「体罰」は一昔前のものと思っている人は少なくありませんが、いまだに教育現場での体罰の事件や事例は後を絶ちません。
今回は体罰の定義や禁止している法律、学校での体罰の事件・事例の有名ランキングをまとめました。
この記事の目次
体罰の定義とは
体罰とは罰を課す目的で、対象者に肉体的な苦痛を与えるような行為を指します。
簡単に言うと、暴力行為をすることで、相手を罰することですね。
主に、保護者(父親・母親など)や教員から子供(児童・生徒)に対して行われます。
学校においては、教員は教育上必要がある時には「懲戒」を加える権利を学校教育法で保障されています。懲戒とは罰ですね。
ただ、体罰は禁止されています。体罰と懲戒の違いは、肉体的な苦痛があるかどうかです。
文科省の見解では、次にようなものが体罰に該当するとしています。
・被罰者に肉体的苦痛を与えるようなもの
具体的に体罰に該当する行為を紹介します。以下のものは、すべて懲戒(罰)の意味で行われたものとします。
【身体に対する侵害を内容とするもの】
・児童の背中を踏みつける
・突き飛ばして転倒させる
・平手打ちする
・頬をつねって席に着かせる
・頭を叩く
・殴る
これらの行為はすべて、暴力により肉体的苦痛を与えますので、体罰に該当します。
また、次のような行為も体罰になります。
【被罰者に肉体的苦痛を与えるようなもの】
・トイレに行きたいと訴えても、トイレに行かせない
・食事を与えない
・長時間正座させ、苦痛を訴えても、正座を保持させる
暴力行為でも暴力行為でなくても肉体的な苦痛を与える罰を課したら、それは体罰になります。
体罰を定義すると、体罰とは肉体的な苦痛を与える罰であると言えるでしょう。
体罰は法律で禁止されている
体罰は法律で禁止されていることをご存知ですか?
体罰を禁止している法律を見ていきましょう。
学校教育法第11条
体罰は学校教育法第11条で禁止されています。
第十一条 校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、監督庁の定めるところにより、学生、生徒及び児童に懲戒を加えることができる。但し、体罰を加えることはできない。
学校では教育上必要なら、先生は学生に対して懲戒を加えることができます。でも、体罰は禁止されています。
体罰には該当しない懲戒(罰)には、次のようなものがあります。
・授業中に教室内に立たせる
・当番を多めに課す
・清掃活動や宿題を課す
・授業中に歩きまわっている子を叱って席に着かせる
このような罰は肉体的な苦痛がないので、体罰には当たりません。
児童虐待の防止等に関する法律第14条1項
体罰は「児童虐待の防止等に関する法律」での禁止されています。
児童虐待の防止等に関する法律では、親権を持つ者、つまり保護者(両親など)はしつけをする時には体罰を行ってはいけないとしています。
第十四条 児童の親権を行う者は、児童のしつけに際して、体罰を加えることその他民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百二十条の規定による監護及び教育に必要な範囲を超える行為により当該児童を懲戒してはならず、当該児童の親権の適切な行使に配慮しなければならない。
たとえ、しつけという名目でも体罰は絶対にダメだということですね。
児童福祉法第33条2の②と第47条の③
体罰は児童福祉法という法律でも禁止されています。
まずは、児童福祉法の第33条2の②の条文を見てみましょう。
児童相談所長は、一時保護が行われた児童で親権を行う者又は未成年後見人のあるものについても、監護、教育及び懲戒に関し、その児童の福祉のため必要な措置を採ることができる。ただし、体罰を加えることはできない。
次に、児童福祉法の第47条の③です。
児童福祉施設の長、その住居において養育を行う第六条の三第八項に規定する厚生労働省令で定める者又は里親は、入所中又は受託中の児童等で親権を行う者又は未成年後見人のあるものについても、監護、教育及び懲戒に関し、その児童等の福祉のため必要な措置をとることができる。ただし、体罰を加えることはできない。
この児童福祉法では、児童相談所長や児童福祉施設の所長やそこで養育を行う施設職員や里親も、罰を課すことはできるけれど、体罰を行うことは許されないと明記しています。
誰も子どもに体罰を与えることはできない
以上のように、体罰は学校教育法・児童虐待の防止等に関する法律・児童福祉法の3つの法律で禁じられています。
学校の先生などの教育関係者、保護者、福祉関係者という子どもの養育に関わるすべての大人が、すべての子どもに対して体罰を加えることはできないと法律で定めているということです。
体罰を学校で行った教職員の処分は?
体罰は学校で行われることも少なくありません。では、学校で教師が体罰を行うとどのような処分が下されるのでしょうか。
東京都教育委員会では、体罰を行った教職員に対して、次のような罰則を設けることを定めています。
処分の内容 | 体罰の種類 |
免職 | ・体罰で児童や生徒を死亡させた、もしくは重篤な後遺症を負わせた ・きわめて悪質や危険な体罰を繰り返し、児童・生徒に大きな苦痛を負わせ、欠席や不登校になった |
停職 減給 | ・常習的に体罰が行われた ・体罰で児童・生徒にけがをさせた ・体罰の事実を隠ぺいした |
戒告 | ・体罰を行った場合 |
ちなみに体罰によって免職になった教員は、教員免状は失効または取り上げになるので、都道府県の教育委員会に教員免状を返納しなければいけません。
学校での体罰の事件・事例有名ランキング:29~26位
学校での体罰はいまだに行われています。平成23年度では学校で404件もの体罰が行われています。
懲戒免職処分になった教職員はいませんでしたが、停職が20人、減給が52人、戒告が54人、訓告などが278人となっています。
この数字を見ると、まだまだ学校では体罰が行われていることが分かりますね。
学校での体罰の事件・事例の有名ランキングを見ていきましょう。
第29位 岐阜県立岐陽高等学校体罰事件
岐阜県立岐陽高等学校体罰事件
発生:1985年5月
被害:死亡
体罰内容:殴打
1985年5月に3泊4日の日程で行われた岐阜県立岐陽高校の研修旅行で、禁止されていたドライヤーを持ってきた生徒がいました。
頭をこぶしで殴ったり、踏み付けたり、後頭部を壁に打ち付けたり、肩を回し蹴りして腹部をを蹴り上げるなどの体罰を加え、生徒は死亡しました。
教師は逮捕され、懲役3年の実刑判決を受けています。
第28位 小松市立芦城中学校体罰事件
小松市立芦城中学校体罰事件
発生:1986年7月
被害:死亡
体罰内容:柔道技をかけた
1986年7月、忘れ物や遅刻が多い男子生徒に対して、宿直室に呼び出し、4回の往復びんたをした後に柔道技をかけました。
技をかけられた生徒は頭を強打し、3日後に死亡しました。
この男子生徒は、母親が入院中で弟の面倒を見ながら家事を行っていて、家計が貧しく忘れ物とされた物自体を持っていなかったことが発覚しました。
第27位 鳥取県立米子養護学校体罰事件
鳥取県立米子養護学校体罰事件
発生:2008年
被害:不明
体罰内容:頬を叩く
米子養護学校で、作業をさぼっていた生徒の両頬を平手でたたく体罰を行いました。
第26位 岐阜県立本巣松陽高校事件
出典:twitter.com
岐阜県立本巣松陽高校体罰事件
発生:2019年8月
被害:不明
体罰内容:ヘルメットの上から金属バットで殴る
岐阜県立本巣松陽高校で、2019年8月ごろに野球部監督の教員が野球部員をヘルメットの上から生徒の頭を金属バットで殴るという体罰がありました。
さらに、野球部員に対して「死ね」「消えろ」などの暴言を言っていたことも判明しています。
学校での体罰の事件・事例有名ランキング:25~21位
第25位 佐世保実業高校事件
佐世保実業高校体罰事件
発生:2012年8月
被害:骨折
体罰内容:上級生に命令して殴らせた
2012年8月、長崎県の佐世保実業高校で退部を申し出た野球部員の1年生に対し、監督だった教員が3年生に指示して1年生を殴らせました。
その1年生の被害者は顎の骨を折るなどのケガを負いました。
しかも、その教員は被害部員の母親に対し、「練習中に打球が当たって転んだことにしてほしい」と話し、学校には練習中の事故と説明していました。
第24位 岐阜県立中津商業高等学校体罰事件
出典:minkou.jp
岐阜県立中津商業高等学校体罰事件
発生:1985年3月
被害:死亡(自殺)
体罰内容:殴打
岐阜県立中津商業高校の陸上部で、国体にも出場したやり投げ選手の女子生徒が成績不振に陥っていました。
そこで陸上部の顧問の教員は、日常的に竹刀や素手で殴るなどの暴力や暴言を浴びせるなどの体罰を行っていました。
この女子生徒は進級の試験をパスしたにも関わらず、県の強化合宿メンバーから外され、体育教官室で長時間立たされるなどの罰を受けたことで、自殺しています。
しかも、この体罰を課した教員は「バカとしか言えん」「死人に口なし」等の暴言を遺族に対して浴びせました。
第23位 北海道遠軽町立丸瀬布小学校体罰事件
出典:ameblo.jp
北海道遠軽町立丸瀬布小学校体罰事件
発生:2008年4月
被害:死亡(自殺)
体罰内容:嫌がらせ
丸瀬布小学校の5年生の女子児童は、女性担任から何度も夏休みの宿題をやり直し・書き直しさせられたり、長時間にわたり楽器の居残り練習をさせられたりしていました。
この担任教員からの嫌がらせで休みがちになっていた女子生徒は、6年生になってもこの教員が担任であることを知り、自殺しています。
第22位 静岡県立浜松商業高等学校体罰事件
静岡県立浜松商業高等学校体罰事件
発生:2010~2012年
被害:鼓膜が破れるなどのケガ
体罰内容:殴打
浜松商業高校では、2010~2012年にかけて13件もの体罰があったことが発覚しました。
主に運動部(男子バレーボール部、女子バレーボール部、野球部)などで体罰があり、運動部では体罰が常習化していたと見られています。
そのほか、2011年には授業終了後に男性教諭が男子生徒を殴る体罰がありました。
第21位 おかやま山陽高等学校体罰事件
出典:rubese.net
おかやま山陽高等学校体罰事件
発生:2002~2005年
被害:不明
体罰内容:全裸ランニング
2002年から2005年にかけて、おかやま山陽高校野球部では、監督の指示でメンタルトレーニングの名目で部員に全裸でランニングをさせていたことが明らかになりました。
この監督は暴行罪・強要罪で逮捕されました。
2002年の時点で、全裸でランニングをさせられた生徒から学校に苦情が入っていましたが、学校側は「単なる悪ふざけ」としか思っておらず、放置していたとのことです。
学校での体罰の事件・事例有名ランキング:20~16位
第20位 兵庫県立のじぎく特別支援学校体罰事件
兵庫県立のじぎく特別支援学校体罰事件
発生:2016年11月
被害:けがはなし
体罰内容:頭をテーブルに打ち付ける
2016年11月4日、三田市の障害者支援施設を訪れていたのじぎく特別支援学校高等部の教員が、知的障害がある男子生徒の襟首をつかんで揺さぶり、机に頭を打ち付ける体罰をしました。
幸いにも男子生徒にケガはありませんでしたが、この体罰の様子を見ていた障害者支援施設の職員が母親に体罰の様子を報告し、事件が発覚しています。
第19位 京都府立乙訓高等学校体罰事件
出典:rubese.net
京都府立乙訓高等学校体罰事件
発生:2018年10月
被害:骨折
体罰内容:蹴る
陸上部の顧問だった男子教諭が、陸上部の練習に遅れてきた男子生徒に対して、罰としてお尻を蹴ろうとしました。
男子生徒はとっさに手でお尻をかばい、教諭の蹴りが手に当たったことで左手を骨折し、入院しました。
第18位 熊本市立千原台高校体罰事件
熊本市立千原台高校体罰事件
発生:2018年7月~2019年10月
被害:ケガ
体罰内容:殴打
千原台高校の陸上部では、2018年7月から2019年10月の間、顧問が部員13人に対し、馬乗りになって殴る、傘で殴る、棒状のマグネットで頭を殴るなどの体罰を繰り返していました。
13人のうち、8人は頭から流血するなどのケガをしています。
第17位 愛知県立刈谷工業高等学校体罰事件
愛知県立刈谷工業高等学校体罰事件
発生:2011年6月
被害:死亡
体罰内容:殴打・蹴り
刈谷工業高校の野球部で、顧問の教諭が部員に対して、平手打ちや蹴りなどの暴力を受けていたことが分かりました。
部員のうちの1人で暴言を受けていた16歳の男性生徒は自殺しています。
この野球部では、顧問の教員からの体罰が常習化していました。
第16位 神戸市立飛松中学校体罰事件
神戸市立飛松中学校体罰事件
発生:2012年11月
被害:骨折
体罰内容:殴打
飛松中学校では部活中に教員が13歳の男子生徒の顔を殴り、足を蹴ってお腹を殴るなどして、肋骨骨折のケガを負わせています。
別の教員は、ガラスを割ってしまったと報告に来た男子生徒に対して、後ろから掴んで体ごと机にぶつけ、さらに空き教室で生徒の胸ぐらを締め上げるなどの体罰を行いました。
この生徒は頭部に2cmの裂傷を負っています。
この2人の教員は減給10分の1(1か月)の処分になりました。
学校での体罰の事件・事例有名ランキング:15~11位
第15位 浜松日体高等学校体罰事件
出典:minkou.jp
浜松日体高等学校体罰事件
発生:2013年9月
被害:ケガ
体罰内容:ビンタ
2013年9月、浜松日体高校の男子バレーボール部の顧問が部員の生徒に対して、十数発ものびんたをしている動画がYouTubeにアップされ、ニュースになりました。
被害を受けた男子生徒は鼻血が出るなどのケガを負っています。
前年の2012年にも同様の体罰があり、学校側は文科省に報告していました。
この教員による部員への体罰は日常的に行われていて、部員がミスをするたびに平手打ちやバット・竹刀での殴打が行われていたことが分かっています。
また、浜松日体高校ではこの教員による体罰だけでなく、体育教師による授業中の体罰も明るみに出ました。
第14位 富士学苑高等学校体罰事件
出典:news24.jp
富士学苑高等学校体罰事件
発生:2016年~2018年
被害:なし
体罰内容:脛を蹴る
女子バスケットボール部の名門校である山梨県の富士学苑高校で、女子バスケ部顧問の男性教諭が部員に対して、脛を蹴る体罰を行っていました。
さらに「死ね」「熱中症になれ」などの暴言も浴びせていて、この男性教諭は女子バスケ部の顧問を解任され、2019年3月まで停職処分になっています。
第13位 福井県池田町立池田中学校体罰事件
福井県池田町立池田中学校体罰事件
発生:2017年3月
被害:死亡(自殺)
体罰内容:執拗に怒鳴りつける
池田中学校の中学2年生の男子生徒は、2017年3月14日の午前8時に朝学習に取り組んでいましたが、午前8時30分に校舎下で倒れているのを発見され、救急搬送されましたが死亡しました。
この生徒は担任と副担任から何度も怒鳴りつけられ、精神的に追い込まれたことが原因で死亡しました。
第12位 京丹後市立小学校体罰事件
京丹後市立小学校体罰事件
発生:2007年
体罰内容:平手打ち
京都府の京丹後市にある小学校のあるクラスで、一部の児童が1人の児童を標的にからかい、他の児童はそれを黙認するいじめのようなものがありました。
クラスの担任は「次にからかったら、みんなを叩いて自分は教員を辞める」と宣言します。
その後もからかいは続いたため、宣言通り、担任教員はからかわれた児童を除いた全員を平手打ちし、その足で校長室に向かって体罰を報告、反省文と辞表を提出しました。
ですが、保護者達が辞表撤回を求める署名を集め、ほぼ全部の保護者がこの署名に応じています。
校長は二度と体罰をしないという約束をこの教員と行い、辞表を返却して、この教員は教員を続けることになりました。
第11位 帝京第五高等学校体罰事件
出典:twitter.com
帝京第五高等学校体罰事件
発生:2018年10月
被害:丸刈り
体罰内容:丸刈り
愛媛県の帝京第五高校のサッカー部の顧問の教員が、宿題を忘れたり、言葉遣いが悪い部員に対して、指導と称して髪の毛を丸刈りにすることを強要する体罰が行われました。
この指導と称した丸刈りは以前から行われていましたが、学校側はほぼ黙認していました。
学校での体罰の事件・事例有名ランキング:10~6位
第10位 都立町田総合高校体罰事件
都立町田総合高校体罰事件
発生:2019年1月
被害:不明
体罰内容:殴る、引きずる
東京都立町田総合高校で2019年1月、生徒が教員を挑発し、教員がその生徒を殴り、倒れた生徒に馬乗りになって引きずり回すという様子が動画で撮影され、YouTubeにアップされました。
この動画は瞬く間に拡散されましたが、動画の最初には「Twitterで炎上させようぜ」という撮影者の声が入っていたことや、生徒が明らかに面白半分に教員を挑発していました。
殴った教員ももちろん悪いけれど、生徒側にも責任があるという声がインターネット上に溢れました。
第9位 近畿大学附属女子高等学校体罰事件
出典:twitter.com
近畿大学附属女子高等学校体罰事件
発生:1995年7月17日
被害:死亡
体罰内容:殴打、力任せに押し倒す
近畿大学付属女子高校で1995年7月、簿記の再々試験が行われました。
この試験を受ける予定のない女子生徒が、試験が始まっても試験会場の教室から出ていこうとせず、反抗的な態度を見せました。
これに腹を立てた教員は、体罰を加えてでも指導しなければならないと思い、女子生徒に厳しく指導しました。
後ろに下駄箱があるところで小突いたり、殴ったりして、女子生徒は下駄箱に仰向けに乗り上げる形になります。
女子生徒は体を起こそうと教師の腕や襟首をつかんだのを、教師は歯向かってきたと思い、力任せに生徒を押し倒しました。
女子生徒はコンクリートの柱に頭をぶつけ、救急搬送されたものの翌日に死亡しました。
この男性教師は懲役2年の実刑判決を受けていますが、OGにより教師の刑を軽くするための署名が行われたり、遺族に嫌がらせが行われたりしています。
第8位 川崎市立桜本小学校体罰事件
出典:servan.jp
川崎市立桜本小学校体罰事件
発生:1987年1月
被害:死亡
体罰内容:頭を殴打
1987年1月、桜本小学校の養護学級の教諭が、2年生に書き初めの指導をしていた時に指示に従わない児童に対して、こぶしで頭を数回殴りつけました。
児童は帰宅後に頭痛を訴え、翌日に硬膜外血腫で死亡しました。
この児童は頭蓋骨狭窄症の障害を持っていて、生後6ヶ月の時に頭部の手術をしています。頭の変形は外見から明らかにわかるほどでした。
そして、入学時に「頭部をたたくなど、頭に衝撃を与えるようなことはしないでほしい」と申し入れがあったにも関わらず、この教諭は頭を殴る体罰を加えてしまったんです。
第7位 大阪府立難波支援学校体罰事件
大阪府立難波支援学校体罰事件
発生:2016年4月
被害:PTSD
体罰内容:手を叩く、体を振り回す
大阪府立難波支援学校高等部で、重度の知的障害がある男子生徒に対し、手を叩く、背負い投げのように体を振り回すなどの体罰が行われていました。
また、自力で食事ができないのに「自分で食べろ」など暴言も吐いていました。
この男子生徒はPTSDの診断を受け、体罰後は会話もできない状態になってしまいました。
この体罰が明らかになった後、この難波支援学校では合計7名の教員が少なくとも3人の生徒に対して、暴言を吐いていたことが判明しています。
第6位 出水中央高等学校体罰事件
出典:mainichi.jp
出水中央高等学校体罰事件
発生:2019年10月
被害:なし
体罰内容:殴打・蹴る
https://twitter.com/rOA8Nv6Hc4RZO3b/status/1181922736731373569
鹿児島県のサッカー名門高校である出水中央高校ですが、サッカー部顧問が部員に平手で殴ったり、蹴ったりして体罰を加えている動画がインターネット上で拡散されました。
タイムラインに出ていたこちらの動画。
— 戸田和幸 (@Kazuyuki_toda) October 10, 2019
何処の学校・チームか分からないのですが、皆さんにも見てもらう必要があると思ったのでリツイートします。
未だにこんな事が行われているとは。
信じたくない動画です。 https://t.co/fkwRqSsK5M
日韓ワールドカップにも出場経験がある元日本代表の戸田和幸さんも、この体罰を問題視し、一気に拡散され、有名になりました。
学校での体罰の事件・事例有名ランキング:5~1位
第5位 お茶の水女子大学附属中学校体罰事件
出典:hachi8.me
お茶の水女子大学附属中学校体罰事件
発生:2019年9月
被害:骨折
体罰内容:足蹴り
2019年9月にお茶の水女子大学附属中学校で、30代の男性教師が2年生の男子生徒を足で蹴り、肋骨骨折のケガを負わせる体罰がありました。
このお茶の水女子大学附属中学校は悠仁さまが通われている中学校です。
そのような名門中学で体罰があったことは、大きなニュースとして取り上げられました。
第4位 九州学院高校体罰事件
出典:asahi.com
九州学院高校体罰事件
発生:2018年10月
被害:不明
体罰内容:平手打ち
ラグビーの名門高校である熊本市の九州学院高校で、10月4日、校内の食堂前のホワイトボードにラグビー部員のあだ名を書いたとして、顧問の教員が部員を呼び出しました。
落書きを名乗り出た部員に対し、教員は平手打ちをして生徒を転倒させ、さらにもう一度殴打しています。
報道によると、大きなケガには至らなかったようですが、全国大会熊本県予選決勝戦を直前に控えた時期だったこともあり、大きなニュースになりました。
ラグビー部は監督を解任し、新体制で決勝戦に臨むことになりました。
第3位 大阪市立桜宮高等学校体罰事件
出典:news24.jp
大阪市立桜宮高等学校体罰事件
発生:2012年12月
被害:死亡(自殺)
体罰内容:殴打
桜宮高校の男子バスケットボール部では、顧問による暴行や暴言が日常的に行われていました。
12月22日に練習試合が行われましたが、試合中にも関わらず、キャプテンの生徒を顔面や頭部を数十回程度殴打し続け、口の中が切れて血まみれになっても体罰は続けられました。
この様子は試合を観戦しに来ていた保護者によって、動画で撮影されていました。
そしてその翌日、キャプテンの男子生徒は自室で首を吊って自殺しています。
体罰を加えた顧問の教員は、男子生徒が自殺した約10日後に遺族に電話をしています。
その際、部活に指導者として復帰することに了承を得ようとしたり、自己保身のような言動が見られたため、遺族は刑事告訴に踏み切っています。
この教員は懲役1年執行猶予3年の有罪判決になり、賠償金4360万円を支払う判決が言い渡されました。
第2位 水戸五中事件
出典:amazon.co.jp
水戸五中事件
発生:1976年5月
被害:死亡
体罰内容:殴打
1976年5月、茨城県の水戸五中で体力測定中に「何だ、○○(教員の名前)と一緒か」と言われたことに腹を立てた女性教諭が、2年生の男子生徒の頭を十数回にわたり殴りつけました。
この体罰の後に生徒は体調を崩し、8日後に脳内出血で死亡しています。
しかし、この女性教員は「口頭の訓戒・叱責と同一視され、正当な懲戒権として許される限度内」として、無罪判決を受けています。
また、学校側は生徒たちに対し、この男子生徒の通夜への参列を禁止するなど不誠実な対応を取りました。
第1位 戸塚ヨットスクール体罰事件
戸塚ヨットスクール体罰事件
発生:1979~1982年
被害:5名が死亡
体罰内容:暴行
学校での体罰の事件・事例の有名ランキングの1位は、戸塚ヨットスクール体罰事件です。公式の学校ではありませんが、一応スクールなので、このランキングに入れました。
日本での体罰の事件・事例としてこの戸塚ヨットスクール事件は避けて通れないですし、もっとも有名な体罰事件と言ってよいでしょう。
スパルタ式教育で脳幹を活性化せるという名目で、殴る蹴るの体罰を加え、5名の若者が死亡しています。
体罰の事件・事例の有名ランキングのまとめ
体罰の定義や体罰を禁止している法律、学校での体罰の事件・事例の有名ランキングをまとめました。
体罰は絶対にやってはいけないことです。
それはみんな認識していますし、体罰に対する処罰は厳しくなっているのに、学校での体罰がいまだになくならないというところに闇の深さを感じます。