2020年6月23日に沼津市で発生した「沼津女子大生ストーカー殺人事件」の被害者の山田未来さんが注目されています。
この記事では山田未来さんについてや事件の概要、犯人で日本大学同級生の堀藍の生い立ちやストーカー行為、裁判での判決や現在などについてまとめました。
この記事の目次
山田未来さんは沼津女子大生ストーカー殺人事件の被害者
山田未来さん（事件当時19歳）は、2020年6月23日発生した「沼津女子大生ストーカー殺人事件」の被害者です。
山田未来さんは事件当日の13時20分頃、アルバイト先のコンビニから沼津市の実家へ車で帰宅し、車のドアを開けたところを突然、日本大学の同級生の犯人・堀藍に襲われ、刃物で滅多刺しにされて殺害されました。
山田未来さんは事件当時、日本大学国際関係学部国際教養学科に通う女子大生でした。静岡県沼津市のみかん農家の長女で、日本大学には実家から通い、将来は航空管制官になる夢を抱いて勉強に励んでいたそうです。
山田未来さんは、両親と高校生と中学生になる弟2人、80歳近い祖父母との7人家族だったそうですが、近所の人の証言によれば、山田未来さんはおじいちゃんおばあちゃん子で優しい性格だったため、日本大学進学後も地元沼津市の実家を出ずに同居していたのではないかという事でした。
また、免許を取る前は父親がアルバイト先まで車で送迎するなど、家族仲もとても良かったという事でした。
アルバイト先の同僚も山田未来さんの性格について「純粋で誠実、裏表のないとてもいい子。」と証言しています。
バイト先の同僚は山田さんの性格を「純粋で誠実、裏表のないとてもいい子。その反面、断りきれず、頼み事を引き受けたり、嫌なことを嫌だと断れず溜め込むことがあった」と振り返る。
山田未来さんは小学校時代は読書感想文で賞を取った事があるなど成績が優秀で真面目な生徒だったという事ですが、中学時代には何か悩みがあったのか後半は学校を休みがちになったとの中学時代の同級生の父親からの証言も出ています。
小学校時代は、読書感想文で賞をとったこともある成績優秀な子どもだった。
「でも、中学校の後半は学校を休みがちだったそうです。何があったのか、理由はわからないけど」（同級生の父親）
ただ、山田未来さんは日本大学へ進学後は、明るく社交的で、優しい性格もあって周囲の友人らから慕われていたという事でした。
山田未来さんが殺害された沼津女子大生ストーカー殺人事件の概要
山田未来さんが殺害された「沼津女子大生ストーカー殺人事件」について、事件に至るまでの経緯を時系列順に見ていきます。
山田未来さんは、2019年4月に日本大学国際関係学部へと進学しました。犯人の堀藍は日本大学の同級生で学部も同じでした。
その年の7月、犯人の堀藍は大学内で山田未来さんを見かけて気に入り、ナンパするような形でしつこく「LINEのIDを教えて」を迫ったようです。山田未来さんは最初はLINEのIDを教える事を拒んでいたそうですが、山田未来にしつこく迫られ約3ヶ月後の10月にLINEのIDを教えてしまいました。
それからというもの、犯人の堀藍は山田未来さんにLINEでメッセージを送りしつこく誘うようになります。山田未来さんは丁寧に断っていたものの、あまりにもしつこく堀藍からのメッセージが届くため、2020年4月にはっきりと断りのメッセージをLINEで送信しています。
山田さんは2020年4月、LINEでしっかりと拒絶を示した。
〈ごめんね、たくさんLINEしてきてくれてるけど、好きじゃないんだ。他の人とLINEしたほうがもっと楽しいと思う〉
しかし、堀藍は、「俺は未来のことが好きだし」、「そう言われても無理」などと、あまりにも身勝手なメッセージをLINEで送って山田未来さんの気持ちを一方的に無視し、その後もデートに誘ったり、「一緒にインスタライブをしよう」と持ちかけたりとLINEでのメッセージを送り続けました。
ついに耐えきれなくなった山田未来さんは、ついに堀藍のLINEをブロックします。堀藍はこれに激昂して山田未来さんへの殺意を募らせたと供述しています。
2020年6月23日の13時20分頃、堀藍は以前から用意していた鶏肉解体用の業務用の包丁を隠し持って、山田未来さんの自宅から70メートルほど離れた狭い路上で待ち伏せし、アルバイト先から車で帰宅した山田未来さんがそのドアを開けた直後にいきなり襲いかかりました。
山田未来さんは抵抗し、車内でもみ合いになる中で一度は包丁を取り上げて車外に逃げ出して近くの民家に助けを求めていますが、すぐに堀藍に捕まって包丁を奪い返されました。
堀藍は山田未来さんに馬乗りになって、包丁で、腹部、背部、頸部などを執拗に突き刺しました。堀藍は110番通報を受けて駆けつけた警察官によって現行犯逮捕されています。
山田未来さんは病院に搬送されましたが約2時間後に死亡が確認されました。事件後の警察による調べでは山田未来さんの刺し傷は49箇所にも及んでいた事が明らかになっています。
山田未来さん殺害の犯人で日本大学の同級生だった堀藍について
山田未来さんを殺害した犯人の堀藍についても見ていきます。
堀藍は、山田未来さんと日本大学国際関係学部の同級生で、事件当時は20歳で2年生でした。
犯人の堀藍は山梨県の出身で、山梨県南都留郡富士河口湖町のアパートで両親と3歳年上の兄の下育っています。
小中学時代の同級生の証言によると、堀藍は子供の頃から野球が好きで特に西武ライオンズのファンでファンクラブにも入っていたという事です。
中学時代は野球部に入部したという事でしたが、子供の頃から心臓が弱くピースメーカーを入れていた事もあって活躍できず、試合には出場せずにスコアをつけたりとマネージャーのような仕事をしていたようです。
当時は特にキレたりすることも無く、大人しく目立たない性格だったという事で、いつもニコニコしているため周囲からは愛されキャラでいじられキャラだったとの事。
中学卒業後は、父親の転勤により家族で茨城県に引っ越し、堀藍は同県の甲子園常連の野球部で知られる私立高校へと進学したようです。高校時代には英語部に所属していたようで、当時の同級生からは「おとなしい人で、事件を起こすようには見えなかった」との証言が出ています。
高校時代の同級生の男性（２０）によると、堀容疑者は山梨県内の中学を卒業した後、茨城県内の私立高校へ。昨年卒業し、三島市の大学に進んだ。中学では野球部、高校では英語部に所属。「おとなしい人で、事件を起こすようには見えなかった」という。
一方で、堀藍は高校に進学した頃から精神のバランスを崩していたようだとする、小中学生時代の同級生からの証言も出ているようです。
しかし、そのころから精神のバランスを崩していたようだと、前出の同級生が話す。
「堀は、4年ほど前に、闇サイトや精神的に病んでいる人のツイートに、リツイートや妙な書き込みをしていた。すでに削除されていますが、大丈夫かなと心配でした」
高校卒業後に犯人の堀藍は日本大学へ進学し、三島市内の日本大学国際関係学部のキャンパス近くのアパートで一人暮らしを始めています。
日本大学進学後の堀藍は、外国人に日本語を教えるボランティアサークルに入っていたという事でしたが、「孤立気味だった」との証言でています。
同じ大学の２０代男性によると、堀容疑者は大学で外国人に日本語を教えるボランティアの部活動に入っていた。男性は「孤立気味だった」と話す。
また、沼津市での堀藍さん殺害事件を起こす1ヶ月前には学生によるオンライン飲み会にも参加していたという事ですが、その時も終始無言で様子がおかしかったとの証言も出ています。
５月に学生が開いたオンライン飲み会で堀容疑者が一言も話さず、「何かあったのかと思った」という。
山田未来さんを殺害した犯人の堀藍が行ったLINEなどでのストーカー行為
高校から大学にかけて様子がおかしくなったという犯人の堀藍ですが、沼津での事件後の警察の取り調べや裁判記録などから、山田未来さんに対する執拗なLINE送信をはじめとする数々のストーカー行為を働いていていた事が判明しています。
まず、堀藍が山田未来さんに執拗に送っていたLINEの内容については、「FRYDAY」が、その一部を記事に掲載しています。
2019年10月から事件を起こす2020年6月の間に合計789回のやりとりがなされているが、そのうち被告からのLINE送信は551回にもおよぶ。
〈いままで付き合った彼氏とかいるの〉
〈どういう人がタイプなの〉
〈恋愛したいとか思ってる？今は特に好きな人いないって感じかな〉
山田未来さんは、こうしたLINEに対して、はぐらかしながらも返信をされていたそうですが、少しでも返信が遅れると堀藍は「未来、返信遅い」などと、不満を露わにし素早い返信を催促するLINEを送信していたようです。
「FRYDAY」によれば、堀藍が山田未来さんに送信したLINEの内容は以下のように、プライベートに踏み込んだ内容もあったという事でした。
〈未来は俺に会いたいって思ってる？〉
〈俺の中で恋愛感情消えないんだ、どうしたらいいのかわからない〉
〈男の子好きになったことある？見た目か中身、どっちが大事？〉
〈身長は何センチ？体重はいくつ？〉
〈未来の親って仕事何やってるの〉
こうした遠慮のないLINEを500回以上も送信していたという事からも、堀藍の異常性がかい見えますが、こうした行動の他にもこの男はストーカー行為を繰り返していた事が明らかになっています。
2019年12月頃から、山田未来さんの携帯電話に不審な電話がかかって来るようになり、近所のマクドナルドの店舗内やネット上のSNSに電話番号が書かれている事がわかります。
山田未来さんは2020年1月に沼津警察署にこの事を相談に訪れていました。
未来さんは今年1月、「自分の電話番号を店舗の落書きやSNSに書き込まれる」などと沼津警察署に相談していたが、堀容疑者の名前は出なかったという。
山田未来さんはこの時も、「証拠もないのに疑いたくない」と言って、堀藍の名前は出さなかったという事ですが、その後の取り調べで、電話番号を拡散させたのは堀藍の仕業だった事が明らかになっています。
さらにこの他にも、堀藍はLINEのやりとりなどの断片的な情報を繋ぎ合わせて、山田未来さんの自宅やアルバイト先、車などを特定し、さらに山田未来さんの大学での部活動の部室に不法に侵入して携帯電話番号を入手していた事なども判明しています。
山田未来さんを殺害した犯人の堀藍の一審判決は懲役20年
出典：https://lh3.googleusercontent.com/
堀藍は、山田未来さんを殺害した殺人罪の他、銃刀法違反、ストーカー規制法違反、建造物侵入など複数の罪で起訴され静岡地裁沼津支部で裁判を受けています。
検察側は無期懲役を求刑しましたが、2021年7月13日に静岡地裁沼津支部が下した判決は懲役20年という求刑よりも軽いものでした。
昨年6月、静岡県沼津市で女子大学生を刺殺したとして、殺人やストーカー規制法違反などの罪に問われた住所不定、無職の堀藍（あおい）被告（21）に対する裁判員裁判の判決が13日、静岡地裁沼津支部であった。菱田泰信裁判長は懲役20年（求刑無期懲役）を言い渡した。
山田未来さん殺害の犯人の堀藍の現在…一審判決を不服として検察側が控訴
堀藍には懲役20年の実刑判決が下されましたが、検察側はこの判決を不服として控訴しています。
静岡県沼津市で昨年６月、大学２年の山田未来さん＝当時（１９）＝が刺殺された事件で、検察側は２８日までに、殺人やストーカー規制法違反などの罪に問われた同級生の堀藍被告（２１）に懲役２０年を言い渡した静岡地裁沼津支部の判決を不服として控訴した。
現在、今後予定されている堀藍の控訴審の行方にも注目が集まっています。
まとめ
今回は、2020年6月23日発生した「沼津女子大生ストーカー殺人事件」の被害者・山田未来さんと、犯人の堀藍についてまとめてみました。
山田未来さんは日本大学国際関係学部の同級生だった堀藍に一方的に行為を寄せられ、執拗にLINEでメッセージを送られ、個人情報なども違法に調べられるなどするストーカー被害を受け、自宅近くで待ち伏せにあって殺害されました。
堀藍は裁判で懲役20年の実刑判決が下されていますが、検察側はこの判決を不服として控訴しています。
現在、堀藍の控訴審の行方にも注目が集まっています。
