八王子スーパーナンペイ事件とは

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八王子スーパーナンペイ事件とは、1995年7月30日に東京都八王子市にあるスーパーマーケット「スーパーナンペイ」で起こった殺人事件です。

警視庁による正式名称は、「大和田町スーパー事務所内けん銃使用強盗殺人事件」であり、「ナンペイ事件」や「八王子スーパーナンペイ事件」と呼ばれることもあります。

八王子スーパーナンペイ事件の発生場所と状況

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スーパーナンペイ事件は、八王子市のスーパー「ナンペイ大和田店」の2階事務所が事件の発生場所です。

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スーパーナンペイ大和田店は、1階が店舗で2階が事務所になっていました。2階の事務所は、店舗内からは行くことができず、一度店舗から駐車場に出て、外階段から2階事務所に入ることになります。

閉店後に1日の売上金をむき出しの状態で持って、一度外に出て、暗い駐車場を通って、2階事務所に行かなければいけないため、従業員からは防犯上不安であるという声が上がっていたそうです。

スーパー店内には防犯カメラが4台設置されていて、2階事務所で監視できるようになっていましたが、録画機能はありませんので、事件当日の様子は残っていません。また、閉店後は電源を落としていました。

事件発生場所の事務所の様子

スーパーナンペイ事件は、2階事務所で起こりました。事件発生当時、事務所内にいたのは、パート・アルバイトの女性3人です。

そして、この3人の女性は犯人により射殺されています。

出典：times.abema.tv

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2階事務所内で発射された銃弾は合計5発。

■前田さんと矢吹さんの状況

前田さんと矢吹さんはそれぞれの右手と左手を手をつなぐようにして縛られていて、さらに粘着テープで口を覆われていました。それぞれ後頭部から1発ずつ発砲され、脳幹を損傷して即死状態だったと思われます。

■稲垣さんの状況

稲垣さんは金庫の横で頭をもたれるような形で発見されています。前田さんと矢吹さんが殺害された後に、殺害されたことがわかっています。

左右のこめかみに焼け跡が残っていたことから、こめかみに銃口を押し付けられて射殺され、さらに死後はもう片方のこめかみから銃を撃たれたと推測されています。

■金庫の状況

金庫にも銃弾の痕がありましたが、金庫はカギがかかったままであり、荒らされた様子はなく、当日の売上も金庫内に残ったままでした。

八王子スーパーナンペイ事件の発生から発見まで

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スーパーナンペイ事件は1995年7月30日に起こっています。この日は近所にある「北の原公園」で盆踊り大会が開かれていました。

この日、スーパーナンペイの2階事務所で何が起こったのか？それを時系列で見ていきましょう。時系列で見ていくとよくわかりますが、犯行はほんの数分の間に行われています。そして、事件前には怪しい人物が発生場所周辺で目撃されています。

それなのに、スーパーナンペイ事件は未解決のままなんです。

夕方～スーパー閉店まで

■夕方

稲垣さんが知人男性に車で送ってもらい、スーパーナンペイに出勤。勤務後は一緒に小料理屋に行く約束をしていました。

■16時40分

17時からの勤務のために、矢吹さんが自転車で出勤。

■17時00分

稲垣さんと矢吹さんがスーパーナンペイで勤務開始。同時に男性従業員は退勤し、閉店まで女性従業員のみとなります。

■17時30分頃

店の前をうろつく不審な50代の男性を買い物客が目撃します。不審な男性は白シャツにグレーのズボンでした。

■18時30分

近所の北の原公園で盆踊りが開始され、周辺が騒がしくなり、盆踊りの音楽がスーパーナンペイでも聞こえるようになります。

■18時50分

その日はシフトに入っていなかった前田さんが、矢吹さんに会うためとシフトを確認するために、スーパーナンペイに向かいました。

■19時59分

店内で前田さんが矢吹さんの横で仕事が終わるのを待っているのを、買い物客が目撃しています。この時2人は、仕事が終わったら、祭りに行くということを話していました。

■20時00分

稲垣さんは1つのレジを閉店よりも1時間早く閉めて、その売上金を2階事務所に持っていき、金庫の中に入れました。

■20時30分

店内で何も買わずにうろついている40～50代の男性が目撃されています。

■20時51分

前田さんが牛乳と卵を買いました。（死後、レシートで確認）

■21時00分

スーパーナンペイ閉店。そして、近所の盆踊り大会では炭坑節が流れ、佳境に入ります。

スーパー閉店から銃声が聞こえるまで

■21時00分

閉店と同時に、矢吹さんは担当していたレジを閉めて、売上金を持って2階事務所に行き、稲垣さんに売上金を渡します。稲垣さんは売上金を金庫にしまいました。

■21時03分

盆踊りの音がひと際大きくなります。

■21時06分

稲垣さんが店舗の消灯と施錠を行いました。スーパーの横の路地に怪しい男性がいたのを運転中の近所の住民が目撃しています。車のライトで照らすと、男は顔を伏せたとのことです。

■21時07分

盆踊り大会が終了し、辺りが静かになります。

■21時15分

稲垣さんが知人男性に迎えに来てもらうように電話しました。知人男性宅からスーパーナンペイまでは車で数分の距離です。

■21時17分

近くで高校生カップルが5発の銃声を聞きました。最初は銃声とは思わなかったそうです。

銃声後～遺体発見まで

■21時17分

5発の銃声が聞こえます。稲垣さんが知人男性に電話してから銃声が聞こえるまでは、たったの2分30秒程度しかありません。

■21時20分

稲垣さんが迎えを頼んだ知人男性がスーパーの駐車場に到着します。駐車場の車の中で稲垣さんが出てくるのを待ちました。

■21時45分

稲垣さんが事務所から出てこないので、すでに約束していた小料理屋に1人で向かったと思い、知人男性も小料理屋に向かいます。

■21時45分以降

小料理屋に到着した知人男性は、小料理屋に稲垣さんがいないのを不審に思い、小料理屋の女将と一緒に車でスーパーナンペイに向かいます。

■22時00分

女将が2階事務所のドアを開け、中に声を掛けますが、返事がありませんでした。女将は車に戻り、知人男性と一緒に事務所に入り、殺害された3人を発見します。

八王子スーパーナンペイ事件の3人の被害者

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稲垣則子さん

稲垣則子さんは、事件当時はスーパーナンペイでパート従業員で働いていました。スーパーナンペイで働きだしたのは、事件の直前、1995年7月になってからでした。一度はナンペイを辞めたものの、ナンペイの役員に懇願されて、また復職しています。

それまでは、水商売で働いていたようです。八王子などのクラブで働き、また八王子市内でスナックを経営していたこともありました。また、噂では会社社長と愛人契約を結んでいたこともあると言われています。さらに、スーパーナンペイの店長と愛人関係になっていたのではないかとも推測されていました。

「介護関係の資格取得を目指していたスーパーのパート勤務の女性」と聞くと、とても堅実で質素な女性というイメージがありますが、実は交友関係は派手だったようです。

稲垣さんを知る人は、「彼女がスーパーでパートをするなんて信じられない！」と言うほどで、ミステリアスな女性だったことは間違いないでしょう。

また、捜査によって、稲垣さんは事件前に脅迫被害を受けていたことが明らかになっています。カッターの刃が入っていて、「このままだと命がないぞ」と書かれた手紙が送りつけられていたようです。

稲垣さんは生前に何らかのトラブルを抱えていたようです。

矢吹恵さん

近所の高校2年生で、子どもが好きで、保育士になるのが夢だった女子高生です。夏休みは友達との予定をたくさん詰め込んでいたそうです。

前田寛美さん

矢吹恵さんと幼馴染でした。ボランティア活動に興味を持っていて、地元の老人ホームに慰問していて、「真面目で誰にでも気配りできる」と評判だったそうです。

八王子スーパーナンペイ事件の真相は？

スーパーナンペイ事件は犯人が捕まっていません。そして、真相もわかっていないんです。何を目的に、女性3人が射殺されたのかという真相がわからないんです。

スーパーナンペイ事件の動機は、2つ推測されています。

強盗説

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スーパーナンペイ事件は、売上金目的の強盗による犯行と言われています。

このような理由から、スーパーナンペイ事件の真相は強盗ではないかと言われているんです。金庫内には、週末の売上金526万円が入っていました。強盗が押し入るには十分とも言える額です。

ただ、結局、金庫の中の売上金は盗まれていませんでした。これについては、稲垣さんが金庫を開ける番号を教えず、お金が奪えなかったことから、発砲して逃亡した可能性があります。

しかし、稲垣さんが知人男性に電話してから、5発の銃声がするまで、わずか2分半ほど。たった2分半の間に、金庫をこじ開けようとして、失敗し、女子高生2人を拘束し射殺。さらに、稲垣さんも射殺して逃亡するというのは、時間的に難しいかもしれません。

怨恨説

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スーパーナンペイ事件は、怨恨が事件の動機ではないかとも言われています。

これは、生前に稲垣さんが脅迫文を受け取っていたこと、さらに女子高生2人は躊躇なく後頭部を撃ち抜かれていること、さらに稲垣さんもこめかみに銃口を押し当てられて殺害されていることなどから、稲垣さんに恨みを持つ人、もしくはストーカーが犯行に及んだのではないかと考えられているんです。

怨恨説なら、稲垣さんが金庫の開け方を知っていて、金庫の鍵が刺さったままだったのに、金庫のお金は無事だったこと、侵入から射殺まで2分半と手早かったことなども説明が付きます。

また、犯人が事務所に入ってからの動線は一直線で、室内を物色した様子がないこと、さらに3人の財布も盗まれていなかったことからも、強盗ではなく、怨恨説が濃厚と言われています。

八王子スーパーナンペイ事件の犯人像

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スーパーナンペイ事件は、まだ犯人が捕まっていません。ただ、警察の必死の捜査で、次のような人物であると、犯人像を特定する情報は集まっています。

元自衛官の暴力団員？

犯人像の1人目は、元自衛官の暴力団員です。これは、2001年に週刊文春で報道されました。別件で拘置されていた暴力団員が、別の拘置所の知人に宛てた手紙の中で、自分がスーパーナンペイ事件に関与していたこと、さらに実行犯は元自衛官の暴力団員であることを示唆していたそうです。

スーパー「ナンペイ大和田店」の店長？

犯人はスーパーナンペイ大和田店の店長ではないかという説もあります。スーパーナンペイの大和田店の店長は、被害者の稲垣則子さんと愛人関係にあったのではないかという噂があります。

そうでなければ、一度スーパーのパート勤務を辞めた稲垣さんに懇願して復職してもらおうとは思いませんし、入ったばかりのパート女性に金庫番を任せようとは思わないからです。

しかも、店長は事件で3人が射殺されたことを知って、「3人とも殺される訳がない」と口走ったそうです。「3人とも殺される訳がない」という言葉は、犯行が行われることをあらかじめ知っていないと出てこない言葉ですよね。

警察庁長官狙撃事件の犯人？

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スーパーナンペイ事件の犯人は、警察庁長官狙撃事件の犯人ではないかと言われています。この男は、スーパーナンペイ事件の7年後の2002年に、銀行強盗未遂で現行犯逮捕されている中村泰です。

この銀行強盗未遂で使用されたけん銃の線条痕がスーパーナンペイ事件の線条痕と酷似しているため、スーパーナンペイ事件の犯人として浮上しました。

この男は、2002年当時70代でしたが、26歳の時に職務質問をしてきた警察官を射殺し、無期懲役刑となっていて、仮出所後もたくさんの犯罪を犯してきたとされています。

そして、スーパーナンペイ事件と同じ1995年に起こった警察庁長官狙撃事件の犯人は自分であるとも新潮45の取材では話しています。ただ、スーパーナンペイ事件については否認しています。

指紋がほぼ一致した人物？

2015年2月、「約10年前に死亡した日本人男性の指紋と、犯人のものと思われる指紋がほぼ一致していたことが判明」と報じられました。

現場に残されていた犯人の指紋とほぼ一致した人物が発見されたんです。指紋は12点が一致しないと「完全一致」とは言えませんが、この人物は8点が一致したとのことです。

8点が一致するのは、1億人に1人の割合とされていますので、この人物が犯人である可能性は高いです。ただ、この人物は2000年代半ばに死亡しています。

日中混成強盗団のメンバー？

スーパーナンペイ事件は強盗目的であり、日本で資産家宅を狙った強盗事件の犯人グループである日中混成強盗団のメンバーが実行犯ではないかという説もあります。

日中混成強盗団のメンバーだったカナダ在住の中国人が、別の中国人にスーパーナンペイの現金保管などの内部情報を流したと言われていますが、供述を得られないまま、カナダに強制送還されています。

閉店間際に買い物した若いカップル？

スーパーナンペイ事件は、閉店間際に買い物をした若いカップルが犯人、もしくは犯行について何か知っているのではないかとも言われています。

このカップルは事件が起こった日の20時56分頃、つまり犯行の約20分前にスーパーを訪れ、焼きそばやお好み焼き、果物などを購入しています。その後、白いセダンに乗り込んでいることが確認されています。

事件当日、「現場近くで停車し、犯行時間後に近くの交差点を走り去る、白の乗用車」が目撃されていますが、この白い乗用車は若いカップルが乗り込んだ白いセダンの可能性があります。

もし、犯行に関係していなくても、店を訪れた時間から、犯行を目撃している可能性があるんです。

八王子スーパーナンペイ事件の犯人を霊視

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スーパーナンペイは事件発生から25年の月日が流れても、犯人を特定することができず、その犯行動機すら不明なままです。

日本テレビの「FBI超能力捜査官」で、超能力者・ナンシーマイヤーがスーパーナンペイ事件の霊視を行いました。

もし、この霊視が正しいのだとすれば、犯人は稲垣さんの近くにいた人物であり、女子高生の矢吹さんと前田さんは不運にも巻き添えになってしまったということになります。

ただ、この霊視をしたのは2007年のこと。それ以降も犯人が捕まっていないとなると、この霊視は外れていたのかもしれません。

八王子スーパーナンペイ事件の現在：真相は闇の中

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スーパーナンペイ事件は、現在でも犯人は捕まっていませんし、事件の詳細は何もわかっていません。1995年に事件が起こってから、20年以上の月日が流れています。ただ、最高刑が死刑の重大犯罪においては公訴時効が廃止されていますので、まだ捜査は続けられています。

そして、現在は捜査特別報奨金制度（公的懸賞金制度）の対象事件にもなっています。懸賞金は600万円（捜査特別報奨金300万円＋大和田町スーパー事務所内強盗殺人事件の捜査に協力する会による懸賞金300万円＝合計600万円）です。

しかし、それでもスーパーナンペイ事件の犯人は逮捕どころか特定できないままとなっています。今後、捜査が進展することを願うのみです。科学捜査の技術が向上すれば、犯人逮捕に結びつく何かが見つかるかもしれません。

八王子スーパーナンペイ事件のまとめ

スーパーナンペイ事件の概要と発生場所・状況、事件の流れ、3人の被害者、動機、犯人像、霊視した犯人、事件の真相と現在をまとめましたが、いかがでしたか？

スーパーナンペイ事件は、一般市民の女性3人が銃犯罪に巻き込まれてしまった悲しい事件です。事件の動機も犯人も真相もわかっていません。事件が風化する前に、犯人が見つかることを祈るのみです。