メラニズムというものを知っていますか?メラニン色素が多く、漆黒の体を持つメラニズムは、神秘的であり、カッコよく、強い個体でもあります。
メラニズムの割合や寿命、メラニズムの動物の画像、メラニズムの人間はいるのか?日本人やモデルはいるか?などについてまとめました。
これを読めば、世の中には神秘的な世界が広がっていることを実感できると思います。
この記事の目次
メラニズムとは
メラニズムとは、突然変異により、メラニン色素が過剰に産生されることで、肌や髪の毛が黒色~褐色になるものです。
辞書には次のように説明されています。
先天的に皮膚や組織にメラニン色素(黒色素)が過剰に形成され、色素の沈着により全身や体の一部が褐色から黒褐色に変色すること。
私たちは、日焼けをすると肌が黒くなりますよね。それは、紫外線によって肌の中でメラニン色素が作られるからです。
メラニズムの動物は普通の個体よりも先天的にメラニン色素がたくさん作られるので、肌も髪の毛も真っ黒になってしまうんです。
メラニズムはアルビノの逆なのか?
メラニズムはメラニン色素が過剰に産生されることで起こるものです。メラニズムは日本語では「黒変種」と呼ばれます。
メラニズムは黒変種とは違うという意見もあるようですが、「Ecology and Evolution of Melanism in Big Cats: Case Study with Black Leopards and Jaguars」の論文では、黒変種=メラニズムとしています。
では、逆にメラニズムが不足するものは何と呼ぶのか?これは、「白変種」と呼びます。この白変種はアルビノではありませんので、注意が必要です。
白変種とはホワイトタイガーやホワイトライオンなどのことです。
出典:tobuzoo.com
白変種はリューシズムと呼ばれ、アルビノとは異なります。白変種はメラニンを作る機能は正常ですから、皮膚や毛は白くても、瞳孔は黒いんです。
それに対し、アルビノはメラニンを作る機能が遺伝的に欠陥があり、メラニン色素を作ることができない状態になります。
アルビノはメラニン色素を作れないので、瞳孔の色も赤っぽく透けています。
だから、「体内のメラニン色素の量」という観点だけを見れば、メラニズムとアルビノは逆のものであり、「対義語」と言えるかもしれません。
でも、遺伝的・生物学的な見地だと、メラニズムとアルビノは逆とは言えません。メラニズムと逆のものはリューシズム(白変種)ということになります。
メラニズムの割合
メラニズムの割合は個体によって異なります。わかっている範囲内で言うと、オウサマペンギン(キングペンギン)のメラニズムの割合は30,000羽に1羽の割合であることです。
パーセンテージに直すと0.00333%ということですね。オウサマペンギンのメラニズムはかなりレアであることがわかります。
次に、ヒョウやジャガーのメラニズムの割合です。ヒョウのメラニズムの割合は10.75%、ジャガーのメラニズムの割合は9.80%となっています。(参考:Ecology and Evolution of Melanism in Big Cats: Case Study with Black Leopards and Jaguars)
これを見ると、ヒョウやジャガーは10頭に1頭はメラニズムというわけです。意外と多いことにビックリした人も多いと思います。
みなさん、黒ヒョウを知っていますよね。動物園などで見たことがある人も多いと思います。あの黒ヒョウは「黒ヒョウ」という種類があるわけではなく、一般的なヒョウのメラニズムなんです。
メラニズムの寿命
メラニズムの寿命については、特別なデータがあるわけではありません。アルビノの寿命は短いと言われているので、メラニズムも寿命は短いのではないか?と思うかもしれません。
でも、メラニズムは普通の個体よりも強い個体であるとされています。なぜなら、肌のメラニン色素が多いので、紫外線から体を守ってくれるからですね。
ここで、ヒョウとジャガーの普通種とメラニズムの生息分布図を見てみましょう。
一般的なジャガーやヒョウに比べて、メラニズムのジャガーやヒョウは熱帯地域に多く生息していることがわかります。
熱帯地域は紫外線が強いので、環境に適応した結果、メラニズムになったのだと考えられています。
メラニズムは特に寿命に関係しているものではありませんが、紫外線の悪影響を受けにくい分、強い個体であり、寿命は長いのかもしれませんね。
メラニズムの動物の画像20枚を紹介
メラニズムの動物の画像を紹介していきます。メラニズムのカッコよさ、神秘さがわかると思います。
千葉市動物公園では2017年にメラニズムの子羊が誕生しています。白い羊がお母さんです。
出典:twitter.com
ペンギンのメラニズムもカッコいいですね。かわいさよりもカッコよさが際立っています。
鶏のメラニズム。本当に全身が真っ黒ですよね。「黒光り」している感じです。鳥では烏骨鶏がメラニズムの個体が出現しやすいとのことです。
出典:msn.com
フラミンゴのメラニズムも発見されています。白~ピンクのフラミンゴの中にメラニズムのフラミンゴがいると、高貴な印象ですね。
シマウマのメラニズムもいます。この写真だと、お尻の辺りはメラニン色素がそこまで多くなく、ゼブラ模様を確認することができます。
爬虫類のメラニズムもいます。黒光りしているので、ちょっと不気味です。
出典:twitter.com
出典:twitter.com
鹿のメラニズムもいます。
出典:thehindu.com
普通のヒョウとメラニズムのヒョウが並んでいるのを見るのも、不思議な感じですね。よく見ると、ヒョウ柄がうっすらと確認できます。
出典:twitter.com
こちらは親子でメラニズムのヒョウですね。神秘的で本当にカッコいいです。
出典:reddit.com
メラニズムのライオンもカッコいいですね。メラニズムのライオンは、まさに「百獣の王!」という強さを感じることができますね。
出典:imgur.com
リスの中にもメラニズムの個体はいます。リスのメラニズムはかわいいですね。
出典:reddit.com
角が生えるメラニズムの鹿もいます。角はあまり黒くないんですね。
出典:twitter.com
このメラニズムの鹿はとてもかわいいです。そこまでメラニン色素が強いというわけではないので、背中の模様もはっきりしていますし、耳や目の周りはそこまで黒くはありません。それでも、背中や顔などを見ると、メラニズムであることがわかりますね。
メラニンズムのキツネはシャープさが増しています。
出典:imgur.com
フクロウにもメラニズムはいます。フクロウのメラニズムは全身漆黒というわけではなく、ちょっと茶色が混ざっている感じです。このフクロウが夜に「ホーホー」と鳴いていると思うと、不気味ですが、その一方で闇に紛れてカッコいいと思いませんか?
出典:tumblr.com
海の生物にもメラニズムはいます。メラニズムのアシカ。カッコいいですね。アシカ自体が黒っぽいですが、普通のアシカと比べると、メラニズムのアシカはやっぱり黒いですし、カッコいいです。
出典:itv.com
メラニズムのスズメ。こちらはサイズで分かると思いますが、決してカラスではありません。スズメです。メラニズムのスズメは、かわいらしさが軽減して、カラスに近いような不気味さが顔を出しています。
象にもメラニズムは居ます。黒い象はカッコいいですし、強そうですよね。
出典:twitter.com
何と、ザリガニにもメラニズムはいるんです。黒いザリガニがいるなんて、ビックリです。
メラニズムの馬もとてもカッコいいです。黒光りした毛並み、引き締まった胴体を見ると、本当にカッコいいですね。メラニズムの動物の中でも、一番カッコいいかもしれません。
出典:twitter.com
メラニズムの人間はいるの?
ここまでメラニズムの動物をご紹介してきましたが、「メラニズムの人間はいるのか?」ということを気になっている人は多いと思います。
実は、メラニズムの人間は存在しないとされています。メラニズムは普通の個体に比べて、メラニン色素をたくさん産生する個体でしたよね。
ということは、メラニンがたくさんある人間がメラニズムではないか?ということもできます。つまり、黒人は人間が進化していく中で突然変異を繰り返しながら、メラニズムをたくさん持つようになった。そして、黒人が人間のメラニズムに当たるのではないか?とも考えられます。
この説が正しいかどうかはわかりませんが、人間のメラニズムは今のところ報告されてはいません。
ただ、エチオピアやケニアなどの東アフリカには黒人の中でも特にメラニン色素が多い、つまり肌の色が黒い人たちが多いことがわかっています。
出典:quora.com
出典:reddit.com
このような人たちを見ると、「この人たちはメラニズムの人間です!」と言われたら信じてしまいそうですが、生物学的にはメラニズムというわけではないようです。
赤道に近く、紫外線が強い地域に住む人は進化していく過程で、肌を紫外線から守るために、肌を黒くしていったことが考えられます。つまり、肌が黒いのは進化の過程で起こったことであって、メラニズムのように「突然変異で肌が黒くなった」というわけではないですね。
だから、この方たちはメラニズムのように肌や髪は黒いですが、メラニズムというわけではないんです。
メラニズムのモデルはいるの?
人間のメラニズムはいませんので、メラニズムのモデルはいません。アルビノのモデルはたくさんいますが、メラニズムの人間は存在しないので、モデルとして活躍している人もいないんです。
ただ、メラニズムのように肌が黒いモデルはいますので、その方を紹介したいと思います。南スーダン出身でオーストラリア在住のDuckie Thotさんです。
こちらはセネガル出身のKoudia Diopさんです。子どもの頃は肌の黒さでいじめられたこともあったそうですが、パリに移住後、モデルの道を歩み始めました。「Melanin Goddess(メラニンの女神)」と呼ばれています。
こちらはNyakim Gatwech(ニャキム・ギャトウィック)さんです。南スーダン出身で、現在はアメリカでモデル活動をされています。
ニャキム・ギャトウィックさんは「闇の女王」と呼ばれるほど漆黒の肌を持っています。
この3人の女性モデルは、本当にカッコいいですよね。神秘的であり、しかもモデルのために鍛えているので、ボディラインが引き締まっていて、クロヒョウのようなイメージすらあります。
白人やアジア人にはない骨格で、スタイルが本当に良いですし、白人やアジア人にはあまりに合わない服やメイクも似合うので、これからはメラニズムのように黒い肌を持つモデルがどんどん活躍していくかもしれません。
アルビノと漆黒な肌のモデルの写真。めちゃくちゃ神秘的でカッコいいですよね。
メラニズムの日本人がいた?
結論から言うと、メラニズムの日本人はいません。メラニズムの人間がいないので、これは当然のことですよね。でも、「まさか、メラニズム!?」と思うような日本人の人はいます。
松崎しげる
生年月日:1949年11月19日
出身:東京都江戸川区
身長:167cm
所属:オフィスウォーカー
血液型:AB型
活動:歌手、タレント
松崎しげるさんは、色黒ですよね。色黒の日本人と言ったら、「松崎しげる!」と思う人は多いと思います。ただ、松崎しげるさんは突然変異で黒くなったわけではなく、元々地黒であった者の、日焼けサロンで黒さをキープしているとのことです。
出典:afflu.jp
茂出木浩司
生年月日:1967年6月2日
出身:東京都
所属:たいめいけん
活動:シェフ
たいめいけんの三代目シェフである茂出木浩司さんは、サーフィンが趣味で日焼けしていましたが、最近は日焼けサロンに通って、肌の黒さをキープしているとのことです。こんなに肌が黒いシェフはなかなかいないですよね。
岡副麻希
生年月日:1992年7月29日
出身:大阪府富田林市
身長:164cm
所属:セントフォース
血液型:A型
活動:フリーアナウンサー
フリーアナウンサーの岡副麻希さんも、色が黒いですね。日本人の中にいると、「メラニズム!?」と思うほどです。あまりに肌の色が黒くて、夏休みから復帰した時には小麦色を超えているくらいなので、「黒すぎる女子アナ」、「黒すぎる桐谷美玲」と呼ばれることもあるほどです。
出典:twitter.com
ちなみに、以前に生息していたヤマンバギャル(ガングロ)はメラニズムの人たちではありません。でも、現代にヤマンバギャルを見ると、「メラニズムか?」と思ってしまうかもしれませんね。そのくらいのインパクトがあります。
まとめ
メラニズムの基礎知識と割合、寿命、動物の画像、人間のメラニズムについてなどをまとめましたが、いかがでしたか?人間のメラニズムは、今のところ報告されていません。
でも、メラニズムに見える人たちはいます。メラニズムに見えるモデルはとてもカッコいいですよね。動物なら、日本にもメラニズムの動物はいますので、探してみると良いかもしれません。もしかしたら、あなたの周りにも、メラニズムのスズメがいるかもしれませんよ。