金子勇(Winny事件)の逮捕理由と死因!経歴と天才説・現在生きてる説も総まとめ

Winnyの開発者で天才とも評されるプログラマーの金子勇さんが話題です。

 

この記事では金子勇さんの経歴や天才と評される理由、結婚などの家族、逮捕され冤罪確定したWinny事件の内容、現在の生きてる説や本当の死因は暗殺の噂、映画化などについてまとめした。

 

金子勇(Winny開発者)のプロフィール

 

金子勇のプロフィール

 

生年月日:1970年7月(日にちは不明)

没年月日:2013年7月6日(享年42歳)

出身地 :栃木県下都賀郡都賀町(現在の栃木市)

 

金子勇(かねこ・いさむ)さんは、P2P(Peer to Peer)技術を使った匿名性の強いファイル共有ソフト「Winny」を開発した事で知られるプログラマーです。

 

金子勇さんは、2002年にネットの匿名掲示板2ちゃんねる(現在の5ちゃんねる)のダウンロードソフト板「MXの次はなんなんだ?」スレに匿名で書き込みをし、ユーザーとやりとりをしながら改良を重ねWinnyの開発を進めた事で知られています。

 

この時の最初の書き込み番号が「47」で、その後もこのスレで47を名前として使用した事にちなみ、金子勇さんは「47氏」の愛称でも呼ばれました。

 

金子勇さんが開発したWinnyは、主に著作権を侵害したファイルの交換に使われたために社会問題化しました。2003年に違法アップロードをした2人の男が逮捕され、2004年に開発者である金子勇さんも逮捕されています。この「Winny事件」の内容については後述します。

 

金子勇さんは時代の先端を走っていた天才として現在もプログラマーやネット関係者の間で高く評価されており、その経歴も注目されています。次の見出しから金子勇さんの経歴を紹介していきます。

 

 

 

金子勇の経歴① 小学生からプログラミングを学び高校で第一種情報処理技術者試験合格

 

金子勇さんは栃木県下都賀郡都賀町(現在の栃木市)に1970年に生まれ、プログラミングに興味を持った小学生の頃に現在のPCのルーツにあたるマイコンが出始めました。

 

金子勇さんは電気店の店頭に置かれていた試用のマイコンを使ってプログラミングを学びました。当時から店頭でゲームのプログラムなどを作っており、そのクオリティの高さから、金子勇さんの周囲にはいつも人だかりができ、店側にデモとして使わせて欲しいとお願いされる程でした。

 

中学時代には携帯型コンピューターのポケットコンピューターを手に入れ、授業中もそれを使ってずっとプログラミングをしていたそうです。

 

中学卒業後は栃木県立栃木高等学校に入学し、1年生の時に国家試験である第二種情報処理技術者試験に合格、2年生の時に第一種情報処理技術者試験に合格されています。

 

 

 

金子勇の経歴② 茨城大学工学部情報工学科へ進み同大学院で博士号取得

 

出典:https://asset.watch.impress.co.jp/

 

金子勇さんは1989年に高校を卒業後茨城大学工学部情報工学科に入学し、シミュレーションプログラムなどを専門に研究しています。大学時代もプログラミング漬けの日々で、大学に寝泊まりしてUNIXでのプログラミングに打ち込まれています。

 

大学卒業後はそのまま茨城大学大学院工学研究科情報工学専攻修士課程へと進み1999年に工学博士号を取得されています。

 

学位論文は「プロトタイプベースオブジェクトファイルシステムの開発とそのシミュレーションシステムへの応用」でした。

 

 

 

金子勇の経歴③ 日本原子力研究所を経てエクス・ツールス株式会社

 

出典:https://ascii.jp/

 

金子勇さんは茨城大学大学院を修了後は、独立行政法人「日本原子力研究所」に博士研究員として勤務し、大型計算機を使ったシミュレーションや可視化の技術研究(地球シミュレーター向けソフトウェアの開発)で活躍されています。

 

2000年から2001年にかけては、経済産業省管轄の情報処理推進機構 (IPA) の未踏ソフトウェア創造事業の「双方向型ネットワーク対応仮想空間共同構築システム」の開発に参加。スーパークリエータに選出されるなど活躍されています。

 

金子勇さんは日本原子力研究所と並行して、2000年1月から福岡県福岡市に本社を置くソフトウェア開発会社「エクスツールズ」に入社し、その東京オフィスで3D物理シミュレーションソフトウェア「Animbody」、「Nekoflight」などをフリーウェアとしてリリースされています。

 

 

 

金子勇の経歴④ 東京大学大学院情報理工学系研究科特任助手

 

金子勇さんは、未踏ソフトウェア創造事業でプロジェクトマネージャーを務めていた工学者の竹内郁雄さん(後の東大名誉教授)との縁から、2002年1月から東京大学大学院情報理工学系研究科の特任助手になっています。

 

同年4月から学生を中心とした「戦略ソフトウェア創造人材養成プログラム」というプロジェクトに参加し、学生を指導しながらソフトの開発に携わりました。

 

 

 

金子勇の経歴⑤ ファイル共有ソフトWinnyを開発

 

出典:https://kai-you.net/

 

ちょうど「戦略ソフトウェア創造人材養成プログラム」のプロジェクトがスタートした2002年4月1日、金子勇さんはネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」のダウンロードソフト板「MXの次はなんなんだ?」スレに「ファイル共有ソフトを作ってみる」をという内容を匿名で書き込みされました。(上の画像が当時の金子勇さんの書き込み)

 

これをきっかけにして、金子勇さんは匿名性の高いファイル共有ソフト「Winny」の開発を始め、2ちゃんねるユーザーの意見を取り入れながら、同年5月6日にはWinnyのベーター版を2ちゃんねる掲示板上でフリーのダウンロードソフト版としてはじめてリリースしています。

 

金子勇さんのWinny開発のきっかけは、東大に移るときに引っ越しをする事になり、新しい部屋がADSLの大容量ネットワークを使える環境だったため、それを使って何をしようかと考えていた時に、当時話題になっていた2P2技術を使ったソフトウェアを作ってみようと思い立った事だったそうです。

 

当時の金子勇さんはネットワーク自体もそれほど詳しくなく、2P2の事も知らなかったという事ですが、新しい事に挑戦する好奇心から開発を進められたようです。

 

しかし、このWinnyはその匿名性の高さから、違法なファイル交換やファイルに仕込まれたウイルスによる情報漏洩、アニメや映画、音楽、ゲームソフトなど著作物の違法アップロードなどの犯罪行為の温床となってしまいます。

 

2003年にはWinnyを使って著作物を違法アップロードした2人の男が逮捕され、2004年には開発者である金子勇さんも著作権法違反幇助の容疑で逮捕され起訴されます。

 

金子功さんが逮捕されたこの通称「Winny事件」については後で改めて紹介します。

 

 

 

金子勇の経歴⑥ 株式会社ドリームボートの社外取締役を経て同社ファウンダー兼CINO

 

出典:https://next.rikunabi.com/

 

金子勇さんはWinny事件の裁判を戦いながら、2006年に株式会社ドリームボートのP2P技術を活用したコンテンツ配信システム「SkeedCast」の開発に顧問として携わっています。

 

その後、金子勇さんは、2011年7月27日付で同社(株式会社Skeedに社名変更)の社外取締役に、2012年10月1日付で同社取締役ファウンダー兼CINO(Chief Innovation Officer)に就任されています。

 

 

 

金子勇の経歴⑦ 東京大学情報基盤センタースーパーコンピューティング研究部門特任講師

 

金子勇さんは、2011年11月30日付で株式会社Skeed取締役を辞任(ファウンダー兼CINOの役職は継続)し、同年12月1日付で東京大学情報基盤センタースーパーコンピューティング研究部門の特任講師に就任されています。

 

金子勇さんはここで、ハイパフォーマンスコンピューテングのソフトウェアの研究開発、後進の育成に力を注がれました。

 

しかし、その1年半後の2013年7月6日、金子勇さんは42歳という若さで死去されています。死因は心筋梗塞と発表されています。

 

 

 

金子勇は天才と評されている

 

金子勇さんはプログラマーとして、また、ネット技術者として現在も「天才」と評されています。

 

ぜひ金子さんのことを、多くの人に知ってほしい。彼は発想の天才で、Winnyは彼の生んだプロダクトのひとつに過ぎない。

 

引用:日本が失った天才、金子勇の光と影

 

金子勇さんは2002年にWinnyを開発しリリースしていますが、このWinnyに使われた2P2技術は、仮想通貨の価値を担保するブロックチェーン技術にはこの2P2技術が使われるなど、現在のネットワークで最も重要な技術だと言えます。金子勇さんは10年以上早くその技術に興味を持ち、世界に先駆けてそれを駆使した革新的なソフトウェアの開発に成功しており、この点は不世出の天才と高く評価されています。

 

また、金子勇さんは逮捕前まで「Winny」の新バージョンの開発を進めていましたが、このWinny2には、現在でいうところのSNSの要素が組み込まれていました。当時はまだFacebookもTwitterもサービスを開始する前でありSNSという概念自体がまだ世の中に存在していない頃でした。

 

本人がそれを意識されていたかはわかりませんが、金子勇さんはまさしくネットの世界の20年先を見通していたかのようでした。こうした点で金子勇さんは天才という評価を得ています。

 

天才であった金子勇さんがWinny事件で逮捕され長い時間を無駄にさせた事で、日本のデジタル化が30年遅れたという声もあります。

 

 

 

金子勇の結婚や家族

 

金子勇さんの結婚や家族などの情報はありません。

 

金子勇さんはおそらく結婚はされておらず独身だと見られていますが、両親や兄弟などの家族についても情報は何も出ておらず、そうした私生活面については謎に包まれています。

 

ただ、金子勇さんはプログラミングに興味を持つ以前は天文や機械など様々なものに興味を持つ少年だったと話されていた事があります。そうした生い立ちのエピソードなどからは、金子勇さんが普通に幸せな家族の中で育ったのだろうと推測できます。

 

 

 

金子勇が逮捕されたWinny事件

 

金子勇さんが逮捕起訴されたWinny事件についても改めて紹介していきます。

 

 

 

Winny事件① Winnyを使った違法アップロードで2人が逮捕され有罪判決

 

Winny事件が持ち上がる前から、ネット上ではファイル共有ソフト「WinMX」(Winnyよりも匿名性が低い)を使った著作物の違法な送受信が横行し問題になり、著作権侵害での逮捕者も続出していました。

 

そうした背景の中で、より匿名性の高い「Winny」を利用する者が増え、著作物の違法アップロードの温床と化していきました。

 

そして、2003年11月27日、Winnyを利用して著作物を違法にアップロードした2名が著各県法違反容疑で京都府警察ハイテク犯罪対策室によって逮捕されました。

 

逮捕者は、ゲームボーイアドバンス用ソフトなど26本のソフトを違法にアップロードした、愛媛県松山市の無職少年と、ハリウッド映画などを違法公開していた群馬県高崎市の自営業男性の2名でした。

 

この逮捕者2人には2004年3月と11月にそれぞれ、懲役1年執行猶予3年の有罪判決が言い渡されています。

 

 

 

Winny事件② 金子勇が著作権法違反幇助の容疑で逮捕起訴

 

2004年5月9日、金子勇さんはWinnyを開発・配布して著作権侵害行為を幇助した容疑で京都府警に逮捕されます。金子勇さんは誘導的な取り調べを受け5月30日に起訴されています。

 

金子勇さんはあくまでもツールの開発者であり、違法な利用のためにそれを作ったわけでも、違法な利用法を推奨したわけでもありません、金子勇さんはむしろ「悪用しないでください」と各所で注意喚起を行なっていました。

 

金子勇さんが逮捕起訴された事に対して、多くの人々が国家権力による過剰で不当な対応であるとして、多くの人々が金子勇さんを支援する動きを見せ、ネット上ではわずか3週間で1600万円の裁判費用が集まっています。

 

一方、検察側が金子勇さんの起訴に踏み切ったのは、金子勇さんの警察の取り調べでの供述(金子勇さん側は警察による誘導があったと主張)内容から、Winnyが違法に利用される事をわかった上で故意に開発配布を行ない、雑誌などでWinnyが違法に使用されている実態が問題化している事が明らかになっているのに、その後もWinnyの開発を継続している事は悪質であると断じたためでした。

 

金子勇さんは、この起訴事実を全面的に否認し、裁判で全面的に争われる事になりました。金子勇さんのWinny事件の裁判については次の見出しで紹介します。

 

 

 

金子勇はWinny事件の裁判で無罪となり冤罪が確定

 

出典:https://livedoor.blogimg.jp/

 

金子勇さんのWinny事件の裁判では、一審で検察側は懲役1年を求刑し、2006年12月13日に京都地裁は、検察側の主張する金子勇さんの著作権法違反の幇助を認める形で罰金150万円の有罪判決を言い渡しました。

 

この判決を不服として金子勇さん側は控訴、検察側も罰金刑では軽すぎるとして控訴します。

 

2009年10月8日、大阪高裁は「悪用される可能性を認識しているだけでは幇助罪には足りず、著作権侵害に使わせるよう提供したとは認められない」検察側の主張を否定し、京都地裁の一審判決を破棄して無罪の判決を下しました。

 

検察側はこの判決を不服として上告しますが、2011年12月19日に最高裁は検察側の請求を棄却し無罪判決が確定しました。

 

これにより金子勇さんがWinny事件で罪に問われた件は冤罪である事が認められました。

 

 

 

金子勇はWinny事件の冤罪確定から1年半後に死去し死因は心筋梗塞

 

金子勇さんはWinny事件での冤罪が確定した事を受けて、東京大学情報基盤センタースーパーコンピューティング研究部門の特任講師に就任するなど、今後のソフトウェア開発者としての活躍に期待が高まっていました。

 

しかし、金子勇さんはこの冤罪確定からわずか1年半後の2013年7月6日に42歳という若さで亡くなっています。

 

ファイル共有ソフト「ウィニー」開発者の金子勇(かねこ・いさむ)氏が6日夜、病気のため東京都内の病院で死去した。42歳。栃木県出身。葬儀・告別式は近親者のみで執り行う。

 

引用:ウィニー開発者の金子勇氏が死去

 

金子勇さんの死因については「心筋梗塞」との情報が一部メディアで報じられています。

 

2013年7月6日(土)、Winnyの開発などで知られるプログラマー・金子勇さんが急性心筋梗塞によって亡くなっていることが分かった。享年42歳だった。

 

引用:「47氏」金子勇さん、死去──インターネットはいかに加速したのか

 

 

 

金子勇の現在① 実は生きてる説も囁かれている

 

出典:https://next.rikunabi.com/

 

金子勇さんが現在も実は生きているとの噂がネット上で囁かれています。

 

 

ビットコイン開発者だと言われている正体不明の人物サトシ・ナカモトの正体が金子勇さんという説がありこれも実は生きてる説と関連づけられています。

 

 

 

 

金子勇の現在② 本当の死因は暗殺という説も

 

金子勇さんの死因は心筋梗塞と報じられていますが、本当の死因は権力側による暗殺だったという都市伝説が一部で囁かれています。

 

金子勇さんが世に出した2P2技術が権力者側にとって都合の悪い技術だったために暗殺されたとする説や、検察の面子が立たないために見せしめとして暗殺されたなどの説が囁かれているようです。

 

ブロックチェーン技術(Winnyに使われた2P2技術が使われている)を担保とするビットコインが世に出始めたタイミングで亡くなったという事も金子勇さんの暗殺説の根拠の1つに挙げられています。

 

金子勇さんの暗殺説はあくまでも都市伝説の類です。

 

 

 

金子勇の現在③ 東出昌大主演でWinny事件が映画化

 

出典:https://pbs.twimg.com/

 

Winny事件をテーマにした映画「Winny」が、2023年3月に公開される事が発表されています。金子勇さんの役は俳優の東出昌大さんが演じるという事です。

 

 

 

まとめ

 

今回は、ファイル共有ソフト「Winny」の開発者として知られるプログラマーの金子勇さんについてまとめてみました。

 

金子勇さんは、小学生の頃からプログラミングを始め、高校在学中に第一種情報処理技術者試験に合格、茨城大学工学部情報工学科を経て、茨城大学大学院で工学博士号を取得されています。

 

大学院卒業後は日本原子力研究所、情報処理推進機構、東京大学大学院情報理工学系研究科の特任助手などの経歴を経て、個人的にWinnyを開発しフリーウェアとして公開しました。結婚や家族など個人的な情報は明かされていませんが、子供の頃から天文や機械、プログラムに興味を持っている事などから健全な家族で育った生い立ちを持つと推測されています。

 

金子勇さんはネットワークの20年先を見通していたかのような様々な功績を残しており「天才」と評されていましたが、2004年にWinny事件で逮捕起訴され、多くの時間を奪われました。これにより日本のデジタル技術の発展が何年も遅れたとも言われています。

 

その後、金子勇さんは裁判で無罪が確定し冤罪が証明されています。しかし、その冤罪確定から1年半後に、金子勇さんは心筋梗塞で42歳の若さで亡くなっています。

 

金子勇さんのネットでの影響力は現在も大きく、実は生きてる説や本当の死因は暗殺説などの噂も囁かれています。

 

2023年にはWinny事件を描いた映画「Winny」が公開されます。

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