家系ラーメンの元祖である吉村家の直系店舗は少ないです。しかもその少ない直系店舗の中で、唯一の女性店主だったラーメン店がまつり家です。
まつり家の基本情報やオープン経緯、女性店主の内田貴子さんについて、内田貴子さんと結婚した旦那や子供、閉店理由や現在をまとめました。
この記事の目次
まつり家(家系ラーメン)は女性店主初の吉村家直系店舗
まつり家は家系ラーメンを出していたラーメン店です。
家系ラーメンの元祖である吉村家の直系店舗として、2003年10月に神奈川県藤沢市遠藤937-6でオープンしました。
このまつり家は数少ない吉村家の直系店舗であり、しかも女性店主(内田貴子さん)が経営している店として話題になりました。
「吉村家直系&女性店主」という珍しさからマスコミに取り上げられることも多く、人気店になっています。直系店舗ならではの醤油とんこつの家系ラーメンの美味しさだけでなく、女性だからこそのきめ細やかな接客などでも人気になりました。
店主はお客に気配りができ、礼儀正しい。その一方では店員に厳しい指示を出していて、しっかりした店主という印象。本家の味になるのも遠くないだろう。
引用:まつり家
しかし、2015年11月にまつり家は閉店しています。
吉村家とは
出典:magcul.net
まつり家を語る上で絶対に欠かせない存在が吉村家です。吉村家は1974年に社長の吉村実氏が横浜でオープンさせたラーメン屋です。
・豚骨醤油スープ
・極太ストレート麺(酒井製麺)
・鶏脂を使う
・トッピングは厚切りチャーシュー、大きな海苔、ほうれん草
これらの特徴を持つラーメンが吉村家のラーメンであり、吉村家発祥のラーメンを「家系ラーメン」と呼ぶようになりました。
吉村家は積極的に弟子を取り、その弟子が「○○家」という屋号で次々に家系ラーメンを出すラーメン店を出して独立したため、吉村家の家系ラーメンは神奈川県や東京だけでなく、全国各地に広まっていきました。
まつり家の女性店主・内田貴子さんも、この吉村家で修行し、独立してまつり家をオープンさせました。
直系店舗は厳しい修行に耐えた店主のみが名乗ることができる
出典:kanaloco.jp
内田貴子さんが2003年にオープンさせたまつり家は、吉村家の直系店舗になります。この「吉村家の直系店舗」は吉村家で修行した人がオープンさせたら誰でも「直系店舗」と名乗れるわけではありません。
厳しい修行に耐え、吉村家の社長に認められた人だけが「直系皆伝」となり、直系店舗と認めてもらえるのです。
直系店舗とは?
吉村家にて修行をし無事開業に至った店舗であり
なおかつ家系ラーメン店経営者として立派に運営をし
成功している店舗のことを言います。
吉村家で修行をし終業しただけでは直系皆伝とはなりません。
直系店舗には必ず「家系皆伝」と「家訓」が貼りだされています。
直系店舗は2024年7月時点で8店舗しかありません。内田貴子さんの「まつり家」は直系店舗として認められたラーメン屋です。つまり、内田貴子さんの技術は家系ラーメンの総本山である吉村家に認められたことになります。
そして、女性店主の直系店舗は今まで「まつり家」以外に存在しません。内田貴子さんとまつり家は唯一無二の家系ラーメン屋と言えるのです。
まつり家(家系ラーメン)の女性店主は内田貴子
まつり家は女性店主である内田貴子さんが経営していました。
内田貴子さんの詳細なプロフィールは不明ですが、吉村家で修行をしていた時に「35歳」と紹介されていました。
吉村家で1年間修行をしてまつり家をオープンさせたので、次のような経歴になります。
・35歳(2002年):吉村家で修行
・36歳(2003年):まつり家をオープン
・48歳(2015年):まつり家閉店
まつり家をオープンした時には結婚していて、子供は2人いたことが分かっています。
内田貴子は中国人?
出典:tiktok.com
まつり家の女性店主の内田貴子さんは中国人ではないかと言われています。内田貴子さんのことをGoogleで検索すると、検索関連ワードに「中国人」というワードが出てくるんです。
内田貴子さんが吉村家で修行してまつり家をオープンさせる密着番組を見ていると、内田貴子さんは日本語はペラペラですが、時々発音やイントネーションがネイティブな日本人とはちょっと違う感じがあります。外国人ぽい発音と言えば良いのでしょうか。
もしかしたら、在日中国人なのかもしれません。
内田貴子の修行の映像が話題に
内田貴子さんは吉村家に弟子入りし、厳しい修行に耐えました。吉村家の修行は非常に厳しいことで知られていて、元直系店舗で家系四天王の1人だった王道家の清水氏も「並大抵では努められない」と言っています。
吉村家の修業は大変厳しく、自分も鶴巻さんも、経験した事ではありますが、並大抵の人間では努める事は出来ません。
そんな厳しい修行を内田貴子さんは耐え抜きました。修行の様子に密着したテレビ番組がありましたが、女性だろうと容赦しない吉村実氏と地獄の修行を耐え抜く内田貴子さんの様子が話題になりました。
吉村家の社長の吉村実氏は女性の中でも小柄で華奢な体格の内田貴子さんを怒鳴りつけ、足で蹴り、平手打ちをして、体を押したりしていました。
出典:tiktok.com
出典:tiktok.com
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そんな厳しい修行の中で、内田貴子さんは涙を流すこともありました。
出典:x.com
お店の営業中に客前で怒鳴りつけられたら、涙を流してしまうのも仕方がないかもしれません。
現在、こんな修行をするところがあったら、SNSで晒されて大炎上するかもしれませんが、内田貴子さんが修行をしていたのは今から20年以上前のこと。
この頃は今ほど「パワハラ」が問題視されていませんでしたし、TBSの「ガチンコ」などで厳しい修行風景の番組が人気になっていましたから、このような地獄の修行もそこまで変なことというわけではありませんでした。
資金800万円で店をオープン
出典:tiktok.com
吉村家で厳しい修行を終えた内田貴子さんは、2003年10月に藤沢市にまつり家をオープンさせました。ただ、この時は資金面でいろいろ大変だったようです。
吉村家で修行をして、ラーメン作りのスキルを習得しても、自分のお店を出すには開店資金が必要です。開店資金まで吉村家が面倒を見てくれるわけではありません。
店主の内田貴子さんはまつり家の開店資金を準備するために、子供の学資保険や自分たちの生命保険を切り崩し、それに貯金を合わせて800万円を用意しました。
ただ、800万円では立地の良い場所に店舗を借りることはできず、ラーメン屋の立地条件としては「最悪」に近いところにまつり家を出すことになったのです。
最寄駅からは離れていてバスで10分以上かかる場所にあり、車の通りもそこまで多くはありません。吉村家の社長はこの場所に店を出すことを反対していて、オープン前日にまつり家を訪ねた時に、次のように言っていました。
・(俺なら)こんなとこでやんないよ、死んでもやんないよ
ただ、内田貴子さんは開店資金が乏しかったこともあり、勝手にこの場所にまつり家を開くことを決めたとのこと。そして、「でもここも当たるようにします」と宣言していました。
まつり家(家系ラーメン)は人気店&カップラーメンも出した
前述のように、まつり家は人通りも車通りも少なく立地条件は悪い場所でオープンしました。
最初はあまり客も入らず、「スープの出汁ができってない感じ」「いまいち、なんかうどん食べたかなっていう」などの客からの辛口評価もありましたが、味の調整を続け、吉村家直系店舗として吉村家の味を出すラーメン店として少しずつ人気が出てきました。
スープはやや薄口だが、2口目3口目からは薄口という印象から、こってり感と豚骨系の旨みが出ているといった印象に変わり、本家の味にほぼ近いように思えた。
引用:まつり家
2008年3月には、コンビニエンスストアのローソンから「まつり家」の内田貴子さん監修のカップラーメンが発売されました。
パッケージには内田貴子さんの顔写真と「吉村家直系店まつり家」と大きく書かれています。この頃は、家系ラーメンの有名店がどんどんカップラーメンを出している頃でしたので、吉村家直系店舗のまつり家もローソンから声がかかったのでしょう。
大手チェーンのローソンからまつり家のカップラーメンが出たことで、まつり家は全国的に知られる人気ラーメン店に成長しました。
まつり家(家系ラーメン)の女性店主・内田貴子が結婚した旦那はヤバい?
出典:tiktok.com
まつり家の女性店主の内田貴子さんは、まつり家をオープンさせた時にはすでに結婚していて子供が2人いました。子供は小学校10歳の女の子と5歳の男の子です。
まつり家は夫婦2人で営んでいましたが、お店での力関係は確実に内田貴子さんの方が上でした。また、店主も旦那さんではなく、内田貴子さんになっています。
実は、吉村家での修行は内田貴子さんと旦那さんの2人で始めたんです。しかし、旦那さんは吉村家の修行があまりにも厳しかったために、途中で逃げ出してしまいました。その一方、内田貴子さんは厳しい修行に耐えて、直系店舗を名乗ることを許されました。
途中で修行を逃げ出した旦那さんも、まつり家で一緒に働くことになったのですが、非常に頼りない様子でした。
基本的に貴子さんの後ろをついていくような状態でしたし、開店当初に客足が伸びない時には密着取材をしていたテレビスタッフに「今日はどんな感じですか?」と聞かれて、へらへらしながら「今日はいまいちです。いまにです」と答えていました。
さらに経営状態がどんどん厳しくなった時には「今日も死んでますね。お店死んでますよ。(客が)いませんでしょ。」とへらへらしながら話していたし、内田貴子さんに注意された時には「教えてもらってないのに怒られるんだもんにー」と少しふざけながら、内田貴子さんを茶化す感じで言い訳をしていました。
・夫婦で修行を始めたのに、自分だけ途中で逃げ出す
・お店がうまくいかなくても、へらへらしている
・注意されたら茶化しながら言い訳する
夫婦のお金を全部つぎ込んで一緒にお店をやっているのに、内田貴子さんが結婚した旦那さんはどこか他人事のような感じがします。てきぱき働く内田貴子さんを見ると、なぜこの旦那さんと結婚してラーメン店をやろうと思ったのか不思議です。
まつり家(家系ラーメン)の閉店理由は破門?病気?
2015年に閉店
出典:tiktok.com
吉村家の厳しい修行に耐え、2003年10月にオープンしたまつり家でしたが、2015年11月29日に閉店しました。
湘南ライフタウンにあった、横浜家系ラーメンの「まつり家」が11月末で閉店した。
家系ラーメンの総本山「吉村家」直系で、女性店主がやってた店や。
店内に閉店の告知等はなく、突然の閉店だったようです。
吉村家での地獄のような修行に耐え、全財産をかき集めてオープンさせたまつり家。女性店主の内田貴子さんはこのまつり家に並々ならぬ思いを持っていたはずですが、まつり家が閉店したことで吉村家の直系店舗は1つ減ったことになります。
理由は「店主の病気」
まつり家の表向きの閉店理由は店主の病気です。
都内で自身の店を構えていたところ、まつり家店主夫婦から体調面による引退を相談され、「お前にここを譲る」と話されたという。
体調不良だったのは女性店主の内田貴子さんという噂もありますし、旦那さんが体調不良で内田貴子さんが療養の世話をしなければいけないからという噂もあります。
内田貴子さんは女性の中でも小柄で華奢な部類に入ります。ラーメン作りはかなりハードで体力勝負、力仕事も多いです。そんなハードな仕事を毎日長時間続けていたら、体調不良になってしまったのかもしれません。
自ら破門にしてもらったという噂も
病気療養を「表向きの理由」としたのは、まつり家は吉村家を破門になったという噂もあるからです。
吉村家の社長である吉村実氏は、まつり家を破門にした理由をインタビューで語っていました。
神奈川県F市の店は『5000万円貯まったから辞める』と。また違うところでラーメン屋さんやっているけどね。ガラを炊いて捨てるって作業だけでも体力がないとできないし、ゴミ代も出るし、限界もあったんじゃないですか
引用:家系総本山「吉村家」創業者、吉村実氏にインタビュー。今の家系ラーメン業界について何を思う? – [はまれぽ.com] 横浜 川崎 湘南 神奈川県の地域情報サイト
このインタビューが本当なら、内田貴子さんは5000万円貯まったからまつり家を閉店して、吉村家の直系店舗を破門にしてもらったということになります。
家系ラーメンの世界はいろいろとドロドロしているのかもしれません。
まつり家(家系ラーメン)の現在①:藤澤家として再出発
出典:iekei-ramenman.hatenablog.com
まつり家があった場所は、現在は「藤澤家」という家系ラーメン店になっています。
この藤澤家はまつり家で2ヶ月間働いていた店主が幡ヶ谷で独立してラーメン店を営んでいたら、まつり家の店主から引き継いでくれないかとオファーがあって、「藤澤家」としてオープンさせました。
藤沢市の郊外に2016年1月オープンした「藤澤家」。家系ラーメンの銘店として営業していたお店をそのまま引き継ぎ開店し、開店直後より多くの来客で賑わっている。縁あって現在の藤澤家の店舗を、看板を一部変え、それ以外はほぼ以前のお店の設備をそのまま使用している。
この藤澤家の店主はまつり家では働いていましたが、吉村家で修行したわけではないので、直系店舗ではありません。
ただこの藤澤家はまつり家の味、つまり吉村家の味を引き継いでいるとして話題になり、現在でも営業を続けています。
まつり家(家系ラーメン)の現在②:女性店主の内田貴子は新しい店をオープン
女性店主の内田貴子さんは、2015年11月にまつり家を閉店させた1年後の2016年11月に藤沢市内で新しいラーメン店「麺や一峯」をオープンさせました。
まつり家閉店1年後に新しいお店をオープンしたということは、病気療養が理由ではなかったのかもしれません。お店を閉店するほど体調が悪かったなら、たった1年で新しいお店を開くという考えにはならないはずですから。
この内田貴子さんが新しく開いた「麺や一峯」は家系ラーメンとはかけ離れたすっきり淡麗系のラーメン屋です。内田貴子さんのラーメンのモデルチェンジを見ると、吉村家や社長と何らかのトラブルがあったのか、家系ラーメンを作るうちに違うラーメンを作りたい(現在の淡麗系)と思ったかのどちらかがまつり家の閉店理由ではないかと思えてきます。
内田貴子さんの「麺や一峯」は現在も営業を続けていますので、やはり「病気療養」ではない理由でまつり家を閉店したのでしょう。
まつり家(家系ラーメン)と女性店主・内田貴子のまとめ
家系ラーメンのまつり家の概要や女性店主の内田貴子さんについて、結婚した旦那やまつり家の閉店理由と現在をまとめました。
まつり家はなぜ閉店したのか?吉村実氏のインタビュー内容を見ると、内田貴子さんと吉村家の間に何かトラブルがあったのかもしれないと勘ぐってしまいますね。