2016年6月に起きた「碑文谷公園バラバラ殺人事件」では、逮捕された犯人・池田徳信の犯行動機に注目が集まっています。
今回は「碑文谷公園バラバラ殺人事件」の経緯や被害者、犯人の動機や判決、現在をまとめました。
この記事の目次
「碑文谷公園バラバラ殺人事件」とは…事件の経緯や被害者を解説
「碑文谷公園バラバラ殺人事件」の概要について
「碑文谷公園バラバラ殺人事件」が発生したのは、2016年6月23日の午前10時35分頃です。
碑文谷公園を歩いていた通行人が、池の中に人間の足のようなものが浮いているのを発見し、警察に届け出ました。
同日午後1時頃までに、複数の捜査員がボートを使って捜索したところ、高齢女性と思われる頭部や胴体、手足などの遺体がバラバラの状態で発見されました。
なお、発見された遺体の一部を、池の亀がくわえていたことでも話題となりました。
この遺体は、世田谷区に住んでいた阿部祝子さん(当時88歳)と判明しています。
身元が判明したきっかけは、清掃用具のレンタル業者が被害者の自宅を何度訪れても不在だったことを不審に思い、警察に通報したためでした。
犯人として池田徳信が逮捕されています。
犯人がいかにして被害者・阿部祝子さんの自宅に侵入したのかを知ると、その異常性が見えてきます。
「碑文谷公園バラバラ殺人事件」犯人・池田徳信が被害者宅に侵入し殺害
2016年6月20日深夜頃、池田徳信は阿部祝子さんが住んでいたマンションの裏から2階のベランダによじ登りました。
しかし、2階の住人の部屋は全て窓が閉まっていたため3階によじ登り、阿部祝子さんの部屋の空いていた窓から部屋の中に侵入したところ、阿部祝子さんと鉢合わせをしてしまいます。
鉢合わせする前の午後9時前頃には、阿部祝子さんの長男家族がこの部屋に滞在していましたが、池田徳信が侵入した時間は阿部祝子さん1人でした。
池田徳信は阿部祝子さんを殺害し、浴室で遺体をバラバラに切断。翌日に再び侵入して、リュックに遺体を詰め込んでマンションを出ています。
池田徳信は深夜、碑文谷公園にある弁天池に阿部祝子さんのバラバラ遺体を遺棄しましたが、付近の防犯カメラには、黒いリュックを背負った池田徳信が写っていたことが確認されています。
警察の捜査では、ベランダからは池田徳信の足跡が、室内からは指紋が検出されています。
また、浴室は綺麗にされていたものの、わずかに血液反応が出ており、遺体の組織片も見つかりました。
「碑文谷公園バラバラ殺人事件」の犯人・池田徳信の動機とは
金銭類には手を付けなかった犯人・池田徳信
警視庁碑文谷署捜査本部の調べでは、池田徳信の犯行動機について、金銭を盗むためにマンションに侵入したとされています。
しかし、部屋の中は荒らされた様子はなく、財布をはじめとした金銭類も盗まれていませんでした。
「碑文谷公園バラバラ殺人事件」では、池田徳信が阿部祝子さんの部屋から金品類を盗み出していない可能性が高く、犯行の動機は窃盗ではなかったと見られています。
そして、被害者の身元がわかれば、犯人逮捕は時間の問題であろうと思っていた。こうした独り暮らしの高齢者が巻き込まれる事件のほとんどは財産狙いである。そして遺体をバラバラにする最大の理由は、通例、遺体の運搬・遺棄のためである。つまり捨てるために運びやすく、という理由である。しかし、今回の場合、単にそれだけではない可能性がある。
犯人・池田徳信の動機は快楽殺人だった?
池田徳信の犯行の本当の動機は、殺人と遺体をバラバラに損壊する目的の快楽殺人だった可能性は決して低くないようです。
「容疑者は “バラバラ目的、快楽殺人目的” を必死に隠蔽しようとしている、とみていいだろう。おそらく警察も最後は池田容疑者のこの本当の目的を、容疑者と一緒に “隠蔽” する可能性がある。世間に対しては、最後は 「金銭目的」 ということで幕引きにしようとするだろう。」
池田徳信は当時無職で、事件現場から1km圏内にある閑静な住宅街の築40年のマンションで、当時60代の母親と2人暮らしをしていました。
マンションの住人によれば、池田親子は10年以上住んでいたにもかかわらず、住人らとの交流は一切なく、たまに池田徳信がジャージ姿でコンビニに向かう様子が目撃されていました。
ニートだったと思われる池田徳信が、社会との交わりを長年絶ち、精神が荒廃していたとしても不思議ではないでしょう。
捜査当初から犯人は池田徳信だと判明していた?
この「碑文谷公園バラバラ殺人事件」が不可解な事件に仕立て上げられたのは、警察が必死に池田徳信の快楽殺人目的という証拠を隠蔽しようとしていたため、という見方もあるようです。
しかし、どうやらわれわれは警察の情報操作によって、さんざん振り回されていたようである。まず、被害者の浴室からは血液反応が出ていたのだ。そして、マンションの防犯カメラには実際には数回にわたって犯人の姿が残されていた。そして、公園周辺の防犯カメラにも犯人の姿は映っていた。つまり、警察が「ない、ない」 と言っていたもののほとんどはあったのである。警察はストレートフラッシュの手札を持ちながら、ワンペアくらいしかできていないようなフリをしていたのである。
捜査自体は非常に順調で犯人も割れていたにもかかわらず、警察は公表しませんでした。
これは、池田徳信が失踪したり自殺したりすることを防ぐために、あえて難事件を装っていたとも言われています。
結局、池田徳信の真の動機が見えないまま事件は収束してしまいましたが、マンションの低層階でなくても侵入される危険がはらんでいるということで、世間に衝撃を与えた事件でした。
「碑文谷公園バラバラ殺人事件」の犯人・池田徳信の判決
「碑文谷公園バラバラ殺人事件」池田徳信は無期懲役
警視庁碑文谷署捜査本部の調べでは、池田徳信は金銭目的でマンションに侵入、被害者殺害後、室内にあった包丁で遺体をバラバラにし、包丁は自宅のゴミに出して捨てたとされています。
しかし、池田徳信と阿部祝子さんが争った形跡がなく、さらに金銭類も盗まれていませんでした。
そのため、裁判での争点は強盗殺人罪が成立するかどうかであり、弁護側は金品は奪っていないことから同罪は成立しないと主張していました。
これに対し検察側は、事件発生当時に池田徳信は無職で無収入にもかかわらず、事件後に池田徳信の銀行口座に現金が入金されたことから、被害者の部屋から現金を奪ったと反論しました。
裁判では第1審、2審ともに無期懲役が求刑され確定、池田徳信の弁護側は上告しましたが、最高裁で棄却されました。
「碑文谷公園バラバラ殺人事件」の犯人・池田徳信の現在
現在、池田徳信は刑務所に収監されていると思われますが、それがどこの刑務所なのかという正確な情報はありませんでした。
なお、池田徳信の逮捕後の写真も一切出回っておらず、この幼少期の画像のみとなっています。
まとめ
犯人の池田徳信が阿部祝子さんの自宅に侵入して殺害し、遺体をバラバラにして碑文谷公園の弁天池に遺棄した「碑文谷公園バラバラ殺人事件」についてまとめてきました。
池田徳信に無期懲役の判決が下った同年末には、新型コロナウイルスの感染爆発が始まっています。
現在社会は経済の疲弊や長引く自粛によるストレスが溢れており、こうした突発的な残忍な事件は増える傾向にあるのかもしれません。
マンションの3階以上に住んでいたとしても、異常性のある犯人にとっては階数など関係ないと考えて、窓の鍵はしっかり閉めて防犯対策に努めることが大切でしょう。