ADHDとは

ADHDとはAttention-deficit hyperactivity disorderの略で、日本語に訳すと「注意欠陥・多動性障害」となります。

ADHDについて理解するためには、まずは発達障害について知らなければいけません。

出典：rehab.go.jp

発達障害は、大きく分けて自閉症とADHD、LD（学習障害）の3つのタイプに分けることができます。つまり、ADHDと自閉症や学習障害は違うものです。

もちろん、図からも分かるようにADHDを持ちながら、自閉症や学習障害を併発しているケースもありますが、基本的にはADHDと自閉症・学習障害は違います。よく混同している人がいるので、注意しましょう。

ADHDの発症率は1～6％と言われていますので、そんなに珍しいものではありません。クラスに1人、もしくは学年に1人くらいはADHDの子どもがいるという計算になりますね。

ADHDの特徴

ADHDは注意欠陥多動性障害のことです。この名前からわかるように、ADHDの特徴は「注意力が欠けている」、「多動で落ち着きがない」ということになります。

もう少し細かくADHDの特徴をご紹介します。そもそもADHDはADD（注意欠陥障害）DH（多動性障害）に分けることができます。

ADDの人、つまり多動性はないけれど、注意力が散漫になってしまう人もいます。また、注意欠陥よりも多動性の方が強い人もいるんです。

そのため、ADHDの特徴を「注意欠陥」と「多動性」の2つに分けてご紹介します。

これらの特徴に当てはまる人は、ADHDと診断されることが多いですし、ADHDの可能性が高くなります。

ADHDの原因

ADHDの原因は、まだ分かっていません。自分の注意や行動を制御・コントロールする脳の部分に何らかの障害があるのではないかと考えられています。

では、なぜ脳に障害があるのか？その原因は次の3つの可能性があるとされています。

次に、脳に障害が起こる原因を見ていきます。ADHDになるのは、遺伝が関係していると言われています。遺伝率は76％と高いですし、ADHDの兄弟がADHDになる確率は高いというデータがあります。

ただ、すべてが遺伝と関係しているというわけではありません。次のような要因も関係しているのではないかと言われています。

ADHDの芸能人・有名人～国内編～

ADHDの芸能人・有名人をご紹介していきます。まずは、日本人からです。今からご紹介する芸能人・有名人の方は、自らADHDを告白していることもありますが、あくまで噂レベルであり、本当にADHDかどうかはわからないこともありますので、その点はご了承くださいね。

1．黒柳徹子さん

「徹子の部屋」や「世界ふしぎ発見！」でおなじみの黒柳徹子さんは、代表作であり、自伝でもある「窓際のトットちゃん」の中でADHDのような症状、多動や落ち着きのなさがあったエピソードを披露しています。

それが原因で、当時は小学校を退学になり、違う学校に編入したということがあったそうです。大人になってから症状はだいぶ落ち着いたようですが、黒柳徹子さんのマシンガントークを見ていると、ADHDだったころの名残を感じますよね。

2．勝間和代さん

評論家や著述家の勝間和代さんは、軽度のADHDと診断されたことを公表しています。NHKの「あさイチ」に出演された時にも発達障害があることを告白していますよね。

勝間和代さんは、iPadを何と6台も持っているのだそうです。iPad Pro2台、iPad 2台、iPad mini2台！これは、ADHDの症状ですぐに失くしてしまうから、そのための対策だそうです。iPadならデバイス同士で同期させておけば、1台失くしても何とかなるからとのこと。

勝間和代さんはADHDを工夫して乗り越えている方ですね。

3．三木谷浩史さん

楽天の創業者でありFCバルセロナの取締役でもある三木谷浩史さんも、ADHDの傾向があるのだそうです。三木谷さんの半生をルポした書籍「ファースト・ペンギン 楽天・三木谷浩史の挑戦」によると、ADHDのような症状が見られることがよくわかります。

三木谷さんは興味のあること・話したいことをひたすらに話して、周囲を置いてけぼりにしてしまうこともよくあるんだとか。

楽天を創業するような天才は、思考がどんどん湧いてくるようなタイプが多いのかもしれませんね。日本でトップクラスの成功者でありセレブである三木谷さんがADHD傾向と知ると、勇気づけられる人も多いのではないでしょうか。

4．眞鍋かをりさん

タレントの眞鍋かをりさんも、ADHDとは診断されていないものの、ADHD傾向があったことをインタビューで告白しています。

まず、子どものころは多動性、衝動性の高い子でした。不注意も多かったので縫うようなけがも何度もしたし、交通事故に遭ったりもしました。当時はADHDなど全く知られていない時代ですから、母親はおなかに虫がいるのかと心配したそうです。

 

引用：眞鍋かをり　大人になりADHD傾向目立たなくなった | 眞鍋かをり　サンカクなきもち | 日経DUAL

子どものころはADHDの特徴に当てはまっていたそうですが、大人になるにつれてその症状は目立たなくなり、現在は日常生活で困ることはほとんどないと告白しています。

5．長嶋茂雄さん

読売巨人軍名誉終身監督の長嶋茂雄さんは、多動性はないけれど注意欠陥障害（ADD）ではないかと言われています。現役時代のエピソードを聞くと、それも納得できると思います。

現役時代のエピソードの一部をご紹介しますね。

これらのエピソードを聞くと、ADDっぽい感じはありますよね。ただ、このようなエピソードがあるから、親しみを持てて国民から愛される選手になったのかもしれません。

6．高畑裕太さん

現在は無期限で芸能活動を休止されている高畑裕太さんは、ADHDの疑いがある芸能人ですね。高畑さんの場合は、衝動性が抑えられないタイプのADHDの可能性があります。衝動的に行動してしまったから、強姦致傷という事件を起こしてしまったのかもしれません。

日常的にも、話に脈絡がなく話が飛んだりするなど、ADHDの症状があったようですし、幼少期には発達障害と診断されたことがあったとお母様の高畑淳子さんが告白したこともありました。

7．ジミー大西さん

お笑いタレントのジミー大西さんも、ADHDの噂がある芸能人ですね。ジミー大西さんは明石家さんまさんとの約束を守れずに激怒されたというエピソードや、いつもソワソワしていて落ち着きがない様子を見ると、ADHDでも不思議はないように思います。

また、運転免許の試験に何度も落ちたというエピソードも勉強に集中できないADHDなのかなとも思います。ADHDのほかに自閉症っぽさを感じることもありますね。

8．栗原類さん

モデルの栗原類さんは、ADHDではなく多動性はないADD（注意欠陥障害）であることを告白し、「発達障害の僕が輝ける場所をみつけられた理由」という自伝も出版されています。

栗原さんは8歳の時に当時住んでいたニューヨークでADDという診断を受けたとのこと。栗原さんのお母様はADHDだったそうで、お母様の子育てのおかげで栗原類さんはADDを前向きにとらえられるようになったとのことです。

9．Fukaseさん

SEKAI NO OWARIのFukaseさんは、ROCKIN’ON JAPAN 2012年8月号のインタビューで、次のように告白しています。

深瀬慧さんはADHDだけでなく、精神病院に入院した過去なども告白しています。学生時代には壮絶ないじめに遭っていたこともあるそうです。

10．武田双雲さん

書道家の武田双雲さんは、2016年にADHDかもしれないということを公表しています。子どものころから何度も骨折したり、部活の試合に集中できなかったり、アルバイトで大失敗したりなど、ADHDが原因と思われるエピソードがたくさんあったそうです。

でも、そのころはADHDという知識がなかったので、ADHDだとは思わなかったとのことです。

双雲さんは、2年前にADHDという自分の特性の根拠を知ったことで、「すごく楽になった」と言います。そして、いま、自制していた枠を取り払って新たなアートに取り組んでいます。

 

引用：武田双雲さんに聞く　発達障害 ADHD（注意欠如・多動症）への思い | NHK健康チャンネル

武田双雲さんは合わない環境からは逃げることを勧めています。また、できないことを周囲の人に伝えておくことなどの対策をして、ADHDとうまく付き合っているとのことです。

11．小島慶子さん

元TBSアナウンサーで、現在はフリーアナウンサーとして活動している小島慶子さんは、40歳を過ぎてからADHDと診断されたと告白しています。

　40歳を過ぎてから、私は不安障害の主治医によって軽度のADHD（注意欠如・多動性障害）であると診断された。その瞬間の気持ちは「もっと早く知りたかったよ！」だった。

 

引用：小島慶子　40過ぎてADHDと診断され自分知った | 小島慶子のDUALな本音 | 日経DUAL

幼いころからひねくれものとか育てにくい、「小島家の失敗作」のように言われてきて、辛い幼少時代を過ごしたようです。

12．さかなクン

魚類学者でタレントのさかなクンは、すごい才能を持っていますよね。東京海洋大学客員准教授に就任したり、内閣総理大臣賞を受賞したりと本当に素晴らしい活躍をされています。

ただ、テレビ等で拝見する限り、落ち着きがなくてソワソワした感じが見られるのがさかなクンの特徴だと思います。ADHDなのかどうかはわかりませんが、可能性はあると思います。

13．沖田×華さん

「透明なゆりかご」で知られる沖田×華さんは、小学校4年生の時に学習障害とADHDと診断され、中学生の時にはさらにアスペルガー症候群と診断されたそうです。

その時は、その診断を受け入れられなかったそうですが、大人になってからようやく受け入れられるようになったとのことです。

ADHDなどを題材にした「毎日やらかしてます。アスペルガーで、漫画家で」、「ガキのためいき」、「ニトロちゃん：みんなと違う、発達障害の私」などの作品も生み出しています。

14．松野明美さん

元陸上競技選手であり、現在は熊本県議会議員として活動されている松野明美さんも、ADHDの噂がありますね。テレビに出られた時はとにかく落ち着きがなくて、周りの人の話をさえぎってまで自分の話をするようなところが、まさにADHDっぽいと言われています。

本当なら全く関係ないことですが、お子さんがダウン症であることも、松野さんはやっぱりADHDでそれが原因で子どもがダウン症になったのではないかという噂も出ていますね。

15．太田光さん

爆笑問題の太田光さんもADHDの噂がある芸能人です。周囲のことを考えずに自分の言いたいことをとことん話すことがありますし、テレビで落ち着きがないこともありますよね。

2019年4月にはテレビの生放送中にクリームで足を滑らせて頭を強打した事故がありましたが、あれはADHD特有の衝動性が抑えられなかったために起こってしまった事故ではないかと言われています。

16．岸優太さん

King&Princeの岸優太さんも、ADHDの疑いがある芸能人ですね。ファンの間では「天然でカワイイ」と言われていますが、エピソードを聞く限り、ADHDの可能性はあると思います。

岩橋がパニック障害なら

岸は何だろう

ADHDなのはほぼ間違いない

とにかく 勉強が出来ない(本人談)
人の話を聞けない
皆がわかることを直ぐに理解出来ない
芸能人になれて良かったね

— パレちゃん (@DHC_kirakira) December 9, 2018

【ジュニア・岸くんのヤバい話】
菊池「こないだもオレの誕生日会やってくれたとき、岸は到着早々、グラス全部倒してこぼしたの。そのあと洋服のラックを倒してお皿にかかりそうになったり…」
佐藤「そのあと『誰が倒したんスか！』って…オマエだよ！！！」 #nhkらじらー

— らじらー！ (@nhk_radirer) March 18, 2017

この落ち着きのなさは、ADHDの特徴ですよね。本当のところはわかりませんが、ただの天然ではない可能性は十分にあります。

17．みやぞんさん

ANZEN漫才のみやぞんさんは、ADHDの噂があります。みやぞんさんはテレビを見ていると、注意力が散漫なところがたびたび見られます。また、勉強が極度に苦手だったとのエピソードもADHDらしいですよね。

ただ、ADHDもありながら、会話ではオウム返しをすることが多いなどアスペルガーや自閉症的な要素もあるので、ADHDにアスペルガー（または自閉症）を併発しているのかなとも思います。

…みやぞんってもしかしてADHDだったりする…？なんかエピソードすごいね…？！

— 黒龍 (@hakaiguma) March 7, 2019

18．東理沙さん

「生ハムと焼うどん」というユニットや「東東東東東」という兄弟ユニットで活動している東理沙さんもADHDを告白しています。

生うどんの東理沙がADHDをカミングアウトしたけどそれ故に表現の才能があったのかもしれない。
しかしカミングアウトは両刃の剣なので簡単には行かない特に芸能人は。

— ながたこいら (@koirayoyaku) March 3, 2019

19．桜田義孝さん

失言の連続で2019年4月に東京オリンピック・パラリンピック競技大会担当大臣を辞任した桜田義孝さんも、ADHDなのでは？という噂があります。あまりにも失言が多いために、衝動的に不適切な発言をしてしまうADHDの症状に当てはまっているのでは？と言われているからですね。

などなど。分別のある政治家なら、たとえ心の中でも思ったとしても発言しないようなことを簡単に発言しているので、ADHDかもしれないという疑いがあるんですね。

ADHDの芸能人・有名人～海外編～

ADHDの芸能人・有名人、次は海外の芸能人・有名人をご紹介します。海外ではADHDを公表している人が少なくありません。

1．マイケル・フェルプスさん

北京オリンピックでは金メダル8個、オリンピックでの金メダル獲得総数は23個というとんでもない記録を持つ水の怪物ことマイケル・フェルプルさんは、ADHDであることを告白しています。

子どものころは全く集中力がなくて、学校の先生からも何度も厳しく指導されていたそうです。9歳の時にADHDという診断を受けたそうですよ。

2．ブリトニー・スピアーズさん

アメリカの人気歌手であるブリトニー・スピアーズさんは、10代のころにADHDの診断を受けて、症状を抑えるための薬を服用し続けていたとのことですが、現在は精神安定剤の服用を優先しているために、ADHDの薬の服用を辞めているそうです。

3．パリス・ヒルトンさん

ヒルトンホテルグループの創業者の曽孫であるパリス・ヒルトンさんは、以前にテレビ番組でADHDであることを告白しています。

子どものころから投薬治療でADHDの症状をコントロールしているとのことです。

4．スティーブ・ジョブズさん

アップルの創業者であるスティーブ・ジョブズさんは、ADHDの噂がある有名人ですね。スティーブ・ジョブズさんは幼少期は全く落ち着きがなく、衝動性がある問題児だったそうです。

このようなエピソードを聞く限り、彼がADHDだった可能性は高いと思います。

5．ビル・ゲイツさん

マイクロソフト創業者のビル・ゲイツさんも、ADHDではないかという噂があります。会議中はせわしなく体を揺らしたり、動かしたりすることがあるようです。

ただ、ビル・ゲイツさんはこれ以外にADHDであるという情報はないので、「ADHDは天才が多いし、スティーブ・ジョブズがADHDならビルゲイツも何か発達障害を持っているはずだ」という思い込みから、ADHDという噂が出たのかもしれません。

6．ジム・キャリーさん

コメディ俳優として知られるジム・キャリーさんも、ADHDと言われています。ジム・キャリーさんの場合はADHDのほかに字を読めない失読症の学習障害、さらにうつ病にも悩まされていたとのことです。

映画で見るジム・キャリーさんとは全く違う私生活を送っていたのかもしれませんね。

7．ライアン・ゴズリングさん

「きみに読む物語」で一躍脚光を浴びたライアン・ゴズリングさんは、ADHDの噂がある芸能人です。子どものころは衝動性が強く、学校で問題児扱いされていたとのことです。大人になってからも、ビバリーヒルズにレストランを衝動買いして、ほぼ全財産使ってしまったというエピソードを持っていますね。

8．ウィル・アイ・アムさん

ラッパーでミュージシャンのウィル・アイ・アムは、ADHDであることを告白している芸能人です。彼は休むことなく働き続けているそうで、これはADHDの過活動の症状から来るものかもしれません。

また、次のようにも語っています。

音楽があるおかげで正気でいられる、音楽はわたしのセラピーだと公に語っている。

 

引用：注意欠陥・多動性障害。ADHD、ADDと共に生きる10人の海外セレブ (2015年7月4日) – エキサイトニュース(4/5)

9．アインシュタインさん

20世紀最高の物理学者であるアインシュタインさんんも、ADHDだったのではないかと言われている有名人ですね。

子どものころは言葉が出るのが遅かったり、癇癪を起こして椅子を家庭教師に投げつけたなどのエピソードがあるので、ADHDに加えて自閉症もあったのかもしれません。

10．トーマス・エジソンさん

発明家のトーマス・エジソンさんも、子どものころは落ち着きがなくて、問題児扱いされ、小学校を退学処分になったというエピソードの持ち主なので、ADHDだった可能性があります。

退学処分になった後は独学で学び続け、発明王と呼ばれるまでになったそうですよ。

11．モーツァルトさん

世界でもっとも有名な作曲家・音楽家であるモーツァルトも、ADHDだったのでは？と言われています。彼の行動の記録を見ると、落ち着きがなく衝動性が高いので、そのように言われているんです。

彼がADHDだったというのは、映画の「アマデウス」を見れば納得できるのではないでしょうか？

まとめ

ADHDの症状と原因、ADHDの噂がある日本の芸能人・有名人と海外の芸能人・有名人をまとめましたが、いかがでしたか？

ADHDは周囲の理解を得られないと息苦しさを感じることも多いと思います。ただ、天才肌の人が多いことは確かですので、得意分野を伸ばしていけるような環境を作ってあげることが大切なのかもしれませんね。