白血病とは

白血病とは、簡単に言うと、「血液のがん」です。

血液の中には、白血球や赤血球、血小板という3つの「血球」という成分がありますが、この血球は骨髄で作られますが、この骨髄の中で作られる血球のもとになる「造血幹細胞」ががん化してしまい、どんどん増えていってしまう病気です。

がん化した白血病細胞が血液中に増えていくことで、色々な症状が出てきますし、その白血病細胞はほかの臓器に浸潤していくこともあります。

白血病は、大きく次の4つに分けることができます。

日本では年間で7900名が白血病で死亡しています。

白血病の症状

白血病の症状は、急性白血病か慢性白血病かによって違います。

急性白血病の症状

白血病はがん化した血球が血液中に多くなり、正常な血球が少なくなります。そのことで、次のような症状が現れます。

さらに、白血病が進行すると、がん化した細胞が各臓器に浸潤していくために、次のような症状が出てきます。

慢性白血病の症状

慢性白血病は、経過が慢性化していますので、急性白血病のように明らかな症状は現れないこともあり、血液検査の結果で白血球数が異常に多いことで、白血病であることがわかるケースも少なくありません。

ただ、次のような症状が出ることもあります。

慢性白血病でも、ずっと慢性期が続くわけではなく、急性転化してしまうこともあります。

白血病の原因

白血病の原因は詳しくはわかっていませんが、遺伝子異常が起こることが原因とされています。

造血細胞の中の遺伝子に突然変異を起こして白血病幹細胞が発生します。そして、その白血病幹細胞からたくさんの白血病細胞（がん化した血球）が生まれて、白血病になってしまうのです。

遺伝子異常が起こる原因は、放射線の被ばくや抗がん剤、ベンゼンやトルエン、HTLVウイルスなどがわかっていますが、これらが原因で白血病になるケースはごくわずかです。

ほとんどの白血病の症例では、原因がわかっていないというのが現状なんです。

白血病の男性芸能人・有名人10名

白血病の男性芸能人・有名人をご紹介していきます。残念ながら亡くなった人もいますが、闘病中の人、また白血病に勝って寛解して人もいます。

1．市川團十郎さん

十二代目市川團十郎さんは、市川海老蔵さんのお父様です。2004年に白血病を発症し、半年間療養生活を送り、その後舞台に復帰されています。その後、たびたび再発し、2008年には骨髄移植を受けています。

骨髄移植後は、特定非営利活動法人全国骨髄バンク推進連絡協議会会長に就任し、歌舞伎役者としての活動を並行しながら、骨髄移植の啓蒙活動にも力を入れていました。

2．渡辺謙さん

ハリウッド俳優の渡辺謙さんは、1989年に映画の撮影中に急性骨髄性白血病を発症し、1年間の療養生活に入ります。その後、仕事に復帰しましたが、1994年に再発。再び治療を行い、無事寛解に至ります。

その後は、再発することもなく、元気に俳優としての活動を続けていらっしゃいます。

3．中島忠幸さん

カンニングの中島忠幸さんは、2004年12月に療養に入り、翌年1月に急性リンパ性白血病であることを公表しています。2006年1月には臍帯血移植を受け軽快に向かっていたそうですが、2006年12月に肺炎を併発して亡くなっています。

4．大塚範一さん

元NHKアナウンサーであり、めざましテレビのキャスターを長年務めていた大塚範一さんは、2011年11月に急性リンパ性白血病を発症し、めざましテレビを休養して療養生活に入ります。

闘病生活の結果、2012年10月には寛解となり退院しますが、2013年6月に再発し、再び療養生活に入っています。

5．中川勝彦さん

タレントの中川翔子さんのお父様でミュージシャンとして活動していた中川勝彦さんは、1992年9月に急性骨髄性白血病を発症します。一度は寛解し、仕事に復帰しましたが、1994年8月に再発。再発してから約1ヶ月後に他界されています。

6．池波正太郎さん

『鬼平犯科帳』や『剣客商売』など時代小説・歴史小説の大御所作家として知られる池波正太郎さんは、1990年3月に急性白血病で入院されています。入院から2ヶ月も経たないうちにお亡くなりになりました。

1988年末ごろから体調不良だったとのことですので、このころから白血病を発症していたのかもしれませんね。

7．桂文治さん

10代目桂文治さんは、落語芸術協会会長も務めた落語家さんで、2002年には勲四等旭日小綬章を受賞しています。2004年1月に白血病に倒れ、そのまま帰らぬ人となっています。

桂文治さんが亡くなった2004年1月は、芸協会長の任期満了日だったそうです。

8．遠藤俊介さん

「地雷を踏んだらサヨウナラ」をきっかけにカンボジアに興味を持ち、カンボジアでの撮影活動を積極的に行っていた遠藤俊介さんは、2006年に急性骨髄性白血病を発症します。

その後、闘病生活を続けていましたが、2007年に亡くなっています。闘病生活の様子は、ご自身のブログや「無菌室ふたりぽっち」に記されています。

9．浅野史郎さん

元宮城県知事の浅野史郎さんは、2005年に特殊な白血病である成人T細胞白血病を引き起こすHTLV-1というウイルスに感染していることを知り、経過観察をしていましたが、2009年に急性転化を起こし、急性白血病を発症します。

その後、骨髄移植を受け、2010年に退院し、自宅療養を続けていらっしゃいます。

10．溝口健二さん

虐げられた女性の姿をリアリズムで表現し、女性映画の巨匠と称された映画監督の溝口健二さんは、1956年に白血病を発症します。当時は骨髄移植はもちろん、抗がん剤などもなかったために、手の施しようがなく、同年8月に亡くなっています。

白血病の女性芸能人・有名人8名

次は、白血病の女性芸能人・有名人をご紹介していきます。

1．夏目雅子さん

西遊記の三蔵法師役で人気となり、神々しいほどの美しさと言われた夏目雅子さんは、1985年に急性白血病を発症します。一時は順調に回復していましたが、退院間近に肺炎を併発し、亡くなっています。

その後、お母様などによって、「夏目雅子ひまわり基金」が設立されて、がん患者に無料でカツラを貸し出すなどの活動が行われています。

2．本田美奈子さん

ミュージカル女優として活躍していた本田美奈子さんは、2005年1月に急性骨髄性白血病と診断され、入院生活を送るようになります。2004年12月ごろにはすでに微熱が続くなどの、白血病と思われる症状が出ていたようです。

本田美奈子さんの白血病は予後不良のタイプだったようで、臍帯血移植を受けてもすぐに再発してしまい、2011年11月に肺炎を合併して亡くなっています。

3．吉井怜さん

タレントの吉井怜さんは、2000年に急性骨髄性白血病を発症しています。最初は、骨髄移植を拒んでいましたが、2001年にお母様から骨髄提供を受けて芸能界に復帰されています。

吉井さんの闘病記である「神様、何するの… 白血病と闘ったアイドルの手記」はドラマ化もされていますね。

4．加納朋子さん

駒子シリーズやアリスシリーズなどで知られる加納朋子さんは、2016年6月に急性骨髄性白血病を発症し、闘病生活に入りました。骨髄移植をして、無事寛解し、再び作家として活動されています。

白血病の闘病の様子は、著書の「無菌病棟より愛をこめて」に記されています。

5．岡村孝子さん

元あみんで現在はシンガーソングライターとして活躍している岡村孝子さんは、2019年4月22日に急性白血病を発症し、療養生活に入ることを公式サイトで発表しました。

2019年5月19日には、自身のInstagramで「再び　みなさんとお会いするために、この先の治療　先生方を信じて頑張っていきます」と述べています。

6．友寄連さん

準日テレジェニック2014に選ばれ、舞台などを中心に活躍している友寄連さんは、2011年の高校2年生の時に急性リンパ性白血病を発症します。

その後、1年4ヶ月の闘病生活を送り、無事寛解して、芸能活動を続けています。

7．日向明子さん

女優として活動し、金八先生などにも出演していた日向明子さんは日活ロマンポルノのアイドル女優的な存在として人気となりました。2011年3月に急性骨髄性白血病で亡くなっています。

8．新山志保さん

ご近所物語の声優やプロ野球ニュースのナレーターとして活躍していた新山志保さんは、1998年の夏に急性白血病を発症します。その後、闘病生活を送っていましたが、2000年2月に亡くなっています。

白血病の芸能人・有名人10名～アスリート部門～

白血病の芸能人・有名人、次はアスリートで白血病を発症した人をご紹介していきます。

1．池江璃花子さん

競泳選手であり、東京オリンピックでの活躍が期待されていた池江璃花子さんは、2019年2月に白血病であることを自身のTwitterで公表しています。この時は、日本中が衝撃を受けましたよね。その後、一時退院をしながら、療養生活を送っています。

2．大豊泰昭さん

プロ野球選手として活躍していた大豊泰昭さんは、引退後の2009年に急性骨髄性白血病を発症しています。一度は寛解し退院したものの、またすぐに発症し、2010年には骨髄移植を受けています。その後も、療養生活を続けていましたが、2015年に白血病で他界されています。

3．早川史哉さん

アルビレックス新潟のMFである早川史哉さんは、2016年シーズンからアルビレックス新潟に入団しましたが、4月24日の試合後に病院で検査を受けたら、急性白血病と診断されています。

2016年11月に骨髄移植を行い、2017年に退院しています。その間、アルビレックス新潟は契約を凍結（解除とは違う）しました。

2018年にトップチームに合流して対外試合に出場したのを機に凍結を解除しています。白血病から復活し、プロサッカー選手として活躍できるのはすごいの一言です。

4．岩下修一さん

岩下修一さんは、1999年にドラフト4位でオリックス・ブルーウェーブに入団しましたが、2001年に急性骨髄性白血病を発症し入院しましたが、翌年の2002年の開幕戦で無事に復帰されています。

2005年にオリックスから戦力外通告をされましたが、日ハムに入団しています。その後1年で現役を引退していますが、現在は日ハムの打撃投手を務めています。

5．服部海斗さん

プロボクシング選手だった服部海斗さんは、2014年1月に白血病を発症し、同年11月にはお父様から骨髄移植を受けています。一度は回復傾向にありましたが、2015年には容体が悪化し、2015年2月に17歳の若さで他界されています。

6．ノブ・ハヤシさん

K-1などで活躍したキックボクサーのノブ・ハヤシさんは、2009年1月に急性骨髄性白血病であることが発覚しましたが、抗がん剤治療を受けて7月に退院しています。その後、1度再発していますが、闘病生活の末に寛解に至っています。

2014年の年末には「BLADE 1」のリングに上がり、本選復帰を果たしています。

7．上原宏一さん

プロゴルファーの上原宏一さんは、1984年に日本オープン優勝など7勝を挙げていた選手ですが、2009年に急性リンパ性白血病で亡くなっています。

8．宮下トモヤさん

総合格闘家としてDEEPなどを舞台にして活躍していた宮下トモヤさんは、2010年11月に腫瘍が見つかり、手術を受けています。その後すぐに急性巨核芽球性白血病を発症して、2011年の年末に亡くなっています。

Twitterでは闘病生活の様子がツイートされています。

9．宅見雅幸さん

プロバスケットボール選手として新潟アルビレックスBBで活躍していた宅見雅幸さんは現役時代に白血病を発症し、一時は入団のためのトライアウトを受けるまでに回復していましたが、2008年に亡くなっています。

10．宇田由香さん

ロードレースを中心に活躍していた宇田由香さんは世界選手権の個人ロードレースにも出場していた実力者ですが、2009年2月に急性骨髄性白血病を発症しています。発病後は治療に専念していましたが、2010年7月に他界されています。

白血病の海外芸能人・有名人8名

白血病を患った芸能人・有名人は海外にもたくさんいます。白血病の海外芸能人・有名人をご紹介していきます。

1．アンディ・フグさん

強烈な踵落としが得意技で、K-1の黎明期を支えた人気ファイターのアンディ・フグさんは、2000年に急性骨髄性白血病を発症し、8月24日に亡くなっています。

アンディ・フグさんが白血病であることが明かされたのは、8月24日です。その数時間後に、亡くなりました。

2．カリーム・アブドゥル・ジャバーさん

NBAの歴代通算得点記録を持つカリーム・アブドゥル・ジャバ―さんは引退後の2008年に慢性骨髄性白血病と診断されています。今のところ、急性転化はしていないようですが、定期的に病院に通院し、検査を受けているとのことです。

3．ロマン・レインズさん

WWEのレスラーであるロマン・レインズさんは、22歳の白血病を発症しますが、その後寛解し、レスラーとしての活動をしていました。

2018年に白血病を再発し、治療に専念することになります。2019年2月には復帰が発表されていますので、今後の活躍が期待されますね。

4．エヴァン・ハンドラーさん

アメリカの人気ドラマであるセックス・アンド・ザ・シティに出演していたエヴァン・ハンドラーさんは、20代半ばに急性骨髄性白血病を発症しています。その時の様子は「Time On Fire: My Comedy of Terrors」という本にして出版しています。

5．スティリアン・ペトロフさん

ブルガリア代表のキャプテンも務めたプロサッカー選手のスティリアン・ペトロフさんは、現役中の2012年3月に急性骨髄性白血病と診断されました。

治療を続け快方には向かったものの、現役復帰までにはいたらず、2013年5月に現役を引退されています。

6．リュー・テンプルさん

テレビドラマを中心に活躍し、ウォーキングデッドのアクセル役としても知られるリュー・テンプルさんは、2002年に白血病と診断され、抗がん剤を用いた治療を行います。8ヶ月後には無事寛解し、退院しています。

7．アンドレア・フォルトゥナートさん

イタリア代表として活躍していたプロサッカー選手のアンドレア・フォルトゥナートさんは、20代前半で名門ユヴェントスのレギュラーを獲得し、さらにイタリア代表にも選ばれるほどの実力の持ち主でしたが、1995年に白血病で亡くなっています。

8．王屾さん

中国のバスケットボールユース代表にも選ばれていたバスケットボール選手の王屾さんは、2008年5月に胸腺腫を発症し、それが骨髄に転移したことで白血病を発症します。

2009年に骨髄移植を受けましたが、拒絶反応を起こして、同年7月に亡くなっています。

まとめ

白血病の症状や原因、白血病になった芸能人・有名人をまとめましたが、いかがでしたか？白血病は早期発見できれば、寛解できる病気です。だるい、熱が下がらない、鼻血が良く出るなどの症状が出たら、早めに病院を受診しましょう。