吉川美代子は日本初の女性キャスター

知的なイメージの強い吉川美代子さんは、TBSに入社し女性初のキャスターとして一線を担っていました。

アナウンサースクールの講師として、後進のアナウンサーの育成に力を注いでいた時期もあります。

現在は定年退職後、フリーアナウンサーとして活躍中です。

吉川美代子のプロフィール

吉川美代子の若い頃①　学生時代について

吉川美代子さんは、若い頃からアナウンサーを夢見て努力を続けてきましたが、アナウンサーを意識したきっかけは、かなり昔に遡ります。

ここからは、吉川美代子さんの学生時代について振り返っていきましょう。

本格的に将来の夢として意識したのは中学生の頃

小学生の頃から漠然とアナウンサーになりたいと考えていた吉本美代子さん。

明確にアナウンサーを目指すきっかけは、中学の放送部に所属していた時でした。

TBSラジオの「こども音楽コンクール」において、ブラスバンド部の紹介を担当した際、紹介を終えると、TBSのアナウンサーから「未来の吉川アナウンサーですね」と言ってもらえたそう。

これを聞いて嬉しくなり、さらにアナウンサーの仕事を体験できたことで、具体的にアナウンサーになりたいと、より強く意識するようになりました。

出身大学は早稲田

吉川美代子さんは、アナウンサーの夢を抱きつつも高校を卒業後は早稲田大学に進学。

当時の日本では、女性のアナウンサーはほとんど求人が無く、狭き門でした。そんな社会的情勢を鑑みて、教職課程を受講して教師にもなれるように教員免許を取得しました。

大学時代の吉川美代子さんはとても成績が優秀で、「大隈記念奨学金」を受けていたのです。

早稲田大学にはいくつか奨学金の種類がありますが、吉川美代子さんが受けていた「大隈記念奨学金」は、1学年2人くらいでかなり審査が厳しいことで知られています。

将来の安定を優先して、社会科の教師ができるようにと実習と資格を取得しますが、就職活動の時期が近づいてきた時、TBSの女性アナウンサー募集の求人を見つけて迷わず応募。

書類選考を通過し面接も順調に進んで、いよいよ三次面接というところで面接官として登場したのは、アナウンサーの山本文郎さんでした。

実は、中学生の時にTBSのラジオ番組で「未来の吉川アナウンサーですね」と、言ってくれたアナウンサーこそが山本文郎さんだったのです。

面接でリラックスして対応できたという吉川美代子さんは、9年ぶりの女子アナウンサーとして内定を見事に獲得したのです。

吉川美代子の若い頃②　TBSに入社

才媛であり、キャスターとしての実力は誰もが認める吉川美代子さん。女性キャスターが誰もいないプレッシャーはかなりのものだったそう。

TBSに入社後の知られざる奮闘について紹介します。

努力を惜しまず隠さなかった

現在は女性キャスターは珍しくはありませんが、吉川美代子さんがTBSに入社した1977年は、女性キャスターが他の局を見ても誰もいないという状況でした。

実際、吉川美代子さんも入社後5年はラジオ番組のリポーターや番組のアシスタント業務など、キャスターとは縁の無い生活でした。

しかし、いつかやってくるキャスター生活のために、誰よりも早く出社して発声練習をしたり、仕事の移動中も車窓から見える景色を見ながら実況する練習したりと、努力を重ねました。

そんな努力が実り、早朝のニュース番組で初めての女性キャスターとして抜擢されたのです。

ただ、もし成果を出せなかった場合、女性キャスターが今後登用されにくくなる可能性があり、キャスターを目指す女性達のチャンスを奪うことになると、かなりのプレッシャーだったそう。

最初は思うように仕事ができず、ジレンマを感じる日々だった吉川美代子さんでしたが、先輩アナウンサーから言われた以下の言葉で勇気が湧いたそうです。

「初めは報道局全体の7割が『女性は必要じゃない』と思っているかもしれない。それでも君が頑張っている姿を見せていい仕事をしたら、半年後には5割になり、1年経ったら7割が『女性でもいい』と逆転するかもしれない」

 

引用：Adecco – 吉川美代子キャリアインタビュー https://www.adecco.co.jp/

昔は、女性が大手を振ってアナウンサーとして活躍する人がいなかったので、吉川美代子さんはこの言葉を胸に刻み精進して、先駆者としての道を切り開きました。

嫌味を言われたことも

キャスターとして就任すると注目を集めた吉川美代子さんでしたが、政治部の記者から「俺の原稿を女性に読んでもらいたくない」と言われて、悔しい思いをしたこともあったそうです。

その悔しさをバネに、練習に励み、さらに原稿の中身を理解した上で視聴者に正しく伝えることだけを考えて、日々取り組みました。

キャスターとしてデビューして5年が経過した頃から、次第に自身でも手ごたえを感じる機会が増えていったそうです。

吉川美代子の若い頃③　30代でキャリアを広げた

がむしゃらに初の女性キャスターとして走り続けていた吉川美代子さんですが、30歳を過ぎる頃には、新たな分野に挑戦を始めています。

昇進してポジションが変わっただけではなく、興味があったラッコの生態に関する学問を始めたのです。

このことが、人生を大きく変える転機となりました。

ラッコの研究を開始

吉川美代子さんは、もともと幼い頃からラッコが好きだったそう。

そして30代を過ぎて、キャスターとしてのポジションを確立した頃、ラッコの生態をもっと知りたいと考えるようになりました。

ラッコは日本の海で生息しておらず、当時の日本では専門で研究している人はいませんでした。そのため、専門家がいるアメリカに行くのが理想でした。

しかし、当時担当していた土日の番組を欠席してまで渡米して研究するわけにもいきません。

考えた末、吉川美代子さんは月曜日にアメリカに渡り、金曜日の夜に帰国するという生活がしばらく続きました。

こういったアメリカとの行き来の合間にも、北海道の図書館に赴き古文書を読んだり、ラッコの毛皮を調べるために日帰りでロンドンに飛んだことも。

ラッコの研究をしたことによって人脈が広がり、ラッコに関する書籍も出版しています。

管理職になって見えたこと

管理職の肩書が加わり、部下を育成する立場へとスイッチした吉川美代子さん。

部下の性格や体力、能力の差の違いによって、同じ報道を担当させても違いが出ることに気が付いたそうです。

それぞれの違いを加味した指導の仕方やコミュニケーションが大事であると、徐々に若き有能な管理職としての才能も発揮するようになりました。

吉川美代子はアナウンサースクール校長時代の元教え子と仲が悪い？

吉川美代子さんは、2001年から2014年まで、TBSが主宰する「TBSアナウンサースクール」の校長を務めていました。

これまでに小林麻耶さん、青木裕子さん、田中みな実さんなど、有名なアナウンサーを多数輩出しています。

一方で、元生徒との仲が険悪なのではないかと心配する声もあるようです。

田中みな実と険悪という噂は本当？

アナウンサースクールの教え子であるアナウンサーと共演する機会も多い吉川美代子さん。

かつて生徒だった、田中みな実さんとの仲が特に険悪だという噂が浮上しました。

自他共に認めるストイックな吉川美代子さんは、田中みな実さんに対して厳しく接していたことは認めています。

ただし、少しでもアナウンス能力を高めてあげたいという気持ちが強く、どうしても妥協ができなかったのです。

また、田中みな実さんについて「とにかく真面目で負けず嫌い。他の生徒と仲良くなる時間があるならば、早口言葉の練習をしますと、我が道を行くタイプだった」と語っています。

バチバチのトークは信頼の証？

田中みな実さんがアナウンサースクールを卒業後、吉川美代子さんは、2019年に「全力！脱力タイムズ」で共演。出演した際の2人のバチバチのやり取りが話題になりました。

女優業など活動の幅を広げていることを振られた田中みな実さんは、「私はあくまで女子フリーアナウンサーですから」と回答。

それに対し、吉川美代子さんが「女子アナという職業はない。あくまで女性のアナウンサーと男性のアナウンサーがいるだけでしょ」と、女子を強調する田中さんを一刀両断したんです。

このように、常に遠慮のない言葉の掛け合いがなされるため、険悪説が出てしまっているようです。

しかし、田中みな実さんによると「お互いに信頼関係があるからこそ、あそこまでお互い好きに言い合える」と不仲説を否定しています。

吉川美代子の結婚歴①　1人目の旦那はアメリカ人実業家

吉川美代子さんは、これまでに2回結婚して2回離婚していることを公表しています。

1人目の旦那は、アメリカ人の実業家です。

才媛と呼ばれる吉川美代子さんを射止めた旦那や、離婚理由について調査しました。

馴れ初めはアメリカ赴任先で意気投合

吉川美代子さんが最初に結婚したのは29歳の時のこと。

1人目の旦那はイタリア系のアメリカ人で、詳細は不明ですが実業家です。

仕事でアメリカに渡った時に出会ったそうですが、具体的にどのような馴れ初めがあったのかは明かされていません。

相手の男性は年収1億円を越えるという、かなりの裕福な経済状況だったそうです。

離婚理由は？

結婚後1年半で旦那と離婚しています。離婚の理由は、性格の不一致でした。

吉川美代子さんによると、結婚する前は「仕事を続けても良いよ」と旦那に言われていたのですが、いざ結婚生活が始まると、家事は全て吉川美代子さんが担当することに。

そして、やむを得ず休日出勤をすると旦那から文句を言われてしまい、次第にお互いの心の距離が生まれてしまったそう。

吉川美代子の結婚歴②　2人目の旦那は美術商

多忙が理由で離婚している

吉川美代子さんは32歳の時に2人目の旦那と結婚しました。

2人目の旦那は、日本人で美術商をしている男性。一般人男性なので、名前や顔写真は公開されていませんが、年収が1億円を越えていることは判明してます。

しかし、いざ結婚生活が始まるとお互いに多忙すぎてすれ違いが発生してしまい、結局離婚してしまいました。

吉川美代子の子供の有無や再婚の噂

これまでに2回結婚した経歴がある吉川美代子さんですが、子供はいるのでしょうか。

また、再婚についてもテレビに出演した際に考えを述べています。

吉川美代子さんの子供や現在の恋愛観について調査しました。

子供はいない

これまでに結婚した男性との間に子供は誕生していません。

最初の旦那とは結婚してすぐに性格の不一致で仲が良くなく、2人目の旦那は多忙な方だったので、そもそも夫婦の時間が持てなかったのかもしれませんね。

再婚の意志はない

吉川美代子さんは、2018年4月放送のトーク番組「おかべろ」に出演した際、この先の結婚について話を振られました。

すると、「2回も失敗していたら、3回目の結婚なんて考えていません」と、ハッキリと否定。

吉川美代子さんは、再婚する意志がなさそうですね。

共演していた吉川美代子さんの友人・東名香子さんは「吉川さんは、人間の男性に興味がないんですよね」と、茶化すように語っていました。

吉川美代子さんは仕事に全力投球しているので、誰かと一緒に生活をすることが向いていないのかもしれませんね。

吉川美代子のがん闘病とその後

吉川美代子さんは、2017年にがんだったことを明かしています。その後の経過はどうなっているのでしょうか。

ここからは、吉川美代子さんの闘病生活について紹介します。

トーク番組でカミングアウト

2017年2月20日に放送された「人生が変わる１分間の深イイ話」に出演し、「大げさにはしたくないのですが、がんでした」と、過去にがんを患っていたことを明かしました。

具体的にどこにできたものなのかは言及していませんが、ごくごく初期のがんだったようです。

告知を受けた時は冷静に受け止めているつもりだったのですが、医療費の精算で診察券を精算機に入れようとしたところ、手が震えて入らなかったそうです。

その後、抗がん剤治療や手術を受けて、経過は良好。再発もしていません。

免疫力を高めるために、漢方薬を毎日煎じて飲む習慣ができたそうです。

吉川美代子の猫愛がすごいと話題に

吉川美代子さんは、芸能界きっての愛猫家として知られています。

愛猫との思い出をテレビ出演時に語っています。

猫の名前はゲン

吉川美代子さんの愛猫の名前は「ゲン」です。

元々野良猫で、初めて出会ったのは2000年頃のこと。道端で見かけて4回目でペットに昇格したんだそうです。

飼い猫の画像を見ると、茶色い毛並みの猫であることが判明しています。

猫を溺愛する様子をテレビで披露したところ、ネットでは「意外性がある」と話題を呼びました。

長年一緒に暮らしましたが、ゲンは2016年5月16日に死去。人間の年齢に換算すると110歳だったそうです。

人生のパートナーとも呼べるくらい身近な存在だったゲンを失くし、立ち直るまでにかなりの時間がかかったことを明かしています。

吉川美代子の現在

吉川美代子さんは、2021年5月8日の誕生日を迎えて67歳になります。

2014年にTBSを退社後、どのようにしているのでしょうか。

各分野で大活躍

2014年にTBSを退社した吉川美代子さんは、その後、キャストプラスという、アナウンサーのマネージメントを行う会社で代表取締役に就任。2016年まで勤め上げました。

現在はフリーでキャスターやコメンテーターとして活躍しています。最近は、新型コロナウイルスで小池都知事が取った対応について鋭い批判をしています。

さらに、2017年からは京都産業大学に新設された現代社会学部の客員教授としての顔も持っています。

年齢を重ねてもアクティブに活動し、人生を楽しんでいる様子が窺えますね。

まとめ

吉川美代子さんは、日本初の女性キャスターを務めた、先駆け的存在のアナウンサーです。

中学校の時に放送部に入り、偶然TBSラジオの番組に出演したこがきっかけでアナウンサーへの憧れが強いものになりました。

吉川美代子さんの若い頃、女性のキャスターはまだいなかったので、教職課程を専攻しつつも、TBSを受験して見事合格。入社後5年で初の女性キャスターに抜擢されています。

その後、吉川美代子さんの輝かしい功績のおかげで、現在では女性キャスターが珍しくはなくなりました。

プライベートでは2回結婚して2回離婚しています。子供はおらず、再婚する願望も持っていないと明かしています。

2014年にTBSを退社しますが、現在はフリーアナウンサーやコメンテーターとしてまだまだ現役です。

60代後半になってもアクティブに活躍する吉川美代子さん。今後も目が離せませんね。