失神ゲームとは?種類とやり方・事件・後遺症や死亡リスクも徹底解説【動画あり】

意図的に意識を失わせて遊ぶ失神ゲームがTiktokやTwitterを中心に人気ですが、非常に危険なゲームであることは間違いありません。

 

今回は失神ゲームの種類ややり方、事件の事例や後遺症・死亡のリスクなどをまとめました。

失神ゲームとは

 

失神ゲームとは、わざと意識を失わせて失神する遊びです。「気絶遊び」や「チョーキングゲーム」と呼ばれることもあります。

 

わざと失神することで、その様子を観察して楽しんだり、失神した時のフワっとした感覚を楽しむゲームですね。

 

小学校高学年から高校生などの若い世代で、友達・グループで失神ゲームを遊ぶことが多いようです。

 

ただ、失神ゲームはとても危険なゲームですので、絶対にやってはいけません。友達から誘われても断るようにしてください。

 

 

失神ゲームはTiktokで大流行

1970年ごろから流行

 

失神ゲームはここ数年で一気に広まった印象がありますが、実は1970年代から存在していたと言われています。

 

失神ゲームはいつ・どこで・誰が始めたという具体的なことは不明ですが、失神ゲームによる事件・事例は1970年代から報告されています。

 

 

Tiktokで一気に広がる

出典:twitter.com

 

1970年代からあった失神ゲームですが、ここ数年で一気に若者を中心に広がったのはTiktokが一役買っていると言われています。

 

若者を中心にTiktokが広がり、Tiktokに失神ゲームをしている動画が投稿されるようになったことで、真似する若者が増えて失神ゲームが広がっていったのです。

 

Tiktokだけではなく、Twitterにも失神ゲームの様子は投稿されています。しかも、Tiktokでは「失神チャレンジ」なるものも行われているようです。

 

 

失神ゲームはいじめに使われることも

 

失神ゲームは、次の3パターンで行われることが多いです。

 

・友達グループでの危険な遊びとして楽しむ
・いじめ
・自傷行為の代わり
 

友達グループでの危険な遊びとして楽しむ

 

失神ゲームは誰かを気絶させて楽しむゲームです。この時、ちょっとしたスリルを味わうことができます。
 
そして、グループ内の1人が本当に気絶したり、白目をむいて倒れたりする様子を見ることで、楽しみ盛り上がるんです。
 
ちょっと危険なゲームをグループでやることで、友達グループの一体感・結束力のようなものが上がることもあります。

 

 

いじめ

 

失神ゲームはいじめの一環として行われることもあります。

 

いじめの対象者をみんなで失神させて、いじめっ子グループが盛り上がり、いじめられた人はただ危険な目に合わされて、苦しい思いをすることになります。

 

 

自傷行為の代わり

 

失神ゲームは失神する瞬間に、フワっとした感覚・陶酔感を味わうことがあります。そして、失神するので、一時的に不安や目の前の辛いことから逃れることができます。

 

リストカットの代わりに、1人で失神ゲームをすることがあるようです。

 

 

失神ゲームの種類とやり方

失神ゲームの種類とやり方を見ていきましょう。

 

ここで一度注意喚起をしておきますが、ここで失神ゲームの種類とやり方を紹介したからと言って、失神ゲームを推奨しているわけではありません。

 

失神ゲームは危険なものです。危険な遊びですから、やってはいけない遊びです。

 

「どんなふうにやるんだろう?」という興味を持つのは悪いことではありませんが、実際にやってみるのはやめましょう。

 

失神ゲームのやり方はいろいろありますが、基本的には脳への酸素供給を止め、脳を酸素不足にすることを目的にして行います。

 

脳は酸素消費量が多い臓器ですので、意図的に血圧を下げ、脳への血流を止めることで、「酸素不足で呼吸が苦しい!」という思いをする前に、失神して意識を失うことが出来るのです。

 

 

種類① 1人でのやり方=頚動脈を押さえる

 

失神ゲームのやり方、まずは1人でのやり方です。

 

1人でのやり方は、頚動脈を押さえることです。首の太い血管である頚動脈を意図的に押さえることで、脳への血流を止めることができます。

 

1人で頚動脈を押さえるためには、首にベルトを巻くことが多いです。

 

また、深呼吸を素早く10回程度行ってから、自分で両手を使って頚動脈を押さえるというやり方もあります。

 

 

種類② 1人でのやり方=しゃがんだ状態で深くゆっくりと深呼吸を10回する

 

1人での失神ゲームには、「しゃがんだ状態で深くゆっくりと深呼吸を10回する。立ち上がって息を止めて上を向く」というやり方もあります。

 

「息を止めて上を向く」というところを、「深呼吸をする」や「息を止めて頚動脈を軽く押さえる」というバージョンのやり方もあります。

 

これは、一気に血圧を下げて、脳への血流を少なくするやり方ですね。

 

深呼吸をすると副交感神経が優位になって血圧が下がり、さらにしゃがんだ状態からいきなり立ち上がると血圧が追い付かず、脳への血流が少なくなって立ち眩みのような状態になるんです。

 

その後、息を止めたり、深呼吸をしてさらに血圧を下げたり、頚動脈を押さえて血流を遮断したりすることで脳が酸素不足になり、失神してしまいます。

 

 

種類③ グループでのやり方=強く胸を圧迫する

次は、失神ゲームのグループでのやり方です。グループでの失神ゲームのやり方で一番多いのは、強く胸を圧迫するやり方ですね。

 

 

失神する本人が胸の前に手を置いて(もしくは腕をクロスさせる)壁を背にして立ちます。そして、他の1~2人がその人の胸を強く押すと、パタッと失神してしまいます。

 

失神する人は胸を押される前にしゃがんで深呼吸をしておくと、失神しやすいようです。

 

 

種類④ グループでのやり方=首を絞める

失神ゲームのやり方、最後は首を絞める方法です。首を絞めて、頚動脈を押さえることで、脳への酸素供給を遮断して、失神させるものです。

 

 

ただ、このTwitterの動画を見るとよくわかりますが、このやり方は非常に危険です。これ、絞殺しようとしているのと変わりません。

 

面白半分で失神ゲームをしているつもりでも、やりすぎて「絞殺してしまった」という最悪の事態になりかねません。

 

失神ゲーム自体が危険なのでやるべきではありませんが、この頚動脈を押さえるやり方は特にやめたほうが良いでしょう。

 

 

失神ゲームでの日本の事件

 

 

■2002年11月

東京都の小学生が失神ゲームで倒れ、前歯が4本抜ける怪我を負った。

 

■2005年12月

札幌市の中学生が失神ゲームをしていて失神。それを見た友達が死んだと思って、警察に通報した。

 

■2006年10月12日

埼玉県新座市の中学生3人が、いじめ目的の失神ゲームで同級生を失神させた。意識を取り戻そうとした時にけがを負わせ、合計5人が傷害罪で逮捕された。

 

■2006年11月2日 

長崎県松浦市で、高校生がいじめ目的で失神ゲームを強要したことで、3人が強要罪と暴力行為法違反の疑いで逮捕された。

 

■2014年10月17日

東京都東村山市の男子中学生4人が、いじめの一環で失神ゲームを繰り返し行っていたとして、3人が暴力行為法違反で逮捕され、1人が補導された。

 

いじめを受けた男子生徒は、2時間半の間に10回も失神させられていた。男子生徒は「7月ごろからいじめを受け、死んだ方が楽だと思った」と話していた。

 

■2016年2月14日

新潟県新潟市で14歳の男子生徒2人が失神ゲームと称して、背中に体当たりするなどの暴行を行った容疑で逮捕された。

 

■2017年12月15日

東京都国分寺市の小学校6年生が、失神ゲームを行って一時的に意識不明になった

 

■2018年11月

広島県廿日市市の中学生が失神ゲームをして女子生徒の胸を強く圧迫したとして、一部生徒が補導された。

 

 

事件になったこれらの事例は、あくまでもごく一部です。TiktokやTwitterを見るとわかりますが、とても多くの失神ゲームの動画がアップロードされています。

 

動画に撮っていないケースの方が多いことを考えると、失神ゲームは日常的に行われていると言ってよいでしょう。

 

 

失神ゲームでの海外の事件

 

失神ゲームは日本だけでなく、海外でも行われています。

 

アメリカのオハイオ州で行われた若者の健康リスク行動調査では、12~18歳の11%・17~18歳の19%が失神ゲームを行ったことがあるというデータがあります。

 

17~18歳の5人に1人が失神ゲームをしたことがあるというのは、驚くべきことですよね。

 

 

■2005年7月

アメリカで10歳の少年が失神ゲームで死亡

 

■2021年1月

イタリアのパレルモで10歳の少女がTiktokの失神チャレンジで失神ゲームを行い死亡。浴室で首にベルトを巻き付け、手にはスマートフォンを持った状態で、5歳の妹が遺体を発見した。

 

 

失神ゲームは後遺症&死亡のリスクも

 

失神ゲームは後遺症が残ったり、死亡するリスクがある非常に危険な行為です。

 

「ゲーム」というと簡単で安全なイメージがありますが、失神ゲームは「ゲーム」と呼ぶにはふさわしくない危険なものなんです。

 

Tiktokの失神チャレンジも同様ですね。失神は「チャレンジ」なんてするものではありません。

 

アメリカの疾病予防管理センターの調査では、1995年~2007年までに6歳から19歳までの未成年が失神ゲームで少なくとも82名が死亡、毎年40名程度が死亡しているとも言われています。

 

たとえば、失神ゲームでの死亡例はこちらです。

 

・酸欠で窒息して死亡
・失神時に頭を打って脳挫傷などで死亡

 

窒息死以外に、失神時に頭から倒れて、頭を強く地面に打ち付けて死亡することもあるんです。

 

次に、後遺症が残る事例を見てみましょう。

 

・低酸素状態で脳死になる
・低酸素状態で植物状態になる
・低酸素になったことで、麻痺や高次脳機能障害が起こる

 

これらは低酸素になったからではなく、頭を打って脳出血などを起こしたことでも起こりうる後遺症です。

 

さらに、転倒して歯を折る・骨折するなどのけがを負い、それによって食事や歩行に問題が残ることもあります。

 

気軽な気持ちで行った失神ゲームで死亡するリスクがあり、そして一生寝たきりになったり、意識がなくなったり、日常生活が送ることが出来なくなるリスクもあるんです。

 

それを考えると、失神ゲームで遊ぼうなんて思えなくなるのではないでしょうか。

 

 

失神ゲームのまとめ

失神ゲームの意味やTiktokとの関係、種類とやり方、失神ゲームの事件事例や後遺症・死亡のリスクなどをまとめましたが、いかがでしたか?

 

失神ゲームはTiktokやTwitterを中心に人気となっていますが、非常に危険な行為です。

 

何度も言いますが、「ゲーム」や「チャレンジ」と称して、気軽な気持ちで行ってはいけません。もちろん、気軽でない真剣な気持ちでも行ってはいけないものです。

 

もしあなたが失神ゲームに誘われても、絶対にやらないようにしましょう。いじめられて失神ゲームに参加させられているなら、すぐに周りの大人に相談してください。

 

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