イスラム過激派組織「イスラム国」に首を切断されて殺害されたとされる日本人ジャーナリスト・後藤健二さんの生き様に注目が集まっています。
今回は後藤健二さんの生い立ちや経歴をはじめ、嫁・城後倫子さんや子供。母・石堂順子の奇行、義理の父の逮捕、兄弟などの家族情報などについてをまとめました。
この記事の目次
後藤健二はイスラム国（ISIL）に殺害された日本人ジャーナリスト
後藤健二さんは、2014年から2015年にかけて発生して世界を震撼させた「イスラム国による日本人拘束および殺害事件」でイスラム過激派組織「イスラム国（ISIL、ISISとも）」に殺害されたとされる日本人ジャーナリストです。
後藤健二さんは、2014年8月に「イスラム国」に拘束された日本人・湯川遥菜さんを救出するため、単身シリアへ渡り「イスラム国」との交渉を試みました。
しかし、その交渉は失敗し湯川遥菜さんは殺害され、後藤健二さんも拘束され身代金要求や人質交換のための人質とされた末に、2015年1月30日頃に殺害されたとみられています。
後藤健二の生い立ちや経歴
続いては、後藤健二さんの生い立ちと経歴についてみていきます。
後藤健二のプロフィール
本名 ：城後健二（じょうごけんじ）
生年月日：1967年9月22日
出身地 ：宮城県仙台市
最終学歴：法政大学社会学部
後藤健二の生い立ちや学歴
後藤健二さんは、1967年9月22日、宮城県の仙台市で誕生しました。8歳年上の兄と、年の離れた姉をもつ末っ子でした。
父親は日立製作所の社員で転勤が多く、後藤健二さんは2歳の頃に名古屋に、5歳の頃に東京へと移住しています。この頃に、両親は離婚して母・石堂順子さんは家を出ていき、後藤健二さんは年の離れた2人の兄姉に育てられています。
後藤健二さんは、小学校から大学卒業までは東京で過ごしています。学歴は小学校は「世田谷区立砧小学校」、中学校は「世田谷区立砧中学校」、高校は「法政大学第二高等学校（2020年偏差値70）」を経て、「法政大学社会学部応用経済学科（現在の社会政策科学科）」へと進学されています。
なお、高校時代はアメリカンフットボール部に所属していたものの、腰を痛めて退部されたそうです。
また、法政大学社会学部在学中には、コロンビア大学への語学留学も経験され、1990年に湾岸戦争が勃発すると、サダムフセインが敵国としたイスラエルへと渡り、現地の大学生をインタビューしています。この経験が、後藤健二さんが後にジャーナリズムの世界へと進むきっかけの1つになったとも言われています。
後藤健二の大学卒業後の経歴
1992年に法政大学社会学部を卒業した後藤健二さんは、日立物流に就職したものの、わずか3ヶ月で退職。
その後は、ボディービルジムのインストラクターを経て、テレビ東京系のテレビ番組製作会社に転職して経験を積み、1996年に映像通信会社「インデペンデント・プレス」を設立し、本格的にジャーナリズムの世界へと飛び込みます。
設立当初は仕事はほとんどなく、日本国内での取材活動をメインにしながら、兄の経営する塾でアルバイトなどをしながら生活し、余裕があるときは語学力を活かして非常勤講師の仕事も請けていました。
そうした下積み時代を数年送ったのち、次第にアフリカや中東など、紛争地域や貧困やエイズに喘ぐ地域への取材も成功するようになり、2005年7月には、アフリカ・シエラレオネの子供兵を取材したノンフィクション「ダイヤモンドより平和がほしい」を出版。この作品が2006年の「第53回産経児童出版文化賞」でフジテレビ賞を受賞します。
以降も、2007年には「エイズの村に生まれて 命をつなぐ16歳の母・ナターシャ」、2008年には「ルワンダの祈り 内戦を生きのびた家族の物語」、2009年には「もしも学校に行けたら アフガニスタンの少女・マリアムの物語」をそれぞれ上梓し、アフリカや中東の紛争や貧困、エイズなど、悲惨な状況を生きる人々の立場に立ち、それを世界に伝える事に力を入れられていました。
また、2011年3月11に「東日本大震災」が発生した時には、すぐに自身の出生地でもある宮城県へと向かい、特に被害の大きかった石巻市や汽船沼市で日本ユニセフの記録員を務めています。
なお、一部週刊誌が後藤健二さんが過去に風俗店経営をしていたという報道をしていますが、こちらは同姓同名の後藤健二さんという方が、風俗店経営をされていた事から生じた完全なデマ情報です。
1997年に洗礼を受けキリスト教徒に
後藤健二さんは、1997年に「日本基督教団」の田園調布教会で、キリスト教の洗礼を受けてキリシタンになっています。
イエス・キリストの言葉に「99匹の羊を野原に残したとしても、迷える1匹の羊を探すべき」という有名なものがありますが、後藤健二さんが、外務省の制止を振り切ってまで湯川遥菜さんの救出へと向かったのは、このキリスト教の教えに従ったためではないか？と見る識者もいるようです。
後藤健二は湯川遥菜救出のため勇敢にも単身シリアへ
2014年8月、政府軍と反政府軍との争いに、イスラム国などの過激派組織が介入し三つ巴の泥沼の内戦が続く中東シリアで、日本で民間軍事会社「ピーエムシー株式会社」を経営する、当時42歳の男性・湯川遥菜さんがイスラム国に拘束されました。
この湯川遥菜さんと以前から知り合いだった後藤健二さんは、彼の救出のために単身シリアへと渡りました。
外務省は後藤健二さんの渡航計画を知り中止を求めましたが、後藤健二さんはその制止を振り切って救出へと向かったのです。
この行動の結果、後藤健二さんも「イスラム国」によって拘束され、日本政府は、湯川遥菜さんと後藤さん2人の身代金として2億ドル（当時のレートで約230億円）という莫大な金額を要求される事になりました。
この事態に、彼らの身の安全を心配する声が多数あがる一方で、「なぜ制止を振り切ってシリアへと向かったのか？」「日本国民全体に迷惑をかけるな」「金目当てや功名心で行ったのだろう」といった批判的意見も多く出る事になります。
これに対して、後藤健二さんの人柄をよく知る人々からは、「彼は日本政府も含め、日本人の誰1人として湯川遥菜さんを助けようと動いていないという状況を見て、誰もやらないのならば自分が行くしかない」という責任感からの行動であり、批判されているような浅はかな理由でシリアに渡ったのではないといった擁護の声も多数上がりました。
湯川遥菜のプロフィール
出生名 ：湯川正行
生年月日：1972年4月27日
出身地 ：千葉県千葉市
血液型 ：O型
後藤健二さんが救出に向かった湯川遥菜さんは、高校卒業後にミリタリーショップを開業したものの経営に失敗。その後、自殺未遂を経て、人生の起死回生を狙って、2014年1月に民間軍事会社「ピーエムシー株式会社」を立ち上げ、その仕事の関係で度々、イラクやシリアといった中東の紛争地域に足を踏み入れていました。
後藤健二と湯川遥菜の関係とは
後藤健二さんと湯川遥菜さんの出会いは、2014年4月から5月頃でした。
その時、湯川遥菜さんはシリアに初めての入国を果たしましたが、反政府勢力「自由シリア軍（シリア・アサド政権に反対し欧米諸国の支援を受けている勢力）」に疑われて拘束されてしまいます。
その時に、「自由シリア軍」に通訳を依頼されたのが、中東に詳しくアラビア語もあやつる後藤健二さんで、湯川遥菜さんの疑いを晴らして解放に導いた、湯川さんにとってはいわば恩人でした。
後藤健二は湯川遥菜のシリア渡航に反対していた
この時、後藤健二さんは湯川遥菜さんに、危険な行動を止めるようにと「口を酸っぱくして」たしなめたのだそうです。
しかし、湯川遥菜さんは、その忠告を無視し、さらには中東の紛争地域で実績のある後藤健二さんに積極的に接近し、自らの中東地域での活動の足がかりにしようとしていた節があり、2014年6月にはイラクに取材のため入国する後藤健二さんの助手として同行するなどしています。
そして、湯川遥菜さんは、2014年7月、再びシリアへの入国を計画します。この時、後藤健二さんは「危険過ぎるから止めろ」と懸命に止めたようですが、湯川遥菜さんは聞く耳を持たず、単身シリアへと入国してしまいます。
そして、湯川遥菜さんは、反政府組織「イスラム戦線」と行動を共にし、最前線をレポートしたいと作戦行動に同行した際に、イスラム系過激派組織「イスラム国」に拘束されてしまったのです。
なぜ、後藤健二は身の危険を冒して湯川遥菜の救出に向かったのか？
こうした経緯があり、責任感と正義感の強い後藤健二さんは、湯川遥菜さんが「イスラム国」に拘束された事にはシリアへの渡航を制止できなかった自分に責任があると考え自ら救出に向買ったのでは？と見られています。
また、アラビア語をあやつる後藤健二さんは、湯川遥菜さんの裁判を行うための通訳として呼ばれたのではないか？と見る専門家も多いようです。
後藤健二はイスラム国に頭部切断で殺害か？
後藤健二さんは、2014年10月24日、湯川遥菜さん救出のためにシリアへと入国します。
翌25日、後藤健二さんは「イスラム国」が自分達の首都と主張していたラッカへと向かいますが、そのまま消息を絶ち、帰国予定日だった29日になっても帰国しませんでした。
同年12月初旬ごろ、後藤健二さんの妻・城後倫子さんの携帯電話に、イスラム国から後藤健二さんの拘束を告げ、10億円から20億円もの身代金を要求するメールが届き、妻・城後倫子さんは外務省に相談。
後藤健二さん、湯川遥菜さん両名の解放を求める交渉が、反政府勢力や中東諸国が日本政府との間に立つ形で行われますが、いずれも失敗に終わりました。
「イスラム国」からの身代金要求動画がネットにアップされる
2015年1月20日、「イスラム国」の処刑人として知られるジハーディ・ジョンが「72時間以内に200億ドル（当時のレートで約230億円）」の支払いがなければ湯川遥菜さんと後藤健二さんを殺害すると伝える動画が、インターネット上に公開されます。
これに対し、日本政府は「テロ組織に屈しない」として、身代金の支払いを拒否する方針を固めて「イスラム国」との交渉を続けますが難航します。
湯川遥菜を殺害したとする動画が投稿される
2015年1月24日、後藤健二さんに首が切断された湯川遥菜さんが写った写真パネルを持たせた制止映像に、後藤健二さんの声と思われる音声で「湯川遥菜を殺害した」と伝えるメッセージを乗せた動画がインターネットに投稿されます。
また、この動画には2015年にヨルダンでの自爆テロ実行に失敗して逮捕され、死刑判決を受けて収監されていた女性・サジダ・リシャウィの解放を要求するメッセージも含まれていました。
当然、ヨルダン政府はこの要求を拒否。日本政府も変わらず身代金の支払いには応じないという方針を貫きました。
後藤健二を殺害したとする動画が投稿される
2015年2月1日午前5時3分頃、インターネット上に後藤健二さんを殺害したとする動画が投稿されました。
砂漠に後藤健二さんを跪かせ、その背後に立った黒覆面の男が後藤さんの喉元にナイフを当てる様子が映し出されたあと、倒れた後藤さんの身体の上に、切断された後藤さんの頭部が置かれる静止画像に画面が切り替わりました。
この映像を警察が分析した結果。信ぴょう性が高いとの見解が示され、後藤健二さんが殺害されたのはほぼ確定的となりました。
後藤健二が生前投稿していたツイートが話題に
中東やアフリカ諸国の紛争や貧困などに焦点を当て人道的報道に力を入れてきた後藤健二さんが残虐な方法で殺害された事は、世界中に衝撃を与えました。
この衝撃後、後藤健二さん2010年9月7日にTwitterに投稿していた以下のメッセージが拡散され、人々の心に深く響いています。
目を閉じて、じっと我慢。怒ったら、怒鳴ったら、終わり。それは祈りに近い。憎むは人の業にあらず、裁きは神の領域。－そう教えてくれたのはアラブの兄弟たちだった。
— 後藤健二 (@kenjigotoip) September 7, 2010
後藤健二の家族① 嫁・城後倫子との間に幼い子供が2人
ここからは、後藤健二さんの家族について見ていきます。
後藤健二さんの嫁は、当時、国際機関・経済協力開発機構（OECD）で、政策アナリストおよびエコノミストを務めていた城後倫子さんです。後藤健二さんと城後倫子さんの出会いは2012年頃で、互いに仕事で訪れていた海外で知り合ったようです。
週刊朝日の取材によれば、城後倫子さんは東大大学院卒業後に国際協力機構「JICA」に就職したエリート女性という事でした。年齢や顔写真（城後倫子さんとしてネットで拡散されている女性は別人）については不明です。
東大大学院で都市工学を学んだ妻は国際協力機構（JICA）に就職し、OECDに出向経験があるというエリート。結婚生活は順調で事務所の近くにある東京・赤坂の高級マンションに住み、友人らを招いて食事会をすることもあった。
後藤健二さんは、この城後倫子さんとの間に、2人の子供をもうけています。2人とも娘で、2015年2月の時点で、長女が2歳、次女は後藤健二さんがシリアへと向かう3週間前に生まれたばかりでした。
嫁の城後倫子さんは、2015年1月29日に、イスラム国に強要される形で、ヨルダン政府と日本政府に向けて、「夫を救ってください」と、英語での音声メッセージを発表されています。
この訴えも虚しく、後藤健二さんは2015年1月30日に、「イスラム国」によって殺害されたとする報道が流れます。
これを受け、後藤健二さんの嫁・城後倫子さんは、イギリスのフリージャーナリスト支援団体のウェブサイト上に英語でメッセージを発表されています。
「健二の死の知らせに、私の家族と私は打ちのめされています」と悲しみをあらわにする一方、「個人的に大きな喪失を感じていますが、イラクやソマリア、シリアといった紛争地域にいる人々の苦悩を伝えてきた夫を大変誇りに思っています」と語った。
なお、後藤健二さんは仕事では「後藤姓」を名乗っていましたが、結婚した際に城後家に婿に入っており、本名は「城後健二」でした。
後藤健二は結婚3回目だった。前嫁との間に子供も
実は、後藤健二さんは、この嫁・城後倫子さんとは自身3度目の結婚でした。
後藤健二さんの1人目の嫁は外資系メディアで翻訳の仕事をしていた女性で、後藤健二さんとの間に2015年の時点で中学生になる子供（娘）がいるようです。
2000年始め頃、後藤健二さんが紛争の続くイラクへ取材に行く事に、この嫁が反対したため離婚に至ったという事でした。
後藤健二さんの2人目の嫁については名前や職業、子供についてなど一切が不明です。
後藤健二の家族② 父は日立製作所社員、母は市民団体代表・石堂順子
出典：https://www.huffingtonpost.jp/
後藤健二さんの家族について、続いては両親を見ていきます。
後藤健二さんの父は、日立製作所に勤めており、母・石堂順子さんは、後藤健二さんが3歳の頃にこの父と離婚して家を出ています。
後藤健二さんの父の名前や年齢、顔写真などは明らかにされていません。後藤健二さんが拘束され殺害された際にもコメントは発表されていません。
後藤健二さんの母・石堂順子さんは、市民団体「ピースビーンズジャパン（通称マザーアース）」の代表を務める女性です。
後藤健二さんが3歳の頃に離婚して家を出ていますが、大学時代の後藤健二さんがコロンビア大に留学した際には、その留学費用の大半をこの母・石堂順子さんが負担し、後藤健二さんの誕生日に高価なビデオカメラをプレゼントし、後藤健二さんも石堂順子さんの誕生日に留学先から手紙を送るなど母子の関係は良好だったようです。
息子・後藤健二の解放を訴える会見が意味不明だと話題に
そんな後藤健二さんの母・石堂順子さんでしたが、後藤健二さんが「イスラム国」に拘束された際に開いた会見の様子があまりにも意味不明だと話題になりました。
後藤健二さんの解放を訴えるのを目的として開かれたこの会見で、母・石堂順子さんは「健二はイスラム国の敵ではない」「日本政府の皆さん健二の命を救ってください」と訴えたものの、後藤健二さんについて触れたのはほぼこの2点のみで、それ以外のほとんど全てを自身の掲げる「反原発」と「地球を大切にする事」のメッセージを発信する事に費やしました。
石堂順子さんは会見冒頭で、後藤健二さんの妻・城後倫子さんと初めて話し、孫が産まれたばかりである事もその時初めて知ったという事に触れると、突然原発と地球を大切にする事について話し始めました。
私はその時感じたのですが、この地球は大切にしなければいけない。たった一つ、私どものために神が作ってくださいましたものを、なぜその貴重なプレゼントを壊すのか、私にはわからないのです。原子力を使い、地球を汚し、何を求めようとするのか、私には全然わかりません。
さらに、石堂順子さんは突然話を戻し、後藤健二さんが幼い頃から優しい子供だった事に触れると、妻の城後倫子さんと昨日初めて話した事に話を戻し、なぜ産まれたばかりの子供がいるのに、危険な地域に行くのか理解できないとし「私は健二に憤りを感じました」と発言。
すると、またもや話は関係のない反原発の主張へと戻ります。
私は不思議でならないことがございます。それは自分たちの地球を自分たちの手で壊すということです。原子力、原子爆弾を開発して壊していく。そこで生活している弱者を悲しみに落とし穴に突っ込んでいく。私は今、込み上げてくる涙を隠しておりますが、すべてをダメにする、それをいっときの感情でどんぱちやるということ、それを阻止しなければいけないと思います。
ここまで、石堂順子さんの発言は、ほとんど後藤健二さんと「イスラム国」については触れられていません。ほぼ全てが自身の掲げる「反原発」についてです。
そして、息子・後藤健二さんの命の危険が脅かされている状況にあるときに、石堂順子さんは以下のように続けました。
もし私の命が原子力の良い方の活用になるのであれば、私の命を失うこともまったく厭いません。
どうやら石堂順子さんは、息子の後藤健二さんの命よりも、「原子力の良い方の活用（意味不明）」の方が大切だったようです。
さらに驚くべき事に、石堂順子さんは「イスラム国」が何かを理解していませんでした。
会見場にいた外国人記者が石堂順子さんの言動に違和感を覚えたためか「イスラム国は国家ではなく団体である事はご存知か？」と質問すると、石堂順子さんは以下のように回答しています。
そこまで存じ上げておりませんでした。失礼しました。そのお話を聞いて、もし日本で勉強したいという方がいらっしゃいましたら、私が全力で守り、私のうちでしっかり勉強していただけますことをお約束いたします。
石堂順子さんは、この状況において、息子・後藤健二さんを拘束している「イスラム国」について何一つ情報を入れていない状態で会見に臨み、「私のうちでしっかり勉強していただけますと約束いたします」というトンチンカンな回答をしました。
この石堂順子さんの会見には世界中が呆れ果て、日本国内ではバッシングが溢れかえりました。
息子を拘束され精神が錯乱していたのだと擁護する声も多少出ましたが、それにしてもこの内容はあまりにも酷すぎます。これでは、後藤健二さんが拘束された事を利用して自分の「反原発」の主張をしたかっただけと捉えられても致し方ありません。
これでは、後藤健二さんがあまりにも不憫すぎます。
さらに、この石堂順子さんは、2016年に、後藤健二さんの一周忌法要を有名なペット霊園に依頼した奇行でもニュースになっています。
「実を言うと、後藤さんの法要が行われた慈恵院は日本最大級のペット霊園なんです。元々、動物供養のお寺で、愛犬や愛猫と一緒に眠りたいという飼い主の要望が寄せられ、ご先祖供養も始めたとか。ペットのお墓は2000基、人間の檀家も100家ほどあるそうですが、後藤さんはペット好きかどうか知りませんし。順子さんの1年前の会見同様、違和感がありますね」
石堂順子の再婚相手・石堂行夫は出入国管理法違反幇助容疑で逮捕
また、これは余談ではありますが、後藤健二さんの母・石堂順子の再婚相手である石堂行夫という人物が、2016年2月に「出入国管理法違反幇助」の容疑で逮捕されています。
行夫は、自らが役員を務める会社でネパール人の男女を雇用していると偽り、彼らが在留資格を得るのを助けた疑いで逮捕されました。280万円以上の報酬を受け取っていたようです
そして、夫の逮捕についてコメントを求められた石堂順子は、ここでも驚きの回答をしているのです。
もし、ネパール人の男女に、小学校に通っている小さな子どもがいるとしますね。で、その子が親の在留資格の都合で国に帰らないといけなくなってしまった時、今のまま日本の学校に通いたい、って言ったらどうします？ 助けてあげるのが当然じゃないかしら
石堂行夫は法律に違反した上、280万円もの報酬を受け取ったと報じられています。完全なる営利目的の犯罪行為を、あたかも良い事をしたと言ってのける石堂順子さんは、やはり独特な感性をお持ちの方のようです。
後藤健二の家族③ 兄弟は年の離れた兄と姉が1人ずつ
後藤健二さんの家族としては、幼い頃に出て行った母親・石堂順子と、仕事の忙しかった父親に変わって、幼い頃の健二さんを親代わりに育てた2人の年の離れた兄弟がいます。
8歳年上の兄は、後藤純一さんという方で、後藤健二さんの殺害が報じられたあと、以下のコメントを発表されています。
「今まで日本政府や日本中、それに世界中で応援していただき、ありがとうという思いだ。兄としては、健二に無事に帰ってきて、皆さんに感謝を述べてもらいたいと思っていただけに非常に残念だ。健二のこれまでの仕事については誇りに思うが、兄としては今回のことは軽率な行動だったと思う」
海外メディアは、この後藤健二さんの兄・後藤純一さんのコメントを「立派で高潔で非常に日本人らしい」と賞賛しています。
また、この兄・後藤純一さんは、2016年に母親の石堂順子さんが、後藤健二さんの一周忌法要をペット霊園で行った奇行について意見を求められると以下のコメントを残されています。
「父と石堂順子が離婚して以来、彼女とはここ二十数年、絶縁状態です。後藤家とは関係ありません。健二はクリスチャンですよ。お寺で法要をするはずがない。こういうことに関しては、『もう好きにして』という感じ。行夫が逮捕されたことに関しても、やっぱりなという思い。驚きはありません」
やはり、母・石堂順子さんの振る舞いには呆れているようですね。
まとめ
2015年1月末、イスラム過激派組織「イスラム国」に殺害された日本人ジャーナリスト・後藤健二さんについてまとめてみました。
後藤健二さんは、2014年8月に「イスラム国」に拘束された湯川遥菜さんを救出するために、単身シリアへと渡航しますが失敗。自身も拘束され殺害される事になりました。
後藤健二さんは、アフリカや中東の紛争や貧困にあえぐ一般民衆に焦点を当て、それを世界に発信する事に生涯を捧げた高潔な人物であり、その死は世界中に悲しみを与えました。
一部からは、後藤健二さんの行動が日本国民全体に迷惑をかけたと批判する声も上がりましたが、その英雄的生き様はやはり賞賛されるべきでしょう。
後藤健二さんの命を賭してのメッセージは、世界中の多くの人々に伝わったのではないでしょうか。最後になりましたが後藤健二さんと湯川遥菜さんの冥福を祈りたいと思います。
