2018年8月に山口県周防市で発生した藤本理稀ちゃん行方不明事件が話題です。
この記事では藤本理稀ちゃん行方不明事件の概要や現場、父親や母親、祖父などの家族、神隠し説、発見したのはスーパーボランティアの尾畠春夫さんである件、その後や現在などについてまとめました。
この記事の目次
藤本理稀ちゃんは山口県周防市で行方不明になっていた当時2歳の男児
藤本理稀(ふじもと・よしき)ちゃんは、2018年8月12日の午前10時半頃に、山口県周防市大島町家房地区で行方不明になり、15日の午前6時半頃に発見された当時2歳の男児です。
藤本理稀ちゃんは行方不明になった当時はまだ1歳で、行方不明中の8月13日に誕生日を迎えて2歳になったばかりという幼い年齢でしたが、3日間1人だけで過ごしていたにも関わらず、元気な状態で発見されたため「脅威の生命力」、「サバイバル能力の高い2歳児」などとネット上で話題になりました。
ただその一方で、誰かに誘拐され保護を受けていたので生き延びる事ができたのではと疑う声や、家族が怪しいのではなどと邪推するような声も上がっており、藤本理稀ちゃん行方不明事件は現在もネット上でよく話題にされています。
今回はこの藤本理稀ちゃん行方不明事件について紹介していきます。
藤本理稀ちゃん行方不明事件の概要
最初に、藤本理稀ちゃんが行方不明になった事件の概要を改めて紹介します。
祖父と兄と海水浴場に向かう途中に行方不明に
藤本理稀ちゃんは、行方不明になった当日の12日午前に母親や兄弟ら家族と同町の曽祖父宅に帰省していました。
行方不明になる直前、藤本理稀ちゃんは祖父の正憲さん(当時66歳)と、当時3歳の兄と3人で海水浴に行ために曽祖父宅を出ましたが、100メートルほどのところで1人だけ引き返しそのまま行方がわからなくなりました。
祖父によると、自宅を出て100メートルほどのところで、母親がいない事に気がついた藤本理稀ちゃんが「帰る」と言い出したため、そのまま帰したそうです。祖父は曽祖父の自宅から近い事や、後から母親が来るはずだった事から、しばらく藤本理稀ちゃんを見守った後に目を離してしまったようです。
大規模捜索が行われるも14日まで発見されず
その後、祖父は後から来た母親と合流した際に、藤本理稀ちゃんが帰っていない事に気がつき、家族で手分けして探したものの発見できなかったため110番通報し、警察や地元の消防団などを中心に150人規模での捜索が開始されました。
藤本理稀ちゃんが行方不明になった翌日の14日には、母親の美緒さん(当時37歳)が、防災無線のスピーカーを使って家房地区一帯に届くように、藤本理稀ちゃんに呼びかける放送を行いましたが、発見には至りませんでした。この時の母親の声は憔悴しきったような声で、日本中から同情の声と、藤本理稀ちゃんを心配する声が上がりました。
15日に曽祖父宅から約560メートル離れた山中の沢で無事見つかる
まだ2歳になったばかりの幼い子供が丸3日間も発見されない事から、ネットでは生存を絶望的と見る声も上がっていましたが、藤本理稀ちゃんは15日の午前6時半頃に無事発見されました。
藤本理稀ちゃんは、発見時、曽祖父宅から北東へ約560メートルほどの山中の沢の近くで1人座り込んでおり、発見者の尾畠春夫さんの呼びかけに「ぼく、ここー」と答えた事で見つかったそうです。
藤本理稀ちゃんは、全身泥だらけでダニに刺されたような痕はあったものの、外傷はほぼなく、搬送先の山口県柳井市の周東総合病院で点滴は受けたものの健康面にも問題はなく、担当した医師は「生命力が強い」と驚きのコメントをされていました。
藤本理稀ちゃんが行方不明になった3日間は晴れの日が続き、現場は最高気温34度と猛暑だったため、熱中症や脱水症状の恐れもありましたが、藤本理稀ちゃんは気温が低い沢の近くであまり動かずにいたため、そうした深刻な事態を引き起こさずに済んだのではないかとする専門家の見解も示されています。
藤本理稀ちゃん行方不明事件では母親や父親、祖父など家族も注目された
出典:https://koku-byakunews.com/
藤本理稀ちゃん行方不明事件では、母親と祖父が積極的にメディアに登場して、少しでも情報をと捜索への協力を求め、藤本理稀ちゃんの身を心配する気持ちも盛んに表明されていました。
また、藤本理稀ちゃんが無事に発見された後にも、母親と祖父はメディアに出演して、捜索に加わった人々や、藤本理稀ちゃんの身を心配していた人々への感謝の気持ちも話されていました。
この事から、藤本理稀ちゃん行方不明事件は藤本理稀ちゃんの家族への注目も高まる事になりました。
藤本理稀ちゃんの母親の美緒さんは藤本理稀ちゃん発見時に安心のあまり号泣
母親の気持ちとしては当然の反応だと思いますが、藤本理稀ちゃんが無事発見されて再開を果たした際、母親の美緒さんは安心と嬉しさのあまりに号泣されていました。
母の美緒さん(37)は「よっちゃん、よかったね。本当に生きて会えるなんて」と大粒の涙。
母親の美緒さんは、藤本理稀ちゃんが行方不明になってから3日間が経過し、もうダメかもしれないと絶望的な気持ちになられていたそうで、その分だけ喜びもひとしおだったようです。
――今の気持ちは
「もうだめかな」という気持ちが大きかったので、息子が目をあけてこっちを見たときはほんとに胸がいっぱいになった。何百人も捜索にたずさわっていただいて、感謝の気持ちしかありません。
――理稀ちゃんの顔を見た時は
生きて会えるとは思っていなかったので、もう胸がいっぱいで、言葉では表現できない。
また、藤本理稀ちゃんが発見され、その後入院先の病院から退院された後には、母親の美緒さんは藤本理稀ちゃんを抱きながら会見に応じ、捜索に加わった人々への感謝の気持ちや、現在の藤本理稀ちゃんの様子なども答えられていました。
藤本理稀ちゃんは取材陣に囲まれて緊張した様子で会見中は終始無言でしたが、最後に母親の美緒さんに「バイバイできる?」と促されて、報道陣に向かって手を振っていました。
藤本理稀ちゃんが行方不明になる原因を作った祖父への批判が出た
藤本理稀ちゃんが行方不明事件では、祖父の正憲さんがメディアの取材に応じて、藤本理稀ちゃんが行方不明になった時の状況を説明されていました。
この時、祖父は自分が目を離した隙に藤本理稀ちゃんが行方不明になったと説明していますが、なぜか笑顔を見せるなどしたため、一部の人々から「なんでこんなに他人事のようなのか」、「自分のせいで孫が行方不明になったのを理解していないのか?」といった批判の声が上がりました。
藤本理稀ちゃんが行方不明になった元凶の祖父とやらが、薄笑いを浮かべながらインタビューに答えてるのを見ると腹が立つのは自分だけなのか…❓
— マサ (@masasato0528) August 15, 2018
ぜひ蝶野氏にマジビンタやケンカキックをお見舞いしてもらいたい❗️#藤本理稀 #蝶野正洋 pic.twitter.com/RtmGg0LJeW
藤本理稀(よしき)ちゃん、見つかるのかな?祖父と住民の温度差おかしい。祖父の(一日手伝う?)←ってなに?また薄ら笑いで言ってる?厳しいとか諦めてるのなに?本当他人事すぎない? pic.twitter.com/Ie6sChgBEQ
— ゆうたむ@あつ森れおん (@yuutam_iroiro) August 14, 2018
まだ2歳の自身の孫が自分の責任で行方不明になっているのに、淡々とした様子で取材に応じて、時折笑顔を見せる祖父の姿に違和感を抱く気持ちも分からなくはありませんが、祖父にはこれまで大勢の記者に囲まれてメディア取材を受けた経験などなかったでしょうし、危機的な状況に陥ってアドレナリンが出て、一時的にハイテンションになっていた可能性も考えられるので、こうした態度だけを切り取って祖父の人格までを批判するのは行き過ぎではないかと思います。
祖父の正憲さんは、藤本理稀ちゃんが無事に見つかった後に、メディアの取材に対して、藤本理稀ちゃんが行方不明になったのは自分のせいだと強く責任を感じていた事や、連日夜中に起きて周囲を探し回っていた事などを明かしています。
海へ行く途中に目を離したのでこんなことに。すべて私の責任で、申し訳ない。今後は目を離さないようにしないといけない。まだ2歳で行動範囲も広くないので、すぐみつかるだろうと最初のうちは思っていた。だが、昨日今日と夜中でも目が覚めて、今朝も3時ごろからこのあたりを捜しまわった。まさか山の方まで行くとは思わなかったから、(見つかった)山は見ていなかった。遊びにつれていったこともない所だった。
こうした様子から、藤本理稀ちゃんの祖父の正憲さんは批判されるような人物ではなく、孫を大切に思う、ごく普通のおじいちゃんなのだろうと感じられます。
藤本理稀ちゃんが見つかった時の気持ちについても、祖父の正憲さんは下のように答えられていました。
――理稀ちゃんが帰ってきた時、どう思ったか
感激で涙。大きな声で名前を呼ぶだけだった。理稀が目をぱっちり開いていたので安心した。
藤本理稀ちゃんの父親が出てこない事に疑問を抱く声も
藤本理稀ちゃん行方不明事件では、母親の美緒さんと祖父の正憲さんは、盛んにメディアの取材に応じて協力を求めるメッセージや発見後の感謝の気持ちなどを表明されていましたが、なぜか父親の姿は全く見えませんでした。
この事から、藤本理稀ちゃんの母親は離婚しているか、父親は亡くなっているのでといった声も出ていました。
藤本理稀ちゃんの父親って出てこないけど、どうしたんだろ?離婚してるのかな…
— kokorinチョ (@FALLINGINFINITY) August 15, 2018
でも、無事で良かった。
また、藤本理稀ちゃんが発見された後の会見に母親と祖父だけが出て、父親が出ないのはおかしいと誹謗中傷するような声も一部から出ていたようです。
理稀ちゃんの父親は感謝の会見に出てきませんでした。わが子が助かった感謝の気持ちがないんですかね。
ほとんどの人々は、藤本理稀ちゃんが無事に発見されて良かったと喜ぶ気持ちが100パーセントだろうと思いますが、これだけの騒ぎになったのに父親がなぜ感謝の気持ちを公に向けて表明しないのかといった事が気になって仕方がないという人も中にはいるのでしょう。
藤本理稀ちゃんは神隠しにあったという説も飛び交っている
出典:https://koku-byakunews.com/
藤本理稀ちゃんは無事に発見されて本当に良かったのですが、まだ2歳になったばかりの幼い子供が、3日間もたった1人で生き延びた上に、発見された時に、まるで少しの間1人でいただけといった様子でとても元気な状態だったのはとても不可思議だとして、ネット上などでは、藤本理稀ちゃんは神隠しにあったのではないか?といった噂も飛び交っているようです。
藤本理稀ちゃんが行方不明になったのがちょうどお盆の時期だった事もあって、神隠しや何か不思議な力が働いたのではと考える方も少なくなかったようです。
藤本理稀くんの事件はお盆と関係あるかもしれんね~ まさに神隠し的なことかも。子供は純粋だから見えないものも見えたりするから誘われたのかもしれんなとふと思った。
— (@mica_in_mica) August 21, 2018
藤本理稀ちゃん行方不明事件は、神隠しにあったとでもしなければ説明がつかないような不思議な点が多くある事も事実です。
藤本理稀ちゃんがまだ2歳になったばかりで言葉が拙い事から、3日間どのようにして過ごしていたのかを説明してもらう事も難しかったのも、神隠し説が出た原因の1つでした。
藤本理稀ちゃん行方不明事件の現場では過去にも類似の行方不明事件が発生
神隠し説が出た事とも関連するのですが、実は藤本理稀ちゃん行方不明事件から見て10年前の2008年3月にも、山口県周防町大島町西安下庄(藤本理稀ちゃん行方不明事件の現場から約7キロほどの場所)で幼い子供の行方不明事件が発生しています。
そして、この時の行方不明事件が、藤本理稀ちゃん行方不明事件と酷似しているのです。
この時に行方不明になったのは、家族と祖父宅に帰省していた当時3歳の女児で、3月15日の夕方頃に行方不明になりました。
この女児は、その翌日の16日に、行方不明になった現場から約1.2km離れた山中で無事に発見されたのですが、山中を丸1日彷徨ったにも関わらず、藤本理稀ちゃんと同様にほとんど外傷がなかったのだそうです。
このように、同様の現場で2度の不可思議な行方不明事件が発生している事から、2人とも神隠しにあったのではという説が生まれたようです。
また、この地域には変質者がいて、2人とも同一の犯人に誘拐されたのではないかとする説も囁かれているようです。
ただ、藤本理稀ちゃんは、発見された後の入院中に母親に「3日間、1人だったの?」という問いにうなずいたという事なので、誰かに誘拐されていた可能性は低いようです。
美緒さんによると、入院中に「3日間、1人だったの」と問いかけると、理稀ちゃんはうなずき、「何か食べたの」と聞くと首を横に振った。
藤本理稀ちゃんを発見した尾畠春夫さんは有名なボランティア活動家
藤本理稀ちゃんを発見した尾畠春夫さんのプロフィール
藤本理稀ちゃんを発見したのは、全国各地の被災地などを回ってボランティア活動をされている、尾畠春夫さんでした。尾畠春夫さんは15日の早朝に捜索を始め、1人で山に入ってわずか20分後に藤本理稀ちゃんを発見する凄技を見せて大きな話題になりました。
尾畠春夫さんはこれまでの経験から、子供は上の方に登っていく習性があるとし、崖側はフェンスがあるので沢の方にいるだろうと読んで、真っ直ぐに沢へと向かい、そこで見事に藤本理稀ちゃんを発見しています。尾畠春夫さんは元は登山家として活動されていて、その頃に培った山の知識も捜索に役立てたようです。
この尾畠春夫さんは以前からボランティア活動家として知られていた人物で、新潟県中越地震、東日本大震災、熊本地震、西日本豪雨など災害が発生する度に被災地に赴きボランティア活動を行ってきた方です。
尾畠春夫さんは、その経験を生かして若いボランティア達に的確な指示を出し、尾畑さんが来るだけで現場の士気が高まり、ボランティア活動の効果が飛躍的に向上すると言われています。また、尾畠春夫さんはボランティアに行った先では、最低限の食料や日用品も含めて全て自前で用意し、被災地からは絶対に対価を受け取らないという姿勢を貫いており、多くの人々から尊敬を集めています。
尾畠春夫さんはこの藤本理稀ちゃんの発見で一躍時の人となり、「スーパーボランティア」とも称されるようになりました。
ただ、尾畠春夫さんはそうした事を誇ることはなく、当然の事をしただけという姿勢を貫かれています。
藤本理稀ちゃんのその後
藤本理稀ちゃんは、行方不明から発見されたその後、山口県柳井市の周東総合病院に搬送されて健康チェックを受け、異常ははなかったものの念の為8月20日まで入院した後に退院しています。
退院後に母親が藤本理稀ちゃんを抱いて会見を開いたその後の様子は、一般の方という事からプライバシーの面が尊重され報じられていません。
ただ、藤本理稀ちゃんの母親の美緒さんは、行方不明中に2歳の誕生日を迎えた藤本理稀ちゃんに改めてアイスケーキでお祝いしたいと話されていたので、藤本理稀ちゃんの体調が完全に回復した後に誕生日パーティを開かれたのではないかと思います。
――13日は理稀ちゃんの誕生日だが、プレゼントやケーキは用意していたのか
お盆を過ぎてからゆっくりお祝いする予定だった。アイスクリームがすごい好きなので、ケーキはアイスケーキにしてあげようかなと思う。
藤本理稀ちゃんの現在
藤本理稀ちゃんの現在は、2022年の誕生日で6歳で、2023年4月から小学1年生のはずです。
ただ、行方不明事件で時の人になったとはいえ、一般人の幼い子供という事で、その後の様子と同様に現在の様子を報じる内容は一切なく不明です。
現在は、どこかで家族と元気で過ごされていると思います。
まとめ
今回は、2018年8月12日から15日にかけて、山口県周防市島町家房地区で発生した藤本理稀ちゃん行方不明事件についてまとめてみました。
藤本理稀ちゃん行方不明事件は、母親や兄弟ら家族で曽祖父の実家に帰省していた当時2歳の藤本理稀ちゃんが、祖父と兄と3人で海水浴場に向かっていた時に行方不明になり、捜索の末に15日に山中の沢に1人でいるところを無事に発見された事件です。
藤本理稀ちゃんが行方不明になった際には、母親や祖父がメディアの取材に応じて、情報提供などの協力を訴えていたため、その家族の動向も注目されました。
祖父に対しては、自分が目を離したタイミングで藤本理稀ちゃんが行方不明になったにも関わらず、他人事のような態度を見せて、取材に対して時折笑顔を見せたため批判が起こりました。ただ、この祖父は、実際には藤本理稀ちゃんが行方不明になったのは自分のせいだと強く責任を感じており、連日夜中に起きて周囲を探し回っていたそうで、批判されるような人物ではありませんでした。
また、父親がの姿が一切見えない事から、離婚や死別の噂も流れるなど、藤本理稀ちゃんの家族が好奇の目に晒されるという事態も発生しました。
藤本理稀ちゃんは行方不明になった当時2歳になったばかりの幼い子供でしたが、3日間山に1人でいたにも関わらず、怪我はほとんどなく、健康状態も異常がないという奇跡的な状態で発見されたため、神隠しなどの不思議な現象でどこかに飛ばされていたのでは?といった噂も浮上しました。
藤本理稀ちゃんの行方不明現場では、10年前にもよく似た幼い子供の行方不明事件が起こっており、真相は誘拐で同一犯によるものではとも噂されましたたが、これも可能性は低いようです。
藤本理稀ちゃんを発見したのは、有名なボランティア活動家の尾畠春夫さんという方で、この方は自身の経験を元に、入山からわずか20分ほどで藤本理稀ちゃんを発見して見せ、その凄腕から「スーパーボランティア」と評されるようになりました。
藤本理稀ちゃんのその後や現在については、一般の方で、まだ幼い子供という事もあり、情報は一切公開されていません。どこかで家族と元気に過ごしていると思われます。