地下格闘技の主催団体「強者」の看板選手だった拳月こと相良正幸が現在大阪の半グレとして名前を売り話題を集めています。
ここでは、拳月こと相良正幸の奄美大島出身の生い立ちや、弘道会との関係、これまでに少なくとも5回はされている逮捕の詳細、現在の様子などについてまとめました。
この記事の目次
拳月(けんむーん)こと相良正幸のプロフィール
拳月(けんむーん)は、2007年に立ち上げられた地下格闘技イベントの主催団体「強者(つわもの)」の看板選手だった格闘家です。
2011年にはキックボクサーとして格闘技イベント「K-1」に出場し、人気選手の長島☆自演乙☆雄一郎さんとも試合をしています。(結果は判定負け)
この拳月が看板選手を務めていた「強者」は、山根真一という人物によって立ち上げられた団体で、ストリートファイトを繰り広げていた不良達を選手として起用した地下格闘技イベントを主催していました。
当初は比較的健全にイベントを開催していたものの、2012年頃からイベントチケット購入の強要や暴力団組織の資金源になるなどの不祥事が目立ち始め、2013年に解散に追い込まれ、2014年には、創立者の山根真一が傷害容疑で逮捕されるなどしています。
この事実から分かるように、この「強者」の実体はいわゆる半グレ集団でした。その中心選手であった拳月もまた、名の知れた不良でした。
ここでは、そんな拳月こと相良正幸について見ていきます。
拳月(相良正幸)の奄美大島出身の生い立ちとは
拳月は奄美大島(鹿児島県奄美市笠利町)の出身です。
どのような家族に生まれ、どのような少年時代を送ったのかなど詳細な生い立ちは不明ですが、ネットの情報で奄美市の赤城名中学校出身だということが判明しています。
こちらもネット情報ですが、拳月は中学時代にすでに握力が「73kg」あったそうです。
正確な時期は不明なのですが、拳月は2000年代の始め頃に故郷の奄美大島から大阪へ出てきており、そこで「強者」の創始者である山根真一が開いていた「山根道場」に入門しています。
そうした経緯で拳月は地下格闘技イベントなどに出場するようになり、不良上がりの格闘家として「奄美の狂犬」と呼ばれるなどして知名度を上げていきました。
拳月(けんむーん)というリングネームは出身の奄美大島の妖怪が由来
拳月の生い立ちについて韓国出身ではないかという噂がありますが、先ほどから触れているように、拳月は奄美大島の出身で、韓国出身説はデマ情報です。
この噂は「拳月(けんむん)」というリングネームが、どことなく韓国の言葉では?というイメージからきたもののようですが、これは、拳月の生まれ故郷の奄美大島に伝わる「けんむん」という妖怪からとったリングネームです。
こうしたリングネームを名乗っていたことからも、拳月は、生まれ故郷の奄美大島に愛着を持っている事が想像できます。
拳月(相良正幸)は半グレ集団「拳月グループ」のリーダー
一時は格闘家として名前を売っていた拳月ですが、「強者」が警察に目をつけられて解散した後は、再び本格的に不良の道へと戻ってしまったようです。
拳月は、大阪ミナミを中心に自分をリーダーとする半グレ集団を構成しています。拳月を中心とする半グレ集団は「拳月グループ」と呼ばれており、かなりの規模になっていて警察からもマークされています。
拳月の現在の立ち位置としては、その通称「拳月グループ」のリーダーであり、大阪ミナミの不良達の顔役的な立場にあって、かなりの影響力を持っているようです。
「拳月グループ」は、大阪最大規模の半グレ集団とされる「アビス」の対抗勢力と位置付けられており、事実、近年両グループは抗争を激化させていました。
ここ数年で「アビス」の幹部が次々と逮捕されていますが、「拳月グループ」の幹部の逮捕もここにきて相次いでおり、2019年9月に傷害容疑で逮捕された梶諒や、同年11月下旬に強要罪で逮捕された籠池勇介らも「拳月グループ」の幹部です。
そして、後述しますが、リーダーである拳月も2020年1月に逮捕されており、この逮捕によって事実上「拳月グループ」は壊滅状態にあるとみられています。
大阪府警は現在、大阪府下の半グレ集団の取り締まりに本格的に乗り出しており、半グレ集団による被害届を出せば大阪府警はすぐに逮捕に踏み切るような状態になっています。
この状況を利用して、敵対勢力である半グレ集団から被害を受けたと訴え出て幹部を逮捕させるという動きが大阪の半グレ集団の間で活発になっています。
「拳月グループ」幹部が立て続けに逮捕されているのには、敵対する「アビス」関係者が次々と警察に駆け込んで被害届を出しているという背景があるようです。
拳月(相良正幸)と山口組弘道会との関係
拳月こと相良正幸と指定暴力団6代目山口組の二次団体「弘道会」との関係も注目されているようです。
半グレといえば「関東連合」が有名で、関東連合は暴力団の影響を受けない不良集団と言われていましたが、大阪地域の半グレ集団は暴力団の影響力を強く受けていると言われています。
特に「拳月グループ」は、暴力団の事実上の実行部隊を担う事でうまく関係性を築いていたようで、敵対関係同士である6代目山口組とも神戸山口組の双方と良好な関係を築いていたと言われています。
「拳月グループ」や「アビス」といった大阪の半グレ集団は、事実上は暴力団の実行部隊であるため、彼らが起こした犯罪の背後にどこの組織が絡んでいるのかという点が重要になってきます。
弘道会はかつては6代目山口組組長の司忍氏が率いていたため、6代目山口組の中核組織と言われています。
「拳月グループ」は大阪ミナミに勢力を張る半グレ集団ですが、現在ミナミでは弘道会の影響力が低下しており、それには拳月グループと、その背後にいる兼一会(元山健組傘下、2019年から6代目山口組二次団体)が深く関係していると言われています。
つまり、「拳月グループ」は、背後に兼一会の影が見える状態で、6代目山口組系の弘道会に敵対的な行動を取っていたという事です。しかし、2019年に兼一会は6代目山口組の傘下に組み入れられました。
こうした背後関係から現在、拳月と弘道会との関係も注目されています。
要するに、大阪の暴力団の事実上の実行部隊であった「拳月グループ」および「アビス」が事実上の壊滅状態になった事で、大きな利権がある大阪ミナミにおける裏社会の勢力図が変化する可能性があるために、注目度が上昇しているのです。
拳月(相良正幸)は少なくとも逮捕歴5回
拳月はここ数年の間に少なくとも5回逮捕されています。ここまででも触れたように、拳月がリーダーとされる半グレ集団「拳月グループ」は大阪ミナミにおける暴力団の勢力争いにも深く関係しているとみられています。
また、近年大阪の半グレ集団は、そうした暴力団との関わりもあって対立を深めており、その絡みでの半グレ関係の逮捕者も続出しています。
したがって、拳月の逮捕もこの暴力団や敵対半グレ集団との勢力争いの影響を受けてのものと考えるのが自然です。ここでは拳月の一連の逮捕についてみていきます。
2014年2月に前田日明主催の格闘技イベント出場選手への強要罪で逮捕
拳月は、2014年2月に人気格闘家の前田日明さんが主催した格闘技イベント「THE OUTSIDER」に出場する予定だった格闘家に電話をかけ、「出るなら兵隊連れて行ったるから覚悟しとけ」などと脅迫し、出場を辞退させた「強要罪」の容疑で逮捕されています。
ここまででも触れたように拳月は地下格闘技イベントを主催する「強者」の看板選手でした。「強者」のコンセプトと同じく、元不良たちが出場する格闘技イベント「THE OUTSIDER」が無断で大阪で開催されたとして、「強者」関係者たちはこの大会に対して怒り狂っており、以前からトラブルが発生していました。
つまり、拳月は「THE OUTSIDER」の大阪での開催を阻止しようとしてこうした行動をとり逮捕されたという事です。地下格闘技イベントの背後には暴力団も絡むため、その利権をめぐる争いとも見る事ができます。
2017年9月に大阪心斎橋路上での傷害容疑で逮捕
2016年7月頃、拳月は大阪市東心斎橋の繁華街の路上で、前方から来た車のボンネットを突然叩きはじめ、止めさせようと降りてきた運転手の男性を突然殴りつけ、助手席に座っていた男性にも暴行を加えて、2人に頭がい骨骨折などの重傷を負わせています。
この傷害の容疑で、拳月は2017年9月に逮捕されています。2017年12月、拳月は大阪地裁に懲役1年執行猶予3年の有罪判決を下されています。
2019年までに保険金がらみの詐欺容疑でも逮捕されている
拳月は、2019年7月に放送された「NHKスペシャル」の「半グレ反社会勢力の実像」という番組に出演していますが、その出演時に、保険金がらみの詐欺事件で逮捕され、現在は保釈中であると語っています。
これについての詳細は不明ですが、背後に暴力団がいるのは間違いないでしょう。
2019年10月女性に性的暴行を加えた強制性交容疑で逮捕
2019年10月23日の深夜、拳月は、大阪ミナミの繁華街にある飲食店店員の20代女性の胸などを揉み、その後無理やりトイレへ連れ込んで性的暴行をしたとして強制性交の容疑で同年10月25日に大阪府警に逮捕されています。
拳月は取り調べに対して「間違いや」と容疑を否認しています。この事件の裏側を知る関係者によれば、どうやらこの被害者の20代女性は「拳月グループ」と対立を強めていた半グレ集団「アビス」の関係者だったという事です。
一部関係者の噂によれば、これは「拳月グループ」を潰すために「アビス」側が仕組んだハニートラップに拳月が引っかかったのではないか?と見る向きもあるようです。
2020年1月に少女への脅迫事件の首謀者として強要容疑で逮捕
2020年1月、拳月はまたしても「アビス」がらみの事件で逮捕されています。
2018年8月14日深夜3時半頃、大阪ミナミの路上で、当時10代の少女が「拳月グループ」の複数人の半グレに取り囲まれ、脅迫を受ける事件がありました。
この事件現場は「アビス」が経営する飲食店の前の路上で、被害者の少女はこの店の店員でした。少女を取り囲んだ「拳月グループ」のメンバーらは、少女の胸ぐらを掴むなどして、アビスの幹部を電話で呼び出せと脅迫しました。
この実行犯に拳月は加わっていませんでしたが、指示を出した首謀者として、2020年1月に「強要罪」の容疑で逮捕されました。
なお、この少女を脅した実行犯として、「拳月グループ」の幹部の1人籠池勇介(通称テポドン)も逮捕されています。
「拳月グループ」の最高幹部が次々と逮捕されており、これは敵対勢力である「アビス」が「拳月グループ」を潰そうと画策している事が裏側にあるようです。
拳月(相良正幸)の現在
2020年1月に少なくとも5度目の逮捕をされた拳月ですが、現在はどうしているのでしょうか?
現在(2020年7月時点)まで、拳月がこの事件で起訴され判決が出たという情報は出ていません。
大阪府警が「拳月グループ」に目をつけ、集中攻撃を仕掛けているのは間違いありませんが、リーダーである拳月を懲役に持っていけなかれば、「拳月グループ」を崩壊させる事は難しいでしょう。
しかし、1月に逮捕された強要容疑だけで懲役の実刑に持っていくのは難しいでしょう。大阪府警は現在、拳月の余罪を追求している最中だと推測されます。今後の展開にも注目していきましょう。
まとめ
今回は、地下格闘技イベントを主催する「強者」の看板選手で、現在は半グレ集団「拳月グループ」のリーダーと見られている、拳月についてまとめてみました。
拳月は、奄美大島の出身で、10代の頃に大阪に出てきて地下格闘技選手として活躍したのち、大阪の半グレとして名前を売りました。
大阪ミナミに勢力を張る暴力団との関係も構築し、ミナミの不良達の顔役として君臨していましたが、敵対する半グレ「アビス」の画策によってここにきて何度も逮捕されており、その勢力は陰りを見せつつあるようです。
今後の拳月および、彼が率いる半グレ集団「拳月グループ」の動向にも注目していきましょう。