2chで怖い話・都市伝説を扱うオカルト版スレで人気の「ヒッチハイク」ですが、映画化も決定し再び脚光を浴びています。
今回はヒッチハイクのあらすじと元ネタの考察、海外で実際に起きた事件2つ、映画情報もまとめてみました。
この記事の目次
- ヒッチハイクは2ch発の都市伝説(怖い話)
- ヒッチハイクを輩出した2chの洒落怖とは
- ヒッチハイクを輩出した2chの洒落怖(怖い話や都市伝説)が人気の理由とは
- ヒッチハイクを輩出した2chの洒落怖で有名な都市伝説は「きさらぎ駅」
- ヒッチハイクを輩出した2chの洒落怖の利用者が減少している理由とは
- ヒッチハイクの主な登場人物
- ヒッチハイクのあらすじ① 大学卒業後の夏に旅を計画
- ヒッチハイクのあらすじ② キャンピングカーに乗ったおかしな家族に遭遇
- ヒッチハイクのあらすじ③ 山に連れ込まれる
- ヒッチハイクのあらすじ④ 逃亡するも家族に追いかけられる
- ヒッチハイクのあらすじ⑤ トイレから女の子の泣き声
- ヒッチハイクのあらすじ⑥ 謎の言葉を残し一家は去っていった
- ヒッチハイクのあらすじ⑦ コンビニに戻るも店長と話しが食い違う
- ヒッチハイクのあらすじ⑧ ボロボロになったキャンピングカーを発見
- ヒッチハイクのあらすじ⑨ 運転手から聞いたヤバイ事実
- ヒッチハイクの元ネタを考察
- ヒッチハイクで本当に起きた事件① 1982年 アメリカでの事件
- ヒッチハイクで本当に起きた事件② 1992年~93年 オーストラリアでの事件
- ヒッチハイクは映画化されている
- まとめ
ヒッチハイクは2ch発の都市伝説(怖い話)
出典:https://bunshun.jp/
ヒッチハイクとは、2ch(現在は5ちゃんねる)のオカルト版スレッド「洒落怖」から誕生した怖い話です。
数多くの都市伝説や怖い話の中でも、ヒッチハイクは「最怖」、「殿堂入り」とも呼ばれ、眠れない夜を過ごしたネット民も多いとのこと。
ヒッチハイクが2chに投稿されたのが2009年12月24日のことなので、かなりの年月が経過していますが、現在も人気が続いており、2023年7月には映画化が予定されています。
ヒッチハイクを輩出した2chの洒落怖とは
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2ch洒落怖のキャッチコピーは「死ぬほど洒落にならないほど怖い話」で、身の毛もよだつ都市伝説や怖い話が多数輩出されてきました。
洒落怖に書き込まれる話は、実体験や伝聞、都市伝説、史実、創作などジャンルや真偽を問わずなんでもありで、怖い話を集めることを目的にしていたようです。
ヒッチハイクを輩出した2chの洒落怖(怖い話や都市伝説)が人気の理由とは
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スレッドを展開する中で、投稿主と2chユーザーの質疑応答が挟まれたり、リアルタイムに現場で投稿がなされるなど、恐怖に対するリアリティが増します。
また、投稿を読んだ2chユーザーが「そう言えば」と、別の怖い話を投稿し始めるといったように、掲示板特有の雰囲気がありました。
単に怖い話だけではなく、幽霊と気持ちを通わせて絆を深めるような泣ける作品もあり、幅広いストーリーを読めるという点も人気の要因となりました。
なお、世に出回っている作品のタイトルは、2chの中で投稿者が付けるのではなく、基本的にまとめサイトの管理者が命名したものが大半です。
ヒッチハイクを輩出した2chの洒落怖で有名な都市伝説は「きさらぎ駅」
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洒落怖における有名作品として知られるのが「きさらぎ駅」。投稿されたのが2004年1月8日だったので、約20年前の作品です。
投稿主は「はすみ」は、電車を利用していつものように帰宅したはずなのに、存在していない無人駅に降り立ってしまったことをリアルタイムで2chに投稿してきました。
はすみによると、静岡県浜松市を走る遠州鉄道の新浜松駅から電車に乗ると、なぜか乗客は皆眠りにつき、20分以上も停まらず列車が走行し続けるという異常事態が起きていたそう。
電車が停まったので、はすみがホームに降りてみると、駅名は「きさらぎ駅」と記載されていて、ひとけはなく、駅を出ても山と草原しか見えないと訴えます。
その後も、どうにかして帰宅したいはすみと、リアルタイムにスレッドを追いかけていた2chユーザー間でやり取りが進んでいきました。
しかし、午前3時44分の書き込みを最後に、はすみが再び登場することはなく、「きさらぎ駅」は都市伝説と化しました。
この話には後日談があるのですが、気になる方はネットで物語の顛末を読んでみてくださいね。
なお、この作品は映画化されています。
ヒッチハイクを輩出した2chの洒落怖の利用者が減少している理由とは
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これまでに数々の作品を輩出してきた洒落怖ですが、文春オンラインの記事によると、2005年あたりで利用ユーザーが最高潮になってからは、2012年頃から明確に減少しているとのこと。
この理由について、文科人類学者の廣田龍平さんは「投稿される怖い話がマンネリ化し、次第に新しい話を投稿する人が減っていった」と語っています。
この人気の陰りを反映するかのように、2002年にスタートした洒落怖のまとめサイトは2018年に閉鎖されました。
また廣田龍平さんは、これらの怖い話を投稿してきた人達が2chから創作前提の「小説家になろう」や「SCP」などへ流出していることも指摘しています。
ヒッチハイクの主な登場人物
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ヒッチハイクの主人公は投稿主の「俺」で、大学卒業後も就職が決まらずブラブラしています。
もう1人の登場人物は大学時代の悪友のカズヤ。女癖が悪く、いつも下ネタばかり言ってくる陽気な性格の人物です。
投稿主によると、事件は7年前に起きた怖い話であることを説明しています。スレッドが立ったのが2009年12月24日なので、2002年頃の話であるようです。
2002年に大学を卒業しているのであれば、当時の年齢が23歳頃、投稿主は30歳頃にスレに投稿したということになりますね。
ヒッチハイクのあらすじ① 大学卒業後の夏に旅を計画
ここからは、ヒッチハイクの内容を紹介します。かなり長い書き込みなので、時系列に沿ってあらすじを見ていきましょう。
ヒッチハイクの目的はナンパだった?
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大学を卒業した夏、投稿主は家でダラダラしていたところ、カズヤと「日本をヒッチハイクで横断しよう」という話になり、2人で計画を立てることに夢中になりました。
おおまかな予定は、まず北海道まで飛行機で渡り、そこからヒッチハイクで南下していくというもの。
カズヤは、旅先で知り合った女性と隙あらば体の関係を持つことを目的としていました。もちろん投稿主も「チャンスがあれば…」と考えていたと記載しています。
投稿主はアルバイトを辞めて旅の準備を行い、3週間後にカズヤと共にヒッチハイクのスタート地となる北海道に飛び立ちました。
慣れない移動に疲れた投稿主は疲労感を覚え、初日は札幌市内のホテルにチェックインして休むことに。
一方のカズヤは、夜の街に消えていき、翌朝待ち合わせの場所に行くと、笑顔でオッケーサインを見せて、昨日のナンパが上手くいったことを報告してきました。
そして、いよいよヒッチハイクが始まり、試行錯誤をする中で、昼よりも夜の方が車が停まってくれる確率が高いことがわかってきます。
お礼として長距離トラックの運転手にはタバコを、普通車の一般人には飴などのお菓子を渡すようにしていたんだとか。
4日目には本州に入り、その地域のグルメに舌鼓を打ったり一期一会の出会いを楽しむなど、ヒッチハイクの前半は想像よりも良いものだったと投稿主は言います。
しかし、2人はその後、決して忘れることができない恐ろしい目に遭ってしまうのです。
ヒッチハイクのあらすじ② キャンピングカーに乗ったおかしな家族に遭遇
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うだるような暑さが続くある日の夜、寂れた国道沿いにあるコンビニエンスストアの前で、それまで乗っていたトラックから降りて、次の乗り継ぎ先を探すことに。
投稿主とカズヤは、30分交代と時間を決めて、国道沿いで乗せてくれる車を探したのですが、なかなか車は停まってくれません。
周囲に何もないので休憩の30分間はコンビニで涼んでいたところ、店主から事情を聞かれ、正直に事情を話すと「見つからなかったら俺が市内まで送ってやるよ」と申し出てくれたそう。
投稿主は「田舎は優しい人が多いな」と感激しながら国道に佇んでいると、家族を乗せた1台のキャンピングカーが停まり、運転手はすぐに快諾してくれました。
しかし、これが悪夢の始まりでした。
外にいた時は暗くて車内の様子が分かりませんでしたが、投稿主はカズヤと車に乗り込んですぐに「この家族はヤバイ」とピンとくるものがあったといいます。
車に乗っていたのは4人家族で、運転していたのは60代くらいの父親。名前を「聖(セント)ジョージ」と名乗り、カウボーイハットを被っているのになぜかスーツを着ていたそう。
その妻と思われる女性は70代ぐらいに見える姿で、真っ白なウェディングドレスにも見えるサマードレスを着用し、顔を真っ白に塗りたくり、なんだかコントを演じる芸人のようでした。
女性は自身の名前を「聖(セント)ジョゼフィーヌ」と名乗りました。
そして、その息子2人は双子で40代くらい。名前は「青」と「赤」。同じ顔立ちに同じファッション、同じタイミングでコーラを同じくらいの量を飲み、全くしゃべらなかったそうです。
ヒッチハイクのあらすじ③ 山に連れ込まれる
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なんとも異様な雰囲気を纏った家族に対し、危機感を覚えた投稿主はカズヤに目配せして、適当な場所で降りようと必死に伝えました。
カズヤも同じことを考えていたようで、車に乗って15分が経過した頃にカズヤは「ありがとうございます。そろそろこの辺で結構ですので」と切り出したのです。
すると父親は「せっかくだから晩飯を食べていけ」と下車を拒否。投稿主は「深夜2時で晩飯もなにもないだろう」と心の中でツッコミをいれています。
さらに母親は「今日と明日はクマが出るから駄目だ」とよくわからないことを言ってきたそう。
父親はその後もベラベラと話しかけてきて、返答に困っていると突然キレて「聞こえてんのか!」と激怒。双子の息子はこれを見てゲラゲラ笑っていたといいます。
車は車道から山道に入っていき、さらに30分間走り続け、小川がある開けた場所でようやく停車して、「着いたぞ」と下車するよう促されました。
外に出ると、焚火をしている男性がおり、投稿主は「まだ他にも仲間がいたのか」と絶望的な気分に。
焚火をする男性を見ると身長が2m近くあり、頭にはテンガロンハット、服装はスーツという謎の恰好で、ミッキーマウスマーチを口ずさみながら、動物を解体しています。
毛に覆われていて何の動物なのかよく見えなかったのですが、大男の周囲に鍋などの料理道具が並べられているので夕食を作っていることがわかりました。
投稿主は「一体俺たちに何を食べさせるつもりなんだ」と、恐怖しか感じなかったそうです。
ヒッチハイクのあらすじ④ 逃亡するも家族に追いかけられる
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ミッキーマウスマーチを口ずさむ大男と奇妙な家族がどういった関係なのかわからなかったものの、危ない雰囲気だけは十分に伝わってきます。
大男は解体していた謎の動物を鍋に放り込み、手際よく料理を開始。家族4人は焚火を囲んで団欒のひと時に入っていきます。
カズヤが突如「あの、俺らしょんべんしてきますね」と森の茂みを指さしました。
これは逃げようというサインだと感じた投稿主は、キャンピングカーのあたりまでゆっくり歩き、車の陰になったところで脱兎のごとく走り出しました。
彼らはすぐに2人の逃亡に気が付き、大きな声をあげているのが聞こえてきましたが、投稿主とカズヤに振り返る余裕はありません。
荷物を入れたリュックを車に置きっぱなしであることに気が付きましたが、幸い財布と携帯電話はポケットに入っていました。
走り続けて約1時間が経過し、「さすがにあの家族もここまでは追ってはこないだろう」と、倒れた古い木に腰かけて休憩をすることに。
うとうとして目が覚めると、うっすら明るくなっています。投稿主が周囲を見渡すと、カズヤが落ちていた棒を握りしめて険しい表情を見せていました。
カズヤは「起きたか。何か聞こえないか?」と、周囲を警戒して見渡しています。投稿主がじっと耳を澄ませてみると、かすかにミッキーマウスマーチが。
あのテンガロンハットの男と、キャンピングカーで会ったおかしな一家が追いかけてきていることに気が付いた2人は再び猛ダッシュ。
20分程走ると、木々の隙間から街並みらしき景色が見えるようになり、相変わらずひとけはないものの、朝日が出てきて周囲が明るくなってきました。
ふいにカズヤが「腹が痛い。トイレ行きたい」と訴えたため、古い駐車場の一角にあったトイレで用を足すことにしました。
ヒッチハイクのあらすじ⑤ トイレから女の子の泣き声
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カズヤがトイレに入っている間、投稿主はドアの前に立って周囲に注意を払います。
すると、個室の中にいるカズヤから「なあ、隣の女子トイレだと思うんだけど女の子の泣き声が聞こえないか?」と怯えた問いかけが。
投稿主もその声が聞こえ、正直気味が悪いと感じていました。なぜなら、明け方の時間帯の寂れた駐車場で女の子が泣いているという状況はただごとではないからです。
意を決して投稿主が「すみません。どうしましたか?」と女子トイレに向かって話しかけると、確かにすすり泣きが聞こえてきます。
やはり、何かが起きていると直感し「体調が悪いんですか?大丈夫ですか?」とさらに問いかけると、ますます泣き声が激しくなるばかり。
その時、駐車場に続く道から車の音が。投稿主は確信を持って「カズヤ出ろ!」と声を張り上げました。と言っても、身を隠す場所はトイレの裏側しかありません。
2人がトイレの裏側でジッと息を殺していると、あのキャンピングカーが駐車場に停車し、大男と家族がこちらに向かってくる足音が聞こえてきたのです。
ヒッチハイクのあらすじ⑥ 謎の言葉を残し一家は去っていった
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トイレの裏側の茂みは人が1人立つのがやっとの狭さで、その後ろは5メートルくらいの崖になっています。
いざとなったら飛び降りようと悲壮な決意を固めると、キャンピングカーから出てきたあの父親と双子2人の声がトイレから聞こえてきました。
父親は用を足しながら「やあ、気持ちが良いな。ハレルヤ―」と歌い始め、ご機嫌な様子。
また、女子トイレに入ったと思われる母親の「紙がない!」という声も聞こえてきました。
女子トイレからは相変わらず女の子の泣き声が聞こえてくるのに、キャンピングカーの家族は少しも気に留める様子はありません。
さらに、ミッキーマウスマーチを口ずさむ声まで聞こえてきて、今度はテンガロンハットの大男までトイレにいるようです。
そのうち、激しく続いていた女の子の泣き声はピタリと止まり、大男と家族の話し声も少しずつ遠ざかっていきました。
聞こえてきた会話では、大男の「ここだったよなあアアアア!」、父親と母親が「そうだそうだ」、「罪深かったね」と返すと、大男は「泣き叫んでいたなあアアアア」と大笑い。
投稿主には何の話なのかが全くわかりませんでしたが、何はともあれ一家は車に乗ってそのまま走り去っていったのです。
完全に車の気配が消えた後で、投稿主が女子トイレに飛び込んでみると、個室のドアは全て壊されていて、人が忍んでいる気配はありません。
一体、女の子はどこへ消えてしまったのかと愕然としていると、後ろに続いたカズヤは「女の子は最初からいなかったんじゃないのか?」と幻聴だと無理に納得しようとしているようでした。
投稿主は「そんな馬鹿な。幻聴ではない」という気持ちがありましたが、今は市内に戻ることだけを考えるようにして、無言で山を下り、ようやく国道に出ることができたのです。
ヒッチハイクのあらすじ⑦ コンビニに戻るも店長と話しが食い違う
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2人は国道からヒッチハイクをして、昨夜立ち寄った例のコンビニエンスストアで降ろしてもらいました。
まだ店長が勤務していたので、店を出てからの顛末を話したのですが、店長は首をかしげて怪訝そうな表情を浮かべています。
店長によると、昨夜2人は急に店の外に出て国道を歩き始めたので、「遅い時間だから」と慌てて止めたのだといいます。
ところが、2人は一切返事をせず黙々と歩いて行ってしまったので、店長は「心配したのに。もう勝手にしろ」と店に戻ったんだとか。
2人は「そんなはずはない」と説明するも、お互いに話が嚙み合わず、結局店を出てヒッチハイクを再開することにしました。
ヒッチハイクのあらすじ⑧ ボロボロになったキャンピングカーを発見
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2人が再び国道でヒッチハイクをすると、すぐにトラックに乗せてもらえました。
カズヤは安心して泥のように眠っています。ただ、投稿主は目を閉じても眠ることができず、窓の外をぼんやりと眺めていました。
すると、あるものが目に飛び込んできて、投稿主は「すみません!車停めてください。5分で済みますから。お願いします!」と叫んだのです。
その剣幕に驚いた運転手は、しぶしぶ路肩にトラックを停めてくれました。運転手にお礼を言って、車から降りた投稿主が駆け寄ってみると、停まっていたのは朽ち果てたキャンピングカー。
昨日乗ったのと同じ車体で、投稿主は「1晩で古びてボロボロの状態になるなどありえない」と思いつつも、直感があの車だと告げています。
思い切って錆びたキャンピングカーのドアを引いてみると、中はひどい異臭が。そして、2人が車に置いてきてしまったリュックが無造作に置かれていたのが目に飛び込んできたのです。
リュックの中を見てみると、荷物は車同様に何十年も使ったかのような状態になっていたそう。
いつの間にか、後ろにカズヤが立っていて「どういうこと?」と茫然自失状態。
理解ができないまま、気味が悪いという気持ちが勝ってしまい、2人は扉を閉めてトラックに戻りました。
ヒッチハイクのあらすじ⑨ 運転手から聞いたヤバイ事実
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トラックに戻ると、運転手の顔が引きつっていて「なあ、俺の見間違いかもしれないけど、あのキャンピングカーにお前ら以外に人いなかったよな?」とおかしな質問をぶつけてきたのです。
さらに「カウボーイハットっていうの?変わった帽子を被った男がいたような気がするんだよ。それに、男が口笛を吹いてるのが聞こえてさ」とミッキーマウスマーチを口ずさみ始めました。
あまりにも恐ろしく、投稿主とカズヤは答えられないまま、沈黙の時間が流れていきます。
投稿主が車の外を見ると、市内がかなり近いことがわかり、最後にどうしても聞いておきたいと「国道の上にある山の上で事件が起きていませんか?」とトラックの運転手に尋ねました。
運転手が「ずいぶん昔に若い女が殺されたことがあったな・・・」と最後まで言い終わらないうちに、カズヤが遮る形で「事件はトイレで起きたんですか?」と食い気味に質問しました。
すると、運転手は意外そうな表情を浮かべて「ああ、そうだよ。よく知っているな」と答えたそうです。
2人は市内でトラックを無事に降りて、ようやく一安心したところで、ヒッチハイクに関する文章は終わっています。
その後、2人は就職して、普通に生活を送っているという後日談が書かれています。
ヒッチハイクから帰ってきた後で参加した合コンでは、参加者の女性の携帯電話の着信音がミッキーマウスマーチで、心臓が縮みあがったんだとか。
ヒッチハイクの元ネタを考察
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2006年に公開された「レストストップ デッドアヘッド」
洒落怖は自身の体験でも創作でも何でも良いので、元ネタがあるかもしれないと考える人が多いようです。
ネットでは、2006年10月に公開された映画「レストストップ デッドアヘッド」が元ネタではないか?という声が多数寄せられています。
この映画はテキサスが舞台で、若いカップルのニコールとジェスが駆け落ちをするところからストーリーは始まります。
駆け落ちの道中でドライブイン(レストストップ)に立ち寄って、トイレから戻ると、なぜか車とジェスの姿が見当たりません。
レストストップにはキャンピングカーが停車していて、中には怪しげな家族が乗車しています。
そしてトラックが新たに現れ、運転手と激しい攻防が始まり、次々に恐ろしいことが起きていく・・・というホラーで、ヒッチハイクとはいくつかの共通点が見られます。
まず、キャンピングカーが出てくることや、乗車している家族が不気味なこと、ニコールがトイレに逃げ込むシーンや襲われるシーンがあるという点。
映画の最後のシーンは、長い年月が経過し、レストストップのトイレが立て替えられ、そのドアには行方不明のニコールを探しているという趣旨のポスターが貼られていた、というものです。
映画内で事件が過去にあったことを思わせる描写から、キャンピングカーが朽ち果てた状態で発見されるシーンを思いついたのかもしれません。
ヒッチハイクで本当に起きた事件① 1982年 アメリカでの事件
出典:https://www.photo-ac.com/
怖い話のヒッチハイクは創作の可能性もありますが、本当にヒッチハイクで旅行をしていた人が殺人事件に巻き込まれた、という海外のケースもあります。
まずは、アメリカで1982年に起きた事件で、ヒッチハイク中だった女性2人が遺体で発見されました。
1982年1月、コロラド州のロッキー山脈の麓の登山道で、29歳の女性がうつ伏せの状態で殺されているのがみつかります。
遺体は手を縛られた状態で銃で撃たれており、死因は失血死でした。事件現場には亡くなった女性のものではない、オレンジ色の靴下が片方だけ落ちていました。
そして同年7月、ロッキー山脈のサクラメント川の傍で、21歳の女性が遺体で発見されます。やはり手を縛られて銃で撃たれていたことから、同一犯の犯行として捜査が行われました。
1998年に、1人目の被害者の手袋から犯人のものと考えられるDNAが見つかったのですが、個人を特定することができず、捜査は難航して、結局は未解決事件に。
年月が流れ、捜査の技術が進化したことで、2020年に最新の遺伝子解析を行ったところ、犯人のDNAが被害者女性と同じ地域に在住する70歳の男性のものであることが判明。
2021年11月に、容疑者として70歳男性が逮捕されています。
ヒッチハイクで本当に起きた事件② 1992年~93年 オーストラリアでの事件
出典:https://www.photo-ac.com/
1992年から1993年にかけて、オーストラリアのモス・ペイル西方のヒューム・ハイウェイに沿ったベラングロ州から次々に白骨化した遺体が発見されました。
猟奇事件として捜査が開始され、被害者の年齢や証拠品から、ヒッチハイクをしている時に殺害されたものと捜査本部が見解を出しました。
近隣の住民が次々にふるいにかけられ、紆余曲折を経て1999年にイバン・ミラットが逮捕されて事件は幕を閉じています。
その後、犯人のイバン・ミラットは裁判で終身刑の判決を下されました。その後、2019年10月に刑務所内の病院でがんを患い死去したことが発表されています。
ヒッチハイクは映画化されている
出典:https://movies.yahoo.co.jp/
2chから生まれたヒッチハイクは、ホラー映画化されています。
2023年7月に公開を控えており、映画タイトルはそのまま「ヒッチハイク」。
主演はダンスボーカルユニット「原因は自分にある」のリーダー・大倉空人さん。主人公の友人であるカズヤを演じるのは、2020年の「ウルトラマンZ」でブレイクした平野宏周さんです。
そして2ch本編には登場していない、ハイキングの帰りに道に迷いヒッチハイクをすることになった女子大生の涼子を中村守里さんが演じました。
既に作品のティザービジュアルも解禁。ひとけのない不気味な森の中に停めてある1台のワゴンの近くには、人間の足と思われるものが引きずり込まれています。
画像中央には木でかたどられたドクロが配置されていて、これから迫りくる恐怖の時間を暗示しているようです。
なお、作品の脚本を手掛けたのは映画「きさらぎ駅」の宮本武士さん、監督はこれまで数多くのホラー作品を輩出した山田雅史さんとなっています。
映画は2023年7月7日から全国の映画館で公開されます。楽しみですね。
まとめ
ヒッチハイクはかつての2chで大人気となった怖い話で、息も付かせないスピーディーな展開に、魅了された方も多いのではないでしょうか。
キャンピングカーに乗った不気味な家族が登場したり、トイレに逃げ込んだりなど、映画「レストストップデッドアヘッド」とは共通点も多く、元ネタでは?と考えている人が多いようです。
また、実際のヒッチハイクは海外で殺人事件に発展しているケースもあります。日本はもちろん、世界中どこでも、ヒッチハイク旅行は危険を伴うことがわかります。
2023年7月には、ヒッチハイクは映画化が決定しており、投稿から10年以上経った現在でも人気の高さがうかがえますね。
2chでストーリーを読んだ方も、そうでない方も、ハラハラドキドキするストーリーを映画で楽しんでみるのも良いでしょう。