関東連合の参謀格・松嶋クロスがここ数年の間に何度も逮捕され話題になっています。
今回は松嶋クロスの不良時代、AV監督時代などの経歴を詳しく紹介し、逮捕事件の詳細、伝説や弱いとの噂、現在の様子などについてまとめました。
この記事の目次
松嶋クロスとは?関東連合・永福町ブラックエンペラーの参謀格
松嶋クロスこと松嶋重は、関東連合史上最も凶悪と恐れられた見立真一率いる、関東連合の中核をなした暴走族「永福町ブラックエンペラー」の二十二代目副総長だった男です。
松嶋クロスは、1978年7月19日、東京都杉並区の生まれで、見立真一や邑井祐介らと同じ「S53」世代にあたります。
関東連合の参謀格
不良少年時代の松嶋クロスは、関東連合の事実上のリーダー・見立真一の参謀格として、敵対組織、そして傘下の不良達に対していかに恐怖心を与えて支配するかを常に考えて行動し、関東連合を界隈最恐の不良集団に成長していく中で大きな役割を果たしました。
当時の松嶋クロスの考え方は、「暴走族の喧嘩は腕力ではなく、戦略」というもので、敵対する相手に徹底的な追い込みをかけて叩き潰した後、不良として再起不能になるほどの羞恥を与えて不良の世界から完全追放する方法を提案。同じく残虐な性格の見立真一もこの考えに乗り、次々と敵対するグループを壊滅させると同時に、傘下の不良達も恐怖で支配しました。
関東連合のプロモーション役
松嶋クロスは、当時の関東連合の広報のような役割も果たしました。バイクや特攻服、ステッカーのデザインを担当し、アウトロー雑誌のインタビューにも積極的に登場し、関東連合の名を全国に轟かせました。
また、OB世代になってからも、その手腕を発揮しており、2010年に発生した「市川海老蔵暴行事件」では、関東連合側への批判をそらすため、自分と繋がりのあるマスコミ関係者に働きかけ、市川海老蔵さんの方にも非があったと誘導するかのようなネガティブキャンペーンを展開し、一定の効果を治めています。
瓜田純士や石元太一の先輩
松嶋クロスは、「元アウトローのカリスマ」こと瓜田純士の中学生時代の1年先輩にあたります。
瓜田純士は、以前いた中学校に素行不良でいられなくなり、松嶋クロスのいた杉並区立高南中学校へと転校してきました。
既に有名な不良だった瓜田純士に松嶋クロスの方から接近し、2人はつるむようになります。その関係性は、頭の良い松嶋クロスが作戦を考え、腕っ節の強い瓜田純士が実行役になるといったもので、カツアゲや他の中学の不良潰しなどをして暴れまわっていました。
また、「市川海老蔵襲撃事件」「六本木クラブ襲撃事件」などで一般にも名前が知れ渡るようになった、関東連合・千歳台ブラックエンペラー元総長・石元太一は後輩にあたりますが、石元太一は松嶋クロスの事を「厳しい先輩の1人」「創造力豊かで、クリエイター気質」と評しています。
AV監督しても活躍
松嶋クロスは2000年、22歳の頃、「援JOY交際撲滅委員会」というタイトルのAV作品でAV監督としてデビューしています。
AV監督としての松嶋クロスは、「恋のゲットバトル」や「ピリオドの向こうへ」といった現在まで語り継がれる異色の作品を次々とリリースし、才能を発揮しました。
2003年、24歳の若さでAVメーカー「クロスワールド」を設立。これはAV史上最年少の快挙でした。
また、2006年には「MEWになったおっさん」で「オレンジ通信編集部が選ぶアダルトビデオ第1位」を獲得するなど、数々のAV賞を獲得するなど、若き天才として名前を上げています。
音楽プロデューサーとしても活躍しムード歌謡歌手・鼠先輩などを手がける
松嶋クロスは、2005年にはAV監督のインジャン古川と共にAVメーカー「古松映像」を設立しています。このインジャン古川氏とは、「CAMPAKEX」というロックバンドを結成し、松嶋クロスはボーカルを担当、作詞作曲も手がけています。
これをきっかけにして音楽プロデューサーとしても活動を始めており、2008年にデビューし「六本木〜GIROPPON〜」で爆発的ヒットを記録したムード歌謡歌手・鼠先輩のプロデュースを手掛けています。
その他、「ここがヘンだよ日本人」で人気となったゾマホンのデビュー曲「どんぐり野郎」をビートたけしさんと共にプロデュース、コミックバンド「花団」のトータルプロデュースなど、音楽プロデューサーとしても広く活躍していました。
小向美奈子AVデビューを成功させ話題に
2011年、松嶋クロスは、元グラビアアイドルで、2009年に覚醒剤取締法違反で逮捕され芸能界を引退していた小向美奈子にAVデビューを持ちかけました。
当初は出演を渋っていた小向美奈子でしたが、松嶋クロスは粘り強く交渉して承諾にこぎつけ、小向は「AV女優 小向美奈子」でデビュー、この作品は20万本を売り上げる大ヒット作となりました。その後も小向美奈子はAV女優として活躍を続けています。
関東連合の悪名が轟いた事で再びアウトローの世界へ
AV監督として成功を収め、音楽プロデューサーとしても活躍するなど、アウトローの世界からは足を洗ったかに見えた松嶋クロスでしたが、「市川海老蔵暴行事件」や「六本木クラブ襲撃事件」などで関東連合の悪名が一般層にまで広がるようになると、こうしたメジャーな活動は難しくなりました。
結果、松嶋クロスは再びアウトローの世界へと再び深く潜っていく事になります。
松嶋クロスの逮捕① セクシー男優への恐喝未遂
2018年1月19日、松嶋クロスは恐喝未遂容疑で逮捕されています。
知人から現金を脅し取ろうとしたなどとして、警視庁は19日、恐喝未遂の疑いで、音楽プロデューサーの「松嶋クロス」こと松嶋重容疑者(39)ら男3人を逮捕した。
この時の松嶋クロスの容疑は、2016年2月、東京都台東区の「浅草ロック座」で、セクシー男優が業界のルールを破ってセクシー女優と交際した事に腹を立て、「この業界で仕事をできないようにする」などと脅して、現金200万円を脅し取ろうとしたというものでした。
この事件はその後、不起訴処分となっています。
松嶋クロスの逮捕② 会社役員への恐喝容疑で再逮捕
出典:http://dokujyoch.net/archives/74650646.html
セクシー男優への恐喝未遂容疑では不起訴処分となった松嶋クロスでしたが、そのわずか2ヶ月後の2018年3月に再び逮捕されてしまいます。
この逮捕での松嶋クロスの容疑は、2017年6月頃、知人が経営する芸能プロダクションに所属するAV女優に、別の仕事を紹介しようとした事に腹を立て「どう責任を取るんだ」などと因縁をつけ現金100万円と250万円相当の腕時計を脅しとったというものでした。
この事件は、その後執行猶予付きの有罪判決が下ったようです。
松嶋クロスの逮捕③ 暴力団事務所の違法開設で逮捕
さらに、2019年2月13日、松嶋クロスは3度目の逮捕をされています。
今度の容疑は、中学校から200メートル以内の東京都中野区弥生町の住宅に、スポーツジムだと偽って暴力団事務所を開設したというものでした。
東京都の「暴力団排除条例」では、学校の敷地の周囲200メートル以内での暴力団事務所の開設と運営を禁止しています。
警察がガサ入れしたところ、スポーツジムとしての経営実態はなく、ダンベルセットが一つ置いてあるだけだったという事です。
中学校の近くに暴力団事務所を開設したとして、警視庁は13日、暴走族「関東連合」元メンバーで指定暴力団住吉会系組員の松嶋重容疑者(40)を東京都暴力団排除条例違反などの疑いで逮捕した。
以上のように、松嶋クロスはわずか1年ほどの間に、3度も逮捕されていますが、これは警察が、東京オリンピック開催に備えて、東京都内で暗躍する犯罪組織の情報を引き出すのが本当の目的だとも噂されていました。
この事件については、どのような判決や処分が下ったのか情報は出ていませんでした。
松嶋クロスの逮捕④ キャバクラの営業を妨害し逮捕
出典:http://yakuza893.blog.jp/
松嶋クロスは、新宿歌舞伎町のキャバクラ店の営業を妨害したとして、他の組員8人とともに組織犯罪処罰法違反の疑いで2022年7月に逮捕されています。
松嶋クロスらはキャバクラ店の入店を拒否されたことから、報復として、店の前で従業員や客をにらみつけるなどの妨害行為を続けていたとの事です。
暴力団対策課によると、9人は昨年12月24、25両日の夜、東京・歌舞伎町のキャバクラ店の入り口周辺に集まり、出入りする従業員や客をにらみつけるなどして店の営業を妨害した疑いがある。防犯カメラなどから少なくとも9人の関与を裏付けたとしている。
同課によると、この店には瓜生容疑者ら組員が昨年10月から出入りしていたが、男性店長(38)が暴力団排除のため、12月6日にこの組の別の幹部に直接会って「もう来ないでくれ」と告げていた。するとその日から同月29日まで同様の妨害行為が毎日、続いたという。
松嶋クロスの逮捕⑤ バーの店長を脅迫し逮捕
出典:http://yakuza893.blog.jp/
2022年10月には、新宿のゲイバーの店長を脅迫したり、店の物を壊したりしたとして暴力行為処罰法違反の疑いで逮捕されています。
松嶋クロスは店長の接客態度に激高したとのことで、「ここのケツ持ちを呼べ。誰が一番偉いか教えてやる」などと店長を脅迫し、他の組員とともに謝罪を強要。さらに店内で大暴れし、ドアや酒瓶を壊すなどしています。
今年1月2日、常連客に紹介されて新宿区新宿のゲイバーに来店。酒が出てこないことを強い口調でとがめたところ、男性店長から「やくざの上の人ならそういう言い方しないでしょ」などと言い返されたことに激高したという。
逮捕容疑は1月2日午前2~4時ごろ、新宿のゲイバーで、男性店長に「ここのケツ持ちを呼べ。誰が一番偉いか教えてやる」などと松嶋容疑者が脅迫し、配下の組員を呼んで取り囲んで謝罪を強要。その後も2回来店し、店のドア(42万円相当)や酒瓶(約6万円相当)を壊したほか、店長に土下座を強要するなどしたとしている。
松嶋クロスの伝説
多くの関東連合の有名な不良達には、敵対する強敵をタイマンで倒したといった武勇伝が伝説的に語られますが、松嶋クロスには、そうした武勇伝的な伝説はありません。
松嶋クロスの名が不良の世界に轟いたのは、そうした武勇伝的な伝説が理由ではなく、関東連合を周囲に恐れさせるためにはどのようにしたら最も効果的なのか、その方法を合理的に考え、躊躇する事なく実行したためです。
暴走族時代の関東連合が関東一帯であれほど恐れられたのは、屈服させた敵グループを徹底的に叩き潰した上で不良として再起不能になるほどの辱めを与え、それを喧伝したのが最大の理由でした。
関東連合は、喧嘩で叩きのめした敵対グループの幹部同士にシックスナインをさせたり、自慰行為を強要したりして、その様子を写真に撮影し、数十万から数百万単位の金を納めなければ、この写真をばら撒くなどと脅してその相手を徹底的に追い込みました。
そして、こうした徹底的な辱めを与えて、恐怖で相手を支配するという方法を考え出したのが、外でもない、この松嶋クロスなのです。
つまり、関東連合の恐怖の一番最初の大元になっているのが、この松嶋クロスという存在なのです。
そうした見方をすれば、暴走族時代の関東連合の伝説は、この松嶋クロスの生み出した伝説だといっても過言ではないでしょう。
松嶋クロスは喧嘩は弱い?
上でも述べたように、松嶋クロス本人には喧嘩の武勇伝などはほとんど存在しないため、「弱い」とも言われています。
中学時代、松嶋クロスはアウトローのカリスマ・瓜田純士らと組んで、周囲の中学を潰して回ったり、カツアゲをして金を巻き上げたりするなどヤンチャな不良少年でしたが、この頃も松嶋クロスは自分が先頭に立って喧嘩をするのではなく、喧嘩の強い瓜田純士らを暴力装置として使い、自分は主に計画を立てる役割を担っていました。
この頃に、他の複数の中学の不良グループが連合を組み、松嶋クロスの中学に殴り込みをかけてきた際にも、多勢に無勢と見た松嶋クロスは、適当な理由をつけてさっさとその場から逃亡しています。
要するに、自分がそれほどタイマン向きではないと冷静に自己分析していた松嶋クロスは、勝てない勝負は決して挑まなかったわけです。
松嶋クロスは、他の関東連合の武闘派達と比べれば喧嘩が弱いというのはその通りなのですが、その天性のプロデュース能力によって、敵に回したら恐ろしい存在だと自分自身を演出し、暴力に長けた不良達を上手く利用する事で不良の世界でのし上がったのです。
松嶋クロスの現在
現在の松嶋クロスは、住吉会系の暴力団組員という肩書きです。昨今、反社会勢力が表立って活動する事が難しくなったため、今後は、AV監督としても、音楽プロデューサーとしてもメジャーな世界で活動する事は難しくなったと言えるでしょう。
松嶋クロスはこれまで執行猶予付きの判決が言い渡されたことはあるものの、服役しているという噂は聞きません。何度も逮捕されてきた松嶋クロスの動向は、今後も注目されていくことになりそうです。
まとめ
今回は、関東連合OBの実力者・松嶋クロスについてまとめてみました。
松嶋クロスは、関東連合の中核をなした暴走族・永福町ブラックエンペラーの二十二代目副総長でした。総長の見立真一の参謀格として活躍し、関東連合が強大化する過程で重要な役割を果たしました。
暴走族を引退した後の松嶋クロスは、AV監督として成功を収め、音楽プロデューサーとしても活躍していましたが、関東連合の悪名が一般社会にも轟くに連れてメジャーな活動は難しくなり、近年は暴力団組織に所属しています。そして、2018年から数年の間で何度も逮捕されており、今後の新たな判決や動向にも注目が集まっています。