松来未祐のプロフィール

プロフィール

名前：松来未祐(まつきみゆ)

本名：松来美愛子(まつきみえこ)

生年月日：1977年9月14日

没年月日：2015年10月27日

出身：広島県呉市

身長：151cm

血液型：A型

経歴

声優の道に進むための上京を、両親から反対された松来未祐さん。

そのため、慶應義塾大学への進学を決め、大学に通う傍ら日本ナレーション研究所やアクセント附属養成所に通って声優としての勉強にも励みました。

1998年、本名「松来美愛子」でゲーム「御神楽少女探偵団」の檜垣千鶴役でデビュー。

しばらくは本名で活動していましたが、芸能人として画数がよくないとして松来未祐に改名。

2002年に「7人のナナ」で初のアニメレギュラーを獲得すると、2003年から2004年にかけては「Ｄ.Ｃ.～ダ・カーポ～」や「ダイバージェンス・イヴ」シリーズにもレギュラー出演。

さらに、「超変身コス∞プレイヤー」では主演に抜擢されました。

多数のアニメ出演に加えて、レギュラーを務めるラジオ番組も人気を集め「(有)櫻井工房」や「(有)チェリーベル」などは長期番組となりました。

また、「RADIOデコピンでないと」では、声優の金田朋子さんと声優ユニットを組んでCDリリースなどの活動も積極的に行いました。

自身の代表作の1つとして知られる「這いよれ！ニャル子さん」さんでは、「後ろから這い寄り隊G」というユニットに参加し、声優アワードも受賞しています。

2013年頃より、夜中に39度の高熱が出ては翌朝には下がるという体調不良を訴え始めた松来未祐さん。

1週間ほどでその症状もなくなったものの、2015年の正月には首のリンパ節の腫れや疲労感なども感じていたそう。

大きな病院で検査を繰り返したものの原因が分からないまま、7月2日に精密検査を控えた状態で、6月30日に咳による呼吸困難で救急搬送され、そのまま本格的な療養生活に入りました。

その後、病気療養のため出演を予定していたイベンなどはキャンセルし、自身のブログで病状と活動休止を公表した松来未祐さん。

9月4日に一旦退院したものの、18日は容態が悪化し、この時末期の悪性リンパ腫を患っていることが判明し、加えてくも膜下出血も併発。

このため、緊急手術を行い、亡くなる直前まで意識があったといいます。

2015年10月27日午後10時18分、入院先の東京都内の病院で38歳の若さで死去されました。

松来未祐の遺作5作品まとめ　

松来未祐さんが逝去した今、彼女が出演した作品は遺作となってしまいました。

今回はその中でも彼女の代表作と言える作品をいくつか紹介します。

①七人のナナ

2002年に漫画を原作としてアニメ化された「七人のナナ」で、松来未祐さんは小野寺瞳という役どころを演じました。

小野寺瞳は、主人公ナナの親友で、ナナが分裂してしまった事実を知っている数少ない人物の1人で、ナナのお姉さん的存在。

同作は、松来未祐さんにとって初めてアニメのレギュラー出演となった作品でした。

②超変身コス∞プレイヤー

2004年に放送されたアニメ「超変身コス∞プレイヤー」で松来未祐さんは主人公・星野古都役を務めました。

同作はコスプレ好きの女子高生である星野古都が、偶然邪神を復活させてしまい、その結果世界は魔物の徘徊する危機的状況に陥ります。

この状況を打破するため、彼女はコスモポリタンプレイヤーの1人であるミコレイヤーとなって仲間と協力して敵を倒していきます。

松来さんはこの作品が初主演となりました。

③蒼穹のファフナー

2004年から2015年まで長きに渡って放送された「蒼穹のファフナー」で、松来さんは羽佐間翔子役を演じました。

羽佐間翔子は主人公に恋心を抱く、気弱で病弱なキャラクター。

2015年7月に行われた同作の初回放送記念イベントを体調不良を理由に欠席し、同時にブログで病気について明かしたことでも話題となりました。

④さよなら絶望先生

2005年から2012年まで連載された漫画を原作にアニメ化された「さよなら絶望先生」で、松来さんは藤吉晴美という役を演じました。

藤吉晴美はかなり熱心なオタクでありにもかかわらず、運動神経が抜群というキャラクター。

長きに渡りシリーズ化された同作の第4期が待ち望まれる中で、病気療養を発表した松来未祐さんの復帰を誰もが望みましたが、残念ながらその願いは叶いませんでした。

⑤這いよれ！ニャル子さん

2009年から2014年まで連載された小説を基にアニメ化された「這いよれ！ニャル子さん」で、松来さんはクー子という役を演じました。

「クトゥグア」という神をモデルに描かれているクー子は、主人公ニャル子に恋心を抱いているというキャラクター。

同作で結成されたユニットに参加した松来未祐さんは第7回声優アワードも受賞し、彼女にとってもファンにとっても思い出深い作品となりました。

松来未祐の「結婚できないキャラ」が話題に

松来未祐さんは生前、自身が「結婚できない」と自虐的に語ることが多く、同じ女性声優の結婚！のニュースなどがあるたび、心中穏やかでない様子を頻繁にSNSでも明かしていました。

声優という職業は、俳優やアイドルとは違い、声を売りにしていますが、近年では人気の声優さんはアイドルと遜色ない人気を集め、結婚となると男女ともに悲鳴が上がることもあります。

特に女性声優の結婚という時には男性ファンが激昂するなんていうこともよくあるのですが、中には、「もう早く結婚して幸せになってほしい」と思われる人気声優もいます。

そんなうちの1人が松来未祐さんでした。

結婚したいのにできないというキャラが定着してしまったため、誰かが結婚するたびにネタのようにいじられる一方で、ファンは松来さんの結婚を心から願うようになりました。

人の結婚を聞くととにかくあからさまに乱れる様子は、悲壮感があるけれどただのネガティブでもなく、とにかく応援したくなるキャラクターでした。

誰もが松来さんの幸せを願っていた中、自身の病気を告白し、無期限の療養に入った松来さん。

そんな病床で、松来さんが最期に書いたブログには、一時退院を許された松来さんが友人から誕生日会を開いてもらった際のことが書かれていました。

引用

「一人ケーキ入刀。実は私のテーブルの上にはウエルカムボードなどもあったりして、気分は完全に結婚式。見事なソロウエディングです。私、この病気が治ったら、本気で婚活するんだ…！」

もはや友人も、結婚できない松来さんの自虐ネタを完全にいじっていると思われる演出をしていたことが分かりますが、病気が治ったら婚活に励むと意気込んでいました。

しかしこのブログが、松来未祐さんの最期のブログとなり、婚活を行うことさえできませんでした。

声優さんの結婚という記事を見るたびに、いまだにファンは松来未祐さんのことを思い出すと言います。

ここまでファンに幸せを願ってもらえる松来さんの人間性やキャラクターは、本当に素敵で魅力的ですね。

松来未祐の死因「慢性活動性EBウイルス感染症」とは？

先述したように、松来未祐さんは38歳という若さでこの世を去りました。

あまりの若すぎる松来さんの死はファンに衝撃と強い悲しみを与えました。一体、その死因はなんだったのでしょうか。

松来さんが1番初めに不調を訴え始めたのは2013年のことでした。

夜中に高熱を出しては翌朝には下がるというのが1週間続き、その後症状は自然と消えたそうです。

さらに、2015年には首のリンパ節の腫れと疲労感を感じ、複数の大きな病院で検査します。

しかし、これだけの不調が体に現れているにもかかわらず、検査ではその原因を突き止めることができなかったのです。

体調不良が続く中、松来さんは仕事が減ってしまうことを恐れ、入院を余儀なくされるまで事務所にも体調不良を隠して仕事を続けていました。

その後も検査を繰り返し、2015年6月頃に「EBウイルス感染症」の疑いが浮上し、7月2日に改めて精密検査が行われる予定でした。

しかし、その検査を待たずして6月30日に松来さんは急性肺炎のため緊急搬送され、そのまま本格的に療養を開始しました。

当時の療養中には、松来さんから病名について明かされることはありませんでした。

松来さんが亡くなり四十九日を終えた後、遺族から公表された病名は、「慢性活動性EBウイルス感染症」(CAEBV)で、難病指定すらされていないとても難しく珍しい病気だったそうです。

このCAEBVとい病気は医師の間でもあまり知られておらず、診断が難しいことや、根本的な治療をしなければ致死率は50%に及びます。

実際に松来さんも、初期症状が現れてから診断が下るまでに2年の月日を要しています。

また、最終的な死因は悪性リンパ腫だったと明かされました。

9月14日に一時退院したものの、9月18日病状が悪化し再入院となった際には、すでに悪性リンパ腫を罹患していたそうです。

最期は、亡くなる直前まで会話はできないものの家族の呼びかけに反応するなど、意識があった状態だったと言います。

松来未祐の追悼イベントとは？病気CAEBVのブースも話題に

人気声優のあまりに早すぎる死に、ファンも声優仲間も深い悲しみとショックに包まれました。

共演した多くの声優たちが自身のブログやSNSを通して、その死への悲しみを語り、追悼を表しました。

また2016年9月11日、松来未祐さんが亡くなって1年を迎えようという頃に、追悼イベント「サンキュー！未祐ちゃん」が行われました。

このイベントは松来さんを哀悼ならぬ「愛悼」しつつ、松来さんの患ったCAEBVという病気やそれに関連して骨髄移植などについても広く知ってもらいたいという思いから開催されました。

声優仲間やミュージシャンなど、松来さんと生前に交流のあった方々によるステージイベントが行われ、この日なんと1000人以上のファンが訪れたそうです。

会場には、松来さんの思い出の品の数々が展示され、松来さんが演じたキャラクターの衣装やフォトストーリーボードなどがファンの涙を誘いました。

隣の会場ではCAEBVを患い骨髄移植により回復した方の講演会が行われ、闘病生活のエピソード、ドナー登録や献血の大切さを訴えたのです。

松来未祐さんの早すぎる、そして悲しすぎるその死をなんとか後世に生かすためにも、その病気について広く知ってもらうのは、残された者達だけではなく松来さんの意志でもあるはずです。

松来未祐のお墓ネット設立

松来未祐さんを悼む多くのファンがお墓参りはできないものの、せめて松来さんを悼むことのできる場をと考えて、「お墓ネット」が設立されました。

サイトには「お線香をあげる」「お花をあげる」というリンクがあり、好きなお花を選んでクリックすると画面上に花がたむけられるようになっています。

多くの、様々な種類の花がたむけられていて、多くのファンがいつでもどんな時でも、松来未祐さんに想いを馳せたときにお参りができるようになっています。

この温かいファンの想いは必ず松来未祐さんに届いていることでしょう。

どうか松来未祐さんが安らかに眠ることができますように、そして、松来未祐さんの死が同じ苦しみを味わう誰かの生きる希望になりますようにお祈り申し上げます。

まとめ

人気声優として多くの作品に出演してきた松来未祐さんは、37歳という若さでこの世を去りました。

その死因はCAEBVと呼ばれるとても珍しい病気で、最期は悪性リンパ腫により亡くなられました。

あまりに若く、早すぎるその死をファンや声優仲間は大変悲しみ、そして現在もなお悼んでいます。

難病に苦しむ人の役に立ちたい、この病気をもっと知ってほしい、そんな松来さんの思いが届いて、1人でも多くの人生きる希望になることを願いたいですね。

松来未祐さんのご冥福をお祈り申し上げます。