「若麒麟」の四股名で活躍した元力士でプロレスラーの鈴川真一さんが大麻所持でまたしても逮捕されました。
この記事では鈴川真一さんの相撲時代からプロレスで再起するまでの若い頃や、身長や背中の「闘魂」のタトゥー、結婚や家族、3度にわたる大麻での逮捕と現在についてまとめました。
この記事の目次
鈴川真一は元大相撲・若麒麟でプロレスでも活躍するも大麻で3度目の逮捕
鈴川真一(元大相撲・若麒麟)のプロフィール
生年月日:1983年9月21日
出身地 :兵庫県川西市
身長 :190cm(相撲時代は186cm)
血液型 :A型
鈴川真一(すずかわ・しんいち)さんは、大相撲力士(四股名:若麒麟)であり、プロレスラーとしても活躍する人物です。
1999年に大相撲の押尾川部屋(後に尾車部屋へ移籍)に入門し、2007年に新入幕を果たし、最高位は西前頭9枚目で、将来を期待されていましたが、2009年に大麻取締法違反で逮捕され、日本相撲協会から解雇処分を受けました。
角界追放後、アントニオ猪木氏に見出されプロレスラーに転向。2010年にIGFでデビューし、背中に「闘魂」の二文字を大きく刻んだタトゥーがトレードマークとなりました。強烈な張り手を武器にジェロム・レ・バンナなどの強豪とも対戦し、2011年度のプロレス大賞新人賞を受賞するなど活躍を見せました。
しかし、プロレス転向後も薬物との関係を断ち切ることはできず、2021年、そして2025年にも大麻を所持した容疑で逮捕されています。度重なる不祥事により、そのキャリアは栄光と転落を繰り返す波乱万丈なものとなっています。
ここでは、この鈴川真一さんの、若い頃の相撲界での活躍からプロレスへと至る経歴、身長や背中の「闘魂」のタトゥーの経緯と、結婚や家族、そして、3度にわたる大麻所持での逮捕と現在などについてまとめていきます。
鈴川真一の若い頃① 生い立ちと相撲への道

鈴川真一さんは1983年9月21日、兵庫県川西市で生まれました。(上の画像の右端が幼少期の鈴川真一さん)
実家は日本料理店(兵庫県川西市の割烹料理店)を営んでいました。元々は鈴川真一さんの祖父母がうどん屋を営んでいたのを、中学を卒業後すぐに料理の世界に入り大阪や京都の名店で修行を積んだ父親の淳一さん(上の画像左端)が継いで現在の割烹料理店を開業したそうです。
幼少期の鈴川真一さんにとって、夜は仕事で不在がちな父親との時間は限られていましたが、学校が終わると父親の店で食事をとり、店の定休日である木曜日にはよく遊びに連れて行ってもらうなど、父子は深い絆で結ばれていました。
幼少期には、ある夏の海水浴で、巨大なクエに驚いて父親にしがみつき、親子で溺れそうになったという微笑ましいエピソードも残っています。
子供の頃から運動能力に長けていた鈴川真一さんは、川西市立東谷中学校時代にはバレーボール部に所属していましたが、半ば幽霊部員だったそうで、入退部を繰り返していたのだそうです。
そんな鈴川真一さんが相撲の世界に足を踏み入れるきっかけは、中学1年生の終わり頃に近所のおっちゃんに誘われて相撲部屋を見学したことでした。
その稽古終わりにそのおっちゃんに親方のところへ連れて行かれ、スカウトされる形で大相撲の道へ入る事を決められたそうです。
鈴川真一さんは、中学卒業と同時に、元大関・大麒麟が師匠を務める押尾川部屋へと入門。1999年3月、15歳で初土俵を踏んでいます。
鈴川真一の若い頃② 相撲界では「若麒麟」として活躍し三役候補の期待も

出典:https://www.nikkansports.com/
鈴川真一さんは相撲界では「若麒麟」の四股名で将来を期待される存在でした。
恵まれた体格で相撲界で頭角を表す
大相撲の世界へと入った鈴川真一さんは、186cmという高身長と恵まれた体格を活かし順調に番付を上げていきました。
2004年9月場所で新十両に昇進すると、これを機に師匠である押尾川親方(元大関・大麒麟)の現役時代の四股名にちなみ、「若麒麟真一」と改名しています。
鈴川真一改め「若麒麟」の相撲は、その恵まれた体格を活かした激しい突っ張りが持ち味でした。2008年11月場所では、当時252kgあった巨漢力士・山本山を強烈な張り手1発で沈めた一番が、鈴川真一こと若麒麟の激しい相撲を象徴する取組として、現在も大相撲ファンの間では知られています。
幕内昇進と将来への期待
鈴木伸一こと「若麒麟」の相撲界での道のりは、膝の怪我による幕下陥落を経験するなど決して平坦なものではありませんでしたが、障害に当たる度に不屈の闘志で這い上がり、2007年5月場所では幕下で全勝優勝を果たします。
その勢いそのままに十両に復帰し、同年11月場所で新入幕。最高位は西前頭9枚目まで上り詰めました。
鈴木伸一こと「若麒麟」の生涯戦歴は279勝232敗22休、幕内戦歴は20勝25敗という成績を残しています。将来の三役(大関、関脇、小結)候補として、多くの相撲ファンから大きな期待を寄せられる存在でした。
鈴川真一の若い頃③ 突然の大麻取締法違反での逮捕と相撲界からの追放

鈴木伸一こと「若麒麟」の順風満帆に見えた力士人生は、2009年1月30日に突如として終わりを告げました。若麒麟が乾燥大麻16グラムを所持していたとして乾燥大麻を所持していたとして、大麻取締法違反(所持)の現行犯で神奈川県警に逮捕されたのです。
この時、警察は別の大麻譲渡事件の捜査をしており、それに関連して東京都港区六本木のCD販売店事務所内を家宅捜索した際にその場にいた若麒麟(鈴川真一さん)が大麻を所持しており逮捕されたという経緯でした。
この事件は、前年にロシア出身力士(若ノ鵬、露鵬、白露山)の大麻問題が角界を揺るがした直後だったこともあり、世間に大きな衝撃を与えました。幕内経験のある日本人力士が大麻で逮捕されるのは、史上初の不祥事でした。
日本相撲協会による解雇処分と父親による支え
逮捕を受け、師匠の尾車親方(2005年に押尾川部屋の閉鎖に伴い移籍していた)は激怒し、「事実であればぶん殴りたい」とコメント。日本相撲協会は2月2日の理事会で若麒麟の解雇を決定します。師匠の尾車親方も委員から年寄へ2階級降格という厳しい処分を受けました。
日本相撲協会は5日、大麻所持容疑で逮捕され解雇処分を受けた大相撲の元若麒麟(本名・鈴川真一)容疑者(25)が、退職金にあたる養老金の請求を辞退したと発表した。師匠の尾車親方(元大関琴風)と同容疑者の父親の鈴川淳一さんが東京・両国国技館の相撲協会を訪れ、武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)に辞退の意思を伝えた。理事長は「常識的に言えば、退職金を辞退するのは当たり前だ」と述べ、これを受理した。
鈴川真一さんは力士養老金(退職金)の受け取りも辞退。その後の裁判では、懲役10ヶ月、執行猶予3年の有罪判決が下されました。
相撲界を追われた鈴川真一さんの身元を引き受けたのは、父親の淳一さんでした。故郷に戻った鈴川真一さんは、その後1年間、実家の日本料理店で父の淳一さんの仕事を手伝いながら過ごしています。
この時、地元の市場の人々が何も変わらず応援してくれたこと、そして、人を大切にし、良い食材を料理に使う父の仕事への姿勢に触れたことは、後の鈴川真一さんの人生にとって大きな経験となったようです。
鈴川真一の若い頃④ プロレスラーとして再起を果たす

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相撲界から追放された鈴川真一さんはプロレスラーとして再起を果たす事になります。
プロレス界のレジェンド・アントニオ猪木との出会い
自らの過ちによって逮捕され、相撲界から追放されて失意の中にいた鈴川真一さんに再起のチャンスを与えたのは、”燃える闘魂”ことプロレス界のレジェンド・アントニオ猪木さんでした。
大麻取締法違反の裁判での担当弁護士がアントニオ猪木さんと知り合いだった縁で、アントニオ猪木さんが主宰するプロレス団体「IGF(イノキ・ゲノム・フェデレーション)」への入団が決まったのです。
鈴川真一さんを救ったアントニオ猪木さんは、彼にとってまさに恩人となりました。
衝撃のプロレスデビューと「闘魂」のタトゥー

UWFスネークピットジャパン(レスリングの道場)で元プロレスラーの宮戸優光さんらの指導のもと猛練習を積んだ鈴川真一さんは、2010年9月25日、元PRIDE GP王者マーク・コールマンを相手にプロレスデビュー。鈴川真一さんは、この試合でTKOでの見事な勝ちを収め、鮮烈なプロレスラーデビューを飾ったのです。
そして、ファンに最も衝撃を与えたのが、その背中に刻まれた巨大なタトゥーの存在でした。そこには、恩人であるアントニオ猪木さんの代名詞「闘魂」の2文字が大きく彫り込まれていたのです。
このタトゥーは、鈴川真一さんの再起にかける覚悟と、アントニオ猪木さんへの深い感謝と尊敬の念の表れであったとみられています。鈴川真一さんは文字通り「闘魂」を背負い、プロレスラーとしての道を歩み始めたのでした。
鈴川真一のプロレスラーとしての評価
プロレスラーとしての鈴川真一さんは、力士時代を彷彿とさせる「マーダービンタ」と呼ばれる強烈な張り手を武器に、ジェロム・レ・バンナやピーター・アーツといった世界の強豪とも渡り合って見せました。
そして、2011年度のプロレス大賞では新人賞を受賞するなど、その破天荒なファイトスタイルでプロレス界でも一定の評価を得ています。
しかし、2017年6月に鈴川真一さんはIGFを退団。その背景にはIGFを巡るアントニオ猪木さんと経営陣の対立があるとされています。
ただその後、鈴川真一さん本人は直接の対談の要因として「前日の午前10時に突然呼び出され、抜き打ちで尿検査を強要され、大量に水を飲まされ吐いてしまった」事があり経営陣に対する不信感があったとする内容を語っています。
あの日は、対戦カードの件で午前10時に会社に来てくれ、と言われていました。40分ほど待たされ、自分はトイレに行ったんですが、その直後に“尿検査をやってくれ”と言われたんです。拒否すると、“なんで受けないのか”と、出そうと500ミリの水を3~4本飲まされ、気持ちが悪くなって戻してしまった。
これに対するIGF側の説明は、過去に大麻取締法違反で逮捕され有罪判決を受けている鈴川真一さんに対して不定期での抜き打ち尿検査を行ってきたというものでした。
この退団騒動をめぐっては、鈴木伸一さんがアントニオ猪木に土下座して謝罪する姿も見られましたが、最終的にはフリーランスのプロレスラーとして活動を続けることになりました。
鈴川真一(33)が、6月29日にIGFを電撃退団。その足で猪木氏の元を訪れ、土下座して詫びたニュースは大きな話題となった。「IGF、NEW(IGFが新設した新ブランド)には猪木イズムも闘魂もありません。経営陣と一緒に猪木会長に弓をひくことは死んでもできません。今まで会長の闘魂を背中に背負って戦ってきましたが、闘魂を忘れている事務所を辞めてきました!」と報告して土下座。
鈴川真一の身長と背中の「闘魂」のタトゥー

鈴川真一さんの身長ですが、公称身長は相撲力士時代が「186cm」、プロレス転向後は「190cm」とされています。
プロレス業界では若干身長を盛って記載するのが通例となっているので、相撲時代の186cmというのが鈴川真一さんの正確な身長である可能性が高そうです。
いずれにせよ、この高身長と恵まれた体格は鈴川真一さんの格闘家としての最大の武器でした。
そして、すでに触れているように、鈴川真一さんの代名詞ともなっている、背中一面に彫られた「闘魂」のタトゥーについてですが、これは単なるファッションではなく、鈴川真一さんのプロレスラー人生そのものを象徴する刻印と見做されていました。
鈴川真一の結婚と妻や子供など家族について
鈴川真一さんの結婚や妻や子供など、自身の家族に関する情報は公には報じられておらず、そのプライベートは一切が謎に包まれています。
これまでに数々のメディアが鈴川真一さんの波乱に満ちた経歴や複数回にわたる逮捕について報じてきましたが、その中で妻や子供の存在に触れられたことはなく、結婚はしておらず独身である可能性が高いとみられています。
一方で、鈴川真一さんの両親、特に父親の淳一さんについては本人のインタビューなどからその人物像が断片的に語られており、父親の存在が大きな支えになっていた事が窺えます。
ここまででも触れていますが、鈴川真一さんの父親の淳一さんは料理人であり、実家は兵庫県川西市で割烹料理店を経営しています。
父親の淳一さんは、相撲取り時代の鈴川真一さんを支え、新弟子時代には、年に1度の帰郷の際に父親が差し入れてくれるサバの棒ずしが楽しみであった事などを鈴川真一さん本人が明かしています。
母親についてはほとんど語られていませんが、鈴川真一さんが相撲界に入るのに当初は反対していたとの情報が明かされています。
その他、鈴川真一さんの実家の家族では少なくとも男兄弟が1人いるようですが、詳しい情報は明かされていません。
鈴川真一の現在① 2021年に大麻取締法違反で2度目の逮捕

鈴川真一さんの現在ですが、度重なる大麻取締法違反容疑での逮捕により、厳しい状況にあります。
2009年1月に大麻取締法違反容疑で逮捕とんり、相撲界を追放された後、再起を誓い、プロレスラーとしてリングで闘い続けていた鈴川真一さんでしたが、薬物の誘惑を断ち切ることはできなかったようです。
2021年3月、JR池袋駅構内で大麻を所持していたとして、またしても大麻取締法違反で現行犯逮捕されてしまいます。
報道によれば、鈴川真一さんは2021年3月8日に、JR池袋駅で大麻を砕くための器具を所持しているところを職務質問され、その器具に大麻が付着していたために現行犯逮捕されたという事です。
大麻取締法違反の疑いで現行犯逮捕されたのは、元幕内「若麒麟」の鈴川真一容疑者(37)です。鈴川容疑者は今月8日、東京のJR池袋駅で微量の乾燥大麻を所持した疑いが持たれています。捜査関係者によりますと、鈴川容疑者は警察官から職務質問を受けた際に、手に持っていた大麻を砕くための器具を捨てて、「自分のものではない」と主張しましたが、器具に乾燥大麻が付着していたということです。
鈴川真一さんの2度目の逮捕のその後ですが、起訴されたという報道は出ていません。逮捕時に所持していた大麻が微量であったことなどから、起訴猶予処分になった可能性があるようです。(起訴猶予とは、検察官が被疑事実を認定したものの、諸般の事情を考慮して起訴を見送る処分)
鈴川真一の現在② 2025年10月に3度目の逮捕

出典:https://toonippo.ismcdn.jp/
鈴川真一さんは2度目の大麻取締法違反容疑で逮捕された後、表舞台から姿を消していました。
しかし、2025年10月16日、またしても麻薬取締法違反の容疑で3度目の逮捕という衝撃的な形で、大きく報じられる事になりました。
報道によれば、鈴川真一さんは2025年5月中旬、東京・新宿区の路上に停車中の車内で大麻リキッドを所持していた疑いが持たれています。 鈴川真一さんは「合法だと思った」などと供述し容疑を否認していると報じられていますが、度重なる逮捕は、彼を支えてきた関係者やファンを深く失望させる結果となりました。
東京・歌舞伎町で大麻成分を液体にした「大麻リキッド」を所持したとして、警視庁新宿署が麻薬取締法違反の疑いで、大相撲の元力士若麒麟で自称プロレスラー鈴川真一容疑者(42)を逮捕したことが17日、同署への取材で分かった。「合法だと思った」と容疑を否認している。逮捕は16日。
鈴川真一さんはこれで3度目の大麻所持による逮捕となりました。
この事件については、2025年11月現在の時点では逮捕が報じられた段階であり、その後の裁判や判決に関する情報はまだ報じられていません。捜査が進められ、今後起訴されるかどうか、そして裁判が開かれるかどうかが決まることになります。
今回は、3度目の逮捕であり、前回の逮捕から5年以内の再犯というケースである事から、執行猶予はつかずに実刑判決となる可能性が高いとみられています。
まとめ
今回は、大相撲で「若麒麟」の四股名で活躍した元力士で、その後はプロレスラーとして活躍するも、3度にわたる大麻所持容疑での逮捕により、現在は両業界から追放となっている鈴川真一さんについてまとめてみました。
鈴川真一さんは、大相撲力士としてもプロレスラーとしても高身長と恵まれた体格、高い身体能力という天賦の才能に恵まれながらも、自らの過ちによって何度も潰してきました。
若い頃、鈴川真一さんは三役候補とも呼ばれるなど、相撲界の有力な若手として将来を嘱望されるも、大麻取締法違反容疑での逮捕による角界から追放されます。しかし、アントニオ猪木さんという偉大な存在に救われ、プロレスのリングで「闘魂」のタトゥーを背負い、不器用ながらも再起を目指しました。
しかし、薬物の誘惑から逃れる事はできずに、2021年に2度目の逮捕、2025年に3度目の逮捕となり、プロレス界からも事実上の追放となっています。
現在、42歳となっている鈴川真一さんですが、3度目の逮捕が報じられ、今後について注目が集まっている状況です。鈴川真一さんが自らの過ちと真摯に向き合い、今度こそ薬物との関係を断ち切り、人として真の再起を果たす日が来ることを、今はただ静かに見守るしかありません。



















