今回は歴代のNHK大河ドラマを平均視聴率の順番にランキングして紹介していきます。
「独眼竜政宗」「武田信玄」といった代表的作品から「真田丸」「麒麟がくる」などの近年の話題作まで、それぞれの作品の内容の簡単な解説と特徴や魅力、出演した俳優なども併せてまとめました。
この記事の目次
歴代大河ドラマ視聴率ランキングTOP55-51
55位:おんな城主 直虎
歴代NHK大河ドラマ、視聴率ランキングの第55位は、2017年に放送された「おんな城主 直虎」です。平均視聴率は「12.77%」でした。
遠江国・井伊谷の豪族、井伊家の女城主として知られる井伊直虎を主人公にした作品です。
主人公のとわ(井伊直虎)、その許嫁の亀之丞(井伊直親)、2人の幼馴染で井伊家筆頭家老の嫡男の鶴丸(小野政次)の3人の人間ドラマを軸にして、当時としては珍しい女性領主として井伊家を守るために奮闘する井伊直虎の活躍が描かれます。
主人公の井伊直虎役は、柴咲コウさんが演じ、前半の重要なキャストである2人、井伊直親役を三浦春馬さん、小野政次役を高橋一生さんが演じています。
また、直虎に養育され、その後、井伊家を大大名にまで押し上げる徳川の重臣・井伊直政を菅田将暉さんが演じます。
54位:花の乱
第54位は、1994年に放送された「花の乱」です。平均視聴率は「14.1%」でした。
室町時代を舞台に、室町幕府8代将軍・足利義政の妻・日野富子を主人公として「応仁の乱」を主題において描かれた作品です。
女優・三田佳子さんが美貌の日野富子を演じて人気を集めました。また、足利義政役は、青年期を市川新之助さん(現在の市川海老蔵)、壮年期をその父・市川團十郎さんが演じた事でも話題を集めた作品です。
53位:龍馬がゆく
第53位は、1968年に放送された「龍馬がゆく」です。平均視聴率は「14.5%」でした。
大河ドラマでも初期の作品で、幕末の志士・坂本龍馬の活躍が描かれました。原作は司馬遼太郎さんの同名小説「龍馬がゆく」でした。
主人公・坂本龍馬を、当時若手の人気俳優だった北大路欣也さんが爽やかに演じています。
52位:八重の桜
第52位は、2013年に放送された「八重の桜」です。平均視聴率は「14.6%」でした。
2011年に発生した「東日本大震災」を受け、東北を励ますような作品にしたいとの意見がNHK内で出た事から企画され、奥州会津藩の砲術師範の娘で、会津戦争で自らも前線に立って戦った女性・新島八重を主人公とした作品です。
幕末の時代から「会津戦争」までが描かれています。
自由奔放で快活、男勝りな性格の魅力的な女性として描かれた新島八重を、綾瀬はるかさんが好演して好評を博しました。
また、八重の夫・川崎尚之助役として、2020年現在放送中のNHK大河「麒麟がくる」の主人公・明智光秀を演じる長谷川博己さんが出演されています。
51位:軍師官兵衛
第51位は、2014年に放送された「軍師官兵衛」です。平均視聴率は「15.8%」でした。
豊臣秀吉の名軍師として知られる、黒田官兵衛を主人公とし、その生涯が男臭く描かれた骨太の戦国作品です。
播磨国の小領主・小寺家に仕えていたまだ若い頃の黒田官兵衛の姿、その後、羽柴秀吉に見出され、その覇業の傍らで存分にその智謀を振るい活躍する姿、そして秀吉の死後勃発した関ヶ原合戦の中で、ある野望を胸に人生最大の勝負に打って出る晩年の黒田官兵衛の姿など、その生涯が余す事なく描き出されています。
主人公・黒田官兵衛を演じたのはV6の岡田准一さんで、この時の骨太演技が高く評価され、以降、戦国や江戸時代をテーマにした時代劇作品に多数起用される事になりました。
黒田官兵衛の妻・光(てる)役は中谷美紀さん、官兵衛の息子・黒田長政役は、ブレイクし始めていた松阪桃李さんが演じています。
歴代大河ドラマ視聴率ランキングTOP50-46
50位:真田丸
歴代NHK大河ドラマの視聴率ランキング第50位は、2016年に放送された「真田丸」です。平均視聴率は「16.6%」でした。
「真田丸」は戦国武将の中でも特に人気の高い真田信繁(幸村)の生涯の活躍を描いた作品です。
脚本は三谷幸喜さんが担当し、時にコミカルタッチに演出しながらも戦国の英雄・真田信繁の活躍を痛快に描き、放送が進むにつれて人気を上昇させました。
本作では、真田信繁の父・真田昌幸が圧倒的な人気キャラクターとなり、演じた草刈正雄さんの再ブレイクにも繋がりました。
49位:武蔵 MUSASHI
第49位は、2003年に放送された「武蔵 MUSASHI」で、平均視聴率は「16.7%」でした。
戦国末期から江戸初期にかけて活躍した剣豪・宮本武蔵の生涯を描いた作品で、武蔵役を市川新之助さん(現在の市川海老蔵さん)が演じています。
48位:琉球の風
第48位は、1993年放送の「琉球の風」です。平均視聴率は「17.3%」でした。
16世紀末から17世紀初頭にかけての琉球王国(沖縄)を舞台に、過酷な運命の中で独自の文化を失わずに誇り高く生き抜く琉球の人々を描いています。主演は少年隊の東山紀之さんです。
47位:新撰組!
第47位は、2004年放送の「新撰組!」、平均視聴率は「17.4%」です。
幕末に活躍した「新撰組」の活躍を描いた作品で、新撰組の隊士ら一人一人を魅力的に描き、幕末青春群像劇とでも言うべき内容で話題になりました。
原作のない完全オリジナル脚本で、三谷幸喜さんが担当。主人公は、新撰組局長の近藤勇で、香取慎吾さんが演じています。
46位:江〜姫たちの戦国〜
第46位は2011年放送の「江〜姫たちの戦国〜」で、平均視聴率は「17.7%」でした。
主人公は、江戸幕府二代将軍・徳川秀忠の正室・江姫で、女優・上野樹里さんがその波乱に満ちた生涯を魅力的に演じています。
同じく「浅井三姉妹」の茶々、初姫との関係も丹念に描かれています。女性目線から戦国時代末期を描いた意欲作です。
歴代大河ドラマ視聴率ランキングTOP45-41
45位:炎立つ
NHK大河ドラマ、歴代視聴率・第45位は、1993年放送開始の「炎立つ」です。平均視聴率は「17.7%」でした。
平安時代から鎌倉時代にかけてを三部構成で描いた大作です。物語の中心となるのは東北に一大勢力を築き上げた奥州藤原氏で、その隆盛から衰退までをスケール大きく描いています。
第一部の主人公・藤原恒清を渡辺謙さん、第二部の主人公・藤原清衡を村上弘明さん、第三部の主人公・藤原泰衡を再び渡辺謙さんが演じています。
44位:春の波涛
第44位は、1985年に放送された「春の波涛」で、平均視聴率は「18.2%」です。
日本初の女優・川上貞奴を主人公に、明治から、大正、昭和にかけての近代日本を描いています。
主人公・貞の役を当時の国民的女優・松坂慶子さんが演じました。
43位:葵徳川三代
第43位は、2000年に放送された「葵徳川三代」で、平均視聴率は「18.5%」でした。
関ヶ原の合戦から豊臣家の滅亡、そして、江戸幕府の成立を、徳川幕府の三将軍、徳川家康、徳川秀忠、徳川家光の3人を中心に描いた作品です。
冒頭の「関ヶ原合戦」の描写は、歴代大河ドラマの中でも特筆される大スケールで描かれており、話題を呼びました。
徳川家康役を津川雅彦さん、徳川秀忠役を西田敏行さん、徳川家光役を尾上辰之助さんがそれぞれ演じています。
42位:北条時宗
第42位は、2001年に放送された「北条時宗」です。平均視聴率は「18.5%」でした。
鎌倉幕府の執権・北条時宗を主人公とし、幕府内部での抗争や、世界征服を目指すモンゴル帝国が大陸から襲来した「蒙古襲来」などを国際的なスケールで描き出した大作です。コンピューターグラフィックスを駆使し、迫力のある戦闘シーン描かれています。
主人公・北条時宗役を人気狂言師・和泉元彌さんが演じています。
41位:風林火山
第41位は、2007年に放送された「風林火山」です。平均視聴率は「18.7%」でした。
武田信玄の伝説的軍師・山本勘助を主人公とし、甲斐武田家の信濃経略から、上杉謙信との「川中島の合戦」の死闘までが硬派な雰囲気で本格戦国ものとして描かれています。
主人公の山本勘助役を内野聖陽さん、勘助の仕える武田信玄役を人気歌舞伎役者の市川亀治郎さん、信玄の宿命のライバル・上杉謙信役を人気ミュージシャンのGacktさんが演じました。
特に、Gacktさんが演じた妖艶で神秘的な上杉謙信は話題を集めました。
歴代大河ドラマ視聴率ランキングTOP40-36
40位:龍馬伝
歴代NHK大河ドラマ視聴率ランキング・第40位は、2010年に放送された「龍馬伝」です。平均視聴率は「18.7%」でした。
幕末の志士、坂本龍馬を主人公に、その英雄的生涯が描かれました。主人公・坂本龍馬を演じたのは、大人気シンガーソングライターの福山雅治さんで、イケメンすぎる龍馬を熱く男臭く演じきっています。
39位:花神
第39位は、1977年に放送された「花神(かしん)」です。平均視聴率は「19.0%」でした。
幕末の偉人・大村益次郎を主人公に据え、吉田松陰や高杉晋作といった幕末の英雄達の活躍をダイナミックに描いた、青春群像作品です。
主人公・大村益次郎役を、人気歌舞伎役者の4代目中村梅之助さんが好演しています。
38位:麒麟がくる(第1話放送終了時点)
第38位は、2020年1月から放送を開始している最新作「麒麟がくる」です。第1話の視聴率は「19.1%」です。
主人公は、本能寺の変で織田信長を討った明智光秀で、大人気俳優・長谷川博己さんが生き生きと若き日の光秀を演じています。
第1話の評判は上々で、今後の展開に期待が高まっています。
37位:三姉妹
第37位は、1967年に放送された「三姉妹」です。平均視聴率は「19.1%」でした。
幕末から明治維新にかけての動乱期を、幕府旗本の「三姉妹」の目線から生き生きと描きだした作品です。
主人公となる三姉妹は、長女の「むら」役を岡田茉莉子さん、次女の「るい」役を藤村志保さん、三女の「雪」役を栗原小巻さんがそれぞれ演じています。
36位:義経
第36位は、2005年に放送された「義経」です。平均視聴率は「19.5%」でした。
源平合戦の英雄・源義経を主人公とし、源氏と平氏の争い、源義経と兄・源頼朝との複雑な関係性によって生じた葛藤や苦悩などが緻密に描かれた作品です。
主人公の源義経役は、当時、ジャニーズタレントの中でも傑出した人気を誇っていた滝沢秀明さんが爽やかに演じ、好評を博しました。
歴代大河ドラマ視聴率ランキングTOP35-31
35位:元禄繚乱
歴代NHK大河ドラマ、視聴率ランキングの第35位は、1999年に放送された「元禄繚乱」です。平均視聴率は「20.2%」でした。
江戸時代に歌舞伎の演目として成立した「忠臣蔵」を題材とし、浅野内匠頭の仇・吉良上野介を討った忠義の臣・大石内蔵助を主人公として、赤穂浪士討ち入りに至るまでの政治的駆け引きも含めて丹念に描かれた作品です。
主人公の大石内蔵助役は、人気歌舞伎俳優・5代目中村勘九郎さんが演じました。
34位:花の生涯
第34位は、1963年に放送された「花の生涯」です。平均視聴率は「20.2%」でした。
主人公の井伊直弼は、幕末の時代の大老で、「桜田門外の変」で暗殺された事で知られる人物です。
映画並みのスケールのセットで撮影された事や、当時の錚々たる大物俳優達がキャスティングされ、大きな話題となりました。主人公・井伊直弼役は歌舞伎俳優・二代目尾上松緑さんが演じています。
33位:功名が辻
第33位は、2006年に放送された「功名が辻」です。平均視聴率は「20.9%」でした。
織田信長や豊臣秀吉、徳川家康に仕えた武将・山内一豊と「内助の功」の元になった事で知られる一豊の妻・千代を主人公に描かれる戦国物語です。
主人公の千代役を仲間由紀恵さん、山内一豊役を上川隆也山河演じています。戦国時代の夫婦の絆をテーマに描かれた、これまでにないテイストの大河作品として話題になりました。
32位:獅子の時代
第32位は、1980年に放送された「獅子の時代」です。平均視聴率は「21.0%」でした。
大河ドラマとしては架空の人物が主人公に据えられ、会津藩の下級武士・平沼銑次と、薩摩藩の
武士、苅谷嘉顕に2人を軸として、幕末から明治維新の動乱の時代を描き出しています。
新しい時代が切り開かれていく様子がエネルギッシュに表現されています。それまでの大河ドラマのイメージを覆す、ポップでアップテンポに展開する、極めて斬新な作品として高いに評価を集めています。
31位:樅ノ木は残った
第31位は、1970年に放送された「樅ノ木は残った」です。平均視聴率は「21.0%」でした。
歴史小説家・山本周五郎の名作「樅ノ木は残った」を原作とした作品で、江戸時代初期に仙台藩で起きた「伊達騒動」が描かれます。
主人公は仙台藩の重臣・原田甲斐で、平幹二朗さんが演じ、御家乗っ取りに命がけで対抗する名臣として描かれています。
歴代大河ドラマ視聴率ランキングTOP30-26
30位:徳川慶喜
歴代NHK大河ドラマ、視聴率ランキングの第30位は、1998年に放送された「徳川慶喜」です。平均視聴率は「21.1%」でした。
江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜を主人公とし、ペリー襲来や安政の大獄、尊王攘夷運動、江戸開城など、動乱の幕末期が丹念に描かれます。
快活で優秀な人物として描かれる、主人公・徳川慶喜を、俳優の本木雅弘さんが格式高く演じています。
29位:山河燃ゆ
第29位は、1984年に放送された「山河燃ゆ」です。平均視聴率は「21.1%」でした。
日系アメリカ人の兄弟を軸に、太平洋戦争に至るまでの軍国主義に走る日本、戦争の悲劇、戦後の混乱期がノンフィクション調で描かれます。
主人公の日系アメリカ人兄弟は架空の人物で、兄の天羽賢治を9代目松本幸四郎さん、弟の天羽忠を西田敏行さんが演じます。
28位:天地人
第28位は、2009年に放送された「天地人」です。平均視聴率は「21.2%」でした。
上杉景勝の名宰相として辣腕を振るった名将・直江兼続を主人公とし、天下の行方が定まりつつある戦国末期から、大阪城落城による戦国時代の終結までが描かれています。
不器用ながら男気溢れる名君・上杉景勝(演・北村一輝)を支えるべく奮闘する若き日の直江兼続や、上杉家の存続のためその才気を発揮する、上杉家の重鎮となってからの直江兼続を、俳優・妻夫木聡さんが熱演しています。
27位:新・平家物語
第27位は、1972年に放送された「新・平家物語」です。平均視聴率は「21.4%」でした。
吉川英治の大長編作品「新・平家物語」を原作とした大作で、平家の繁栄とその凋落、滅亡が描かれる、一大叙事詩に仕上げられています。
主人公・平清盛役の仲代達矢さん、平時忠役の山崎努さん、平経盛役の古谷一行さんなど、昭和の時代を代表する名俳優達が顔を揃えた事でも大きな話題を集めた作品です。
26位:春の坂道
第26位は、1971年に放送された「春の坂道」です。平均視聴率は「21.7%」でした。
戦国時代から江戸時代にかけて活躍した剣豪・柳生宗矩を主人公とし、その険しい坂を一歩ずつ進んで行くかの如き人生が描かれました。
主人公・柳生但馬守宗矩役を歌舞伎俳優の中村錦之助(萬屋錦之介)さんが演じています。
歴代大河ドラマ視聴率ランキングTOP25-21
25位:利家とまつ〜加賀百万石物語〜
歴代NHK大河ドラマ、視聴率ランキングの第25位は、2002年に放送された「利家とまつ〜加賀百万石物語〜」です。平均視聴率は「22.1%」でした。
織田家の家臣から、加賀百万石の大大名となった前田利家と、その出世を支えた正室・まつを主人公とした作品です。
放送時の謳い文句は「戦国最強のホームドラマ」で、当時の夫婦生活や家族問題などが、これまでに無かった視点から描かれた異色作です。
主人公・前田利家を唐沢寿明さん、妻のまつを松嶋菜々子さんが演じました。ちなみに織田信長役は、松嶋菜々子さんの夫・反町隆史さんが演じ、新婚早々(放送前年に結婚)の夫婦共演として話題を集めました。
24位:国盗り物語
第24位は、1973年に放送された「国盗り物語」です。平均視聴率は「22.4%」でした。
歴史作家・司馬遼太郎の代表的作品の一つ「国盗り物語」を軸として、油売りから戦国大名になった斎藤道三、戦国の革命児・織田信長、その信長を本能寺で討った明智光秀の3人の武将の生き様が描かれています。
前半の主人公・斎藤道三役を平幹二朗さん、後半の主人公・織田信長役を高橋英樹さんが演じています。
23位:翔ぶが如く
第23位は、1990年に放送された「翔ぶが如く」です。平均視聴率は「23.2%」でした。
幕末から明治維新を描いた作品で、ペリー来航に端を発する幕末の動乱や、薩長同盟、江戸開城、征韓論での対立から西南戦争への道などが、西郷隆盛と大久保利通を主人公として描きだされています。
西郷隆盛役を西田敏行さん、大久保利通役を鹿賀丈史さんが演じています。
22位:毛利元就
第22位は、1997年に放送された「毛利元就」です。平均視聴率は「23.4%」でした。
安芸国の小領主から、中国地方10カ国の太守にまでなった戦国時代の大名・毛利元就を主人公にした作品です。毛利家がいかにして中国地方の覇者となったかが、壮大なスケールで語られます。
主人公の毛利元就役は、3代目中村橋之助(8代目中村芝翫)さんが演じています。
21位:源義経
第21位は、1966年に放送された「源義経」です。平均視聴率は「23.5%」でした。
NHK大河初期の作品で、源平合戦の英雄・源義経の生涯を描いています。
主人公義経役は7代目尾上菊五郎さん、その妻・静御前役を藤純子さんが演じ、2人はこの共演をきっかけに交際し、後に結婚することになります。
また、源義経の片腕・武蔵坊弁慶役は、若き日の緒形拳さんが演じています。
歴代大河ドラマ視聴率ランキングTOP20-16
20位:峠の群像
歴代NHK大河ドラマ、視聴率ランキングの第20位は、1982年に放送された「峠の群像」です。平均視聴率は「23.7%」でした。
江戸時代を代表する仇討ち事件である「赤穂事件」を題材とし、赤穂藩の廃絶を現代における企業倒産に見立て、従来の「忠臣蔵」では、英雄譚的に語られていた赤穂浪士達の仇討ち劇を、浪士達を現代のサラリーマンの立場になぞらえ、その上でいかに行動したのかにテーマを置いて語られるユニークな視点の作品でした。
主人公の大石内蔵助を緒形拳さんが演じています。
19位:風と雲と虹と
第19位は、1976年に放送された「風と雲と虹と」です。平均視聴率は「24.0%」でした。
平安時代、東国に独立王国を築く事を夢見て朝廷に対して大規模な反乱を起こした平将門と、それに呼応するように瀬戸内海で反乱を起こした藤原純友を中心に、壮大なスケールで描かれる作品です。
悲劇の英雄として描かれる平将門役を加藤剛さんが、物語の鍵を握る重要な役である藤原純友を緒形拳さんが演じています。
18位:勝海舟
第18位は、1974年に放送された「勝海舟」です。平均視聴率は「24.2%」でした。
幕末の偉人・勝海舟の生涯を描いた作品です。当初、勝海舟役は渡哲也さんが演じていましたが、撮影中に胸膜炎を患って倒れてしまい、10話からは急遽代役として松方弘樹さんが演じました。
異例の放送途中の主演交代となりましたが、その不安を振り払うように松方弘樹さんが抜群の演技を見せ、空前のヒット作となったのでした。
17位:篤姫
第17位は、2008年に放送された「篤姫」です。平均視聴率は「24.5%」でした。
薩摩島津家から徳川幕府13代将軍・徳川家定に嫁ぐ、篤姫が主人公で、将軍との夫婦生活や、ドラマティックな大奥の人間関係なども描かれています。
女性が主人公で、かつ、難解な幕末の動きがわかりやすく丁寧に描かれていた事から、特に女性視聴者層からの人気を獲得した作品です。
主人公・篤姫の波乱の生涯を宮崎あおいさんが見事演じきっています。
16位:信長 KING OF ZIPANGU
第16位は、1992年に放送された「信長 KING OF ZIPANGU」です。平均視聴率は「24.6%」でした。
戦国の革命児・織田信長の生涯を描いた衝撃作で、多数のエキストラや馬を使用した合戦のシーンは、歴代大河ドラマの中でも圧巻の迫力を誇ります。
また、これまでの定説を覆すような登場人物達のキャラクター設定が斬新で、これまで豪快で敵にも家来にも厳しくあたる人物というイメージが強かった織田信長も、激情的な面がありながらも、線が細く繊細な人物として描かれています。
織田信長を演じた緒形直人さんは、配役が発表された当初は、織田信長のイメージと違うと否定的な意見が見られましたが、放送が開始されるや評価が一転、これまでのあらゆる作品の信長の中で最も真実の信長に近いのではないか?という意見が多く見られるようになりました。
歴代大河ドラマ視聴率ランキングTOP15-11
15位:元禄太平記
歴代NHK大河ドラマ、視聴率ランキングの第15位は、1975年に放送された「元禄太平記」です。平均視聴率は「24.7%」でした。
この作品も、赤穂浪士による「忠臣蔵」を題材に取り上げた作品ですが、徳川綱吉の重臣・柳沢吉保の視点から事件の顛末を語るという斬新な切り口が話題になりました。
主人公・柳沢吉保を演じたのは石坂浩二さん、物語の中心となる大石内蔵助役を江守徹さんが演じています。
14位:天と地と
第14位は、1969年に放送された「天と地と」です。平均視聴率は「25.0%」でした。
大河史上初のカラー映像作品としても知られる作品で、上杉謙信と武田信玄の「川中島の合戦」を題材に描かれた本格戦国作品となっています。上杉謙信の若い頃が丁寧に描かれている事も本作の特徴の一つです。
上杉謙信の幼少期の役を中村浩太郎(中村扇雀)さん、若武者時代を中村光輝(中村又五郎)さん、名将として恐れられるようになった大人時代の上杉謙信を石坂浩二さんがそれぞれ演じました。また、ライバルの武田信玄役は高橋幸治さんが演じています。
13位:黄金の日日
第13位は、1978年に放送された「黄金の日日」です。平均視聴率は「25.9%」でした。
安土桃山時代の貿易商・呂宋助左衛門を主人公とし、戦国時代の経済や庶民の暮らしに光を当てた画期的な作品となっています。
大河ドラマ史上初となる海外ロケも観光したスケールの大きな作品で、華やかな桃山文化も前面に表現されています。
主人公・納屋助左衛門(呂宋助左衛門)を6代目市川染五郎さんが生き生きと演じています。
12位:太平記
第12位は、1991年に放送された「太平記」です。平均視聴率は「26.0%」でした。
室町幕府を開いた英雄・足利尊氏を主人公に、鎌倉時代末期から南北朝時代の動乱を丁寧に描く超大作です。
権勢を誇り、地方の武家を抑圧する執権北条家を倒さんと足利尊氏が挙兵し、鎌倉幕府を打ち倒すまでが前半で描かれ、後半で、南北朝の動乱が描かれています。
主人公の足利尊氏を真田広之さんが演じています。
11位:草燃える
第11位は、1979年に放送された「草燃える」です。平均視聴率は「26.3%」でした。
源氏の興亡を描いた作品で、前半の主人公・源頼朝による挙兵から源平合戦を経て鎌倉幕府を開くまでが描かれた後、後半では、頼朝の妻・北条政子へと主人公がうつり、執権北条氏が幕府の実権を握っていく様子などが描かれています。
前半の主人公・源頼朝役を石坂浩二さん、後半の主人公・北条政子役を岩下志麻さんが演じています。
歴代大河ドラマ視聴率ランキングTOP10-6
10位:八代将軍吉宗
歴代NHK大河ドラマ、視聴率ランキングの第10位は、1995年に放送された「八代将軍吉宗」です。平均視聴率は「26.4%」でした。
江戸幕府の将軍の中でも特に人気の高い、8代目将軍・徳川吉宗を主人公とし、その生涯を描いた作品です。
史実での徳川吉宗の時代は、泰平の時代だった事もあり、大河ドラマ向けの主人公ではないと心配されたものの、それを逆手にとって将軍家内のホームドラマといったイメージで展開した事で、新たな視聴者層の獲得に成功しています。
主人公の徳川吉宗役は西田敏行さんが演じています。吉宗の息子で、9代将軍の徳川家重を演じた2代目中村梅雀さんの迫真の演技が話題を呼び、中村さんがブレイクするきっかけとなった作品でもあります。
9位:いのち
第9位は、1986年に放送された「いのち」です。平均視聴率は「29.3%」でした。
太平洋戦争の終結直後から、昭和60年(放送時における現代)までを描いた、大河ドラマとしては異色の近代劇です。
歴史上の人物などはほぼ登場せず、主要キャストは全員が当時の大衆であり架空の人物です。その当時の一般大衆の目線から終戦後の「農地改革」「高度経済成長」「オイルショック」「核家族化」など、短い期間で劇的に転換していく時代が描かれました。
主人公の岩田未希は、農村の地主の家の生まれでしたが、農地改革の煽りを受けて実家が没落、苦難の生活を送りながらも勉学に励み、当時は極めて珍しい女性医師になります。三田佳子さんが演じました。
8位:秀吉
第8位は、1996年に放送された「秀吉」です。平均視聴率は「30.5%」でした。
貧しい農民の出から天下人にまで上り詰めた、戦国最大の英雄・豊臣秀吉が主人公として本格戦国絵巻です。
「墨俣の一夜城」「竹中半兵衛調略」「金ヶ崎の退き陣」「中国大返し」などの秀吉の英雄的かつ伝説的な逸話がドラマティックに再現され、英雄譚的な「太閤記」を周到するような内容でダイナミックに物語が展開します。
苛烈な性格で周囲から恐れられる主君・織田信長の内面に隠された人間的魅力に惹かれ、体を張って忠勤に励む秀吉と、そんな秀吉の姿をかわいく思い重用する信長とのエピソード、兄・秀吉からの無理な要求に散々振り回され、文句を言いながらも秀吉を支える弟・小一郎(豊臣秀長)との兄弟愛エピソード、正妻・おねとの夫婦エピソードなどの人間ドラマも重点的に描かれ、主人公・秀吉の魅力をこれでもかと言うほど引き立てています。
秀吉役の竹中直人さんの迫真の演技も話題となり、近年放送の大河の中では空前の大ヒット作となりました。
7位:徳川家康
第7位は、1983年に放送された「徳川家康」です。平均視聴率は「31.2%」でした。
戦国の苦労人で最後には天下を取って泰平の世を作り上げた、英雄・徳川家康の生涯を描いた作品です。大河ドラマの王道を貫いた大スケールの戦国譚として人気を集めた作品です。
徳川家康の幼少期から幕府を開くまでの英雄譚の数々が余す事無く、ふんだんに描きだされました。
無名の若手時代の役所広司さんが織田信長役を演じて話題になり、放送を見た視聴者からNHKに問い合わせが殺到、その他の錚々たる出演陣をしのぎ、作品出演者中最多のファンレターを獲得するなど、そのブレイクのきっかけとなった作品としても知られています。
6位:太閤記
第6位は、1965年に放送された「太閤記」です。平均視聴率は「31.2%」でした。
大人気作家・吉川英治の「新書太閤記」を原作に、豊臣秀吉の英雄譚である「太閤記」を映像化した作品です。
歴史的事件があった場所の現代の様子などを紹介し、また、最新研究における戦国時代当時の仕組みなどの解説も入れるなど、当時としてはかなり革新的な表現を多用し話題を集めました。
主人公の秀吉役は緒形拳さんが演じています。
歴代大河ドラマ視聴率ランキングTOP5-1
5位:おんな太閤記
歴代NHK大河ドラマ、視聴率ランキングの第5位は、1981年に放送された「おんな太閤記」です。平均視聴率は「31.8%」でした。
豊臣秀吉の妻であるおねの方(北政所)の視点から、秀吉の活躍を描いた斬新な作品です。「渡る世間は鬼ばかり」で知られる人気脚本家・橋田壽賀子さんが初めて大河ドラマで脚本を担当した作品として知られています。
女性目線による戦国時代を描いた作品は、当時としてはかなり珍しく、専門家による時代考証に基づいた、戦国武将達の家庭生活なども興味を集めました。秀吉の弟・秀長の妻・しの(智雲院)に焦点を当てた作品は、本作以外に見当たらず、こうした戦国の裏舞台の人間ドラマにまで細く焦点を当てて描かれている点など、橋田壽賀子さんならではの作品として、現在に至るまで高い評価を集めています。
主人公・ねね役は佐久間良子さん、秀吉役を西田敏行さん、秀吉の弟・秀長役を中村雅俊さん、その妻・しの役を田中好子さんが演じています。
4位:赤穂浪士
第4位は、1964年に放送された「赤穂浪士」です。平均視聴率は「31.9%」でした。
「赤穂浪士」は大石内蔵助ら赤穂浪士達の仇討ち劇である、「忠臣蔵」を題材とした作品です。当時のスター俳優達が名を連ねた豪華なキャスティングで話題になりました。
浪士達による討ち入りが放送されたクライマックスの話数では視聴率「53.0%」という驚異的な数字を叩き出し、これは大河ドラマ史上最高記録として2020年現在まで破られていません。
主人公の大石内蔵助役は長谷川一夫さんが演じています。
3位:春日局
第3位は、1989年に放送された「春日局」です。平均視聴率は「32.4%」でした。
徳川幕府の3代将軍・徳川家光の乳母として知られる春日局を主人公にした作品で、その生涯が丹念に描かれています。
明智光秀の重臣であった斎藤利三の娘として生まれた春日局の幼少期から描かれており、本能寺の合戦や山崎の合戦、関ヶ原や大坂の陣なども描かれていますが、それらを英雄譚として描くのでは無く、争いの悲惨さや醜さを、当時の女性の目線から徹底的に描き出しています。
明智家重臣・斎藤家の生まれである春日局の目線で描かれるため、本能寺の変も山崎の合戦も明智側の目線から描かれ、その悲劇性がより際立っています。
また、春日局は関ヶ原合戦で裏切った事で知られる小早川秀秋の家臣・稲葉政成の妻である事から、今までは描かれなかった、小早川家を主観として関ヶ原合戦が描かれており、こうしたこれまではほとんどなった視点から歴史的事件が多く取り上げられており、コアな戦国時代ファンからの評価も集めています。
主人公のおふく(春日局)役は大原麗子さん、父の斎藤利三役を江守徹さん、夫となる稲葉政成役を山下真司さん、息子の稲葉正勝は、若かりし日の唐沢寿明さんが演じています。
なお、脚本は橋田壽賀子さんが担当しています。
2位:武田信玄
第2位は、1988年に放送された「武田信玄」です。平均視聴率は「39.2%」でした。
戦国時代の主役の1人、武田信玄を主人公とし、その激烈な人生を描きだした王道的な戦国作品です。
大量の馬を使った迫力の戦闘シーンはその後の大河ドラマ作品に多大な影響を与えています。また、武田信玄に仕えた数々の優秀な武将達が登場し、錚々たる俳優陣達によって魅力的に演じられています。
この作品が元になって、その後の戦国時代をテーマにしたビデオゲームなどでも、武田家は優秀な家臣団を多数抱えているという設定が定番化される事になりました。
主人公の武田信玄は若手俳優時代の中井貴一さんが演じ、その人気を急上昇させました。ライバルの上杉謙信役には柴田恭兵さんが起用されています。
1位:独眼竜政宗
第1位は、1987年に放送された「独眼竜政宗」です。平均視聴率は「39.7%」でした。
戦国時代末期に現れ「独眼竜」とも恐れられた奥州の英雄・伊達政宗を主人公として大河ドラマの定番的作品です。伊達政宗の生涯を幼少期から描き、奥州での獅子奮迅の快進撃や、豊臣政権に従った後のエピソード、大坂の陣や徳川政権下でのエピソードまでが重厚に描かれます。
主人公・伊達政宗役は若手時代の渡辺謙さんが演じ、この作品をきっかけにして全国的人気俳優へと躍進しました。
平均視聴率は歴代1位、最終話の視聴率も「47.8%」という驚異的な数値を叩き出し、2003年にNHKが行なった「もう一度見たいあの番組」という調査では、「大河ドラマ部門」堂々の第1位に輝いています。
まとめ
今回は、歴代のNHK大河ドラマを平均視聴率順にランキングして紹介しまとめてみました。
時代によってテレビ自体の視聴率も変動しているため、単純に視聴率が高いから人気作品というわけでもなく、どの作品もそれぞれに際立った魅力が備えられた名作ばかりです。
ランキング全体としては、やはり戦国時代をテーマにした王道的な作品が平均して高い人気を誇っていますが、それ以外の時代を取り扱った作品にも、高い人気を獲得しているものが複数見られます。
また、NHK大河ドラマには、その時代時代を代表する名俳優達が主演しており、時代のスター達を振り返るという意味でも大河ドラマはうってつけです。
これを機会に是非、往年の大河ドラマの名作の数々を視聴してみてはいかがでしょうか?