伝説的ヴィジュアル系バンド「MALICE MIZER」ですが、GACKTさん脱退騒動で揉めた経緯が話題です。
今回は「MALICE MIZER」について、GACKTさんの脱退理由、解散理由、その後など現在を紹介します。
この記事の目次
MALICE MIZERからの脱退理由をGACKTが語り話題に
カリスマ的人気を誇るシンガーソングライター・GACKTさんは、元々、大人気ヴィジュアル系バンド「MALICE MIZER(マリスミゼル)」のボーカリストとしてデビューしました。
しかし、GACKTさんは1999年1月、喧嘩別れという形で「MALICE MIZER」を脱退しており、「MALICE MIZER」の往年のファンの間にも複雑な感情が現在まで残っているようです。
そんな背景がある中、2019年5月16日にGACKTさんがバラエティ番組「直撃!シンソウ坂上」にゲスト出演。
「MALICE MIZER」からの脱退理由の真相について語り、物議を醸しています。
GACKTが語った「MALICE MIZER」脱退理由とは
「直撃!シンソウ坂上」でGACKTさんは「MALICE MIZER」脱退の理由について、「どこまで言っていいのかわからないけど」と前置きした上で、以下のように語りました。
GACKTは「方向性の違いというよりも、(自分が)25歳の時にバンドのメンバーが集まって解散するって話になったんだよね」と告白。「自分は続けるつもりだった。だけど、僕、対メンバー・社長に完全に分かれてしまって。それなら自分の求める音楽をつくっていこうと」と脱退は不本意であったことを明かした。
引用:GACKT マリスミゼル脱退理由を初告白「自分は続けるつもりだった。だけど…」-スポニチ https://www.sponichi.co.jp
当時、GACKTさんは方向性の違いから、「MALICE MIZER」のメンバー達や社長と対立し、GACKTさんが突然失踪してそのまま脱退する運びになった、とメディアで報じられていました。
また、メンバーの中で特に人気が高かったGACKTさんがソロ活動を希望したため、他のメンバーとの対立が深まった、といった噂も当時のファンの間では流れていました。
しかし、「直撃!シンソウ坂上」でのGACKTさんの告白によれば、「脱退は不本意だった」とし、それでも脱退しなければならなかった理由として以下のように明かしています。
「もう『話す価値もない』みたいな状態で、僕対メンバー・社長っていう(形で)完全に別れちゃったんですよ。だったら僕は自分の音楽を作ろうって思って」
引用:GACKTがMALICE MIZERの脱退騒動を告白 ファン「美談にしないで」と反論殺到-リアルライブ https://news.nifty.com
この発言からは、GACKTさんは出来ることなら「MALICE MIZER」として音楽を続けていきたかったものの、メンバーや社長に拒絶され、脱退せざるを得なかったと読み取れます。
GACKTは脱退騒動時に雑誌でコメント
GACKTさんは「MALICE MIZER」の脱退騒動の最中の1998年12月、ヴィジュアル系音楽雑誌「SHOXX」の表紙にソロで登場、脱退騒動についてのコメントを発表していました。
この雑誌インタビューでGACKTさんが語った内容を要約すると、
「元々、バンドを維持するためにたくさん我慢をしていた」
「その我慢はバンドや他のメンバーを愛していたからなんとかできていた」
「しかし、次第にバンドメンバーとも意見が食い違ってしまった」
という事のようです。
さらに、その意見の食い違った部分についても、GACKTさんは具体的内容を明かしています。
当時、横浜アリーナでの公演を終えたばかりだった「MALICE MIZER」でしたが、GACKTさん以外のメンバーは過密なスケジュールに疲れ果てて、一度休みたがっていたのだそうです。
しかし、GACKTさんは休まずに動き続けたいと強く主張したそうです。
そして、GACKTさんは「休みたい人は休めばいいし、動きたい人は動けばいいのでは?」という意見を示したそうです。
しかし、この発言が他のメンバーや社長から「GACKTはソロ活動がしたいのだろう」と誤解されてしまい、それが次第に修復不可能なほどの亀裂を生んでしまったという事でした。
GACKTがブログでMALICE MIZER脱退について語った事も
さらに、2017年4月25日にはGACKTさんが自身のブログにて「18年前の今日」のタイトルで、「MALICE MIZER」の脱退騒動について書いています。
18年前の今日。ボクがバンドからソロに復活した記念すべき日だ・・・。
こう書き出したGACKTさんは、「MALICE MIZER」脱退騒動の頃の自身の記憶を振り返って続けます。
色んなことが脳裏に蘇る。MALICE MIZERのメンバーそしてあの当時の女社長に突然なんの相談も前触れもなく『MALICE MIZERは解散する』と告げられたあの日のことも。あのミーティングで最後は喧嘩のような状況になったことも。
このブログによれば、当時の所属事務所の女社長が突然に「MALICE MIZER」の解散を言い出したようですね。
そして、それにGACKTさんは抵抗したものの、結局のところ喧嘩別れのようになったという事が読み取れます。
GACKTの語った事を総合すると
以上から、GACKTさんは「MALICE MIZER」として活動を続けたかったが、意見の違いからバンド内に居場所がなくなり、ソロとして活動をせざるを得なかったという事になりそうです。
MALICE MIZERとは
ここで、GACKTさんが所属していたヴィジュアル系バンド「MALICE MIZER」について、簡単におさらいしておきたいと思います。
「MALICE MIZER」は、1992年結成のヴィジュアル系バンドで、当時のビジュアル系バンドブームの中でも特に人気があった4バンド「ヴィジュアル系四天王」の1つに数えられています。
GACKTさんは、1995年10月に2代目ボーカルとして「MALICE MIZER」に途中加入しました。
「MALICE MIZER」は独自の世界観を徹底的に追求したバンドで、中世ヨーロッパの文化を土台にした、幻想的で奇抜なミュージカル風の演出で人気を集めました。
また、音楽性に関しても独自の路線を徹底的に追求しており、ロックを基本にしてクラシック音楽を巧みに組み合わせた楽曲を数々生み出し、方々から高い評価を獲得していました。
GACKTのMALICE MIZER脱退理由にメンバーが反論
さて、再び「MALICE MIZER」からのGACKTさん脱退騒動に話を戻します。
実は、GACKTさんの脱退理由の説明と、その他の「MALICE MIZER」メンバー達の主張は大きく食い違っています。
MALICE MIZERのメンバーがGACKTに反論
出典:https://visualkei.fandom.com
GACKTさんは前述の通り、1998年12月、1人だけでヴィジュアル系専門雑誌「SHOXX」に登場し、自らの主張を発信しました。
これを受けて、他の「MALICE MIZER」のメンバー4人がヴィジュアル系専門雑誌「Vicious」の1999年3月号に登場、GACKTさんが「SHOXX」で発信した主張への反論を展開しています。
出典:http://www.malice-mizer.co.jp
この雑誌「Vicious」でのメンバー達の発言によれば、GACKTさんは2018年11月頃に突然バンドのミーティングに来なくなり、そのまま行方不明になってしまったのだそうです。
そして、残されたメンバー達はGACKTさんを信じて待ち続けていたそうです。
そのため、メンバー達がまるでGACKTさんを追い出したかのように言われているのは事実と異なっていると主張しています。
出典:http://www.malice-mizer.co.jp
さらに、「他のメンバーは休みたがっていたが、自分は活動し続けたかった」との主張には、「僕らは充電期間を設けたいと言っただけで休みたいとは言っていない」と反論しています。
また、方向性の違いに関しても、メンバー達は何度も何度もミーティングを重ね、歩み寄ろうと努力したけれど、GACKTさんは離れていく一方だった事なども明かしています。
GACKTさんと仲が良かったドラムのKamiさんは「彼は『MALICE MIZER』を愛してると言っているけど、それなら何故このような行動をとったのか理解できない」とコメントしています。
MALICE MIZERのメンバーがファンへのメッセージを発信
出典:http://www.malice-mizer.co.jp
さらに、1999年1月には「Vicious」での反論に先立って「MALICE MIZER」のメンバー達が、ファンクラブ会員達に向けて、GACKTさん脱退騒動に関するメッセージを送付していました。
ファンに向けて送られたメンバー達それぞれのメッセージは、GACKTさんへの怒りや失望を隠さずに露わにした内容でした。
例えば、ギターのManaさんは「彼(GACKTさん)の発する言葉に、もはや真実など見えなかった」とコメントしています。
さらに、ドラムのKamiさんに至っては、GACKTさんへの強い怒りを感じさせるコメントを発信しています。
GACKTさんの一連の行動に「自分のためだったら何をしてもいいのか」と批判し、さらに「今まで手を組んで頑張ってきた自分が憎い」と自らの行動を後悔する気持ちを明かしています。
最後には「因果応報というものは必ずある」と、GACKTさんの行動にいつか報いが来る事を暗示するかのような、痛烈な批判な言葉で締めくくっているのです。
ファンからはGACKTを批判する声も
こうした当時の流れを踏まえて、往年の「MALICE MIZER」のファンの一部からは、現在でもGACKTさんを批判する声が見られます。
例えば、2017年にGACKTさんが自身のブログで「MALICE MIZER」について語った時には、
「今更あなたがMALICE MIZERを語らないで」
「あなたが勝手にMALICE MIZERを抜けた事はファンならみんな知っている、今更こんな発言が出来る神経が信じられない」
といった、批判的コメントが殺到しました。
さらに、後で詳しく紹介しますが、GACKTさん脱退後に程なくして亡くなってしまったドラムのKamiさんについて、GACKTさんが美談のようにして絆を語る事に対しても、
「Kamiの死を自分のイメージアップに使うな」
「Kamiはあなたに裏切られたと言っていたのに、何故今更そんな自分勝手な事が言えるの?」
と辛辣なコメントが見られます。
GAKCT脱退後のMALICE MIZERのその後
出典:http://www.malice-mizer.co.jp
続いては、GACKTさんが脱退したその後の「MALICE MIZER」ついて詳しく見ていきたいと思います。
GACKTさんが脱退した1999年、「MALICE MIZER」はまさに人気の絶頂であり、発表曲はことごとくオリコンチャートの上位にランキングされ、順風満帆という状態でした。
しかし、GACKTさんが脱退した頃から「MALICE MIZER」の活躍は、一気に陰りを見せる事になります。
MALICE MIZERはGAKCT抜きで活動を継続
出典:http://www.malice-mizer.co.jp
GACKTさん脱退後、残された「MALICE MIZER」のメンバーはGACKTさん抜きで活動を継続する意思を示していました。
GACKTさんはボーカルを務めていた事もあり、メンバー達は、代わりのボーカルを見つけて活動を継続していくというメッセージをファンに向けて発信しています。
GACKTはほどなくしてソロデビュー
「MALICE MIZER」からの電撃的な脱退後、GACKTさんはすぐにソロデビューに向けて活動を開始しています。
音楽系の雑誌でプロモーションを積極的に行い、GACKTさん個人のファンに向けても、GACKTさんが生声でメッセージを発信するといった電話を利用したサービスなどが開始されました。
1999年4月からGACKTさんは本格始動、全国11ヶ所でのインストアイベントなどプロモーションに力を入れ、5月12日にソロデビューミニアルバム「Mizérable」をリリースします。
「Mizérable」はオリコンの週間ランキングチャートで2位を獲得するなど、GACKTさんのソロデビューは最高の形でスタートしました。
その後の活躍については、ここでは書きませんが、GACKTさんはソロでも瞬く間に人気を上昇させ、2019年10月現在も絶大な人気を誇っています。
GAKCTと最も仲が良かったドラムのKamiが死去
一方、GACKTさん抜きで新たなスタートを切った「MALICE MIZER」でしたが、そんな矢先にあまりにも不幸な事件が起こります。
1999年6月、GACKTさんとも仲の良い事で知られていたドラムのKamiさんが、くも膜下出血で亡くなってしまったのです。
GACKTさんの脱退騒動があった矢先という事もあり、「MALICE MIZER」のメンバーやファンにも大きな動揺が走りました。
GACKTさんにはKamiさんの死は伝えられず、葬式にも呼ばれなかったのだそうです。
後に、GACKTさんはこの時のことを語っています。
それによれば、GACKTさんはKamiさんの地元の家を一軒一軒必死に回り、Kamiさんの実家を探し求めたのだそうです。
どうにかしてKamiさんの実家を見つけたGACKTさんは、Kamiさんの両親に泣きながら謝罪し、Kamiさんに対してもこれまでの経緯を泣きながら謝罪したのだそうです。
Kamiさんの両親はGACKTさんを温かく迎え、現在でも良好な関係を築いているそうです。
GACKTさんはKamiさんの御墓参りを毎年欠かすことなく続けており、その冥福を祈り続けているということでした。
「MALICE MIZER」のその後
出典:http://www.malice-mizer.co.jp
度重なる不幸な事態に遭遇した「MALICE MIZER」でしたが、代わりのボーカリストやドラマーを起用しながら、ファンとの約束を守って活動を続けました。
悲しい事件を乗り越えて活動を続ける「MALICE MIZER」をファン達も必死に応援し続けましたが、やはりこの流れの中でバンドを継続していく事はあまりにも過酷すぎたようです。
2001年12月、「MALICE MIZER」は活動休止を発表します。
事実上の解散である事はメンバーやファンも重々承知していましたが、あえて解散という言葉は使わなかったようです。
MALICE MIZERの解散理由とは
出典:http://www.malice-mizer.co.jp
「MALICE MIZER」の解散の理由についても、もう少し詳しく見ていきましょう。
2001年12月、「MALICE MIZER」はファンクラブ終了を告知し、メンバーそれぞれの道を歩むという理由で「活動休止」を発表しました。
当時、新たなアルバムの制作途中であり、あまりにも唐突な活動休止宣言となりました。
しかし、これまでの経緯を知るファン達は、悲しみつつもメンバー達の決断を受け入れたのでした。
メンバーそれぞれが解散(活動休止)へのコメントを発表
出典:http://www.malice-mizer.co.jp
こうした経緯もあり、「MALICE MIZER」は解散ライブも、メンバー達の肉声によるファンに向けての挨拶もありませんでした。
ただ、オフィシャル本として出版された「Malice Mizer file」の紙面にてそれぞれのメンバーがファンに向けてのメッセージを発信したのでした。
その中で、メンバー達はそれぞれの苦しい胸の内を吐露しています。
特にギターのKözi(コウジ)さんは、亡くなったKamiさんにも触れ「Kamiのことがあってから、絶対にバンドを止めてはいけない」と、苦しい中活動を続けてきたことを明かしました。
GACKTとKöziはその後和解
あまりにも悲しい顛末となった「MALICE MIZER」解散までの流れでしたが、2006年8月には、ファンにとって明るい気持ちになれるニュースも出ました。
喧嘩別れになっていたGACKTさんとギターのKöziさんが、決別以来の再会を果たし、一緒に酒を飲みながら過去のわだかまりを解消したというのです。
その後も、GACKTさんとKöziさんの交流は続いているようで、往年のファンにとっては、救いを感じる出来事になっています。
MALICE MIZERの現在
最後に、「MALICE MIZER」の現在についても触れておきたいと思います。
「MALICE MIZER」のメンバー達は事実上の解散後、それぞれ音楽活動を継続しています。
ギターのManaさんは、メタルバンド「Moi dix Mois」などで幅広く活躍しています。
そして、「Moi dix Mois」主催イベント「Deep Sanctuary」では、ギターのKöziさんやベースのYu~ki(ユウキ)さんが出演し、過去の名曲を演奏、往年のファンを喜ばせています。
2014年のこのイベントでは、演奏時についに「MALICE MIZERです。」と名乗り、「MALICE MIZER」は一夜限りの復活を果たしました。
まとめ
大人気ミュージシャン・GACKTさんが過去に所属していた伝説的ヴィジュアル系バンド「MALICE MIZER」についてまとめてみました。
GACKTさんの突然の失踪からのバンド脱退騒動、ドラムのKamiさんの突然の死など、あまりにも悲しい流れを経て、「MALICE MIZER」は解散してしまいました。
GACKTさんは現在もKamiさんの冥福を祈り続けており、他のメンバーはそれぞれの道を歩みながらも、時に音楽イベントで共演し、「MALICE MIZER」ファン達を喜ばせています。
悲しい過去を乗り越え、活動を続ける「MALICE MIZER」の元メンバー達やGACKTさんを今後も応援していきましょう。