飲酒運転の基準値

飲酒運転は大きく2種類に分けることができます。

酒酔い運転には、呼気中のアルコール濃度は関係ありません。酒酔い運転かどうかの基準は、車の運転が正常にできるかどうかです。

警察庁のホームページには、次のように記載されています。

「酒酔い」とはアルコールの影響により車両等の正常な運転ができない状態をいう。

 

引用：みんなで守る「飲酒運転を絶対にしない、させない」｜警察庁Webサイト

酒酔い運転はどのくらいの量を飲酒したかどうかは関係ありません。アルコール濃度も関係ありません。お酒に酔って、正常な運転ができない状態であると判断されたら、酒酔い運転ということになります。

酒気帯び運転

飲酒運転には酒気帯び運転もあります。酒気帯び運転は呼気中アルコール濃度の基準値によって2つに分類されます。

呼気中アルコール濃度が0.15mg/ℓ以上検出されれば、酒気帯び運転となりますが、0.25mg/ℓ未満か0.25mg/ℓ以上かで、行政処分の罰則が変わってきます。

これを見ると、たとえ飲酒して運転しても、呼気中アルコール濃度が0.15mg/ℓ未満であれば、飲酒運転にはならない。つまり、逮捕されないし、罰則もないということです。

どのくらいお酒を飲むと飲酒運転になる？

飲酒運転と判断されるのは、呼気中アルコール濃度が0.15mg/ℓ以上検出された時です。

ちなみに、呼気中アルコール濃度が0.15mg/ℓになるには、純アルコール20gを摂取した状態になります。

これは、純アルコール20g（ビール中びん1本、日本酒1合、ウイスキーダブル1杯）を飲んだときの血中アルコール濃度0.2mg/mL（0.02％）～0.4mg/mL（0.04％）に相当します。

 

引用：飲酒が運転に及ぼす影響｜人とお酒のイイ関係｜アサヒビール

じゃあ、ビール350ml缶1本飲んだだけなら、車を運転して良いのか？というと、そういうわけではありません。この「純アルコール20g（ビール中ビン1本）」というのはあくまでも目安です。

飲んだ人の体質や体格、体調、飲んでからの時間によって、呼気中アルコール濃度は大きく変わってきます。

だから、安易に「ビール350ml缶1本だけだから、運転していいか。飲酒運転にならないよね」と思っていると、飲酒運転で捕まり、身の破滅になるかもしれません。

あなた1人が身の破滅になるならまだいいです。あなたが軽い気持ちで飲酒運転をしたことで、事故を起こし、何の罪もない人の命を奪ってしまうかもしれません。

さらに、そこから民事訴訟を起こされて、払いきれないほどの損害賠償を請求され、家族にも多大な迷惑をかける可能性すらあるのです。

飲んだら乗るな。これは運転免許を持つ人にとって、基本中の基本ですよね。

飲酒運転で逮捕された時の罰則

飲酒運転は犯罪です。犯罪ですから、飲酒運転をしたら罰則があります。しかも、飲酒運転の罰則は1つだけではありません。いろいろな罰則を科せられることになるんです。

行政処分（免許関係）

まずは行政処分です。行政処分とは、運転免許証の点数ですね。

飲酒運転をすると、酒気帯び運転で呼気中アルコール濃度が0.25ml/ℓ未満だとしても、一発で免許停止です。

0.25ml/ℓ以上だと最低でも2年間は運転することができません。酒酔い運転なら、3年間は運転できないということです。

これはあくまでも「飲酒運転」だけです。これに、スピード違反をしていたり、無免許運転をしていたりしたら、さらに重い行政処分を受けることになります。

刑事罰の罰則

飲酒運転は犯罪ですので、免許停止・免許取り消しだけなく、刑事罰を受けることになります。

＜飲酒運転をした運転者の罰則＞

飲酒運転をした人は、これだけ重い罰則を受けることになるんです。

そして、飲酒運転の罰則は運転した人だけではありません。運転する人がお酒を飲んでいると知っていながら、車を提供した人にも刑事罰の罰則があります。

＜車を提供した人の罰則＞

飲酒運転と知りながら車を貸した人も、飲酒運転をした人と同じだけの罰則を受けることになります。

さらに、この後に車を運転すると知っていながら運転者にお酒を出した人、運転者がお酒を飲んでいると知っているのにその車に乗っている人も刑事罰の対象になります。

＜お酒を提供した人・同乗した人の罰則＞

• 気軽な気持ちで飲酒運転をすると、これだけの罰則を科せられることになるんです。

社会的制裁

飲酒運転をすると、社会的な制裁を受けることもあります。今の時代、企業コンプライアンスが厳しく言われていますよね。

そのため、飲酒運転をしたことが会社にバレると、懲戒解雇・懲戒免職の処分になることがあります。飲酒運転をしただけで、無職になってしまう可能性があるんです。

企業としては、これだけ飲酒運転の危険性が認識されている中で、わざわざ飲酒運転をするような社員を雇っていたくはないですよね。そのような噂が広まったら、企業イメージが悪くなりますから。

民事の損害賠償

検問等で飲酒運転が発覚した場合は、民事訴訟を起こされることはありません。でも、もし飲酒運転中に物損事故や人身事故を起こした場合、多額の損害賠償を請求される可能性があります。

飲酒運転ではない普通の状態で物損事故や人身事故を起こしても、民事訴訟を起こされることはよくあります。飲酒運転をしている時に事故を起こしたら、損害賠償額はさらに跳ね上がるでしょう。

きちんと自動車保険に入っていれば、その範囲内で支払われることになることもありますが、自動車保険に入っていなければ、もしくは「物損・人身無制限」ではなかったら、多額の損害賠償を背負わなければいけないのです。

飲酒運転で逮捕された男性芸能人・有名人11名

飲酒運転で逮捕されたことがある男性芸能人・有名人を見ていきましょう。

1．坂上忍さん

司会者やタレントとして活躍している坂上忍さんは、1995年に飲酒運転をして事故を起こしています。

飲酒運転中に電柱にぶつかり、電柱を根元から折っています。あまりに大きな音がしたために、近所の人は警察に通報しました。警察が来ることを知った坂上忍さんは、その場から逃走し、警察とカーチェイスを繰り広げます。

結局は約20分後につかまり、酒酔い運転で現行犯逮捕されています。

この時に、助手席には女優でモデルの山本未来さんが乗っていて、熱愛も一緒に報道されることになりました。

坂上忍さんは20年以上前のこととはいえ、このような飲酒運転事故を起こしている（しかも逃走するという悪質さ）のにもかかわらず、大砂嵐が無免許運転で事故を起こした時には痛烈批判をしています。

ただ、この後紹介する吉澤ひとみさんが飲酒運転で逮捕された時には、「パニックになっちゃったのかな、という気がしないでもないんですけれども、ただ…そっか、吉澤容疑者って言わなきゃいけないのか」と甘いコメントを残しています。

同じような飲酒運転にはあまり厳しいコメントはできないですよね。

2．ビートたけしさん

ビートたけしさんは1994年に原付バイクを運転中に自損事故を起こして、頭部や顔面を強打し、東京医科大学病院に救急搬送されたということがありました。

この時の事故は、復帰までに半年以上かかりましたし、記者会見をした時に顔が変形し、顔面麻痺が残った状態だったため、世間に衝撃を与えましたよね。

その衝撃のために、あまり注目はされていませんでしたが、この事故を起こした時は実は飲酒運転だったんです。酒気帯び運転と判断され、書類送検されて起訴猶予処分となっています。

3．中村獅童さん

俳優で歌舞伎役者の中村獅童さんは、2006年に酒気帯び運転と信号無視で警視庁に検挙されています。現行犯逮捕はされませんでしたが、のちに書類送検され、罰金20万円の支払いを命じられています。

仕事に関しては約2ヶ月間の謹慎後に復帰しています。

この飲酒運転の時に同乗していたのは、当時の妻だった竹内結子さんではなく、女優の岡本綾さんだったことが発覚し、不倫騒動にも発展しています。岡本綾さんはこのスキャンダルをきっかけにして、CMを降板し、仕事は激減します。そして、飲酒運転の翌年である2007年に女優活動を休止しています。

4．YOSHIKIさん

X JAPANのYOSHIKIさんは、1994年にアメリカのロサンゼルスで飲酒運転をして逮捕されています。YOSHIKIさんは何度もクラクションを鳴らしたり、車道からはみ出るほどの蛇行運転をしていたことで、警察に停められ、飲酒運転が発覚。さらにスピード違反でも逮捕されました。

この時に助手席に乗っていたのは、なんと工藤静香さん。この飲酒運転の逮捕で、YOSHIKIさんと工藤静香さんの熱愛が発覚しました。

飲酒運転は犯罪であり、絶対にやってはいけないことですが、日本で飲酒運転をしたのではなく、アメリカのLAで飲酒運転をしたというところが、なんとなくYOSHIKIさんっぽいですよね。

5．ガリガリガリクソンさん

ガリガリガリクソンさんは、2017年に大阪のタクシー乗り場で後輪のタイヤがパンクした車が停まっているとタクシー運転手から通報があり、警察が駆け付けたところ、運転席で眠っているガリガリガリクソンさんを発見。

アルコール検査をしたら、基準値を超えるアルコールが検出されたため、酒気帯び運転で逮捕されています。

ガリガリガリクソンさんは釈放後に無期限の謹慎処分となりましたが、事件から約1年後に芸能界に復帰しています。この時の会見で免許は返納し、今後も再取得するつもりもないそうです。

6．横山やすしさん

漫才師の横山やすしさんは、1989年4月17日に飲酒運転をしてバイクと事故を起こし、バイクの運転者にけがを負わせました。

当時、横山やすしさんは飲酒運転をしたことをあまり重く受け止めていなかったようで、「決して、わざわざ事故しようと思ってやったのと違いますので、ひとつ宜しくお願い致します」と語っています。

しかし、事態を重く見た所属事務所の吉本興業は専属芸能契約を解除し、事実上の解雇としました。この時の横山やすしさんは飲酒運転をしたことはもちろんですが、お酒に酔った状態でテレビ番組に出演したり、息子の木村一八さんがタクシー運転手に対する傷害事件を起こしたりしていたので、それも積み重なっての解雇だったようです。

7．SHINOBUさん

元DA PUMPのメンバーであるSHINOBUさんは、2005年に飲酒運転をし事故を起こして、同乗者にけがを負わせ、酒酔い運転で逮捕されています。

この飲酒運転での逮捕をきっかけに、SHINOBUさんはDA PUMPの活動を自粛し、そのまま脱退となりました。そして、このSHINOBUさんの脱退で、DA PUMPは次々とメンバーが脱退し、オリジナルメンバーはISSAさんしか残らないという状態になってしまうんです。

8．織田信成さん

元フィギュアスケート選手でスケート指導者の織田信成さんは、2007年にミニバイクを飲酒運転し、酒気帯び運転で摘発されています。

本人曰く、電車で寝過ごして飲酒してから時間が経っていたので、酔いがさめていたと判断して、ミニバイクを運転したとのことです。

スケート連盟は大会への出場停止（国際大会5ヶ月、国内大会3ヶ月）と特別強化指定選手5ヶ月間解除の処分を発表しましたが、そのシーズンはほぼ大会には出場していません。

9．せんだみつおさん

せんだみつおさんは2000年9月に、赤信号で停車中の車に突っ込むという事故を起こしています。この時、せんださんはそのまま逃走しますが、追突された男性に取り押さえられ、警察に逮捕されました。

警察の取り調べで、明らかにお酒を飲んだ状態だったということで、酒気帯び運転だったことが判明しています。

飲酒運転をして事故を起こし、さらにそのまま逃走を図るなんて、これは人間としてダメなことですよね。

10．掛布雅之さん

ミスタータイガースこと掛布雅之さんは、現役中の1987年3月に飲酒運転で逮捕されています。酒癖は以前から悪かったようです。シーズン開幕前に逮捕され、謹慎することはなくそのまま試合に出場しましたが、成績は振るわず、プロ入り初の二軍落ちも経験しています。

11．北原雅樹さん

元グレートチキンパワーズの北原雅樹さんは、2018年11月に兵庫県加古川市で酒気帯び運転で逮捕されています。

信号待ちで停車したところ、そのまま寝てしまい、後続の車の運転者に通報されて、飲酒運転が発覚しました。現在、芸能活動は自粛しています。

飲酒運転で逮捕された女性芸能人・有名人2名

飲酒運転で逮捕された女性芸能人・有名人をご紹介しましょう。

1．吉澤ひとみさん

元モーニング娘の吉澤ひとみさんは、2018年に飲酒運転をし、信号無視をして男性をはね、そのまま逃走するという事故を起こしています。飲酒運転だけでなく、ひき逃げという重大犯罪をしてしまったことで、吉澤ひとみさんは芸能界を引退しています。

吉澤ひとみさんは2007年に弟さんを交通事故で亡くしています。こんなつらい体験をしているのに、自分は飲酒運転をしてひき逃げをしてしまうという事故を起こしたことで、世間からは「考えられない」、「ありえない」という批判が集中しました。

2．大地真央さん

大地真央さんは過去に飲酒運転をしたことを2016年に告白しています。宝塚時代に飲酒運転をしたとのことです。

「もう時効になるんですが、40年くらい前に飲酒運転をしたことがあるんです」

 

引用：大地真央、笑顔で“飲酒運転”告白に「無神経」！　過去に“犯罪自慢”したタレントたち(2016/08/04 11:45)｜サイゾーウーマン

確かに時効ですが、このような犯罪自慢をするのは痛々しいですよね。しかも、警察の取り調べに対して、次のように振舞ったとのこと。

取り調べに対して大地は、当時男役だったものの、女の部分を前面に出し『えっ！　やだぁ』と二面性を見せてとぼけたそうです。そのおかげか、警察からは注意された程度で済んだと話し、『いい時代でしたね』と発言。

 

引用：大地真央、笑顔で“飲酒運転”告白に「無神経」！　過去に“犯罪自慢”したタレントたち(2016/08/04 11:45)｜サイゾーウーマン

飲酒運転を見逃してもらえたことを「いい時代でしたね」と話すのは、アウトですよね。

まとめ

飲酒運転の基準値は罰則、飲酒運転で逮捕された芸能人・有名人をまとめましたが、いかがでしたか？飲酒運転は犯罪です。あなた自身だけでなく、周りの人にまで多大な被害を与えることになる犯罪なんです。

だから、運転免許を持っている人は絶対に「飲んだら乗るな」を厳守するようにしましょう。