2022年9月に起こった旭川BB弾トラブル殺人事件の犯人の川口和人はなぜ被害者夫婦を殺傷したのでしょうか?事件の概要や川口和人の生い立ちや実家・家族、経歴、顔写真や結婚の有無、被害者の金澤孝雄との口論経緯や動機、現在をまとめました。
この記事の目次
川口和人は旭川BB弾トラブル殺人事件の犯人
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川口和人は旭川BB弾トラブル殺人事件の犯人です。
2022年9月20日に、北海道旭川市で当時56歳の川口和人が30代の金澤孝雄さんを刺し殺し、金澤さんの妻に重傷を負わせる事件がありました。
その日の午後に金澤孝雄さん夫婦の小学生の娘が、川口和人の家にBB弾を投げ入れたことでトラブルが起こり、そこから殺人事件に発展しています。
「小学生がBB弾を家に投げ入れた」という子供のイタズラをきっかけに起こった殺人事件ということで、この事件と犯人の川口和人は注目を集めています。
川口和人が犯人の旭川BB弾トラブル殺人事件とは
旭川BB弾トラブル殺人事件は、2022年9月20日北海道旭川市末広3条7丁目の川口和人の自宅前で起こりました。
小学5年生がBB弾を投げ入れる
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2022年9月20日の午後、被害者夫婦の娘である小学5年生の長女は、友人と下校中に川口和人の自宅前でBB弾を拾い、川口和人の玄関前に投げつけました。
この時、BB弾はあくまで「投げた」だけで、「撃った」わけではありません。
川口和人がそれを注意
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川口和人は、小学生女子が自宅に向かって何かを投げているのを自室にある防犯カメラのモニターで見ました。
自宅に石を投げられていると思い、「お前ら、何をやってるんだ!」と外に出て小学生女子2人に大きな声で注意します。
そして、被害者長女の友人のカバンを蹴りました。この時、中の水筒が凹んだとのことですから、強い力で蹴ったようです。(ただし、川口和人は荷物を跨ごうとして、足が当たったと主張)
長女の証言では「ごめんなさい、すみません」と何度も謝ったそうですが、川口和人は2人に名前と住所、電話番号、学校名、先生の名前をノートに書かせました。(ただし、川口和人は謝罪はなかったと主張)
被害者夫婦が川口和人の家を訪ねる
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被害者長女は帰宅後に母親に川口和人に注意されたことを話し、被害者夫婦は午後6時ごろに川口和人の自宅を事実確認と謝罪のために訪れました。
知らない男性(被害者の金澤孝雄さん)が訪ねてきたのを見た川口和人は、護身用のナイフを右ポケットに入れて対応しました。金澤孝雄さんが「住所を書かせるほどのことなんですか?」など事情を聞いていましたが、騒ぎを聞きつけた隣人が出てきて、仲介に入ります。
・被告とAさんは1メートルほど離れて向かい合っていた
・2人に「やめましょう、やめましょう」と声をかけた
引用:「やめてー」刺された夫に覆いかぶさる妻にナイフを振り下ろす 子どものBB弾めぐるトラブルで刺殺 58歳の男を止めに入った隣人が証言(HBCニュース北海道) – Yahoo!ニュース
しかし、口論は収まることはなく、川口和人が被害者の金澤孝雄さんを突然刺しました。
口論になり、川口和人が被害者夫婦を刺す
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川口和人が金澤孝雄さんをナイフで刺した後、隣人が川口を後ろから羽交い絞めにしましたが、力が強く止めることができず、川口は金澤孝雄さんを何度も刺し続けました。
その光景を見た金澤孝雄さんの妻は、大きな声で「やめて~」と言い、金澤孝雄さんに覆いかぶさります。すると、川口和人は金澤さんの妻の背中を刺しました。(隣人の証言)
金澤さんの妻の証言では、金澤孝雄さんが刺されたのを見た妻が川口和人さんに体当たりして座り込んだところ、背中を刺されたとのことです。
川口和人は「全員ぶっ殺してやる」と言いながら、金澤孝雄さんを20ヶ所くらい刺し続けました。
検察は「刺し傷は20か所にも及び、死亡する危険を認識していながら刺し続けた、残忍な犯行」と指摘
金澤孝雄さんは首や胸を刺されて死亡、その妻は背中を刺されて重傷を負いました。川口和人は自宅に戻り、隣人の通報で逮捕されています。
川口和人の生い立ち
北海道旭川市で生まれました。川口和人は、2022年の事件当時56歳、2023年11月で58歳になっていますので、1965年生まれと思われます。
小学生までは怒りっぽく衝動的な性格をしていましたが、社会性障害や発達障害などはありませんでした。
また、高校は電気科でしたので、北海道旭川工業高校か旭川実業高校を卒業しています。高校ではトップクラスの成績でした。
子供の頃から現在まで、うつ病や躁鬱病(双極性障害)、統合失調症などの既往はありません。
川口和人の実家・家族
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川口和人の実家は、北海道旭川市末広3条7丁目にあります。被害者夫婦の自宅から200mほどの距離にありましたが、顔見知りではありませんでした。
川口和人は実家に4人で住んでいました。
・川口和人
・父親
・母親
・姉
しかし、姉は川口和人とトラブルになり、2021年に実家を出ています。また、母親は2022年に入院していたため、事件当時は川口和人は実家で父親と2人暮らしでした。
川口和人の経歴
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川口和人は高校卒業後に自動車関連など、複数の会社で勤務しました。就職していたころは実家を出ていたようです。
また、勤務態度はまじめででした。
・大人になってからは、まじめで勤勉
・自動車関連など、複数の会社勤務
しかし、2012年に実家に戻りますが、それ以降は就職活動ははかどらず、事件当時の2022年は無職でした。
2012年当時、川口和人は46歳。なぜ、前職を辞めたのかは不明ですが、よほどの経験と専門性のある高いスキルがある人でないと、46歳からの転職は厳しいでしょう。しかも、都心ではなく、地方都市ですから、仕事は限られます。
46歳からずっと実家暮らし。しかも就職活動ははかどらず、事件当時56歳無職。川口和人は「子供部屋おじさん(こどおじ)」だったと言えます。
ただ、生活態度・近所づきあいには特にトラブルはありませんでした。近所の人は、川口和人について、次のように語っています。
・会ったら挨拶をする
・事件前はいい人だと思っていた
・感じのいい人
・お父さんとお母さんと普通に暮らしていた
・普通の温厚な人に見えました
・母親たちとも仲良くて、大声を出したりなんていうのは聞こえない
・(事件を聞いて)事件に巻き込まれたと思った
・(事件を聞いて)刺したというより刺されたと思った
この近所の人の評判を見ると、川口和人は無職だったものの、近所の人とはうまくやっていて、トラブルを起こしたり、激高して大声を出すようなタイプではなかったようです。
川口和人の顔
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川口和人の顔写真は、逮捕されて旭川中央署から移送される時のものだけで、真正面を向いた顔写真は公開されていません。
逮捕後に移送される時の顔を見ると、メガネをかけていて、真面目で実直そうな印象を受けます。もちろん、殺人を犯している以上、真面目だろうと何だろうと、そんなものは関係ないのですが・・・。
被害者の金澤孝雄さんの顔写真は公開されています。また、X(旧Twitter)のアカウントも特定されています(現在非公開@0tekatyu0)。金澤孝雄さんは32歳と若く、明るい茶髪でやんちゃ系のルックスをしていたために、被害者夫婦はDQNだったとインターネット上で言われるようになってしまいました。
川口和人の顔写真が真面目で実直そうなものだったために、その対比が目立ってしまったのでしょう。
川口和人は結婚している?
川口和人は事件当時、実家で父親と2人暮らしでしたので、結婚はしていないものと思われます。ただ、過去に結婚歴があるかどうかは不明です。
2012年に実家に戻ってきていますので、その前には結婚していた可能性はあります。子供がいた可能性もゼロではありません。
ただ、2012年以降は実家で両親や姉と暮らしていて、近所の人から「妻や子供が訪ねてきた」のような証言はありませんので、結婚歴があったとしても、事件当時は独身だったと思って良いでしょう。
川口和人に殺害された被害者夫婦・金澤孝雄は謝罪ではなく文句を言いに行った?
川口和人が起こした旭川BB弾トラブル殺人事件は、小学生女子が落ちていたBB弾をいたずらで川口和人の家に投げ入れ、それに起こった川口が小学生女子を叱りつけ、名前や住所を聞きだしました。そして、小学生女子からそのことを聞いた被害者夫婦は、川口和人に謝罪のために訪れたところ、口論になり川口に刺されたという事件です。
長女がBB弾を投げたことの謝罪と事実確認のため被告の家に行った
引用:12歳の長女が証言「何度もごめんなさい」「算数のノートをちぎって住所などを書かされた」敷地に放り込まれたBB弾に激高 30代夫婦を殺傷した男の裁判 | TBS NEWS DIG (4ページ)
謝罪のために訪れた被害者夫婦を刺し殺すなんて、川口和人は極悪人であると思ってしまいます。弁護側が「危害を加えられると勘違いし、恐怖で精神障害を引き起こす」と主張しても、そんなわけはないと考えてしまいますよね。
しかし、実は被害者夫婦は謝罪に行ったのではなく、「文句を言いに行った」可能性が浮上してきました。あくまでも被害者夫婦に非があるわけではなく、ナイフで人を刺し殺した川口和人が悪いのですが、この事件が起きた直後の報道が真実だとしたら、情状酌量の余地は出てきます。
被害者夫婦は「文句を言いに行った」との報道あり
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旭川BB弾トラブル殺人事件が起こった直後の報道では、被害者夫婦の親族は「文句を言いにいった」とインタビューで答えていました。
親族の男性:「小学校5年生の娘が学校の帰りに川口容疑者にいちゃもんをつけられました。それを両親に話したことで川口容疑者のところへ文句をいいにいったらしい。」
引用:旭川の女子小学生、拾ったBB弾をイタズラで他人の家に投げただけなのに家主に父親を殺されてしまう – ニュース速報α
この記事は、被害者夫婦への配慮のためか、すぐに訂正・削除されました。
「謝罪にいった」と「文句を言いにいった」というのでは、かなり印象は異なりますよね。被害者夫婦としては、BB弾を家に投げたくらいで子供のカバンを蹴り、名前や住所を聞くのはやりすぎではないか?と考えた気持ちはわかります。
しかし、「文句を言いに行った」というのは、やっぱり印象は悪いです。この「文句を言いに行った」ということを裏付ける近所の人の証言があります。
近所の人:「最初は女性の怒鳴るような声だった。それから『ぎゃーぎゃー』という声が聞こえて外に行ったら男性が倒れていた。」
女性の怒鳴るような声というのは、おそらく被害者の金澤孝雄さんの妻の声でしょう。近所の人が犯人の川口和人の怒鳴り声や女性の悲鳴を聞いたのではなく、女性の怒鳴るような声を聞いたというのであれば、やはり被害者夫婦は川口和人に文句を言いに行き、最初からけんか腰だったのかもしれません。
もちろん、それでも被害者夫婦を刺した川口和人の罪は変わらないのですが・・・。
川口和人に対する近所の人の評価
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川口和人が被害者夫婦を刺したことは間違いありません。ただ、被害者夫婦が文句を言いに行ったことで、トラブルに発展してしまった可能性は否定できません。
近所の人の証言では、川口和人はトラブルを起こすタイプではありませんでした。
事件の一報を聞いて、「川口和人が刺された」と思っていたということは、川口和人は日ごろは温厚で人を刺すような犯罪者とは真逆のタイプだと近所の人に思われていたということになります。
川口和人の動機
川口和人が被害者夫婦を刺し殺した動機は、一体何だったのでしょう?
精神鑑定をした鑑定医の証言によると、恐怖から急性ストレス反応が起こり、恐怖から逃げたいという思いから犯行に及んでしまったようです。
・Aさんの風貌に強い恐怖感、恫喝され、強く逃げたい思い
・恐怖と怒りが入り混じっていたが、どちらかといえば恐怖
・最初にナイフで突き刺した後、大部分の記憶がない
・急性ストレス反応(弁護側も主張)の可能性
となると、最初から殺意があったり、計画的な犯行ではないということになります。
ただ、1つ気になるのは川口和人の精神状態です。精神鑑定では特別な障害はなかったということですが、「防犯カメラ」の存在が気になります。
この時代、防犯カメラをつけている家は少なくありません。しかし、ただ録画をしているだけで、リアルタイムで防犯カメラの映像をチェックしている人はほとんどいないのではないでしょうか?
しかし、川口和人は自室でリアルタイムで防犯カメラの映像をチェックしていました。
だから、小学生女子がBB弾を投げたことにも気づいたし、被害者夫婦が来た時も防犯カメラに車が映ったことに気づき、金澤孝雄を見て「かなり怖い感じ」と思ったのです。
このことから、川口和人は自宅にいる時は基本的に防犯カメラの映像をリアルタイムでチェックしていたということになります。
これって、普通のことではないですよね。川口和人は防犯カメラをリアルタイムでチェックしなければいけないほど日ごろから何らかの被害を受けていたのか?それとも、被害妄想が強く、「何者かに狙われている」のような妄想を持っていたのか?そのどちらかの可能性があります。
だから、文句を言いに来た被害者夫婦を見て、強い恐怖を抱き急性ストレス反応が起こってしまったのかもしれません。
川口和人の現在…懲役25年の判決
川口和人は2023年12月1日に、旭川地裁で懲役25年の判決を受けました。
【旭川】自宅を訪ねて来た夫婦を殺傷したとして、殺人と殺人未遂の罪に問われた旭川市末広3の7、無職川口和人被告(58)の裁判員裁判判決公判が1日、旭川地裁であり、小笠原義泰裁判長は求刑通り懲役25年の判決を言い渡した。
検察は懲役25年を求刑していましたので、求刑通りの判決ということになります。弁護側は過剰防衛であり、殺意はなかったと主張していましたが、検察側の「被害者が大量出血しながらもためらいなく刺し続けた残忍な犯行」という主張が認められた形になります。
川口和人のまとめ
旭川BB弾トラブル殺人事件の概要や川口和人の生い立ちや実家と家族、経歴、顔写真や結婚の有無、被害者(金澤孝雄)夫婦との口論や動機、現在をまとめました。
今後、川口和人や被害者遺族は控訴するのかどうかなどに注目していきたいです。