヴィック・モローは、子役2人を抱えて歩くのがやっとという状態ですね。
そして、ヴィック・モローが左手に抱えていた子役を水の中に落としてしまい、必死に抱きかかえ直したその時、ヘリコプターが回転しながら墜落してきて、3人を直撃しました。
ヘリコプターが落ちてきた様子を見ると、ヘリコプターは完全に制御不能の状態でした。
この状態でヘリコプターが墜落し、高速で回るローターが直撃してきたら、人間なんてひとたまりもないことは間違いないでしょう。
トワイライトゾーン死亡事故の原因
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トワイライトゾーンの事故原因は模擬爆弾の爆発です。
ラストシーンでは、演出のために模擬爆弾がたくさん使われていました「模擬」と言っても、爆発すれば高温になりますし、爆風も出ます。
ホバリングしていたヘリコプター近くで模擬爆弾が爆発し、ヘリコプターが高温にさらされたことで、テールローター(ヘリコプター後部の小さなローター)が故障し、外れてしまいした。
これにより、ヘリコプターは制御不能の状態になって、墜落してしまったんです。
実はこのラストシーンの前に、火災安全担当者は爆風等による事故の危険性があると指摘していましたが、その指摘は監督のジョン・ランディスには伝えられなかったと言われています。
トワイライトゾーン死亡事故のその後
トワイライトゾーン死亡事故が起こった後、映画や出演者はどうなったのでしょうか?事故のその後を見ていきましょう。
ラストシーンは差し替え
トワイライトゾーンの死亡事故はラストシーンの撮影中に発生しました。
この事故で、主役のヴィック・モローは死亡しましたし、ヘリコプターが墜落したシーンなんて使うことができません。
そのため、ラストシーンは差し替えられ、エンディングは当初の予定から大きく改変されることになりました。
でも、普通に「トワイライトゾーン/超次元の体験」は公開されました。撮影中に死亡事故が起こったのに、事故部分だけを差し替えて公開するって、今の感覚からするとすごいですよね。
お蔵入りになってもおかしくないほどの事故ですから。
日本では1984年に公開され、テレビでも放送されています。また、2008年にはDVD化しています。
遺族は訴訟を起こす
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このトワイライトゾーンの死亡事故では、ヴィック・モローと子役2人が犠牲になりました。
ヴィック・モローの遺族と子役2人のそれぞれの両親は、安全管理が不徹底だったとして訴訟を起こしています。
子役の両親は事前に、「騒音はあるけれど危険はない」と言われ、ヘリコプターや爆薬を使って撮影するとは聞かされていなかったと証言しています。
しかし実際は、ヘリコプターは低空を飛ぶし、爆薬が大量に使われ、さらに死亡事故が起こってしまったというわけです。
この訴訟では非公開の補償金を支払うことで和解が成立しました。一説では子役の両親は数百万ドルの和解金を手に入れたとも言われています。
ただ、どんなにお金を手に入れても子供は戻ってきませんので、両親の気持ちを思うとやりきれないですね。
問題が明るみに
このトワイライトゾーン死亡事故が起こったことで、映画界の安全対策や労働環境に問題があることが明るみに出ました。
・子役がいると爆薬を使う撮影ができないのに使っていた
・子役が見つかると問題になるため、事故後に消防士が入った時に子役を隠した
・ヘリコプターにもっと下を飛ぶように指示していた
監督のジョン・ランディスやその他の関係者の合計5人は過失致死罪で起訴されましたが、最終的には無罪になっています。
トワイライトゾーン死亡事故のまとめ
トワイライトゾーン死亡事故の詳細、犠牲者のヴィック・モローと子役2人について、事故の動画や原因、ラストシーンの差し替えなどその後をまとめました。
・ヴィック・モローはヘリコプターが墜落して、ローターで首を切断された
・子役2人も首切断・ヘリに押しつぶされるという事故だった
・原因は模擬爆弾によるヘリの損傷
・ラストシーンは差し替えて、映画は公開された