世界で最も裕福な一族であり、世界中の金融に絶大な影響力持つ、巨大財閥・ロスチャイルド家の成り立ち、陰謀論などが話題を集めています。
今回はロスチャイルド家の概要や現在に至るまでの家系図、その驚くべき総資産額、数多く囁かれる陰謀論、現在の活動などについてまとめました。
ロスチャイルド家とは
「ロスチャイルド家」はヨーロッパにルーツを持つ世界最大規模の財閥、閨閥、貴族の家系です。
ロスチャイルド家は、18世紀の後半、ドイツ・フランクフルト生まれの元古銭商で、銀行家として成功したユダヤ人、マイアー・アムシェル・ロートシルト(ロートシルトはロスチャイルド(Rothschild)のドイツ語読み)によって興され、マイアーの5人の兄弟達が欧州各地(フランクフルト、ウィーン、ロンドン、ナポリ、パリ)でそれぞれ事業を成功させ、世界規模の情報ネットワークを構築した事によって金融を支配し隆盛を極めました。
ネイサン・メイアー・ロスチャイルド
マイアーの5兄弟の中でも、ロンドン家を築いた三男・ネイサン・メイアー・ロスチャイルドは、1815年のナポレオン戦争の最後の戦い「ワーテルローの戦い」でロスチャイルドの卓越した情報網を駆使していち早くイギリスを中心とした連合軍勝利の情報を掴み、イギリス公債を大量に買い占めて莫大な利益を上げ、その富をもってヨーロッパ金融界の独占に成功します。
また、ロスチャイルド家は、19世紀に入り、ヨーロッパで産業革命が起こる時代背景の中、鉄道業、鉱山事業、ワイン醸造業、ロンドンの地下鉄事業やローデシアの植民地化プロジェクトなど、ありとあらゆる事業に投資して成功を収め、わずか2代(始祖マイアーとその子供達)の間に国家レベルの経済規模を持つ巨大財閥への成長を遂げました。
当時のロスチャイルド家と日本の関係としては、反ユダヤの方針をとっていた帝政ロシアと敵対関係にあったロスチャイルド家は1904年に起きた日露戦争で日本を全面的に支援し戦費の75パーセントを融資。戦艦などの主力兵器の調達にもロスチャイルド家が関わり、これが日露戦争での日本勝利へとつながりました。
隆盛を極めたロスチャイルド家でしたが、19世紀後半頃から大陸各地で幾度も起きた戦争や国家主義の盛り上がりの煽りを受けて次第に衰退の兆しを見せ、1901年にフランクフルト家とナポリ家は没落。ナチスドイツが政権を握りユダヤ人弾圧を強めると、ロスチャイルドウィーン家も攻撃の対象となり、当時の当主のルイス・ナタニエル・フォン・ロートシルトのアメリカへの亡命によって1938年に没落しています。
第二次世界大戦がナチスドイツの敗北によって終わると、健在だったロンドン家とパリ家は、戦前から構築されていた国際ネットワークを駆使してロスチャイルド家を復興させました。また、国外に亡命していたロスチャイルド家の一族が、第二次大戦時に連合国側に資金援助する形で枢軸側と戦い続けた事により、戦後に戦勝各国からの支援を受けられた事も復興への大きな力となりました。
2020年現在、ロスチャイルド家は始祖のマイアー・アムシェル・ロートシルトから数えて7代目を数えていますが、現在でも世界で最も裕福かつ有力な一族で、世界の金融市場に絶大な影響力を持ち続けています。
ロスチャイルド家の家系図
続いて、ロスチャイルド家の家系図を紹介します。
始祖・マイアーとロスチャイルド家を隆盛に導いた5人兄弟の家系図
ロスチャイルド・フランクフルト家(1901年没落)の家系図
ロスチャイルド・ウィーン家(1938年没落)の家系図
ロスチャイルド・ロンドン家の家系図
ロスチャイルド・ナポリ家(1901年没落)の家系図
ロスチャイルド・パリ家の家系図
ロスチャイルド家の資産
先進国家レベルの資本力を持つと言われるロスチャイルド家ですが、2020年現在の資産はどれほどなのでしょうか?
実は、ロスチャイルド家の総資産については公表されておらず不明です。
ただ、推定の総資産として「1京円」という天文学的な数字があげられています。つまり、1兆円の1万倍の金額にあたります。
ちなみに、2016年度の全日本国民の総資産額が「1京497兆円」と内閣府によって発表されています。ロスチャイルド家というひとつの一族だけで、日本国民全体に匹敵する資産額を所持しているという事になります。
あくまでもこの資産額は推測なのですが、ロスチャイルド家が世界の情勢をコントロールできるほどの資本力を握っている事だけは間違いないと言えそうです。
ロスチャイルド家の陰謀論
世界の動向をコントロールできるほどの資産を持つとされるロスチャイルド家には、数々の陰謀論が存在します。
続いては、ロスチャイルド家にまつわる陰謀論を紹介します。
ロスチャイルド家の陰謀論① 世界の中央銀行の通貨発行権を完全掌握している
その国の通貨の発行権を持つのが「中央銀行」ですが、なんでもロスチャイルド家は世界中ほとんどの国の中央銀行に資本を入れる事でオーナーとなりその通貨発行権を完全に掌握しているのだそうです。
ロスチャイルド家の始祖、マイアー・アムシェル・ロートシルトとその三男で、ロスチャイルド・ロンドン家の初代であるネイサン・メイアー・ロスチャイルドによって設立された投資銀行「N・M・ロスチャイルド&サンズ」が、1825年頃までにイギリスの中央銀行「イングランド銀行」を事実上支配下に置き通貨発行権を掌握しています。
それ以降も、ロスチャイルド一族の人間がイングランド銀行理事に就任するなど、絶大な影響力を及ぼし続けています。
また、ロスチャイルド家は、アメリカの中央銀行にあたる「FRB(連邦準備理事会)」も事実上支配下に置いているとされます。
1913年、ロスチャイルド家は、事実上アメリカにおける代理店的立場にあったJPモルガン、クーン・ロープ商会の影響力を駆使して、FRBの設立させたとされます。
FRBはアメリカの主要都市に置かれた連邦準備銀行を統括する立場ですが、その要となる「ニューヨーク連邦準備銀行」の事実上の株主は全てがロスチャイルド銀行などのユダヤ系金融機関が占めているようです。
つまり、事実上、世界の基軸通貨であるアメリカドルの発行権はロスチャイルド家が掌握していると言われているのです。
また、日本の中央銀行である「日本銀行」も事実上ロスチャイルド家が実権を握っているとの陰謀論も囁かれています。
1881年に大蔵大臣を務めて、日本銀行を設立した松方正義はロスチャイルド家と深い関わりを持ち、ロスチャイルド家の重臣的立場にあった当時のフランス蔵相、レオン・セイの助言によって日本銀行設立に邁進したという経緯を持ちます。
また、松方正義は、晩年に、ロスチャイルド卿ナサニエル(ロスチャイルド・ロンドン家第3代当主)の私邸にも招かれ歓迎を受けています。
この事から、そもそも「日本銀行」はロスチャイルド家の意向を受けた松方正義がロスチャイルド家が日本に対する支配力を獲得するために設立したとの陰謀論が存在するのです。
そして現在も日本銀行の資本金のうち、55パーセントは日本政府が出資する事が日本銀行法で定められているものの、残りの45パーセントの大半がロスチャイルド家に関連する民間からの出資だと噂されています。
また、日銀建物内部にはロスチャイルド家の紋章である5本の矢が描かれた扉が存在するとの噂も存在します。
一説によれば、現在、ロスチャイルド家の影響力を受けていない中央銀行を持つ国家は、キューバ、北朝鮮、イラン、スーダン、リビアの5カ国のみとされます。
見てわかるように、ロスチャイルド家の影響下にないこの5カ国はいずれもアメリカと敵対関係にあるか、友好関係にない国ばかりです。結果として、ロスチャイルド家の影響下に無い国は世界中から攻撃対象とされるという構図が浮かび上がってきます。
ロスチャイルド家の陰謀論② 「影の政府」「新世界秩序」を構成
出典:https://www.indiatimes.com/
有名な陰謀論として、世界は民主主義における議会政治ではなく、実際にはもっと大きな力が存在して権力を握り動かしているというものがあります。
この影の権力集団を、陰謀論者たちは「影の政府」それによってもたらされる世界秩序を「新世界秩序」などと呼称していますが、その「影の政府」を構成するとされる「三十三人評議会」や「十三人評議会」、「イルミナティ13血流」の中心こそが、ロスチャイルド家であるとの陰謀論が囁かれています。
このうち「三十三人評議会」は、秘密結社「フリーメイソン」の33段階ある階級のさらに上に隠された34階級目を構成する33人とされ、「ロスチャルド・トリビューン」の別名を持ちます。ロスチャイルド家と関係の深い財閥当主らがこの33人のメンバーだとされています。
さらに、「十三人評議会」は、秘密結社「フリーメイソン」の34階級目「三十三人評議会」のさらに上の35階級目にあたる最上位とされ、「ロイヤル・ファミリー」の別名を持ち、その構成員はロスチャイルド家に直属する魔術師や、ユダヤ教の指導的立場にある「ラビ(ファリサイ派)」だと言われています。
「イルミナティ13血流」は、「新世界秩序」の建設に関わる13名家で、ロスチャイルド家のほか、「ロックフェラー家」「ケネディ家」などの名前があげられています。
なお、イルミナティというのは、18世紀後半に存在した秘密結社で、1776年にイルミナティが創設される際に資金援助をしたのが、ロスチャイルド家の始祖・マイアー・アムシェル・ロートシルトだとされます。
イルミナティは政治思想が強かったため体制側からの迫害を受け、1785年に解散したとされますが、陰謀論では現在もその勢力は存続し「新世界秩序」構築のために暗躍していると言われています。
陰謀論者によれば、イルミナティが掲げている「新世界秩序」は「あらゆる国家の廃絶」、「私有財産の廃絶」、「財産の相続権の廃絶」、「愛国主義思想の廃絶」、「あらゆる宗教の廃絶」、「結婚制度、家族制度の廃絶」、「世界統一政府樹立」なのだそうです。
さらに、この「世界統一政府」について具体的な形が掲げられており、世界人口を10億人まで減らし、それをロスチャイルド家やロックフェラー家が超格差社会を形成して支配するという形なのだそうです。
ロスチャイルド家の陰謀論③ その他の陰謀論も多数存在
この他にも、ロスチャイルド家の関連する陰謀論は数多く囁かれています。
例えば、日本が誇るゲーム会社「任天堂」はロスチャイルド家によって支配されており、小さなゲーム会社だった任天堂が世界的企業まで成長できたのは、ロスチャイルド家の影響力があったからというものです。
ロスチャイルド家が任天堂を支配下に置いた目的は、日本国民にテレビゲームを普及させ愛国心や政治的関心を薄れさせ、商業主義的な大衆社会を作り出すためだとされています。
また、ロスチャイルド家は「原子力エネルギー」を支配し莫大な利益を得ているため、地熱発電、零点エネルギー、常温核融合などの研究に圧力を加えているとの陰謀論も存在します。
ロスチャイルド家の現在
ロスチャイルド家は、始祖のマイアー・アムシェル・ロートシルトから数えて、2020年5月の現在で7代目を数えています。
現在も世界中の金融に絶大な影響力を誇り、世界で最も裕福な一族として栄華を極めています。その総資産額は公表されていませんが一説には「1京円」との噂もあり、莫大な資本力を持つ事に疑いの余地はありません。
現在のロスチャイルド家の金融事業はスイスに本拠を置く「エドモンド・ド・ロスチャイルド銀行」、富裕層向けのプライベートバンキング「ロスチャイルド&カンパニー」、ロンドンに本拠をく投資銀行「RITキャピタルパートナーズ」の3つが運営されています。
こうした金融事業を基軸とし、現在もロスチャイルド家は世界中のあらゆる事業に影響力を及ぼし続けているのです。
まとめ
今回は、世界中の金融に絶大な影響力を誇る世界最大クラスの財閥・ロスチャイルド家についてまとめてみました。
ロスチャイルド家は、18世紀の終わり、ドイツフランクフルトで銀行家として成功したユダヤ人、マイアー・アムシェル・ロートシルトによって興され、マイアーの5人の兄弟達の活躍によって隆盛を極めました。
現在のロスチャイルド家の総財産は「1京円」にも上ると噂され、その圧倒的な影響力によって、世界を裏で牛耳っているといった数々の陰謀論が生まれています。
現在もロスチャイルド家は、金融業を中心に絶大な勢力を保っており、世界中に大きな影響を及ぼし続けています。