日本でもプレーしたことがある韓国の元プロ野球選手の中でも知名度が高い林昌勇(イムチャンヨン)さんは現役時代・引退後にいろいろな事件・トラブルを起こしています。
林昌勇(イムチャンヨン)さんのプロフィールや経歴、成績や年俸の推移、パワプロ、引退理由や結婚歴(嫁・子供)と事件やトラブル、現在をまとめました。
この記事の目次
林昌勇(イムチャンヨン)は韓国のプロ野球選手
林昌勇(イムチャンヨン・임창용)
生年月日:1976年6月4日
出身:大韓民国全羅南道光州広域市
身長:182cm
所属:元ヤクルトスワローズ、元サムスンライオンズなど
ポジション:ピッチャー
投打:右投右打
職業:元プロ野球選手
林昌勇(イムチャンヨン)さんは、韓国の元プロ野球選手です。韓国・日本・アメリカでプレーをし、韓国代表として第2回WBCに出場し、イチローとの対戦でも話題になりました。
韓国のプロ野球選手としてはレジェンド級の成績を残していますが、現役時代から事件やトラブルを起こしていて、2022年に「KBO LEAGUE 40 LEGENDS」に選出されたものの、授賞式には唯一出席せず、表舞台からは姿を消した状態になっています。
林昌勇(イムチャンヨン)の経歴
出典:column.sp.baseball.findfriends.jp
韓国で1976年に生まれた林昌勇(イムチャンヨン)は、光州振興高校卒業後、1995年にドラフト指名で韓国のプロ野球球団のヘテ・タイガースに入団しました。
入団後2年目からはクローザーとして起用され、1996年・1997年の連覇に貢献、さらに1998年には最優秀救援投手のタイトルを獲得しています。
その後、1998年にはサムスン・ライオンズにトレードで移籍し、1999年には最優秀防御率のタイトルを獲得し、どんな場面でも抑えてくれる絶対的な守護神として活躍し、2000年にはシドニーオリンピックの韓国代表として銅メダル獲得にも貢献しています。
2001年シーズンからは先発に転向し、日本やメジャーリーグへの移籍を目指しますが、あまり良いオファーはなく移籍は実現しませんでした。2005年になると、今までの登板過多により成績が下がってきて、トミージョン手術を受けることになります。
2007年シーズンオフにはサムスンから事実上の戦力外となり、2008年に日本のヤクルトと2年契約を結びました。ヤクルトではクローザーとして活躍し、2012年シーズンまでプレーしましたが、高年俸とケガによる復帰のめどが立たないことから自由契約となっています。
2012年12月にはシカゴ・カブスとマイナー契約を結び、2013年9月にはメジャーに昇格しました。しかし、6試合に登板しただけで、翌年の2014年の開幕前には解雇となりました。
シカゴ・カブスを解雇された林昌勇(イムチャンヨン)は韓国の古巣であるサムスン・ライオンズに復帰することになり、その後に2016年には起亜タイガースに移籍し、2019年3月に現役を引退しました。
林昌勇(イムチャンヨン)の成績
林昌勇の成績を見ていきましょう。
試合数 | 勝利 | 敗戦 | セーブ | ホールド | 防御率 | |
KBO(18年) | 760 | 130 | 86 | 258 | 19 | 3.45 |
NPB(5年) | 238 | 11 | 13 | 128 | 21 | 2.09 |
MLB(1年) | 6 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5.40 |
通算(24年) | 1004 | 144 | 99 | 386 | 40 |
日韓合計で386セーブを記録しています。個人タイトルはこちらです。
<KBO(韓国)でのタイトル>
・最優秀救援投手:2回(1998年、2004年)
・最多セーブ:1回(2015年)
・最優秀防御率:1回(1999年)
日本での個人タイトルはありませんが、オールスターゲームには2009年から2011年まで3年連続で出場しています。
<代表歴>
・2000年:シドニーオリンピック(銅メダル)
・2009年:第2回WBC(準優勝)
・2014年:アジア競技会
・2017年:第4回WBC(1次ラウンド敗退)
林昌勇(イムチャンヨン)は第2回WBCの決勝戦で、大会中ずっと不振だったイチローに決勝打を打たれた投手です。日本では何度も何度もイチローがセンター返しのヒットを林昌勇さんから打つシーンがテレビで放映されていますので、「あのピッチャーか」と思い浮かぶ人は多いと思います。
これらの成績を見ると、林昌勇(イムチャンヨン)さんが韓国野球界のレジェンドであることは間違いないでしょう。
林昌勇(イムチャンヨン)の年俸推移
出典:daily.co.jp
林昌勇(イムチャンヨン)さんの韓国での年俸は不明ですが、NPBのヤクルト時代の年俸は発表されています。
・2008年:30万ドル+出来高
・2009年:50万ドル+出来高
・2010年:160万ドル+出来高
・2011年~2012年:7億5000万円+出来高
・2014年:5億ウォン(約5000万円)
※2005年、2014年はKBOでの年俸
これを見ると、林昌勇(イムチャンヨン)さんは韓国では屈指の高年俸のプロ野球選手だったと言えるでしょう。
林昌勇(イムチャンヨン)はパワプロで人気?
出典:youtube.com
林昌勇(イムチャンヨン)さんがヤクルトでプレーをしたのは2008年~2012年シーズンまでの5年間だけです。2012年シーズンは9試合にしか登板していないので、ほとんどプレーしていません。しかし、今でもパワプロでは愛されている存在です。
イムチャンヨンパワプロでめっちゃ酷使してたわ
— しんぴ (@sinpiswallows) March 12, 2019
パワプロで林昌勇作ったから、ヤクルトOB軍のリリーフが充実してきた pic.twitter.com/BIJvaXKC2b
— よっしーあいらんどで夏を過ごすペンギンさん (@yosshiisland23) June 25, 2023
林昌勇をパワプロで作った。サイドからの160km/hはハンパないwww
— はっつん(´,,•ω•,,`) (@hattun_L13) September 28, 2010
サイドスローで最高球速160km/hというのは、やはりプロ野球ファン・パワプロファンには印象が非常に強いのでしょう。
林昌勇(イムチャンヨン)の引退理由
林昌勇(イムチャンヨン)さんは、2018年のシーズンオフで起亜タイガースを戦力外通告になり、現役続行を希望していましたが、獲得球団はなく、2019年3月に現役を引退しました。
林昌勇は「急に引退を決めたことで今後についてはまだ悩んでいる段階だが、これからは選手ではない立場で韓国球界発展のために寄与したいと考えている。これまで応援してくださったファンの皆さんには申し訳ない気持ちと同時に感謝したい」とコメントしている。
韓国プロ野球界ではレジェンド級の選手でしたが、引退試合・セレモニーなどは行われなかったようで、2019年7月11日にヤクルトが主催したOB戦に招待され、事実上の引退試合のようになりました。
林昌勇さんの引退理由は、ただ単に獲得球団がなかったことです。林昌勇さんは現役続行を希望していましたが、オファーはありませんでした。では、なぜオファーがなかったのか。それは、次のような理由が考えられます。
・年齢(2018年シーズンオフで42歳)
・素行が悪い
・成績が下降線
林昌勇(イムチャンヨン)さんは、年齢が42歳で成績もか下降線、さらに詳しくは後述しますが、素行が悪く、契約するリスクは大きかったのかもしれません。起亜タイガースの前に所属していたサムスン・ライオンズは不祥事で退団することになっています。
このような理由があったため、林昌勇さんを獲得する球団はなく、引退することになったのでしょう。
林昌勇(イムチャンヨン)の結婚歴:嫁や子供
出典:wowkorea.jp
林昌勇(イムチャンヨン)さんは2002年初めに韓国人女性と結婚しています。結婚式はせずに婚姻届を出していましたが、その年の11月には別居していたようです。
ただ、離婚が成立する前に、林昌勇さんは不倫をしました。しかも2人の女性と!さらにただの浮気ではなく「内縁関係」にあったというのですから、不倫相手の2人の女性ともかなり深い関係だったことがうかがえます。
プライベートでは2003年に妻がいたにもかかわらず、2人の女性と内縁関係にあったことが明るみに出て離婚騒動を起こしたこともあった
引用:(3ページ目)高級クラブ嬢から借金、税金滞納、闇カジノでバカラ賭博、そして…イチローとWBC決勝で名勝負を演じた林昌勇(46)の転落人生 | 文春オンライン
この不倫が発覚したことで、林昌勇さんの妻は告訴し、所属のサムスン・ライオンズに仲裁されて協議離婚をしています。
ただ、林昌勇さんの親戚の証言によると、林昌勇さんの妻は結婚から8ヶ月で約1億円を使い込んだとのことで、泥沼離婚だったことは間違いありません。
内縁の妻と子供がいる?
2003年5月に泥沼離婚をした林昌勇さんですが、2014年には5年間熱愛している女性がいて、その女性との間に2人の息子がいることが発覚しました。
広報チーム関係者は「まだ正確な結婚日程を決めていないので、慎重に検討しているようだ」と言いながらも「チャンヨンは長年付き合ってきた女性と一緒に住んでいる。二人の間には子どもが二人いる」と打ち明けた。
ただ、2人の子供がいるにも関わらず、林昌勇さんはこの女性と2014年時点では結婚をしていません。記事では「シーズン終了後に結婚する予定」とのことでしたので、再婚したものと思われます。
林昌勇(イムチャンヨン)の事件・トラブル
林昌勇(イムチャンヨン)さんは、いろいろな事件を起こしていて、トラブルメーカーとしても知られています。林昌勇さんの事件・トラブルを見ていきましょう。
寝坊で飛行機遅延
ヤクルトでプレーをしていた2009年。林昌勇さんは活躍を評価されて、オールスター戦に出場することになりました。この年のオールスターは第1戦が札幌、第2戦が広島で開催予定で、第2戦の朝に札幌から広島にチャーター機で移動する予定でした。
みんな集合時間に集まったのに、林昌勇さんだけが寝坊して、集合時間に現れませんでした。そのため、選手が乗るチャーター機が遅延したんです。
しかも、広島空港に着陸する時も悪天候でなかなか着陸することができず、飛行機は予定よりも30分以上遅れて広島空港に到着。本来ならホテルに寄ってから球場に行く予定でしたが、ホテルに寄る時間はなく、選手たちは球場に直行したとのことです。
寝坊で飛行機を遅らせるって、結構ヤバいですよね。
WBCでサイン無視疑惑
第2回のWBCの決勝戦で、林昌勇さんはイチローに決勝打を打たれました。
この時、韓国ベンチからは敬遠のサインが出ていたようですが、林昌勇さんが独断でイチローと勝負し、結果としてヒットを打たれたと韓国では報道されました。つまり、韓国がWBCで負けたのは林昌勇さんのせいで、「戦犯・林昌勇」という報道ですね。
この報道で林昌勇さんは韓国世論から非難され炎上しましたが、実際は投手コーチが敬遠のサインをもみ消して林昌勇さんに伝えていなかったため、イチローと勝負することになったこと。また、韓国でのイチローバッシングが激しく、敬遠をしたらそれこそとんでもないバッシングを受けることなどが原因のようです。
日本で無免許運転
林昌勇さんは2017年2月に日本で無免許運転をして交通事故を起こしています。
第4回WBCの韓国代表は日本の沖縄県でキャンプをしていましたが、キャンプ地の那覇市で自動車を運転し、バイクと接触事故を起こしていました。
林昌勇さんは以前は日本の運転免許を持っていたようですが、有効期限が切れていて、無免許の状態でした。
WBC韓国代表で元ヤクルト守護神の林昌勇投手(40)が、無免許運転で交通事故を起こし、KBO(韓国野球委員会)の懲罰委員会にかけられる可能性が22日、浮上した。
わざわざ代表チームのキャンプ中に異国で車を運転して事故を起こす(しかも無免許)のは、さすがに軽率ですよね。
2015年:不法賭博
2014年に林昌勇さんは呉昇桓(オスンファン)らとマカオで違法賭博をしたことが、2015年10月に明らかになりました。日本人の感覚で考えると、マカオのカジノでギャンブルをするのは何の問題もないように思えますが、韓国の場合は違います。
韓国では海外で常習的に、もしくは多額のギャンブルをしてはいけないと法律で定められているんです。
林昌勇選手が一番に問題視されたのは実は「旅券法違反」。韓国人は海外での旅行に際して1万ドル(約100万円)までしか使ってはいけないという内容が「旅券法」に存在しているのだ。
林昌勇さんは4000万ウォン(約400万円)をマカオのギャンブルで使っていたことが判明し、略式起訴され、罰金700万ウォンが課せられました。
さらに、所属のサムスン・ライオンズから放出され、韓国プロ野球に復帰する場合は、公式戦の50%を出場停止処分とするという決定が下されています。
2020年:税金滞納
2020年には税金を滞納していたことが発覚します。2020年12月6日、林昌勇さんは所得税2億ウォンを滞納していたことが判明しました(韓国サイトでは3億ウォンという情報もあり)。
ちなみに、2021年12月のリストでも、税金滞納者リストに林昌勇さんの名前がありました。
2020年:詐欺疑惑
2020年7月、林昌勇さんはソウルの高級クラブの女性から4000万ウォンをかりて、2500万ウォンは返済したものの、残り1500万ウォンを返済しないまま連絡を絶ったとして、女性から詐欺の疑いで訴えられました。
しかも、この時に林昌勇さんは500万ウォン~1000万ウォンの高額賭けゴルフもしていたんです。
この詐欺容疑で略式起訴され、罰金100万ウォンの決定が下されました。
2022年:常習賭博疑惑
2022年7月、林昌勇さんは常習賭博の疑いで摘発されました。
韓国国内の闇カジノで、約15時間で1億5000万ウォン以上も賭けてバカラ賭博をしていました。この摘発で、林昌勇さんは懲役6ヶ月執行猶予2年、罰金300万ウォン、さらに社会奉仕40時間が言い渡されています。
「過去にも同様の犯罪で処罰されている前歴があるにもかかわらず、またもや巨額の金を賭けて賭博するなど、極めて常習性が高い。厳重に処罰する必要があると判断し、懲役6カ月、執行猶予2年、罰金300万ウォン、40時間の社会奉仕を命じる」(テジョン地方法院)
引用:(3ページ目)高級クラブ嬢から借金、税金滞納、闇カジノでバカラ賭博、そして…イチローとWBC決勝で名勝負を演じた林昌勇(46)の転落人生 | 文春オンライン
ここまでギャンブルに使ってしまうのは、もうギャンブル依存症のような状態なのかもしれません。
2024年:闇カジノバカラ疑惑
2024年、林昌勇さんは今度は詐欺容疑で起訴されました。2019年にフィリピンで知人に約910万円を借りたけれど、返済しなかったとのことです。
お金を借りた時、「3日後に妻が所有する株を売って返済する」と言っていたそうですが、借りたお金はギャンブルで使い、返済はしなったとのこと。
ここまで来ると、完全にギャンブル依存症なのでしょう。
林昌勇(イムチャンヨン)の現在
出典:yna.co.kr
林昌勇(イムチャンヨン)さんは現在、2024年の詐欺容疑を否認しています。2019年にフィリピンで賭博のためのお金を借りたことは認めましたが、そのお金はすでに返済したと主張しています。
今後、この詐欺容疑については裁判で争っていくものと見られていますが、今までの前科・前歴がある分、なかなか信用は得られないかもしれませんね。
林昌勇(イムチャンヨン)のまとめ
林昌勇(イムチャンヨン)さんのプロフィールや経歴、成績・年俸とパワプロ人気、結婚や嫁・子供、事件やトラブルと現在をまとめました。
金銭トラブルがなければ、今頃林昌勇さんは韓国プロ野球界のレジェンドとして、コーチや監督になっていたのかもしれません。