暗殺事件の衝撃度ランキング：日本編　第11位～第6位

第11位　石井紘基議員暗殺事件

2002年10月25日に民主党の衆議院議員だった石井紘基氏は、自宅の駐車場で柳刃包丁で左胸を刺されて暗殺されました。暗殺の実行犯の伊藤白水が自首しました。犯人は家賃トラブルが動機と自白しています。

しかし、石井紘基氏は国会議員や官僚の汚職を徹底的に解明しようとしていました。このことを阻止するために、暗殺されたと見られています。また、現場に残されていた石井紘基氏のカバンの中には、国会に提出するための書類が紛失していました。

第10位　餃子の王将社長暗殺事件

餃子などの中華料理店を全国チェーン展開している「餃子の王将」の社長である大東隆行氏は、2013年12月19日に王将本社前で倒れているところを発見されました。

拳銃で至近距離から4発撃たれていて、4発とも急所に命中していたことから、いわゆる「プロ」による犯行ではないかと言われています。しかし、いまだに犯人は捕まらず、なぜ暗殺されたのかもわからないままです。

2015年には事件現場近くの遺留品から採取されたDNAと九州の暴力団員のDNAが一致したことが判明しましたが、それでもまだ犯人は捕まっていません。

第9位　池田大作サリン暗殺未遂事件

創価学会の名誉会長である池田大作氏は、1993年11月と12月18日にオウム真理教によって暗殺されそうになっています。実際に暗殺されていはいないので、暗殺未遂事件です。

1993年11月には600gのサリンを撒こうとしましたが、霧にならなかったり、サリンが車内に入るなどで失敗。

翌月の12月18日には、ガスバーナー式加熱気化噴霧器でサリンを撒こうとしたら、それによって火災が発生し、なんとかサリン3kgを撒いたものの、池田大作氏の暗殺には失敗しています。

第8位　悪魔の詩訳者暗殺事件

悪魔の詩訳者暗殺事件は、1991年7月11日に筑波大学キャンパス内で起こりました。暗殺された筑波大学助教授の五十嵐一氏は、1990年にサルマン・ラシュディの小説『悪魔の詩』を日本語訳しています。

この「悪魔の詩」は1989年にイランの最高指導者であるホメイニ氏が反イスラーム的であると断罪し、この作者や発行など「悪魔の詩」に関わった人物は死刑にするという宣告をしています。

このような事情があったため、「悪魔の詩」をよく思っていなかったイスラム勢力に、五十嵐一氏は暗殺されたのではないかと言われています。

実際に、五十嵐氏は首に左に2カ所、右に1カ所の傷があり、その傷は頸動脈を切断するほどの深さでした。この殺害方法は「イスラム式の殺し方」とされています。

しかし、犯人が捕まることはなく、2006年に時効を迎えています。

第7位　長崎市長暗殺事件

2007年4月17日、長崎市長の伊藤一長氏は４選を狙って、選挙活動を行っていました。選挙事務所に帰ってすぐに、路上で山口組系暴力団幹部に背後から2発の銃弾を受けて、死亡しました。

逮捕された犯人は、公共工事などを巡って市長に恨みを持っていたとされていますが、実際の動機は違うのではないかとも言われています。

前長崎市長も銃撃されていますし、伊藤一長氏は被爆都市の市長として、アメリカ等にも堂々と意見を述べていましたので、それをよく思わない人たちから、暗殺されたのではないかと考えられています。

第6位　坂本堤弁護士一家暗殺事件

1989年11月4日に、坂本堤弁護士一家暗殺事件は起こりました。坂本堤弁護士は、オウム真理教問題を扱っていて、「オウム真理教被害者の会」を組織していた人物です。世の中のオウム批判が集まる中、オウム真理教は坂本堤弁護士に対して恨みを持つようになり、暗殺が計画されました。

オウム真理教の実行部隊は、最初は坂本堤弁護士の自宅の最寄り駅で待ち伏せし、退勤後に帰宅していたところを拉致しようと目論んでいましたが、その日は祝日であり、坂本堤弁護士は事務所に出勤していませんでした。

そのことに気づいたオウム真理教の実行部隊は自宅を襲撃し、一家三人を殺害し、死体を遺棄したのです。この暗殺は最初は失踪事件として扱われていましたが、オウム真理教幹部の岡崎一明の自白によって明らかになった暗殺です。

暗殺事件の衝撃度ランキング：日本編　第5位～第1位

第5位　元厚生事務次官連続暗殺事件

2008年11月17日に、元厚生労働省事務次官の山口剛彦宅が襲撃されて、山口氏と妻が刺殺されました。そして、翌日の11月18日には吉原健二氏の自宅が襲撃され、吉原氏は死亡、妻は重体になっています。

2人の被害者に共通していることは、元厚生労働省のトップだったことです。厚労省の元トップが立て続けに襲撃されたことで、年金に関係する暗殺ではないかと騒がれました。

事件から4日後の11月22日に実行犯が自首してきて、年金テロではなく、昔に保健所に犬を殺された恨みと動機を話しています。この暗殺犯は、死刑が言い渡されています。

第4位　警察庁長官・國松孝次暗殺未遂事件

警察庁長官だった国松孝次氏は、1995年3月30日に出勤のために自宅マンションを出たとこところで、待ち伏せしていた犯人に銃撃されます。4発が発射され、3発が國松氏に命中し、國松氏は救急搬送されます。

手術中鵜に3度も心停止になるなど危篤状態になりましたが、一命をとりとめ、2か月半後には公務に復帰しています。

犯人は逮捕されておらず、最初はオウム真理教による犯行ではないかと疑われていましたが、決め手に欠けていて、暗殺犯人はわからず、事件は迷宮入りしています。

第3位　豊田商事会長暗殺事件

豊田商事は4年間で29,000人から総額2000億円もだまし取っていた会社で、社会的に注目度が高い会社でした。

1985年6月18日は、豊田商事の会長である永野一男が逮捕されるという報道があり、永野氏の自宅前にはマスコミが集まっていて、そこに犯人が窓ガラスを割って永野氏の自宅に侵入し、銃剣で13ヶ所を刺して暗殺します。

犯行後、その場にいたマスコミの取材に答えてから、現行犯逮捕されています。この一連の様子は全国に生放送されていました。また、週刊誌のFOCUSは犯人の1人が血まみれで断末魔の形相の永野を抱え、もう1人が銃剣を持つ写真が誌面を飾っています。

第2位　力道山暗殺事件

暗殺事件の衝撃度ランキングの第2位は力道山暗殺事件です。

1963年12月8日に東京・赤坂のクラブで足を踏んだ・踏まないの口論になり、登山ナイフで腹部を刺されて死亡しました。この事件は一見、暗殺ではなく、ただの喧嘩の末の殺人のように見えますが、犯人の村田勝志が所属していた住吉会系の暴力団と力道山のバックについている東声会が争っていて、それが関係しているとも言われています。

国民的な人気スターだった力道山の暗殺（刺殺）は世間に大きな衝撃を与えました。

第1位　村井秀夫暗殺事件

暗殺事件の衝撃度ランキング、第1位は村井秀夫暗殺事件です。これは、暗殺された瞬間が全国に生放送されていて、しかも世間が注目していたオウム真理教の幹部が暗殺されたということで、非常に大きな衝撃を世の中に与えました。

オウム真理教は地下鉄サリン事件後に強制捜査のメスが入り、連日オウム真理教に関しての報道が行われていました。

そんな中での暗殺事件です。山口組傘下の右翼団体「神州士衛館」構成員を名乗る、在日韓国人の徐裕行（ソ・ユヘン）に左腕と右わき腹を刺され、出血性ショックで死亡しました。

暗殺事件の衝撃度ランキング：海外編　第14位～第11位

第14位　ネパール王族暗殺事件

ネパール王族暗殺事件は2001年に起こりました。月に1回開かれていた晩餐会で、国王の長男であるディペンドラ王太子が銃を乱射し、その後に自殺を図ったという事件です。

これだけ見ると、王太子が錯乱状態になったのかとも思いますが、暗殺された国王の弟で、その後に王位についたギャネンドラ氏が暗殺犯の背後にいたのではないかと言われています。

王族が集まる晩さん会にギャネンドラ氏だけが欠席していたこと。さらに、ギャネンドラ氏の家族だけがこの事件で死亡していないこと。王太子の自殺には不自然な点が多々あることなどから、王位を狙ったギャネンドラ氏が暗殺を指示した可能性がささやかれています。

第13位　ルワンダ・ブルンジ両大統領暗殺事件

1994年4月6日にルワンダの大統領ジュベナール・ハビャリマナ氏とブルンジの大統領シプリアン・ンタリャミラ氏を乗せた大統領専用機がルワンダの首都に着陸しようとした時、撃墜され、大統領宮殿の庭に墜落し、爆発した事件です。

この大統領専用機には2国の大統領のほかにルワンダ国防軍参謀総長やブルンジの建設相などの要人も乗っていましたが、全員が死亡しています。

この暗殺事件をきっかけにして、ルワンダ虐殺が引き起こされることになりました。

第12位　パナマ文書暗殺事件

2016年に租税回避行為に関する一連の機密文書であるパナマ文書が流出する事件がありました。このパナマ文書を受けて、ジャーナリストのダフネ・カルーアナ・ガリジア氏はマルタの首相の妻や官房長官などの汚職疑惑などを報じてきました。

マルタはEU諸国の中で唯一、パナマ文書に閣僚が直接的に関与していたことが明らかになっている国でした。

そのような中、2017年10月16日に、彼女の車に爆弾が仕掛けられ、爆殺されています。

この暗殺事件を受けて、マルタ首相は「報道の自由に対する野蛮な攻撃」と暗殺を非難しています。

第11位　林彪暗殺事件

林彪は中国共産党中央委員会副主席の要人でした。林彪は毛沢東の後継者に認定されますが、その後、毛沢東と対立します。

そして、毛沢東の暗殺を計画するものの失敗に終わり、林彪はソ連に亡命するために、ソ連に向けて強行離陸します。しかし、モンゴルに不時着しようとした時に墜落し、林彪を含む乗員9人全員が死亡しました。

この墜落はパイロットの操作ミスとも言われていますが、ソ連、もしくは毛沢東一派に撃墜された可能性は否定できません。

暗殺事件の衝撃度ランキング：海外編　第10位～第6位

第10位　マルコムX暗殺事件

マルコムXはアメリカの黒人公民権運動活動家で、イスラム教に改宗した人物です。一度はネーションオブイスラム教団に入り、スポークスマンを務めますが、教団と対立するようになり、教団を脱退します。

そのことで、教団から暗殺対象にされ、オードゥボン舞踊場でスピーチを始めた時に、3人に拳銃を発砲され、体に合計15発の銃弾を受けて死亡しました。

第9位　イスラエル首相イツハク・ラビン暗殺事件

イスラエルの首相イツハク・ラビン氏は、1992年に首相に就任した後、アラブ諸国との和平を進め、1993年にはオスロ合意に調印し、1994年にはヨルダンとの平和条約に調印して、ノーベル平和賞を受賞しています。

しかし、この和平推進をよく思わないユダヤ人宗教右派の青年であるイガール・アミルに、平和集会に参加している時に銃撃され、暗殺されました、

このイツハク・ラビン氏の暗殺によって、イスラエルとアラブ諸国の和平は遠のいたと言われています。

第8位　朴正煕大統領暗殺事件

韓国大統領の朴正煕は、韓国情報中央部（KCIA）部長の金載圭と古い友人でしたが、叱責されたりするうちに、恨みを持ち、暗殺を計画するようになりました。

そして、1979年10月26日の晩餐会でも、金載圭は朴正煕から長い叱責を受け、情報中央部の失態ぶりを話されるようになり、一緒にいた大統領府警護室長の車智澈と朴正煕に発砲して暗殺してしまいます。

この暗殺事件をきっかけにして、韓国はクーデターが起こり、第四共和国から第五共和国へと移行していきました。

第7位　インディラ・ガンディー暗殺事件

インド初の女性首相であり、父親はインド初の首相であるネルー氏であるインディラ・ガンディー氏は、1984年にシク教分離主義者の殲滅を目的としたブルースター作戦を展開し、シク教徒の聖地をインド軍に攻撃させました。

この作戦によって、インディラ・ガンディーはシク教徒から反発を持たれることになり、1984年10月31日に、アカデミー賞俳優のイギリス人のピーター・ユスティノフからインタビューを受けている時に、シク教徒の警護警官に銃撃され、死亡しました。

このインディラ・ガンディー暗殺事件によって、3000人ものシク教徒がヒンドゥー教徒に殺されています。そして、インディラ・ガンディーの息子も首相になりましたが、1991年に暗殺されています。

第６位　キング牧師暗殺事件

アフリカ系アメリカ人公民権運動の指導者であり、ノーベル平和賞を受賞したキング牧師ことマーティン・ルーサー・キング・ジュニア氏は、バルコニーでその夜に行われる集会での演奏音楽の曲目を打ち合わせをしていた時に、白人男性で前科があるジェームズ・アール・レイに銃で撃たれました。

銃弾は喉から脊髄を貫通していて、即死状態だったようです。暗殺犯のジェームズ・アール・レイは国外逃亡しますが、ロンドンの空港で逮捕されています。

暗殺事件の衝撃度ランキング：海外編　第5位～第1位

第5位　ウサマ・ビンラディン暗殺事件

アメリカ同時多発テロの首謀者であるウサマ・ビンラディン氏は、アメリカ軍によって長年捜索されてきましたが、なかなか行方を掴むことができませんでした。

しかし、2011年にウサマ・ビンラディン氏の潜伏先をアメリカ軍が掴み、5月2日にネプチューン・スピア作戦という名のウサマ・ビンラディン氏暗殺計画が実行されます。アメリカ軍の突入により、潜伏先の邸宅は制圧され、ウサマ・ビンラディンの死亡が確認されています。

第4位　金正男暗殺事件

金正男氏は北朝鮮の第2代最高指導者だった金正日氏の長男です。2017年2月13日、マレーシアのランカウイ島から戻り、マカオへ旅立つためにマレーシアのクアラルンプール空港にいた金正男氏は、突然2人の女性から液体を顔に塗られます。

その後、体調不良を訴え、空港内のクリニックを受診しますが、その時点で意識不明になり、空港での救命は無理と判断されて、近隣の総合病院へ搬送されますが、その途中で心肺停止になり、そのまま死亡しました。

金正男氏が顔に塗られた液体は猛毒のVXガスであることがわかり、実行犯の2人の女性は逮捕されています。しかし、この女性たちも北朝鮮国籍の男性に騙されて暗殺を実行したようで、北朝鮮が首謀した暗殺ではないかと言われています。

第3位　ジョン・レノン暗殺事件

ビートルズのリーダーであり、ミュージシャンとしてだけでなく、政治活動家・平和主義活動家としての一面も持っていたジョン・レノンさんは、妻のオノヨーコさんと共にスタジオから帰宅する途中にマーク・チャップマンに銃撃され、左背中や肩を撃たれます。

すぐに病院に搬送されましたが、死亡が確認されました。カリスマ的な人気を誇っていたジョン・レノン氏の暗殺は、世界に衝撃を与え、世界が悲しみに包まれました。

第2位　マハトマ・Ｋ・ガンジー暗殺事件

インド独立の父と言われるマハトマ・ガンジーは、インドを独立に導きます。しかし、ガンジーの理想とする「ヒンドゥーとムスリムの融合したインド」にはならず、ヒンドゥーとイスラムの対立が激化し、第一次印パ戦争が勃発します。

それでも、ムスリムに対する融和政策を見せていたガンジーに、ヒンドゥー教徒の不満が溜まり、1948年1月30日に宗教集会に姿を見せたガンジーをヒンドゥー原理主義者のナートゥーラーム・ゴードセーが銃で暗殺しました。

マハトマ・ガンジーの葬儀は、国葬として営まれました。

第1位　ケネディ大統領暗殺事件

暗殺事件の衝撃度ランキング、第1位はケネディ大統領暗殺事件です。1963年11月22日、テキサス州のダラス市内をパレード中に銃撃されて死亡しました。このパレードと暗殺された映像（もしくは写真）は誰でも一度は目にしたことがあるはずです。

隣に座っていたジャクリーン夫人が車の後方に這い出して、吹き飛んだ頭部を集めるような仕草をしたのが印象的です。

ケネディ大統領を暗殺したのは、リー・ハーヴェイ・オズワルド。暗殺から1時間後に逮捕されましたが、その2日後に警察署内で実業家のジャック・ルビーに射殺されています。

暗殺犯が射殺されたため、このケネディ大統領暗殺事件の動機は改名されず、半世紀以上たった現在でも、いろいろな説が出ています。

まとめ

暗殺事件の衝撃度ランキングを日本編・海外編に分けてまとめましたが、いかがでしたか？「暗殺」というと、歴史上の出来事というイメージがありますが、21世紀になった現代でも行われていることなんです。

暗殺が起こると、世界情勢が一気に動くこともあります。これからも暗殺は行われていくかもしれませんね。