2022年から2023年にかけて発生した、「ルフィ」などと名乗る指示役による広域強盗事件において、組織の幹部として逮捕された小島智信が話題です。
この記事では小島智信の生い立ちや出身地、親などの家族、本名ではなく通名説、刺青と経歴、結婚や嫁、子供、逮捕や裁判での判決など現在についてまとめました。
この記事の目次
- 小島智信は特殊詐欺や広域強盗事件の犯行グループの幹部の1人とされる男
- 小島智信の生い立ち① 生年月日は1977年12月10日
- 小島智信の生い立ち② 北海道寿都町内の中学校を卒業
- 小島智信の生い立ち③ 室蘭市内の高校は1年ほどで中退
- 小島智信の出身地
- 小島智信の親などの家族
- 小島智信は通名で本名は韓国名ではという憶測も
- 小島智信は本名を齋藤に変えていた事が判明（通名ではなかった）
- 小島智信の刺青
- 小島智信の経歴① 闇金の事務所に勤務していたとの情報
- 小島智信の経歴② 自営業でさいたま市に住んでいたとの情報も
- 小島智信の経歴③ 山口組系の暴力団組織に所属していたとの情報も
- 小島智信の結婚や嫁や子供
- 小島智信の逮捕
- 小島智信の現在～裁判で懲役20年の判決
- まとめ
小島智信は特殊詐欺や広域強盗事件の犯行グループの幹部の1人とされる男
小島智信は、2018年から2020年にかけて発生した被害総額約60億円以上に上る2000件以上の特殊詐欺事件と、2022年から2023年初めにかけて20件以上、全国各地で発生した連続強盗事件に関わる犯罪グループの幹部の1人である男です。
小島智信は、渡辺優樹、今村磨人、藤田聖也らとフィリピンの入管施設「ビクタン収容所」に拘束されていましたが、この施設内から携帯電話を使って日本国内にいる実行犯に指示を出し、犯罪行為を繰り返していたと見られています。
指示を出す際に、“ルフィ”と名乗る人物がいたことから、この事件は“ルフィ”事件として大きな注目を集めました。
警視庁は小島智信ら4名の逮捕状を取り、フィリピン政府に対して4人の強制送還を求めていました。
そして、2023年2月7日に今村磨人と藤田聖也が、2月9日に渡辺優樹と、この小島智信も強制送還され、一連の特殊詐欺・強盗事件の犯罪グループではないかと疑われた4人が日本に帰国しました。
ここでは、この小島智信について、現在までに明らかになっている内容をまとめていきます。
小島智信の生い立ち① 生年月日は1977年12月10日
小島智信の生い立ちについては、詳しくは明らかになっていませんが、東京スポーツの記事によれば、生年月日は「1977年12月10日」だという事です。
小島容疑者は１９７７年１２月１０日生まれ。
小島智信はフィリピンから日本に強制送還された際に、「1977」と大きくプリントされたTシャツを着ていたのが注目され「仲間に向けた何らかのサインでは？」などと話題になりましたが、これは自身の生年をアピールしていただけだったようです。
小島智信の生い立ち② 北海道寿都町内の中学校を卒業
出典：https://www.honnonihohi.jp/
小島智信の出身地については後述するように「神奈川県川崎市」との情報が出ていますが、その後は正確な時期は不明ながら何らかの事情で北海道へと移住し、後志（しりべし）地方の寿都町（すっつちょう）にある中学校を1993年3月に卒業している事がわかっています。
寿都町内にある中学校は、現在は寿都町立寿都中学校しかないため、小島智信の出身中学校は同校の可能性が高いと見られています。（以前は複数の中学があったが昭和50年代までに閉校している）
具体的な中学校名は明かされていないものの、小島智信の中学校卒業式の時の様子が記録された映像が、北海道放送（HBC）の情報番組「今日ドキッ！」で公開されているため、小島智信が寿都町内の中学校を卒業しているのは事実だと思われます。
また、中学時代の小島智信はそれほど目立つタイプではなかったとの当時の関係者の証言も紹介されています。
小島智信の中学卒業後の生い立ちについては、北海道室蘭市内の高校へと進んだ事も明らかにされています。
1993年に、後志地方の寿都町内の中学校を卒業。当時の様子を知る人は「それほど、目立つ存在ではなかった」と話します。
そして、室蘭市内の高校に進学したということです。
室蘭市には高校が多くあり、タレコミ情報なども出ていないため、現在のところは小島智信が通っていた高校の特定には至っていません。
小島智信の生い立ち③ 室蘭市内の高校は1年ほどで中退
北海道室蘭市内の高校に進学したという小島智信ですが、同級生の証言によれば、1年ほどで退学してしまったという事です。
「同級生によりますと、小島容疑者は１年ほどで高校を退学。その後の行方はわからなくなったといいます」
当時を知る同級生によると、高校中退後の行方はわからなくなったという事でした。
小島智信の出身地
生い立ちのところでも触れましたが、小島智信の出身地については「神奈川県川崎市」との情報が出ています。
この出身地に関する情報も北海道放送の「今日ドキッ！」で明かされたもので、小島智信の元交際相手やその他関係者による証言だという事です。
この女性などによると、小島容疑者は、神奈川県川崎市の出身。
なお、この元交際相手の女性は20代の頃に1年ほど小島智信と交際していたとの事ですが、交際中に小島智信から暴力行為を受けて、金銭や高級なブランド品を奪われた事なども明かしていました。
小島容疑者の元交際相手
「女の方が力弱いじゃないですか当たり前だけど。そういうのを逆手にとって脅してきたりもした（例えば？）きょうは後輩と飲みに行くから３万円よこせとか…私の部屋にあったブランド品とか勝手にどっか持っていってしまう。付き合ってはいたけど、ある時けんかをして、グーで殴られてもう頬がパンパンなるし…」
小島智信はこの元交際相手の女性などに、自身の出身地が神奈川県川崎市である事を明かしていたのだと思われます。
ただ、小島智信の裁判の様子を伝える記事には、小島智信の出身は室蘭市と記載されているため、幼少期を神奈川県で過ごした可能性はあるものの、その後北海道で過ごした時間の方が長かったものと思われます。
小島被告は北海道室蘭市出身。
引用：“ルフィ”広域強盗事件 グループ幹部の小島智信被告が明かす組織の実態 東京地裁 懲役20年の判決 | NHK | WEB特集 | 事件
小島智信の親などの家族
小島智信の両親など家族に関する情報は、現在のところあまり出ていません。
小島智信は北海道へはおそらく両親や家族と一緒に移住したのだと推測されますが、今現在小島智信の両親や家族がどのような生活をしているのかなどの情報も一切明らかにされていません。
小島智信は裁判の中で、家庭環境が良くなかったため高校を中退し働き始めたことを明かしており、家族間の不和など何らかの問題がある家庭で育ったものと思われます。
家庭環境がよくなかったことが原因だと話した。
引用：“ルフィ”広域強盗事件 グループ幹部の小島智信被告が明かす組織の実態 東京地裁 懲役20年の判決 | NHK | WEB特集 | 事件
小島智信は通名で本名は韓国名ではという憶測も
出典：https://www.honnonihohi.jp/
小島智信がフィリピンで拘束された際に撮影された写真で、「TOMONOBU SAITO」と名前が記載されたボードを持っています。
また、国内のテレビニュースなどの取材に対して、フィリピン当局は小島智信の事を「トモノブ サイトウ」と呼称しています。
こうした情報から、小島智信というのは実は通名で、本名は「サイトウ」ではないかと疑う声が多く出ました。
ネット上ではさらに発展し、「小島智信」も「サイトウ」も本名ではなく通名であり、本当は韓国籍（在日コリアンの方は通名を使用して生活している場合が多いため）ではないのかといった憶測まで飛んでいました。
小島智信は本名を齋藤に変えていた事が判明（通名ではなかった）
その後、テレ朝系列のニュース番組などが、小島智信は2017年頃に「小島」から「齋藤」に名前を変えていた事を明らかにしています。
小島智信が本名を変えたとの情報は、小島智信が利用していた中古のスマートフォンなどを扱う店の店員から得られたものだという事です。証拠として店でやり取りされた書類も示されています。
これは、小島容疑者が2017年に記入したと言う書類です。住所はさいたま市。生年月日や当時の年齢は小島容疑者と一致。一方で、苗字は「齋藤」になっています。以前まで「小島」だった身分証の表記が、この頃に、「齋藤」に変わったと言います。
この店員の証言によれば、小島智信は本名が変わった理由を「結婚したから」と語っていたといいます。
（小島容疑者が通っていた店の店員）
「身分証をいただく時に名前が変わっていた。「結婚したんですよ」って言うのを聞いた記憶があります」
しかし、後に小島智信は養子縁組により「齋藤」に名前が変わったとの情報も出ています。
小島容疑者は養子縁組をして一時、“サイトウ”姓を名乗っていたといいます。
結婚はしておらず養子縁組をしたという説が有力のようで、ネットで噂されている小島智信が通名を使用している在日韓国人とする説の信ぴょう性は低いと思われます。
小島智信の刺青
小島智信が、フィリピンから日本に強制送還された際の映像で、その両腕に刺青が入っている事にも注目が集まりました。
この小島智信の刺青については、過去に暴力団組織に所属していた頃に入れたのではないかとの見方が元暴力団関係者の方などから出ています。（竹垣悟さんのYouTubeチャンネルなどで語られている。後述）
小島智信の経歴① 闇金の事務所に勤務していたとの情報
小島智信の経歴についても断片的な情報しかわかっていませんが、それらの情報をまとめていきます。
北海道放送の取材を受けた、小島智信の元交際相手の女性によると、小島智信はこの女性と別れた後に、闇金融の事務所で働いていた時期があったようです。
この女性は、この闇金の社長から突然電話があり、「小島の実家を知らないか？」と尋ねられた事でその事実を知った話しています。この時のやり取りで、この女性は、小島智信がこの闇金の事務所にあった2000万円から3000万円もの金を盗んで逃亡している事などを聞いたという事でした。
小島容疑者の元交際相手 「私と別れてから、闇金の事務所で働きだしたのは聞いた。闇金の社長からあるとき私の携帯に電話があって『小島の実家知らないか？』と言われた。『事務所の金を全部持って飛びやがった』と言っていた。それはいくらぐらいだったのか？と聞いたら、確か2000～3000万円だった。それを経ての現在なので（犯行に及んでも）わからなくはない」
小島智信の経歴② 自営業でさいたま市に住んでいたとの情報も
2010年頃から数年間、小島智信と仕事上の付き合いがったという男性が、NHKの取材に答えています。
この男性によると、小島智信は「自営業でさいたま市内に住んでいる」と話していたようです。
小島智信容疑者は１９７７年生まれの４５歳。
渡邉容疑者など今回逮捕された３人と同様、幼少期は北海道にいたとみられています。
２０１０年ごろから数年間、仕事上のつきあいがあったという男性は職業は自営業でさいたま市内に住んでいると伝えられていたということです。
この男性は当時の小島智信の特徴についても証言しており、それによれば、当時の小島智信は、「一般の方ではない」とわかる見た目（暴力団関係者に見えるという意味だと思われる）だったが、粗暴ではなかったとの事でした。
そして、3000万円するような高級車に乗っていた事もあるなど、金に困っている様子はなかったとも話しています。
当時の小島容疑者について「見た目は一般の方ではないと分かる感じで、平日に時間が自由に使えるようだった。ただ、粗暴なことは一切なかった。車がとにかく好きで、３０００万円くらいするような車に乗っていたこともあった。金に困っている様子はまったくなかった」と話していました。
別の関係者からも、小島智信が東京の六本木でベントレー（数千万円する超高級車）に乗っていたとの証言が出ています。
（小島容疑者が通っていた店の店員）
「六本木でベントレーに乗っているのを見たことがある。東京タワーの近くで」
小島智信の経歴③ 山口組系の暴力団組織に所属していたとの情報も
小島智信の過去の経歴について、特定非営利活動法人「五仁會」代表で、指定暴力団山口組系の三次団体だった「義竜会」（既に解散）の元会長である竹垣悟さんが、自身のYouTubeチャンネルで話されています。
竹垣悟さんによると、小島智信は、昔、誠友会の遠藤総業で遠藤健児組長の若い衆をやっていたという事です。そして、この時に何らかの不祥事で処分をされたとの事です。
なお、小島智信が所属していたという「誠友会遠藤総業」とは、指定暴力団・六代目山口組の三次団体だった暴力団組織です。
ちなみに、竹垣悟さんは小島智信容疑者の本名が2017年頃から「齋藤」に変わっている事の真相についても話されています。竹垣悟さんによると、小島智信容疑者の本名が変わったのは結婚ではなく養子縁組によっての変更だったという事です。
ただし、動画では、竹垣悟さんは養子縁組で「齋藤」から「小島」に変わったと話されています。（ニュース報道では「小島」から「齋藤」に変わったとされていて逆）
これは単に言い間違いかもしれませんが、もしかしたら、小島智信はこの本名変更を利用して、犯罪の足がつきにくくするために「小島」と「齋藤」の2つの名前を使い分けていた可能性なども考えられます。
さらに、竹垣悟さんはこの動画の中で、小島智信の刺青についても言及されています。竹垣悟さんは小島智信の刺青について「七分袖の刺青が入っとうから、遠藤総業の若い時分に入れたやろと思う」と語られています。
小島智信の結婚や嫁や子供
小島智信が「結婚して名前を変えた」と話していたとの証言が出ている事から、小島智信の結婚や嫁、子供についても関心が高まっている様子です。
ただ、小島智信の結婚についての証言は、過去に小島智信が利用していた中古のスマートフォンなどを扱う店の店員が「結婚したと聞いた記憶がある」と語っている事のみです。
小島智信が本名が変わった事を怪しまれないように、適当に「結婚した」と話していた事も考えられますし、上でも触れたように竹垣悟さんは小島智信の名前が変わった理由は養子縁組だと話しています。
そのため、小島智信が結婚していたかどうか不明で、嫁や子供がいたといった情報も現在までに一切出ていないため、これまでにわかっている情報だけを見る限り、結婚はしておらず、嫁も子供もいない可能性の方が高いと思われます。
なお、「デイリー新潮」などの記事によれば、小島智信はフィリピンのカラオケ店（日本で言うところのキャバクラのようなお店）に勤める、滝沢カレンさんによく似た美女に入れあげており、店で大金を使い、高級品をプレンゼントし、結婚も申し込んでいたようです。
小島は夜な夜な彼女と同伴。鰻などの高級料理をご馳走したり、プレゼント攻勢を繰り返していた。
「2019年に当時の最上位モデルiphonX・MAXのゴールド（編集部注・64GBモデルで価格は12万4800円）も正規店で買ってもらった。高価なネックレスも」
そして、「一緒になろう」と口説かれたというのである。
引用：【最年長ルフィ】小島智信容疑者が“ガチ恋”したフィリピン人ホステスの告白「マンション買って一緒に住もうと言われたけど…」
小島智信の逮捕
小島智信は、フィリピンの入管施設「ビクタン収容所」に拘束されていましたが、一連の特殊詐欺事件や強盗事件との関連を疑った警視庁が逮捕状を取り、日本政府はフィリピン政府に小島智信容疑者らの引き渡しを求めていました。
そして、2023年2月8日、小島智信の身柄は現地入りしていた警視庁の捜査員に引き渡され、その後航空機で日本に向けて送還されました。
警視庁は2月9日の午前2時に、航空機が日本の領空内に入ったタイミングで、小島智信を、特殊詐欺事件などに関わる窃盗の容疑で逮捕しています。
警視庁は８日深夜、フィリピンの入管施設で拘束されていた渡辺優樹（３８）、小島智信（４５）両容疑者の身柄引き渡しを受け、日本への移送を開始した。警視庁は９日午前２時２０分過ぎ、羽田空港に向かう旅客機の機内で、特殊詐欺事件に関与したとする窃盗容疑で２人を逮捕した
小島智信は逮捕された後に2月9日未明に羽田空港に到着し、入国手続きを経て警視庁渋谷警察署に身柄を移送されています。この間、待ち構えた報道陣から質問を浴びせかけられる場面もありましたが、小島智信は終始無言でした。
小島智信の現在～裁判で懲役20年の判決
裁判で自身を組織の「雑用係」と語る
2023年2月に逮捕された小島智信は、2022年に起きた3つの強盗事件でフィリピンから実行役を勧誘して犯行を幇助したほか、2019年に現地から日本人を対象とした特殊詐欺に関与したなどとして起訴されました。
2022年10月に東京 稲城市の住宅に宅配業者を装った実行役が押し入り、住人の女性など3人に暴行を加えたうえ、現金およそ3500万円などを奪った強盗傷害事件。
2022年11月に山口県岩国市の住宅に実行役が押し入り、住人をカッターナイフで脅して金品を奪おうとした強盗未遂事件。
それに、2022年12月に東京 中野区の住宅に宅配業者を装った実行役が押し入り、住人の男性にけがをさせたうえ、現金およそ3200万円を奪った強盗傷害事件を、それぞれ手助けしたとされています。
小島被告はこのほか、共犯者と共謀して、警察官を名乗って電話をかけ、被害者から現金3800万円余りをだまし取ったとして詐欺の罪に問われているほか、金融庁職員などを名乗って電話をかけた9人の被害者から受け取ったキャッシュカードを使い、ATMから合わせて1500万円余りを引き出したとして、窃盗の罪にも問われています。
“ルフィ”事件とも呼ばれる一連の事件で起訴されたグループの幹部4人のうち、まず初めに小島智信の裁判が2025年7月に始まり、小島智信は初公判で起訴内容を認めました。
検察側は冒頭陳述で、「小島被告はグループの幹部で、金庫番として受け子の手配や経費の管理などをしていた」などと指摘。しかし、小島智信は自身について「雑用係」だったとして、幹部であることを否定しました。
ただ、ルフィ一味である藤田聖也が証人として出廷し、小島智信について「2019年10月ごろには、組織のナンバー2で金庫番となっていた」と証言しています。
小島智信はだまし取った金の回収役のトップを務めるようになり、固定給は月に200万円、成功報酬を含めると多いときで月に400万円以上を受け取っていたという事です。
組織のトップは渡辺優樹で、組織のメンバーが渡辺優樹と面会するには小島智信につないでもらう必要があったとの事で、小島智信は渡辺優樹への窓口役も担っていたようです。
ちなみに、組織のトップであり首謀者である渡辺優樹は“sugar”を名乗り、組織の中で中心的な役割を担っていた今村磨人が“ルフィ”を名乗っていたという事です。
捜査関係者によりますと、一連の広域強盗では、今村被告が中心的な役割を果たし、「ルフィ」や「ミツハシ」を名乗って実行役に指示を出していたとみられています。
特殊詐欺グループの首謀者とされた渡邉被告は「sugar」を名乗り、計画段階から関与したものの、強盗の指示を出す場面は少なかったとみられるということです。
藤田被告は「キム」を名乗って指示を出していたとみられています。
犯罪に加担した動機は借金返済のため
裁判の中で、小島智信は自身の経歴について、高校中退後は牧場で住み込みで仕事をするようになり、その後は職を転々としていた事を明かしています。
そして、40歳だった2018年の春に、知人からお金を借りて仮想通貨に投資したところ失敗して多額の借金を背負うことになり、特殊詐欺の電話をかける「かけ子」をして返済するようにもちかけられた事を明かしました。
高校を中退し、16歳から牧場に住み込んで馬の管理の仕事をするようになった。家庭環境がよくなかったことが原因だと話した。
その後は、日雇いの仕事など職を転々としていたが、40歳だった2018年春、知人から300万円を借りて仮想通貨に投資したところ、失敗して借金を背負い、フィリピンで特殊詐欺の電話をかける「かけ子」をして返済するよう迫られた。
そして、2018年の夏、小島智信はフィリピンに渡り「今井」という偽名を名乗って、渡辺優樹がフィリピンに作った特殊詐欺グループに加わったという事です。
「かけ子」としては、途中で話につまるなどして上手くできなかったという小島智信ですが、渡辺優樹に気に入られて雑用係をするようになり、その後「受け子」などを勧誘するリクルーターになるよう命じられたといいます。
小島智信は渡辺優樹に借金を肩代わりしてもらい恩義を感じていたとの事で、自身については「渡辺優樹の最高に使いやすいコマ」「雑用のエース」だったと語っています。
フィリピンでの車の免許を取得し、渡邉被告から直接指示を受けて、詐欺の拠点に使う物件探しなどにあたったのち、「受け子」などを勧誘するリクルーターになるよう命じられた。こうした中、小島被告は仮想通貨の投資で負った300万円の借金を渡邉被告に肩代わりしてもらったといい、「何を頼まれても実行しようと思っていた」と語るほど、恩義を感じていた。
渡辺優樹をトップとするグループは特殊詐欺による収入を増やしていき、2019年夏頃にマニラに12億円で7階建てのホテルを購入し、ここを特殊詐欺の拠点とするようになりました。
▽6階から7階に詐欺の電話をかけるオフィス
▽3階から5階に「かけ子」が寝泊まりする部屋
▽2階にレストランがあり、調理専門の人もいたということです。
ここではおよそ60人の「かけ子」が生活していましたが、2019年11月にフィリピン当局がこのホテルを摘発。小島智信は自宅にいて拘束を免れ、その後も拠点を移しながら特殊詐欺を続けていたという事です。
その後、2021年4月に渡辺優樹の誕生日を祝うためカジノに集まっていたところをフィリピン当局に拘束され、ビクタン収容施設に収容されました。
組織の幹部たちが拘束され特殊詐欺による収入は絶たれることとなりましたが、2022年3月頃から今村磨人は「ルフィ」を名乗って日本の実行役らに収容所から指示を出し、強盗事件を起こすようになります。
小島智信も渡辺優樹から実行役を集めるよう頼まれ、SNSで闇バイトの求人の投稿をしたり、知り合いの闇バイト求人業者に依頼したりしたといいます。
ただ、小島智信は起訴された3件の強盗事件について、計画の詳細は知らされておらず報酬も受け取っていないと主張しています。
裁判で「たくさんの被害者を生んだことを後悔し、反省している」と謝罪し、組織の内情を明かした理由については「財産をすべてフィリピン当局に没収されて、被害者に弁済することができない」として自身の贖罪だとも述べました。
一審で懲役20年の判決
裁判で検察は小島智信について「強盗だと明確に認識して継続的に実行役を勧誘していて、一連の事件で重要な役割を果たした」と主張。一方、弁護側は「特殊詐欺事件と強盗事件のいずれも関与が低い」と主張しました。
2025年7月23日、小島智信の刑事責任は相当重いと判断され、懲役20年の判決が言い渡されました。
検察が懲役23年を求刑した一方、弁護側は「強盗計画の詳細は聞かされておらず、強盗組織での存在は大きくなかった」として懲役11年が妥当だと主張しました。
23日の判決で東京地方裁判所の板津正道裁判長は「被告は闇バイトに応募してきた人を実行役として複数回紹介した。指示役が連続的に強盗事件を起こすためには実行役の継続的な確保が必要で、被告が果たした役割は非常に重要だ。強盗の情報を事前に詳しく知らされていなかったことを踏まえても、刑事責任は相当重い」と指摘しました。
小島智信はこの判決を不服として東京高裁に控訴しています。
まとめ
今回は、2018年頃から発生している特殊詐欺事件や、2022年から2023年にかけて発生した連続広域強盗事件を起こした犯罪グループの幹部の1人である小島智信についてまとめてみました。
小島智信の生い立ちについては、1977年12月10日の生まれで、出身地は神奈川県川崎市との情報が出ています。その後、子供時代に両親ら家族と北海道へと移住し、後志地方の寿都町の中学校を1993年3月に卒業し、室蘭市内の高校へ進学したものの1年ほどで退学した事などがわかっています。
小島智信の現在の本名は「齋藤」だとの情報も出ており、通名を使っているのではとの憶測も出ているようです。これについては、養子縁組で2017年頃に本名が変更されているためのようです。
小島智信は両腕に刺青が入っており、これは若い頃に暴力団組織に所属していた頃に入れられたものではとの推測が出ています。
小島智信の経歴についても情報が少ないのですが、闇金融の事務所で勤務していた経歴や、暴力団（元山口組系の3次団体「遠藤総業」ではとの情報が出ている）に所属していた経歴、自営業を名乗り東京六本木で数千万円の車を乗り回していた経歴などがあるようです。
小島智信は結婚して本名を変えており嫁や子供がいるとの噂もあるようですが、これについては信ぴょう性は高くない情報です。
小島智信は、2023年2月8日にフィリピン政府から身柄を引き渡され、9日に窃盗容疑で警視庁に逮捕されています。その後起訴され、裁判では借金返済のために犯罪に手を染めるようになったことを明かしています。2025年7月に懲役20年の判決を言い渡されましたが控訴しており、今後の動向にも注目が集まっています。
