美空ひばり塩酸事件の犯人は少女!犯行動機とその後も総まとめ

1957年1月に発生した「美空ひばり塩酸事件」は、熱狂的なファンが公演中の美空ひばりさんを襲撃し塩酸瓶を投げつけた事件でした。

 

この記事では美空ひばり塩酸事件の概要、犯人の少女、犯人の犯行動機やその後の犯人の様子、出来事などについてまとめました。

 

美空ひばり塩酸事件の概要

 

出典:https://i.pinimg.com/

 

「美空ひばり塩酸事件」は、1957年1月13日に発生した、熱狂的なファンによる美空ひばりさん襲撃事件です。

 

 

美空ひばりのプロフィール

 

本名  :加藤和枝

生年月日:1937年5月29日

出身地 :神奈川県横浜市磯子区滝頭

身長  :155cm(推定値)

 

当時19歳だった美空ひばりさんは、既に国民的な人気歌手で、その日も浅草国際劇場にて、歌舞伎俳優の大川橋蔵さんとのダブル主演での正月公演「花吹雪おしどり絵巻」の千秋楽に出演していました。

 

この公演の最中、21時40分頃、超満員の客席に座っていた小豆色のオーバーコート姿で、髪型をポニーテールにした女性客(以下犯人)が突然立ち上がって舞台に駆け上がり、舞台袖でスタンバイしていた美空ひばりさんの方へと近づきました。

 

すぐにスタッフが制止しようとしましたが、犯人はオーバーコートの中から瓶を取り出し、舞台袖に立っていた美空ひばりさんに向かってそれを投げつけました。

 

犯人が美空ひばりさんに投げつけたのは、2合の塩酸の入った薬瓶で、塩酸が飛び散り美空ひばりさんの顔の左側と衣装などにかかりました。美空ひばりさんは顔に火傷を負いましたが、ドーランを塗っていたため幸いな事に軽い火傷で済み、顔に傷跡が残るという事はありませんでした。

 

 

塩酸事件後に顔に包帯を巻いた美空ひばりさん

 

犯人は逃走を図りますが、近くにいた出入りのブロマイド業者のカメラマンによって取り押さえられ、警視庁浅草署に引き渡されています。

 

また、この美空ひばり塩酸事件では、舞台袖の裏でスタンバイをしていた美空ひばりさんの男性の付き人と、大川橋蔵さんの付き人の西村さんという男性にも飛び散った塩酸がかかっています。美空ひばりさんの付き人男性は軽症で済みましたが、大川橋蔵さんの付き人の西村さんという方は全治2週間の重い火傷を負い、一時は失明の恐れもあったようです。この西村さんはその後回復されたようで、引き続き大川橋蔵さんの付き人を務められています。

 

美空ひばりさんはこの塩酸事件に強い精神的ショックを受けられたという事ですが、すぐに復帰しており、約2週間後の同年1月29日には舞台に立っています。

 

 

 

美空ひばり塩酸事件の犯人は熱狂的ファンの19歳少女

 

出典:https://pbs.twimg.com/

 

警視庁浅草署に連行された犯人は、最初はまともに口も聞けないほどの興奮状態で、持っていたバッグの中から「美空ひばりちゃんに夢中になっている。あの美しい顔、にくらしいほど醜い顔にしてみたい」と書かれたメモが見つかります。

 

その後、警察による取り調べが進められ、この犯人が、山形県米沢市出身の19歳の少女である事が判明。

 

この犯人の少女は、中学を卒業後に家庭の貧しさを理由に高校を中退し、地元の繊維工場で女子工員として働いていたものの、都会の華やかさへの憧れから単身上京し、板橋区の某会社役員の女中として奉公していました。

 

この犯人の少女は、以前から美空ひばりさんの大ファンで、主演映画を何度も観て、劇場を訪れた事もあったようです。

 

 

 

美空ひばり塩酸事件の犯人の動機は嫉妬

 

出典:https://pbs.twimg.com/

 

美空ひばり塩酸事件の犯人の熱狂的ファンの19歳の少女の犯行の動機は、美空ひばりさんに対する激しい嫉妬でした。

 

犯人少女は、美空ひばり塩酸事件を起こす2日前の1月11日頃に奉公先を脱走して都内をふらついている時に、偶然、美空ひばりさんの浅草公演を知り、「自分と同い年の美空ひばりさんは、これほど華やかな場所にいるのに」と、自らの惨めな状況との差に、激しい嫉妬の気持ちが湧き上がり、美空ひばりさん襲撃を計画し塩酸を購入したと供述しています。

 

身勝手な犯行動機でしたが、美空ひばりさんは事件後の会見でこの犯人の少女を庇う発言をされていました。

 

 

 

美空ひばり塩酸事件の犯人のその後

 

美空ひばり塩酸事件の犯人の当時19歳の少女のその後については一切報道がされていません。

 

この事件によってその後逮捕されて何らかの罪に問われたのかも不明です。ただ、犯人の19歳という年齢や女性であった事(女性は刑罰が軽くなる場合が多い)、被害者である美空ひばりさんが犯人に対して同情的な姿勢であった事などから、罪には取られなかった可能性が高いようです。

 

この犯人の少女は、2021年の現在は生存されていれば80歳を超えているはずです。

 

 

 

美空ひばり塩酸事件のその後には有名人に対する脅迫や襲撃事件が頻発

 

美空ひばり塩酸事件のその後、この事件を模倣した犯行が立て続けに発生しています。

 

美空ひばり塩酸事件のひと月後の2月27日には、女優の京マチ子さんの世田谷区の自宅に「13万5千円を持ってこい。警察に知らせれば硫酸をかけてダイナマイトで自動車ごと吹き飛ばす」などと書かれた脅迫文が届き、さらに同様の内容の脅迫電話もかかってきます。

 

警察は京マチ子さんに似た女性に現金を持たせて指定場所へ向かわせて囮にしたところ、犯人の法政大学の1年生(当時19歳)と店員(当時19歳)が現れ、その場で逮捕されています。

 

この2人は取り調べに「脅迫で得た金で家を借り、そこに不良を集めて、さらに大々的に有名児の脅迫を行う計画だった」などと供述しています。

 

さらに、同年3月1日には、神奈川県横須賀市の無職の少年(当時16歳)が、無賃乗車で捕まった際にナイフを持っている事が発覚。問い詰めると、歌手の島倉千代子さんを殺害するつもりだったと自供する事件が起きています。

 

この犯人も島倉千代子の熱狂的なファンで、何度も面会を求めたが断れたため恨みを持ったなどと犯行動機を語っています。

 

 

 

まとめ

 

今回は、1957年1月に発生した「美空ひばり塩酸事件」についてまとめてみました。

 

美空ひばり塩酸事件は、熱狂的な美空ひばりさんのファンの少女(当時19歳)が美空ひばりさんの公演中に塩酸瓶を投げつけ火傷を負わせるという衝撃的な事件でした。

 

犯人の少女は同い年であるのに、惨めな自分と華やかな美空ひばりさんのあまりの違いに激しい嫉妬心を持った事が犯行動機だと供述しています。

 

美空ひばり塩酸事件の犯人のその後については一切情報が出ておらず不明です。

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