ポップでシュール&ブラックな作品が特徴の漫画家のねこぢるは1998年に自殺しましたが、なぜ自殺したのかは諸説あります。
今回はねこぢる作者の本名や顔写真、生い立ち、結婚した旦那や子供の有無、死因と自殺の理由をまとめました。
この記事の目次
ねこぢるは自殺した女性漫画家 【本名も紹介】
出典:amazon.co.jp
ねこぢるとは、「ねこぢるうどん」でデビューした女性漫画家です。
大きな黒目が印象的な猫が登場するねこぢるの漫画は、殺人や障害者差別、薬物などをテーマにしていて、ブラック&不条理、そして狂気すら感じる内容でした。
そんなねこぢるの作品は、サブカル好きな若者を中心に人気となり、1990年代後半からは「ねこぢるブーム」が到来。
2000年代に入ってからはアニメ化されるなど、長くファンから愛されています。東京電力のキャラクターになったことでも有名ですね。
しかし、ねこぢるの作者本人は1998年に自殺し、作品は「ねこぢるy」のペンネームで旦那の山野一さんに引き継がれています。
ねこぢるの3つの意味
「ねこぢる」とは3つの意味を持つ言葉です。
・夫婦共同のユニットネーム
・ねこぢるの作品
ねこぢるは、基本的にはねこぢるの漫画の作画を担当していた女性漫画家(橋口千代美)さんを指します。
しかし、ねこぢるの作品は旦那の山野一さんとの共同制作であり、夫婦2人のユニット名・プロジェクトネームのような意味を持つこともあります。
また、ねこぢるの作品全体を「ねこぢる」と呼ぶこともあります。
ねこぢる作者の本名とは?
ねこぢるの作者の本名は、「橋口千代美(はしぐちちよみ)」と言います。ちなみに、結婚前の旧姓は中山でした。
ねこぢるの作者は、デビュー当初は「ねこぢるし」というペンネームでしたが、デビュー後すぐに「ねこぢる」に改名しています。
ねこぢる作者の顔写真はある?
出典:detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
ねこぢるの作者の顔写真は、最初の単行本である「ねこぢるうどん」が発行された1992年にねこぢるうどんが掲載されていた「月刊漫画ガロ」の中で公表されています。
当時のねこぢるの年齢は26歳でした。中性的でボーイッシュなタイプの顔立ちですね。
旦那の山野一さんは次のようにねこぢる作者の容姿を表現しています。
身長153センチ、体重37キロ、童顔…。
友人の吉永嘉明は、ねこぢるについて次のように表現しました。
実際の彼女はショートカットで中性的な顔立ちをしており、スカートを履く事も滅多に無かったという。
顔写真を見ると、確かにショートカットで中性的な顔立ちをしていますし、37kgという細身であることがわかりますね。
ねこぢるの生い立ちとデビューのきっかけ
ねこぢるは、埼玉県北足立郡鳩ケ谷町(現在の川口市)で1967年1月19日に生まれました。
実家は不動産業を営んでいて、かなり裕福だったようです。
ただ、生まれたころから、一風変わった子供だったようで、最初に覚えた言葉は「バカ」だったとのこと。誰にでも「バカ」と言っていた子供でした。
地元の美容専門学校に通っていたということですが、18歳で結婚していますので、おそらく中学卒業後に美容系の専門学校に通っていたのかもしれません。
学生時代は佐藤薫(ミュージシャン)の追っかけをしていたり、「ガロ」を愛読し、ガロ系の作家に傾倒していきます。
そして、ガロ系作家の1人であった山野一さんに感銘を受けるようになりました。
ねこぢるのデビューのきっかけは落書き
ねこぢるのデビューのきっかけは落書きです。
暇なときに画用紙にねこぢるが落書きしていたところ、旦那であり漫画家の山野一さんがその絵を見て、奇妙な魅力を感じ、夫婦共同で作品を作るようになりました。
ねこぢるの発想を山野さんがストーリー化して、ネームに起こし、そこからねこぢるが絵を描くという作業が行われていました。
ねこぢるさんの頭の中を、旦那さんが「読める漫画」に再構成していたのがねこぢるの漫画だったようです。
ねこぢる作者の特徴まとめ
出典:amazon.co.jp
ねこぢるは、一風変わった人物だったようです。
・肉や魚は血の味がするから食べない
・波長が合わない人物と会うと、帰宅後に寝込むほど心身ともにダメージを受ける
・ほとんど外出しない
・「トンカツは豚の死体」と言い放つ
・3日間起き続け、丸1日眠るという生活リズム
・変な人に遭遇する力を持っている
・基本的に殆どの人間や対象に興味がない
旦那の山野一さんいわく「エキセントリックな個性」を持っていて、社会人としては不適合なタイプだったとのこと。
お世辞や社交辞令も苦手で、すぐに相手の性格を見抜いてしまい、「生きにくい」と感じていたようです。
また、基本的に興味を抱かないのですが、興味を持ったもの・波長が合う人は熱狂的にのめりこみ追いかけていくタイプでした。
ねこぢるが結婚した旦那は山野一
出典:facebook.com
山野一
生年月日:1961年4月2日
出身:福岡県小倉市
職業:漫画家
ねこぢるの旦那は、山野一さんです。
山野一さんは、1983年に「月刊漫画ガロ」で漫画家デビュー。その後は障害者・貧困・差別など反社会的なブラックな作品を生み出し、鬼畜系漫画家と呼ばれるようになりました。
ねこぢるのインスピレーション・発想を、漫画として世に出せるように練り直し、ネームを完成させた、ねこぢる作品の生みの親的存在であり、ねこぢると「波長が合う」数少ない人物です。
ねこぢるの旦那が漫画家の山野さんでなかったら、ねこぢるの作品はただの落書きのままであり、作品となって世に出て、たくさんの人に愛されることもなかったでしょう。
ねこぢるの友人の吉永嘉明さんは、山野一さんのことをねこぢるの「お母さん」のような存在の人だったと述べています。
押しかけ女房で18歳で結婚
出典:twitter.com
ねこぢるが結婚したのは18歳の時です。1985年ごろですね。
当時、山野一さんは「月刊漫画ガロ」で連載を持っていた若手漫画家でした。
「ガロ」を読んでいたねこぢるは山野さんの作品に感銘を受け、山野さんの知人の知人を通じて山野さんと接触することに成功します。
そして、そのまま山野さんのアパートに上がり込んで、押しかけ女房状態になりました。
人物や物事に興味を抱かないねこぢるが、山野さんの作品に共鳴し、さらに作者本人の山野さんにも共鳴したのでしょう。
現在だったら、ストーカー扱いされかねない馴れ初めですが、山野さんの方もねこぢるに共鳴したのだと思います。
それにしても、若いころの山野さんはかなりのイケメンですね。
夫婦でインド放浪をしたことも
出典:amazon.co.jp
ねこぢると山野さんは、結婚して約10年経った1995年にインドを放浪しています。
ねこぢるも旦那の山野一さんも、ヒンドゥー教には造詣が深く、インドに興味を持っていたようです。
そして、そのインド放浪中に地下鉄サリン事件を知ることになり、2人にとってはかなりの衝撃だったようです。
また、このインド放浪中に大麻を使用し、トランス状態になったこともあり、ねこぢるはこの時の体験を次のように語っています。
あの世界を一生知らないまま死んでいくのはなんだかバカバカしーほど不幸だと思う
かなり大麻にのめりこんでいたことが、この言葉からわかりますね。
ねこぢるはこの旦那とのインド放浪を「ぢるぢる旅行記・インド編」にして発表しています。
ねこぢるに子供はいない
ねこぢるは山野さんと1985年に結婚していますが、子供はいないと思われます。
子供がいたら、インド放浪なんてなかなかできないと思いますし、再婚した山野さんは現在双子のパパですが、この双子以外に山野さんの子供はいないからです。
そのため、ねこぢるは18歳という若さで結婚しましたが、結婚後は子供は作らず、夫婦2人で生活していたようです。
ねこぢるは1998年自殺…死因は首吊り
ねこぢるは1998年5月10日に、東京都町田市内にある自宅のトイレで、ドアノブにタオルをかけて首を吊って死亡しているのを旦那の山野一さんが発見しました。
発見した時には、すでに死後硬直が始まっていたとのことです。まだ31歳という若さでした。
この自殺の数年前にはすでに遺書が書かれていて、遺書の中には、次のようなことが書かれていました。
・お墓はいらない
・死んだ動機については一切話さないこと
お墓は遺族の意向で作られましたが、その他の詳細はねこぢるの意向もあり、一切公表されていません。
ねこぢるはなぜ自殺した?
ねこぢるはなぜ自殺したのでしょうか?
ねこぢるは生前、かなり精神的に不安定で「生」への執着が薄くなっていたようです。なぜ、そのような状態になっていたのでしょうか?
忙しくて精神的に追い込まれた
1990年代後半からねこぢるブームが到来し、ねこぢるはかなり忙しくなっていたようです。
頼まれた仕事は断らないスタンスで、しかも責任感が強かったために、締め切りはきっちり守るタイプでした。
そのため、忙しいことで精神的にかなり追い込まれていたようです。
自殺する約1ヶ月前には、担当編集者に次のように話していました。
「仕事依頼が殺到して自分の方向性や資質と違うことばかりやらされていて本当につらい。いきなり仕事量が増えて体力が消耗しきっているので、もうこれ以上何も考えられないし、何もできない」
また、「漫画家をやめて旦那と発展途上国で暮らしたい」と漏らしていたこともありました。
社会に適合しにくい性格・タイプなのに真面目であるがゆえに、忙しくなったことでどんどん追い込まれてしまったのでしょう。
もともとうつ病だった
ねこぢるはもともとうつ病を患っていたという情報もあります。精神科にうつ病で通院していたそうです。
うつ病患者は自殺のリスクが高いことで知られています。ねこぢるの自殺には、このうつ病だったことが根底にあるのかもしれません。
旦那を切りつけたことも
ねこぢるは晩年に精神的に不安定な状態が続き、旦那の山野一さんを切りつけたこともあったそうです。
切りつけられた山野さんは、編集者の事務所に逃げ込んできたことがあったとのこと。
この時点では僕は、なぜ山野さんが寝ていて、ねこぢるが追いかけ、Yさんがあんなにかたくなに引き合わせないようにしていたのか事の真相が把握できていなかった。
旦那を切りつけて追いかけるってかなりの修羅場ですよね。
自殺未遂をしたこともあった
ねこぢるは生前、自殺未遂を繰り返していました。だからこそ、自殺した時に数年前に書かれた遺書があったんです。
生前から「おばさんになるぐらいなら死んだほうがいい」と話していたとのことで、ずっと自殺願望は持っていたことは間違いないでしょう。
親しい友人の吉永嘉明さんは「あそこまで生きたのも山野さんがいたからだとも思う」と語り、ねこぢるの自殺はある意味「必然」であり、「避けられないもの」だったのかもしれません。
ねこぢるがなぜ自殺したのかは諸説あり
ねこぢるがなぜ自殺したのか?その動機については、本人の意向もあって発表されていません。
そのせいもあり、ねこぢるがなぜ自殺したのかは、インターネット上でいろいろと噂されているんです。
hideの後追い?
ねこぢるがなぜ自殺したのか?その理由はhideの後追い自殺という説があります。
X JAPANのhideは、ねこぢるが自殺した約1週間前の1998年5月2日に自殺しています。
hideの自殺にショックを受けたファンの女性の後追い自殺が相次ぎ、社会問題になりました。
ただ、ねこぢるがhideの後追い自殺をしたという説は、旦那の山野さんが「そのような事実はありません。」と否定しています。
hideの音楽には全く興味を持っておらず、違うジャンルの音楽が好きだったようです。
しかし、hideさんの自殺の約1週間後に、「ドアノブにタオルをかけて首吊り」という同じ方法で自殺したのは事実です。
19 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/03/20 18:26>>13
本当にあんな方法で死ねるのか確かめたかったんだろう。引用:ねこぢる の 死について
hideの後追いではなくても、もともと自殺願望があったねこぢるが、hideの自殺方法を知り、「本当に死ねるのか試してみた」というのはあり得る話だと思います。
旦那の浮気やDV?
インターネット上ではねこぢるの自殺理由は、旦那の浮気やDVではないかともささやかれています。
これは、ねこぢるが旦那の山野さんにだけは執着心を持っていたから、「浮気されたら死ぬのでは?」という憶測から出てきた噂かもしれません。
でも、生前はねこぢるの方が精神的に不安定になって旦那に危害を加えていましたから、旦那のDVというのはないでしょう。
また、山野一さんが再婚したのは2006年のことで、ねこぢるの自殺後8年経ってからですから、いくら山野さんが長身イケメンでも浮気で自殺という線は薄いでしょう。
これらの説を裏付ける証拠も一切出てきていません。
ドラッグの影響?
ねこぢるはドラッグの影響でバッドトリップして自殺したのでは?という説もあります。
インドを放浪していた時に大麻を吸って、トランスしていたというのは、ねこぢる自身が語っています。しかも、「あの世界を知らないまま死んでいくのは不幸」とまで言っています。
そこまで大麻に引き付けられたのなら、帰国後も何かしらのドラッグをやっていた可能性は否定できません。
漏れはねこぢるの世界は共感出来る部分がたくさんあるけど
自殺した理由とかはドラッグによる事のものの方が大きいと思う。
引用:ねこぢる の 死について
ねこぢるがなぜ自殺をしたのかは、ねこぢる本人と遺書を読んだ遺族にしかわからないことです。
もしかしたら、なんで自殺のしたのかなんて、本人にもわからないかもしれませんね。
ねこぢるのまとめ
ねこぢるの作者の本名や顔写真、生い立ちと結婚した旦那や子供の有無、なぜ自殺したのかなどをまとめました。
ねこぢるの作品は廃刊になっているものも多いですが、電子書籍になっているものもありますので、手に取って読んでみてはいかがでしょうか。