多摩マンホール事件の犯人と真相!八木橋富貴子(被害者)と事件の謎や現在も徹底解説

1997年に行方不明の女性が自宅近くのマンホール下から遺体で発見された「多摩マンホール殺人死体遺棄事件」ですが、現在も未解決のままです。

 

今回は事件の概要と詳細、被害者の八木橋富貴子さんと謎、犯人や真相、現在を紹介します。

多摩マンホール殺人死体遺棄事件とは

 

多摩マンホール殺人死体遺棄事件

発覚日時:1997年1月14日

被害者:八木橋富貴子

罪状:殺人

犯人:不明・未解決

 

多摩マンホール殺人事件は、1997年1月14日にマンホールから遺体が発見されて発覚した殺人事件です。

 

警察での正式名称は「多摩市貝取一丁目マンホール内失踪女性殺人事件」です。

 

遺体は保母の八木橋富貴子さんでした。八木橋さんは前年の2月27日から行方が分からなくなっていました。

 

多摩マンホール殺人死体遺棄事件の容疑者は絞り込まれたものの、結局逮捕には至っておらず、現在でも未解決のままになっています。

 

 

多摩マンホール殺人死体遺棄事件の概要

汚水が溢れているとの連絡で遺体発見

出典:keishicho.metro.tokyo.jp

 

1997年1月14日の午前8時過ぎのこと、近隣住民から多摩市役所に「多摩市貝取1丁目にあるマンホールから汚水が溢れている」という通報が入ります。

 

現場は東京都多摩市貝取1丁目65番地 マンホール内(スーパーマーケットの駐車場に面した道路のマンホール)です。

 

午前10時半ごろには、市役所から委託された下水道業者が現場に到着しました。

 

マンホールのふたを開けたところ、ただの下水とは違う強烈な悪臭がたちこめ、業者がマンホールの中を覗きこむと、マネキンのようなものが見えました。

 

遺体の可能性があると判断した業者は警察に通報、警察が現場に到着して調べたところ、女性の腐乱した遺体であることが判明します。

 

腐敗が進んでいたため、マンホール内の水が流れる溝に肉片が落ちて溝をふさいでいたため、汚水がマンホールからあふれ出してしまったのです。

 

 

被害者は八木橋富貴子さんと判明

 

マンホールは地上の直径は60cm、深さは3m、底の直径は1.2mとなっていて、女性の遺体は底に腰掛けるような形で遺棄されていました。

 

遺体の特徴はこちらです。
 
・性別:女性
・年齢:20~40歳
・身長:150~155cm
・髪:ショートカット
・服装:ワンピースとセーター
・靴:履いていない
・状態:腐乱が激しい、頭と鼻の骨が折れていた

 

歯科での治療痕を照合したところ、現場のマンホールから200mの距離の場所に住む保母の八木橋富貴子さん(当時39歳)であることが判明しました。

 

腐敗が進み、死亡から時間が経っていたことから、死因は特定できませんでした。

 

八木橋さんは1996年2月27日を最後に行方が分からなくなっていて、家族から捜索願が出されていました。

 

そして行方不明になってから約10ヶ月後、マンホール下から遺体となって発見されたのです。

 

 

最後の目撃情報

 

被害者の八木橋富貴子さんの生存が最後に確認されているのは、1996年2月27日の21時ごろです。

 

2月27日は勤務していた北区の保育園を退勤後、17時半ごろに三田線の本蓮沼駅で同僚と別れ、自宅に向かいます。

 

18時50分には多摩市内のスーパーで買い物をして、自宅に戻っています。

 

最後に八木橋さんを目撃したのは、21時ごろに新聞の集金人が八木橋さんの部屋に行き、そこで部屋に八木橋さんがいたことを確認しています。

 

同僚と別れた時と遺体となって発見された時の服装が違ったことから、その後に呼び出されて、外出した可能性が高いと言われています。

 

ワンピースを着ていたことから、交際中の男性と会っていたのかもしれません。

 

普段の勤務態度はまじめで、無遅刻・無欠勤だった八木橋さんは、翌朝の2月28日になっても保育園に出勤してこなかったことから、3月1日には父親が上京して、捜索願を出しています。

 

 

多摩マンホール殺人死体遺棄事件に残る謎

多摩マンホール殺人死体遺棄事件には、複数の謎があります。事件の謎について見ていきましょう。

 

750万円の通帳がない

 

被害者の八木橋さんの自宅からは、750万円の預金通帳が消えていました。犯人が盗んでいったものと思われます。

 

しかし、この750万円が引き出されることはありませんでした。

 

通帳は持ち出されたのに、引き出されなかったということは、金銭目当ての犯行ではなかったのかもしれません。

 

 

日記がない

 

八木橋さんの部屋からは、八木橋さんの日記も消えていました。

 

八木橋さんは普段から日記をつけていましたが、なぜか事件(被害者が行方不明になった時)から5~6年前の平成2年・平成3年(1990~1991年)の日記だけが消えていたんです。

 

また、いつも使っていた巾着もなくなっていました

 

この平成2年・平成3年の日記には、犯人にとって不都合な内容が書かれていたのかもしれません。

 

 

無言電話

 

被害者の八木橋富貴子さんが行方不明になって3日後の3月1日、父親は上京して捜索願を出します。

 

父親はそのまま、八木橋さんの自宅に4月6日まで滞在していました。

 

3月1日から4月6日までの約1ヶ月間の間、八木橋さんの自宅電話に6回も無言電話がかかってきていました。この無言電話が犯人からなのかどうかは不明です。

 

しかし、短期間に6回も無言電話がかかってきたということは、父親の動向を探ろうとした犯人からの可能性があります。

 

また、生前に被害者の八木橋さんが何らかのトラブルを抱えていた証拠にもなりますね。

 

 

なぜマンホールに遺体を隠したのか?

出典:ameblo.jp

 

この多摩マンホール殺人死体遺棄事件の謎には、「なぜマンホールに遺体を隠したのか?」という謎もあります。

 

マンホールのふたは40kgもあり、専用の器具がないとふたを開けることができません。

 

遺体が遺棄されていた汚水用のマンホールは3年ごとの点検ですから、一度隠してしまえば、遺体が発見されにくいと思ったのかもしれませんが、点検時には確実に発見されてしまいます。

 

また、スーパーの駐車場に面した道路のマンホールですので、夜と言えども、遺棄する際には誰かに目撃されてしまう可能性はあります。

 

マンホールのふたを素人が開けようと思えば、かなりの時間がかかりますから。

 

それなのに、なぜ多摩マンホール殺人死体遺棄事件では死体遺棄の場所になぜあえてマンホールを選んだのか、謎が残っています。

 

 

多摩マンホール殺人死体遺棄事件の被害者・八木橋富貴子とは

多摩マンホール殺人死体遺棄事件の被害者である八木橋富貴子さんについて、深く掘り下げてい きましょう。

 

 

被害者の八木橋富貴子は保母

 

被害者の八木橋富貴子さんは青森県出身です。地元の保育士養成の専門学校を卒業後、1977年に上京して、多摩市内の保育園で14年間働きました

 

1991年3月に「縁談がある」という理由で、突然その保育園を退職しています。

 

しかし実際には八木橋さんは結婚はせずに、退職した1ヶ月後の1991年4月には通勤に1時間半もかかる事件当時に働いていた北区の保育園に転職しました。

 

なぜ「縁談がある」という理由で辞めたのに、結婚することなく、すぐに自宅から遠い他の保育園で働きだしたのでしょうか?

 

このあたりに、事件の鍵があるかもしれません。

 

 

八木橋富貴子さんには複数の交際相手がいた?

 

八木橋富貴子さんは事件当時、複数の男性と交際していたと言われています。しかも、不倫関係にあった男性もいたとのこと。

 

八木橋さんとの交際の噂があったのは、保育園の園児の父親、同僚の保育士の夫、自営業の男性、公務員などなどです。

 

また、事件当時、自宅から通帳や日記がなくなっていたことから、犯人は八木橋さんと親しい関係の人物であることがうかがえます。

 

優しい保育園の先生には裏の顔があったのかもしれません。

 

 

多摩マンホール殺人死体遺棄事件の被害者・八木橋富貴子は恋愛のもつれで殺された?

 

複数の男性と交際し、不倫もしていた被害者の八木橋富貴子さんは、どうやら交際男性との関係を清算するつもりだったようです。

 

八木橋さんは行方不明になる直前、髪の毛をバッサリ切っています。

 

また、当時受け持っていた年長さんの園児が卒園したら、自分も退職して、青森の実家に戻ることも考えていたと言われています。

 

これらのことから、八木橋さんは男性との関係をきれいさっぱり清算するつもりだったと考えられます。

 

そして、そのことで男性と何らかのトラブルになってしまったのではないでしょうか。

 

 

多摩マンホール殺人死体遺棄事件では犯人候補は10人にものぼった

 

多摩マンホール殺人死体遺棄事件では、警察によると、被害者の八木橋富貴子さんの交友関係から犯人の可能性がある人物としてリストアップされた男性は10人もいたそうです。

 
八木橋富貴子さんの同僚は「探す会」を結成します。そして、警察に不倫相手を調べるように要請します。
 

「探す会」を結成した元同僚らが、不倫相手を名指しして、事件として捜査に踏み切るよう強く要請していたことだった。

 

引用:10カ月の間、マンホールに隠されていた「保母の遺体」と消えた日記 【平成の怪事件簿】 | デイリー新潮

 

八木橋さんの同僚たちは、遺体が見つかる前から、不倫相手とのトラブルで事件に巻き込まれたと考えていたんですね。

 

リストアップされた中から、次の3人が容疑者として絞り込まれました。

 

・40代の市役所職員
・40代の自営業者
・同僚の保母さんの夫
 
こ3人の男性のうち、40代の自営業者と同僚の保母さんの夫にはアリバイがありましたが、40代の市役所職員の男性だけはアリバイがあやふやだったようです。

 

 

多摩マンホール殺人死体遺棄事件の真相

多摩マンホール殺人死体遺棄事件の真相を考察していきましょう。

 

 

市役所職員が犯人?

 

多摩マンホール殺人死体遺棄事件の犯人は、40代の市役所の職員の男性と警察は考えました。

 

容疑者として絞り込んだ3人の男性の中で、40代の市役所職員の男性だけ、アリバイがあやふやだったんです。

 

しかも、この男性は職務上マンホールを開ける道具を持っていて、マンホールのふたを開けることができる人物だったのです。

 

警察はこの人物が事件の犯人と見て、1997年2月10日に勤務先に近い府中市内で任意同行を求めて、事情聴取を始めました。

 

 

つじつまがピッタリ合う

 

この市役所職員が犯人だとすると、つじつまがピッタリ合うことがわかります。

 

被害者の八木橋富貴子さんとその男性は、八木橋さんが上京してすぐに付き合うようになります。

 

2~3年で破局を迎えたようですが、その男性が違う女性と結婚したちょうどそのころ、八木橋さんとその市役所職員の男性は復縁します。つまり、不倫関係になったということです。

 

復縁したのは1991年ごろで、その時期に八木橋さんの周囲は一気に動きます。

 

・1991年に復縁する
・なくなった日記は1990~1991年のもの
・1991年に「縁談がある」として長年勤めた保育園をやめた
 
これから考えると、1991年ごろに2人は復縁して、「妻と別れて八木橋さんと結婚する」と一旦はなったけれど、結局その話はなくなってしまったのでしょう。
 
ちなみに、八木橋さんは結婚願望がかなり強かったと言います。
 
そして、その頃の日記にはその男性にはまずいことが書かれていたから、日記を持ち去ったと思われます。

 

決め手に欠けて逮捕に至らず…

 

アリバイもあやふやだし、40kgのマンホールを開ける器具を持っていた市役所職員の男性は、逮捕間近かと思われましたが、結局は逮捕されませんでした。

 

その市役所職員の男性は、マスコミの前で次のように堂々と宣言しています。

 

「私は逃げも隠れもしませんよ。しかし、私を名指しして自分は安全地帯にいるつもりの人だって、疑わしい点がないといえるんでしょうか」

 

引用:10カ月の間、マンホールに隠されていた「保母の遺体」と消えた日記 【平成の怪事件簿】 | デイリー新潮

 

警察は「マンホールを開ける器具を持っている」というだけでは裁判を維持することはできないとして、逮捕はできなかったようです。

 

 

多摩マンホール殺人死体遺棄事件の現在

 

多摩マンホール殺人死体遺棄事件は現在も未解決のままです。

 

1997年に発覚した事件ですが、法改正によって時効は撤廃され、現在でも捜査は続けられています。

 

しかし、市役所職員の男性よりも怪しい人物は今のところおらず、捜査は進展していない状況です。

 

 

多摩マンホール殺人死体遺棄事件のまとめ

多摩マンホール殺人死体遺棄事件の概要と事件の謎、被害者の八木橋富貴子さんについて、さらに犯人や事件の真相、現在をまとめました。

 

マンホールの下に10ヶ月も遺体が眠っていたなんて、本当に怖いですよね。

 

八木橋富貴子さんのご冥福をお祈りします。

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