2012年4月に起きた京都祇園軽ワゴン車暴走事故では、犯人・藤崎晋吾のてんかんの持病や姉が元芸人の噂も話題です。
今回は京都祇園軽ワゴン車暴走事故の経緯や場所、被害者数と事故原因、犯人の姉など家族や会社の倒産などその後と現在を紹介します。
この記事の目次
京都祇園軽ワゴン車暴走事故とは
京都祇園軽ワゴン車暴走事故は、2014年4月12日午後1時頃、京都府京都市東山区祇園で軽ワゴン車が暴走し、通行人を次々とはね、7人が死亡、12人が重軽傷を負うという大事故です。
・負傷者:12名
軽ワゴン車は電柱に衝突して暴走は止まりましたが、運転手はこの激突で死亡しています。
第1現場での事故
出典:jiji.com
2014年4月12日午後1時頃、京都市の祇園の大和大路通りを四条通に向かって運転していたタクシーの右後方部分に、後ろから走ってきたワゴン車が衝突しました。
この時のタクシーの時速は21kmでしたが、この衝突により時速29kmにまでアップしましたので、ワゴン車はそれなりにスピードを出していたことがわかります。
追突されたタクシーは道路の左側に寄せて車を停め、軽ワゴン車の運転手にも車を停めるように呼びかけました。
しかし、軽ワゴン車は一旦バックしてから、タクシー運転手の制止を無視してその場から四条通りに向かって走り去りました。
第2現場での事故
出典:jiji.com
タクシーに追突し、その場を走り去った軽ワゴン車は四条通の交差点に向かってスピードアップしました。
そして、信号は赤信号だったのに、停止することなくそのまま交差点に突っ込んでいったのです。
事故当日の4月12日、京都は桜が満開で、観光客がたくさん京都を訪れていました。
祇園四条駅すぐ近くの交差点にも観光客が多く集まり、青信号の横断歩道を渡っていた人たちが大勢いました。
軽ワゴン車が交差点に突っ込んだ時、交差点付近の歩行者は50人程度いたと言われています。
信号が青になったのを見て横断歩道を渡っていたのに、そこに時速50kmの軽ワゴン車が突っ込んできたら、回避するのは難しいですよね。
この交差点では、軽ワゴン車にはねられて合計14人の歩行者(交差点南側で10名、北側で4名)が死傷しています。
第3現場での事故
そして、交差点をまっすぐ進み、大和大路通に入った軽ワゴン車は、通行車両を避けながら暴走を続けました。
歩行者を2人はね、さらに冷凍車にぶつかり、タクシーにぶつかった後、電柱に衝突して暴走はストップしました。
電柱衝突時のスピードは時速70km程度になっていたと推測されています。
電柱衝突直前に追突されたタクシーのドライブレコーダーに映っていた動画を見ると、軽ワゴン車はかなりのスピードで暴走し、電柱に衝突したことがわかります。
京都祇園軽ワゴン車暴走事故の場所
京都祇園軽ワゴン車暴走事故は、京都市の中心部で起こりました。
祇園四条駅のすぐ東にある交差点で、祇園四条駅と舞妓さんがいる祇園東のちょうど中間地点にあります。
出典:google.com
上の地図だと、
②:四条通の交差点
③:電柱に衝突した場所
となります。下の図はニュース記事で使われていた地図です。
こちらは四条通の交差点を過ぎて、大和大路通に入った場所を(衝突した電柱に向かう道)をGoogle Earthで見た画像になります。
出典:google.com
画像で見るとわかりますが、この道は一方通行で、車を追い抜いていくためにはそれなりの運転技術が必要になります。
桜が満開の季節の午後1時というと、通行人も多かったはずですから、この狭い道を軽ワゴン車が時速70kmで暴走してきたと考えると、とても怖いですね。
京都祇園軽ワゴン車暴走事故の被害者数
出典:jiji.com
京都祇園軽ワゴン車暴走事故では、死亡した運転手を除くと7名が死亡、12名が重軽傷を負いました。
亡くなった方の中には、京都を観光中だった観光客もいたようです。
・62歳女性(埼玉県蕨市)
・62歳女性(京都市東山区)
・40歳男性(京都市右京区)
・69歳女性(大阪府守口市)
・58歳女性(大阪府豊中市)
・68歳女性(大阪府豊中市)
奥村さんは昨年末に結婚。今月11日、妻は出産した病院から長女と一緒に自宅に戻り、家族3人の暮らしを始めたばかりだった。
順子さんが同日昼、赤ちゃん用の布団を届けると、奥村さんは「お母さん、おおきに」と笑顔を見せた。
引用:ニュー速プラスCHECK : 【社会】京都祇園暴走事故で亡くなった奥村さん(40)、昨年末に結婚し、7日に長女が生まれたばかり
京都祇園軽ワゴン車暴走事故の犯人・藤崎晋吾はてんかん持ちだった
出典:jin115.com
京都祇園軽ワゴン車暴走事故の犯人は藤崎晋吾です。
藤崎晋吾は事故を起こした時、勤務していた藍染め製品販売会社の営業車に乗っていて、取引先に製品を配達している途中でした。
この犯人の藤崎晋吾はてんかんの持病を持っていたのです。2003年にバイクの単独事故を起こしたことがあり、その後遺症でてんかん発作が出るようになっていました。
2012年に入ってからも、自宅で2~3度てんかん発作を起こしていたことがわかっています。
医師からは、犯人とその家族に車の運転をやめるように何度も伝えられていたそうです。
病院側は診断時期や診断名は個人情報を理由に伏せたものの、「適切な治療を行っており、自動車の運転は本人と家族に対し、再三禁止を申し入れてきた。大変遺憾だ」と話した
それにもかかわらず、犯人の藤崎晋吾は2012年3月5日(事故の約1ヶ月前)に免許を更新し、その時にてんかんの持病があることを申告していませんでした。
もし、犯人が医師の忠告に従って車の運転をやめていたら、もしくはきちんと免許更新時に転換の持病を申告していたら、この事故は起こらずに済んだのです。
家族も、薬でコントロールできていない状態のてんかん患者が車を運転するという危険性を認識して、無理やりにでも運転をやめさせていたら、事故を回避することができたでしょう。
京都祇園軽ワゴン車暴走事故の原因はてんかんではない?
出典:jiji.com
京都祇園軽ワゴン車暴走事故の犯人にはてんかんの持病があり、2012年に入ってからも約3か月半で2~3回のてんかん発作を起こしていました。
ということは、この事故原因は犯人がてんかん発作を起こしたことによる軽ワゴン車の暴走ではないか?と思われていました。
しかし、どうやら事実は違うようです。てんかん発作を起こしたことが原因ではない理由には次のようなものがあります。
・交差点ではバスに衝突しそうになったが、軽ワゴン車が回避している
・大和大路通りでは通行車の横をうまくすり抜けている
・てんかん発作を起こしていたら、交差点をすり抜けて300mも暴走できない
犯人は最初にタクシーに追突した後、冷静に一度バックしてからタクシーの横をすり抜けています。
また、タクシーの運転手が「待てコラー!」と怒鳴ったら、一気にスピードを上げたという目撃情報もありました。
さらに、四条通の交差点ではバスと衝突寸前になりましたが、軽自動車側がハンドルを切って、ギリギリで衝突をかわしています。
さらに、一方通行で細い大和大路通では通行中の車の横を巧みにすり抜けていました。
ということは、少なくとも四条通の交差点を抜けて大和大路通に入ってある程度の場所までは意識があり、自分の意思で運転していた可能性が高いんです。
次のような目撃証言もあるようです。
「運転を見ている限り、発作が起きて意識がなくなってとか体が硬直してというような動きとは100%違いましたね。障害物もきっちりかわしていたので」
ただ、暴走して電柱に衝突した時点では、てんかん発作を起こしていたと見られています。
先ほどの動画を見るとわかりますが、電柱に衝突する前には一切ブレーキをかけていませんので、この時は意識がなかったのかもしれません。
府警は事故時に発作による意識障害が起き、運転を制御できなくなった可能性が高いと判断。自動車運転過失致死傷の疑いで、容疑者死亡のまま書類送検する方針。
警察は「最初は運転ミスでタクシーに追突し、気が動転してその場から逃げて、暴走してしまった。その後、てんかん発作を起こして電柱に衝突した」と見ているようです。
ということは、おそらく四条通の交差点に突っ込んだ時はてんかん発作を起こしておらず、意識がある状態で7人もひき殺したということですね。
京都祇園軽ワゴン車暴走事故では家族と会社の食い違いも
出典:news10090501.blog.ss-blog.jp
京都祇園軽ワゴン車暴走事故の犯人は、会社の営業車に乗って、取引先に配達に行く途中に事故を起こしました。つまり、勤務中の事故だったのです。
ということは、会社は犯人がてんかんの持病を持っていたことを知らなかったのでしょうか?
この「てんかんを会社が知っていたかどうか」という点は、犯人の家族と会社では意見の食い違いがありました。
・会社:てんかんなんて知らなかった
藤崎の姉は「今年1月から自宅で2、3回てんかんの発作が起きていました。会社にはてんかんの持病があると告げ、今の会社を辞めて次の会社を探そうということになっていた矢先でした」と沈痛なお面持ちで語る。勤務先の経営者は「病気だということは知らなかった」と話している。
どちらの言っていることが本当なのでしょうか?もし会社が「てんかんを持っている」と分かっているのに、運転業務をさせていたら、会社にも責任があることになります。
警察は「会社の社長は犯人はてんかんを持っていることを知っていた」として書類送検していますが、社長は一貫してそれを否認。
地検は持病を知っていたとする証拠がないことから、社長は不起訴処分となっています。
京都祇園軽ワゴン車暴走事故の犯人・藤崎晋吾の姉は元お笑い芸人?
京都祇園軽ワゴン車暴走事故の犯人の姉は、元お笑い芸人だったようです。
モバゲーの日記で、自分が京都祇園軽ワゴン車暴走事故の犯人の姉であることを名乗り出ています。
姉であることを名乗り出たことで、過去の日記も掘り起こされました。
その結果、以前は犯人と姉弟コンビ「ナイト兄弟」を組んでいたことが発覚したんです。
しかも、ジャルジャルと同期で、TKOのどちらかと付き合っていたことがあって、中川家の剛さんに告白して振られたことがあると暴露しました。
また、楽しんごさんのキャラの元祖は弟(つまり京都祇園軽ワゴン車暴走事故の犯人)であると言っていたんです。
楽しんごくんって芸人さんの元祖はうちの弟なんだー。吉本を辞めたあと、オカマキャラの弟とニューハーフみたい姉って設定でデビューするが良いか? 放送作家に聞かれたから本当だよ。でも本当の兄弟じゃなくて解散したんだって。コンビ名も一文字違いだった。たまには吉本ネタですた
引用:【京都祇園てんかん暴走事故】藤崎晋吾容疑者の姉 「私と弟は吉本芸人でジャルジャルと同期だった。TKOと交際してた」と激白 : 今の世の中
昔の芸人時代の日記は痛々しいところはありますが、事故を起こしてからの日記はそこまで叩かれる内容ではないように思います。
むしろ、叩かれることを覚悟で名乗り出ているのでしょうし、「家族の責任」とはっきり告げています。
京都祇園軽ワゴン車暴走事故のその後:犯人は不起訴
出典:jin115.com
京都祇園軽ワゴン車暴走事故の犯人は電柱に衝突して死亡していますので、容疑者死亡で不起訴となりました。
遺族は自分の大切な家族がひき殺されたのに、犯人が死亡したから不起訴は納得できないですよね。
刑事裁判は開かれない代わりに、遺族たちは家族と会社に対して民事裁判を起こしました。
そして、裁判所は2014年に逸失利益約2100万円や慰謝料2700万円などを含む総額5200万円の支払いを犯人の家族と会社に命じています。
京都祇園軽ワゴン車暴走事故の現在:会社は倒産
出典:sankei.com
会社は倒産
京都祇園軽ワゴン車暴走事故の後、犯人が勤務していた会社が倒産しました。
この会社は犯人にてんかんの持病があることを知っていたという疑いがかかり、社長が書類送検(不起訴)されました。
そのようなこともあり、事故後には売り上げが大きく落ちたようです。
帝国データバンクによると、負債総額は約5億7千万円の見込み。事故の影響による来店客数減や受注減で資金繰りが悪化し、事業を続けることは難しいと判断したという。
引用:【祇園暴走事故】暴走した営業車の会社が自己破産へ 事故影響で来店客減少や受注減 帝国データまとめ – 産経ニュース
もともと和装市場低迷で売上は減少傾向だったようですが、従業員が大事故を起こし、社長も管理責任を問われたため、信用面で大きくマイナスになったことが業績悪化の原因のようです。
もし、本当に会社側が犯人のてんかんを知らなかったとしたら、完全に巻き込まれた形になりますので、気の毒としか言いようがありません。
てんかん患者の免許に関する法律が改正
この京都祇園軽ワゴン車暴走事故は、てんかん患者による運転中の発作が事故の一因になりました。
また、この事故の約1年前に起こった「鹿沼市クレーン車暴走事故」もてんかん患者の発作でクレーン車が暴走し、児童6人が死亡する大事故でした。
この2つのてんかんが原因での大事故を受けて、てんかん患者の免許に関する法律が改正されました。
運転免許を更新する時に、てんかんを含む意識障害を起こす持病がある場合、それを申告せずに虚偽申告をしたら、1年以下の懲役または30万円以下の罰金を課せられるようになったのです。
また、てんかん患者がてんかん発作で事故を起こした場合、より重い罪に問うことができるようになっています。
ただ、法律は改正された後も、てんかん発作による交通事故は後を絶たず、死亡事故も起こっています。
京都祇園軽ワゴン車暴走事故のまとめ
京都祇園軽ワゴン車暴走事故の詳細や場所、被害者や犯人のてんかんの持病と事故原因、犯人の家族と会社の食い違い、犯人の姉が元芸人との噂、その後の会社倒産と現在をまとめました。
京都祇園軽ワゴン車暴走事故は、死者が多数出たことはもちろん、免許の更新時に持病を申告していないなど、本当にひどいです。
さらに、きちんと薬でコントロールしたり、危険性を認識して車の運転をしないてんかん患者の方々も風評被害に遭いました。
てんかん患者だからと言って色眼鏡で見てはいけませんが、てんかん患者の方々にはきちんとルールを守って、正しい申告をしてもらいたいですね。