シンナーとは

シンナーとは、本来は塗料を薄めるための有機溶剤です。「うすめ液」とも呼ばれています。ただ、シンナーはあくまで便宜的な総称であり、科学的には「これがシンナー」というものはありません。

一般的にトルエンをシンナーと呼ぶことが多いですね。トルエン・キシレン・メタノール・酢酸エチル・メチルエチルケトンなどがシンナーに含まれる物質です。

シンナーは各種産業に欠かすことができない物質ですが、中枢神経麻痺作用があることが特徴です。シンナーは揮発性が高いので、シンナーを気体化して、それを吸うことで、シンナー中毒の状態になります。これが、ヤンキーや不良がやっている「シンナー遊び」というものですね。

シンナー遊び

シンナー遊びは1970～1980年代にかけて、ヤンキーや不良が行っていたものです。シンナーを詰めたビニール袋を口に当てて、スーハ―スーハ―と吸うのがシンナー遊びです。

ビニール袋と口に当てている様子があんパンを食べているように見えたため、シンナーのことを「アンパン」と呼ぶこともあります。関西の方では「チャンソリ」と呼ばれることもあるようです。

シンナー遊びは犯罪です

「シンナー遊び」というと、気軽に行える「遊び」というイメージがあるかもしれません。でも、いくら遊び感覚でもシンナーを吸えば犯罪になるんです。

シンナーに含まれる成分であるトルエン・キシレン・メタノール・酢酸エチル・メチルエチルケトンは劇物に指定されています。

これらの劇物を吸引したり、吸引目的で所持していたら、毒物及び劇物取締法違反となります。毒物及び劇物取締法違反で逮捕された場合、「1年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金、又は併科」という刑罰になります。

初犯では執行猶予が付く判決になることがほとんどですが、犯罪であり、執行猶予になっても前科はつきます。さらに執行猶予中に犯罪を起こすと、次は実刑判決になることも少なくありません。

シンナーを使った男性芸能人・有名人3名

シンナーを使ったと告白したことがある男性芸能人・有名人をご紹介していきます。シンナーは1970～1980年代に不良だった人が使ったことが多いので、シンナーを使っていた芸能人・有名人の年齢層は高めです。

1．宇梶剛士さん

宇梶剛士さんは学生時代はかなり悪くて、暴走族の総長をやっていたことで有名ですよね。暴走族「ブラックエンペラー」の総長になり、喧嘩もすこぶる強かったそうです。

そして、当然のようにシンナーをやっていたのだとか。不良時代の宇梶剛士さんはシンナーを吸うのはもちろん、パンチパーマに特攻服という絵にかいたような不良だったそうです。

2．田代まさしさん

元タレントの田代まさしさんも、シンナーを吸っていた人です。田代まさしさんと言えば、失礼ながら覚せい剤のイメージが強いですよね。でも、シンナーも吸っていたそうなんです。

若い頃にシンナーを吸っていて、シンナーは簡単に辞めることができたとのこと。だから、覚せい剤などの薬物も簡単に辞めることができるだろうと思っていたら、想像を絶するレベルで辞めることができなかったと語っています。

若い頃のシンナーが現在の覚せい剤中毒の第一歩になってしまったというわけですね。ちなみに、田代まさしさんは大麻やコカインも所持していたことがあります。

3．島田紳助さん

現在は芸能界を引退している島田紳助さんは、以前にテレビ番組の「松本紳助」に出演した際に、学生時代にシンナーを吸っていたと告白しています。

島田紳助さんが不良だった時代は、不良なら誰でもシンナーを吸っているような感じでしょうから、シンナーをそれほど悪いことという認識がなかったのかもしれません。

シンナーを使った女性芸能人・有名人6名

シンナーを使ったことがある女性芸能人・有名人をご紹介していきます。

1．YUKIさん

ミュージシャンのYUKIさんは、シンナーを使っていたことを公言しています。自身のエッセイ本にもシンナーを使っていたことを書いています。シンナーを吸っていたら、父親にバレて殴られたとのことです。

YUKIさんはあまり不良のイメージはありませんが、年齢的には吸っていてもおかしくない年代だと思います。

2．飯島直子さん

飯島直子さんも、以前にシンナーを使っていた過去を告白しています。飯島直子さんは学生時代はいわゆる「不良のスケバン」だったとのことで、中学生から高校生の頃は、シンナー・喧嘩・バイク三昧だったのことです。

通っていた高校もあまり良い高校ではなかったようで、同級生の男子たちは学校内でもシンナーを吸っていたそうです。

3．中山史奈さん

元グラビアアイドルの中山史奈さんは、梨花さんの妹です。2000年にグラビアアイドルとしてデビューしていますが、2001年6月にはシンナー所持（毒物および劇物取締法違反）の疑いで逮捕されています。

デビューから約1年半でようやく売れてきたところだったのに、シンナー所持とはもったいないですよね。

4．飯島愛さん

シンナーを吸っていた芸能人、次は飯島愛さんです。飯島愛さんは14歳で家出をしてからシンナーを吸っていたそうです。しかも、芸能界に入ってからも、シンナーを吸っていたとの証言もあります。

5．松田聖子さん

松田聖子さんは、自分ではシンナーをやっていたと告白はしていません。あくまで噂ですが、芸能界にデビューする前はシンナーをやっていたという情報があるんです。

デビュー前は地元の暴走族に入っていて、シンナーで歯の裏側が溶けていたと言われています。

6．太田八重子さん

高校卒業後は一流企業の秘書をしていて、そこから家計を支えるためにヌードモデルに転身した太田八重子さんは、1969年に入水自殺をしています。この入水自殺はシンナーを含ませたビニール袋を用いて自殺したという説もあるんです。

シンナーの匂い

シンナーの匂いは、独特ですよね。シンナーの匂いはどんな匂いかというと、マニキュアの匂いを思い浮べてもらえば良いと思います。

マニキュアのツンとした独特の匂いがシンナーの匂いです。マニキュアのほかには、油性マジックやペンキなどの匂いも、シンナーの匂いですね。

時々、「マジックの匂いが好き」、「マニキュアの匂いが好き」と言って、マジックはマニキュアの匂いを嗅いでいる人がいますが、あまりやりすぎると、知らないうちにシンナー中毒になってしまう可能性があるので、注意が必要です。

シンナーの効果

シンナー遊びをしていると、次のような効果があると言われています。

このような感覚になるため、若者はこぞってシンナー遊びをしていたとされています。シンナー遊び全盛期である昭和45年には、なんと5万人もシンナーで補導されているんです。

シンナーの副作用

1970～1980年代はシンナー遊びをしていた若者が多かったですが、シンナーを甘く見てはいけません。シンナーは酔っ払った状態にさせるだけのものではないんです。重篤な副作用があります。

依存症になる

シンナーを吸い続けていると、依存症になります。

さらに、中毒性精神病になることもあります。シンナー中毒者の脳を調べてみると、脳が萎縮して小さくなっていることが多いんです。脳が小さくなっているということは、認知症のような状態になるということですね。

遊び半分でシンナーを吸っていたら、いつの間にかシンナー依存症になり、脳が萎縮していて、日常生活を送れない状態になっていたということもあり得るのです。

急性中毒になる

シンナーの副作用には急性中毒もあります。あまりにたくさんのシンナーを吸ってしまうと、急性中毒を起こすんです。

シンナーが入ったビニール袋を口に当てるのではなく、頭からかぶってシンナーを吸っていると、急性中毒にになり、意識が消失します。そのため、ビニール袋内に二酸化炭素が充満し、酸素が不足したことに気づかず、そのまま酸素不足で死亡するいうこともあるのです。

プラモデルを作るのが趣味の人は、塗装の時に頭が痛くなったことがあると思います。あれは、シンナーの急性中毒の症状なんです。

まとめ

シンナーの基礎知識とシンナーを使ったことがある芸能人・有名人を男女別に紹介しましたが、いかがでしたか？

シンナーは「シンナー遊び」と言われことが多いので、「ただの遊び」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。毒物及び劇物取締法違反になります。副作用も取り返しがつかないものばかりですから、シンナーは絶対に吸わないようにしてくださいね。