離人症とは

離人症とは、自分自身の身体や心から、自分自身が切り離されたように感じる症状・精神疾患のことを指します。

慢性的な離人症の症状が出ている場合は、離人感・現実感消失障害（DPD＝Depersonalization-derealization disorder）と診断されます。離人症は解離性障害の一種です。

離人症は小児虐待やネグレクト、その他の大きなストレスが原因となって起こることが多いとされていますが、次のような精神疾患の症状として現れることもあります。

また、片頭痛や睡眠不足、極度の疲労などでも、一時的に離人症の症状が現れることがあります。

離人症の症状

離人症では、自分と自分自身の身体・心が切り離されるような感覚になる症状が現れます。

離人症の芸能人・有名人①　日本人4人

泰葉

初代林家三平を父に持ち、以前は春風亭小朝さんと結婚していたタレントの泰葉さんは、双極性障害であることを告白しています。

さらに統合失調症、もしくは解離性同一性障害を思わせるような記述がブログの中にありました。

「もう一人の私がいつも私に問いかけていました 泣いたり怒ったり時にははしゃいだり手のつけられない子でした」「そんなもう一人さんは今スヤスヤ寝ています 安心した顔です」

 

引用：泰葉「芸能界に復帰」宣言、精神病を患っていたことを告白 多重人格者だった？ (2018年7月30日) – エキサイトニュース

これらの症状は多重人格のような症状で、さらに自分が自分を観察しているような離人症の症状でもありますね。

自分でこれらの症状をブログに書いていますので、泰葉さんは離人症の症状が出ていたことは間違いないでしょう。

清水富美加（千眼美子）

現在は千眼美子という芸名で活動している元・清水富美加さんは、以前に出版したエッセイ本の中で「ぺふぺふ病」だと告白しました。ぺふぺふ病とは、次のようなものだそうです。

「それは感情に起伏がなく　これといった悩みもなく　余裕があるような　というといいように聞こえるが　ガムシャラな感じがなく　やる気が感じられず　生きている感じがしない　というと悪いように聞こえるが　がんばっていないわけでもなく　そして調子に乗っているわけでもなく　そう、擬音にしたら　ぺふぺふしているような状況の　一種の病」

 

引用：清水富美加の「ぺふぺふ病」精神科医がコメント – 芸能 : 日刊スポーツ

これらの症状は現実感が持てないような症状なので、離人症の症状が出ていると思われます。

清水富美加の「ぺふぺふ病」精神科医がコメントhttps://t.co/2m1Dhebhg9

和田秀樹先生が…！
ちなみに「感情に起伏がなく（中略）擬音にしたら　ぺふぺふしているような状況の　一種の病」だそうで、「離人感（現実感が失われること）」という、うつの症状の一つかと。

— ゆうきゆう❤️マンガで心療内科 (@sinrinet) February 17, 2017

清水富美加さんは幸福の科学に出家する前は、離人症の症状が出ていたようです。

藤圭子

「圭子の夢は夜ひらく」などのヒット曲を持ち、宇多田ヒカルさんの母でもある藤圭子さんは統合失調症の症状に悩まされていました。

そして、2013年にマンションから飛び降り自殺を図り、死亡しています。

娘の宇多田ヒカルさんは、藤圭子さんの症状を次のように語っています。

症状の悪化とともに、家族も含め人間に対する不信感は増す一方で、現実と妄想の区別が曖昧になり、彼女は自身の感情や行動のコントロールを失っていきました。

 

引用：Hikaru Utada Official Website

現実感がなくなり、自分の言動をコントロールできないのも、離人症の症状です。

藤圭子さんも離人症の症状が出ていたんですね。

芥川龍之介

「羅生門」「蜘蛛の糸」「鼻」などの代表作を持ち、現在の日本の文学賞の最高峰とも言える芥川賞創設のきっかけとなった文豪・芥川龍之介。

母親が統合失調症で、自分も統合失調症を発症するのではという恐怖を抱えていました。

そして、どうやらその恐怖は現実になったようで、晩年には統合失調症の症状が出ていたようです。

晩年の著作である「歯車」の中には離人症と思われる記述が見られています。

離人症的な表現や自我の二重体験などが窺われるが、さまざまな精神病理学的症候を徹底的に関係づけて、宮沢賢治や鳥尾敏雄の小説にある様な、通常的でないもう一つの視線を組み込んで構成を試みているところに真骨頂が見いだされる。

 

引用：斉藤繁｜芥川龍之介「歯車」の暗号　弘前学院大学社会福祉学部研究紀要　第13号（2013年）

芥川龍之介も、離人症に悩まされていたのかもしれませんね。

離人症の芸能人・有名人②　海外9人

ビリー・ミリガン

世界で最も有名な解離性同一性障害の患者であるビリー・ミリガン氏は、最大24人の人格がいて、ビリー・ミリガンをコントロールしていた人格もいました。

ビリー・ミリガンの場合、どの人格をスポットに立たせるか（表に出すか）はアーサーやレイゲンという人格が決めていましたので、ある種の離人症だったと言えます。

ただ、24人の人格がいたことから、「離人症」では説明できない・定義づけることができない複雑な症状でした。

ジャスティン・ビーバー

世界的に有名なポップミュージシャンであり、お騒がせセレブでもあるジャスティン・ビーバーは、2019年3月に自分のInstagramで離人症を思わせる症状があることを告白しました。

Been struggling a lot. Just feeling super disconnected and weird..

 

引用：Justin BieberはInstagramを利用しています:「Just wanted to keep you guys updated a little bit hopefully what I’m going through will resonate with you guys. Been struggling a lot.…

（現実と）切断されるような感覚と述べていますので、ジャスティン・ビーバーは離人症のような症状を感じているようです。

ロジック

アメリカの人気ラッパーであるロジックは、CBSニュースの「サンデーモーニング」で、以前に精神疾患で入院したことがあり、その時には離人症と診断されたと語ったことがあります。

アメリカのセレブは、精神疾患についても隠さずに語ることが多いですね。

ウィル・ヤング

イギリスのオーディション番組「ポップアイドル」の優勝者であり、人気歌手のウィル・ヤングは現在はゲイであることを公表します。

しかし、ゲイである事実を秘密にし、小学校時代にいじめられたこと、また双子の兄弟と引き離されたことが原因で、2012年にPTSDを発症しています。

そして、離人症であると診断されたとのことです。

エドヴァルド・ムンク

画家のエドヴァルド・ムンクは、統合失調症だったと言われています。

そして、彼の代表作である「叫び」は、ムンク自身の離人症の症状からインスピレーションを受けて、描かれた作品であると考えられています。

ジョナサン・カウエット

自伝的映画「ターネーション」を制作し、壮絶な生い立ちが話題になったジョナサン・カウエット。

12歳の頃にPCP（フェンサイクリジン）を吸ったことで、現実感を喪失したような離人症の症状が現れ、後に離人症であると診断されています。

アダム・デュリッツ

カウンティング・クロウズのボーカルで中心メンバーであるアダム・デュリッツは、長年離人症の症状に苦しんでいることを告白しました。

彼の離人症の症状は、数分から数か月に渡って続き、心や体が周囲から離れているように感じてしまうとのことです。

ヴィニー・パズ

イタリア出身のラッパーであるヴィニー・パズは、以前から離人症の症状が出ていることを2012年に告白しました。

パニック障害と不安障害の症状として、離人症の症状が出ていたようです。

スザンヌ・シーガル

スザンヌ・シーガルは20代の頃に離人症と診断され、離人症のモデルケースになった人物でもあります。

彼女の離人症は、「Feeling Unreal：Depersonalization Disorder and the Loss of the Self」という本の中で紹介されています。

彼女は離人症の症状について、仏教の「悟り」であると解釈したと言われています。

離人症の芸能人・有名人のまとめ

離人症の基礎情報や症状、離人症の芸能人や有名人をまとめましたが、いかがでしたか？

離人症は精神疾患の1つですが、極度の疲労や睡眠不足の状態だと、誰でも経験し得る感覚です。

もし、それが長く続くようなら、早めに精神科・心療内科を受診するようにしましょう。