「引っ越し!引っ越し!」と絶叫し布団を猛打して世間を騒然とさせた「騒音おばさん」が話題です。
この記事では騒音おばさんの本名の河原美代子、実は隣人の被害者夫婦山本は創価学会で加害者だったとする「騒音おばさんの真実」、騒音おばさんをモチーフにした映画「ミセス・ノイズィ」、事件のその後や現在などについてまとめました。
この記事の目次
騒音おばさんこと河原美代子は「奈良騒音傷害事件」で逮捕された犯人
「騒音おばさん(本名・河原美代子)」とは、2002年11月から2005年5月にかけて奈良県生駒郡平群町で発生した「奈良騒音傷害事件」の犯人です。
騒音おばさんは約2年半の間、大音量の音楽をラジカセで流し、大声で「引っ越し!引っ越し!」と叫びながらベランダに干した布団をふとん叩きで猛打するなどの方法で騒音を出し、それによって隣人夫婦を目眩や頭痛などの症状に追い込んで通院させました。
騒音おばさんは、有名な「引っ越ーし!引っ越ーし!さっさと引っ越ーし!しばくぞ!」というコールに合わせた布団猛打や、連日24時間にわたってCDラジカセでヒップホップやユーロビート、R&Bなどの音楽を大音量で流す行為のほかにも、車のクラクションを無闇に鳴らしたり、取材に訪れた記者を恐ろしい表情で大声で恫喝するなどの奇行を長年にわたって続けました。
騒音おばさんのこうした行為は、週刊誌やスポーツ紙、テレビのワイドショーなどで盛んに取り上げられてブームのようになり、連日テレビニュースでも報じられるようになりました。
そして、2005年4月11日に騒音おばさんは傷害の容疑で奈良県警に逮捕され、最高裁までもつれ込んだ裁判を経て2007年に懲役1年8ヶ月の実刑判決が下されています。
騒音おばさんの本名は「河原美代子」
騒音おばさんの本名は「河原美代子」です。この本名は当時のニュースで報じられていたため間違いありません。
現在、騒音おばさんは、その特異なキャラクターからネット上で人気コンテンツとなっており親しみを込めて本名の「美代子」で呼ばれる事も多いようです。
騒音おばさんは実は被害者だとする都市伝説「騒音おばさんの真実」が話題
騒音おばさんが、実は隣人の被害者夫婦からの嫌がらせを受けていた被害者だったとする「騒音おばさんの真実」というネット上の都市伝説も話題です。
この「騒音おばさんの真実」について見ていきます。
騒音おばさんの真実① 騒音おばさんには重い病気の家族がおり夫と娘は死亡
まず、「騒音おばさんの真実」によると、騒音おばさんには、重い病気を患う夫と娘2人、息子1人がおり、既に夫と娘2人は死亡しているのだそうです。この情報については週刊朝日2005年4月29日号に掲載された特集記事『奈良発 逮捕された「騒音女」の報道されない悲しい「過去」』に書かれた内容が情報ソースとなっています。
「週刊朝日」の記事では、被害者本人の証言として、「加害者の夫と息子は入院中で娘2人は5年前に死亡、娘のお見舞いにも行った」と書かれており、またTBSの朝の情報番組「みのもんたの朝ズバッ!」でも、騒音おばさん以外の家族全員が難病に発症して介護に追われていたという情報が報じられているため、かなり信憑性の高い情報だと見られています。
騒音おばさんの夫と娘、息子の病気は、夫の家系に由来する遺伝病(小脳脊髄変形症だと言われている)だと言われており、騒音おばさんは夫のこの病気を知らずに結婚したが、愚痴一つこぼさずに家族の介護にあたっていたのだそうです。
騒音おばさんの真実② 被害者夫婦からの創価学会勧誘を断りトラブル発生
「奈良騒音傷害事件」の被害者夫婦は1989年頃に騒音おばさんの家の隣に引っ越してきたとされています。最初は、普通の隣人の関係として騒音おばさんと被害者夫婦は仲良くしていたそうです。
しかし、被害者夫婦が騒音おばさんに自分たちも入会していた創価学会に勧誘し、それを騒音おばさんが断った事から関係が悪化したとされます。
騒音おばさんの真実③ 隣人夫婦からの嫌がらせを受ける
被害者夫婦は自宅の庭に、騒音おばさんの家の窓から光が差し込むようにわざと照明を設置したそうです。騒音おばさんは娘や息子が自宅で療養中である事などから、部屋に光が入るので撤去して欲しいと願い出たそうです。
しかし、それによって被害者夫婦の嫌がらせはさらに激化し、近隣住人に騒音おばさんの息子や娘は「キチガイ」だと言いふらしたり、自治会の班長に騒音おばさんの出す生活音がうるさいと訴えたりしたとの事。
さらに、被害者夫婦は周辺の住人(創価学会員グループと言われている)と徒党を組んでの嫌がらせ行為を行うようになったとされます。騒音叔母さんの家の鍵穴が何者かによって接着剤で塞がれていた事などもあったそうです。
騒音おばさんの真実④ 嫌がらせにより騒音おばさんは精神のバランスを崩し奇行へ
こうした隣人夫婦(被害者夫婦)の嫌がらせ行為と、難病に苦しむ夫や子供たちへの介護による心身の疲労などから、騒音おばさんは精神のバランスを崩すようになったとされます。
1996年、騒音おばさんは隣人夫婦に「生活音がうるさい」と言われたため、その生活音を消すためだとしてCDラジカセで24時間音楽を鳴らすという行動に出ます。
この年、被害者夫婦は、騒音おばさんを相手取った最初の訴訟を起こしています。1999年にこの民事訴訟の判決が出ており、騒音おばさんは60万円の慰謝料と遅延金25万円を徴収されています。
2000年には被害者夫婦が騒音おばさんの自宅を監視する監視カメラを設置。この年に騒音おばさんの長女が難病により死去しています。
2002年4月、騒音おばさんは、隣人の被害者の自宅ドアを蹴るなどしている様子を防犯カメラに捉えられ、器物損壊容疑で逮捕され、10万円の罰金を受けています。
2003年4月には夫が難病により入院し、次女も死去したとされています。
こうした不幸も重なり、騒音おばさんはさらに精神のバランスを崩し、「引っ越し!引っ越し!」の掛け声での布団猛打などの奇行が目立つようになり
その様子などが隣人夫婦らによって撮影され、それが連日テレビのワイドショーなどで報じられるようになり、2005年4月の逮捕へと繋がっていったとされます。
以上が「騒音おばさんの真実」の大まかな内容となります。
「騒音おばさんの真実」は真実か?
この「騒音おばさんの真実」はあくまでもネット上の情報や、事件当時の報道の断片的な情報をつなぎ合わせて推理された可能性の話であり、あくまでも都市伝説のようなものです。
ただ、騒音おばさんが、自分以外の家族全員が重い病気を患って介護に追われていたというのは、いくつかのメディアから報じられているためおそらく事実です。また、週刊誌「新潮45」の2005年6月号の特集記事『特別ルポ「ヒップホップ布団叩き騒動」 何が彼女をそうさせたか』には、被害者夫婦の方が先に仕掛けてきたとの、騒音おばさんの姉の証言が紹介されています。
こうしたある程度信頼性のある情報ソースがいくつか存在するため、「騒音おばさんの真実」には一定の信憑性があると見られているのです。
騒音おばさんの隣人の被害者夫婦が創価学会員だったというのは事実?
騒音おばさんの隣人の被害者夫婦は「創価学会員」だったとの噂がネット上で広まっています。
「創価学会」といえば、その勧誘のしつこさなどの噂がネット上で広がり、ネット上ではかなり嫌われている存在なので、「騒音おばさんの真実」への注目度をさらに上げる要因となっています。
しかし、この騒音おばさんの被害者の夫婦が創価学会員だとする噂には明確な情報ソースは示されていません。
また、「奈良騒音傷害事件」の現場となった奈良県生駒市平群町には創価学会の施設はありませんし、創価学会員が多い地域として知られているわけでもありません。(生駒市には創価学会の施設は存在)
そのため、騒音おばさんの被害者夫婦が創価学会だという噂の信憑性はあまり高くないと言えそうです。
騒音おばさんの隣人の被害者夫婦の本名は「山本」だと言われている
騒音おばさんの本名は河原美代子だと報じられていますが、被害者夫婦の本名は明かされていません。ただネット上の噂では、騒音おばさんの隣人だった被害者夫婦の妻の本名は「山本良子」だと言われています。
ただし、あくまでこの被害者夫婦の本名が「山本」だというのはネット上のみの噂であり、信用度の高い情報ではありません。
騒音おばさんをモチーフにした映画「ミセス・ノイズィ」も話題
2020年12月4日に、「騒音おばさん」をモチーフにした映画「ミセス・ノイズィ」が公開され大きな話題となっています。
本作のモチーフはなんと“騒音おばさん”。2005年に、加害者とされた主婦が傷害罪の容疑で逮捕されたいわゆる「奈良騒音傷害事件」である。
この騒音おばさんをモチーフにした映画「ミセス・ノイズィ」の監督は若手の注目監督である天野千尋さんです。天野千尋さんはこの映画について「第32回東京国際映画祭」で以下のように語っています。
物事は、見る角度によって見える景色が違う。人も別の角度から見ると悪人にも善人にもなる、そういうことを盛り込んだ映画にしたかった
「奈良騒音傷害事件」は、「騒音おばさんの真実」という全く被害者と加害者が反対になった内容の噂が流れるなど、ネット上ではいまだに何が真実なのかの議論が続いているので、この「人も別の角度から見ると悪人にも善人にもなる」という監督のメッセージにはこの映画への興味を惹かれます。
ただ、騒音おばさんをモチーフにしているとはいっても、実際の事件の内容を再現している映画ではないので注意が必要です。
実際に映画館でこの映画を鑑賞した人の評価はかなり高いようです。
新宿武蔵野館にて
— 夕焼け (@sunsetsky1964) December 20, 2020
映画「ミセス・ノイズィ」
単なる困った隣人
騒音おばさんの話かと思ったら
全く違ってた!!
一つの出来事であっても
視点が違うとこうも変わるのか
何が正義かなんて
誰にもわからないのだと痛感
監督と脚本
両方とも天野千尋氏
名前覚えとかなくちゃ!#ミセス・ノイズィ pic.twitter.com/Ly3Wj51bTb
『ミセス・ノイズィ』
— ムービードープ (@browsing_movie) December 4, 2020
騒音おばさん、まさかの映画化。隣人同士の些細な諍いが徐々にマスコミやネット社会を巻き込んでいく。上辺だけでは判断できない人の温かさと真の強さ。無尽蔵に漲る明朗快活な生き様と狂った社会に対する反骨精神が今日、生きる私たちを激励してくれる。心から大切にしたい傑作 pic.twitter.com/rrMhuQ2CtU
騒音おばさんのその後や現在
騒音おばさんの事件のその後や現在にも注目が集まっているようです。
騒音おばさんはその後の裁判で、懲役1年8ヶ月の実刑判決が下され服役しその後、2007年7月20日に出所しています(逮捕後の未決拘置期間が刑に算入され実際に服役したのは3ヶ月ほどだった)。
出所のその後は、騒音おばさんは再び奈良県生駒市平群町の事件現場となった自宅へと戻り、騒音を出す事なく現在も生活しているそうです。
一方、隣人の被害者夫婦は現在は既に転居しており平群町には住んでいないとの情報があるようです。
ネットの噂によれば、騒音おばさんと被害者夫婦とのトラブルの経緯から、本当の加害者が隣人夫婦だと知っていたた隣人夫婦は冷たくされるようになり、いづらくなって転居したと言われています。
一方の騒音おばさんは出所後に近隣に一連の騒動を謝罪して回ったところ、「もう騒音を出さないのであればこれまで通り住んでも構わない」と温かい声をかけられたとも言われていますが、これらはネット上の噂で真偽は不明です。
まとめ
今回は、2005年に世間に衝撃を与えた「奈良騒音傷害事件」の犯人の騒音おばさんについてまとめてみました。
騒音おばさんは、2002年から2005年の約2年半にわたって、24時間ラジカセで大音量の音楽を流す、大声で叫びながら布団を叩くなどの騒音を出し、隣人の被害者夫婦に頭痛や目眩などの症状を与えて通院させたとして、2005年傷害容疑で逮捕、2007年に1年8ヶ月の実刑判決を受けました。
ネット上では、騒音おばさんが実は被害者だったとする「騒音おばさんの真実」という都市伝説が広まるなど、現在でもネット上では注目度の高い存在です。
2020年12月には、騒音おばさんをモチーフにした映画「ミセス・ノイズィ」が公開され、再び注目度を上げています。
現在も騒音おばさんは、事件現場となった奈良県生駒市平群町で暮らしているという事ですが、その後は騒音は出しておらず静かに生活されているようです。